不眠を自覚している方は多く、人口の10~20%に上るとも報告されています。
一口に不眠症と言っても、そのタイプはいくつかに分ける事ができます。それぞれのタイプによって原因や改善策・治療法も異なることがあるため、自分の不眠症がどのタイプなのかを再確認する事は非常に重要です。
不眠症のタイプの一例を挙げると、「寝付けない」という入眠障害、「寝付けるが夜中に何度も目覚めてしまう」という中途覚醒、「眠ってはいるけども眠りが浅い」という熟眠障害などが挙げられます。
今日は不眠症の中の「入眠障害」に焦点を当て、その原因や治療法などを紹介させて頂きます。
1.入眠障害とは
まずは入眠障害とはどのようなタイプの不眠症なのかを詳しく見ていきましょう。
簡単に言えば、入眠障害とは「寝ようとしているのに寝付けない事」です。
眠る時間になりベッドに入って寝ようとするのだけど、なかなか眠りに入る事が出来ない・・・・。これが入眠障害です。
正確に言うと、このように「寝付けない」というだけで入眠障害になるわけではありません。寝付けなくても、それに対して本人が困っていなかったり、生活に大きな支障が生じていないのであれば入眠障害としては扱いません。また時々「寝付けない」という程度で大きな問題が生じていないのであればこれも入眠障害として扱う必要はないでしょう。
つまり入眠障害とは、
- 本来眠るべき時間に眠ろうとしてもなかなか寝付く事が出来ない状態が一定期間続いている
- それによって本人が困っている、あるいは生活に支障が生じている
という状態を指します。
ちなみに入眠障害以外の不眠のタイプには入眠障害以外にも、
- 中途覚醒:寝付く事は出来るが、夜中に何度も目が覚めてしまう
- 早朝覚醒:本来起床すべき適切な時間より大幅に早く目覚めてしまう
- 熟眠障害:一見眠れてはいるが、浅い眠りが続いている
などがあります。
不眠症は大きくは「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」に分ける事が多いのですが、それぞれ綺麗に分類できるものではありません。複数のタイプを合併している事も多々あります。
例えば、入眠障害もあるし中途覚醒もあるという不眠症の方もいれば、入眠障害・中途覚醒・熟眠障害・早朝覚醒の全てを認めるという不眠症の方もいます。
2.どこからが入眠障害になるのか
「なかなか寝付く事が出来ない」というのが入眠障害ですが、では具体的にどのくらいの時間寝付く事ができなければ入眠障害になるのでしょうか。
実はこれははっきりとした時間は決まっていません。
そのため、「〇時間以上寝付けなければ入眠障害」と機械的に考えるのではなく、その人が「なかなか寝付く事が出来ずに辛い」と感じるようであれば、それは入眠障害の基準を満たす事となります。
ちなみに日本睡眠学会によると、入眠障害は
夜間中々入眠出来ず寝つくのに普段より2時間以上かかる状態
と記載されています。
消灯したりベッドに入ったりといった、入眠の準備が整った時から、実際に寝付いた時までの時間を「睡眠潜時(SL:Sleep Latency)」と呼びます。一般的な健常者の睡眠潜時は30分以内だと言われています。
少なくとも睡眠潜時が2時間以上であれば入眠障害の可能性が高いと言えます。ただ、実際の臨床の印象としては睡眠潜時が1時間を超すと「寝付けなくて辛い」と訴える方が多く、2時間という基準はやや厳しすぎるのではとも感じます。
また入眠障害が生じる頻度としては、アメリカ精神医学会が発刊しているDSM-5、米国睡眠医学会が発汗しているICSD-3という診断基準いずれも
週に3回以上が3か月以上持続する状態
と定義しています。
DSM-5は精神疾患の診断に対して世界的に用いられている診断基準です。ICSD-3も睡眠障害の診断に対して世界的に広く用いられている診断基準です。
ここから考えると入眠障害とは、
・本人が寝付けないと苦しんでいる(目安として睡眠潜時1~2時間以上)
・この状態が週に3回以上、3か月以上続いている
・それによって本人が困っている、あるいは日常生活に支障が生じている
状態だという事が出来るでしょう。
3.入眠障害の原因
入眠障害はどのような原因によって生じるのでしょうか。
その原因は1つではありませんが、多くの方に共通する代表的な原因があります。
ここでは入眠障害が生じることの多い原因を紹介します。
Ⅰ.交感神経が活性化している
入眠障害の原因は1つではありませんが、多い原因として「心身の眠る準備が整っていないのに寝ようとしてしまっている」事が挙げられます。
私たちの身体は自律神経と呼ばれる神経があります。自律神経は私たちが意識しなくても身体を適切な状態に保つように自動的に働いてくれる神経で、心臓を動かしたり呼吸をしたり、腸を動かしたりといった様々なはたらきをしています。
そして自律神経には緊張・興奮させる神経である「交感神経」と、リラックス・鎮静させる神経である「副交感神経」の2つがあります。
日中は交感神経が活性化しており、これにより私たちは意欲や集中力を保つて活動ができます。反対に夜は副交感神経が活性化しており、これによりしっかりと眠ったり心身を休めたりする事が出来るのです。
正常であればこのように交感神経と副交感神経が適切にバランスを取り、覚醒⇔睡眠がスムーズに行われています。しかし何らかの原因で夜になっても交感神経が活性化したままだと、ベッドに入っても眠りに入る事ができなくなってしまいます。
では夜になっても交感神経が活性化したままという状態は、具体的にはどのような場合に生じてしまうのでしょうか。
1つは「ストレス」があります。ストレスを受けるとストレスに抵抗するため交感神経が活性化する事が知られています。適度なストレスは交感神経を適度に活性化させるため、日中の集中力を上げたり意欲を上げたりという良い作用が得られます。
しかしストレスが過剰であったり長期間持続的にストレスを受け続けていると、交感神経が活性化しすぎてしまい、次第に交感神経と副交感神経のバランスが崩れ始めます。すると夜になっても交感神経が活性化したままになってしまい入眠障害が生じるのです。
実際、ストレスはうつ病や不安障害、自律神経失調症などの原因にもなりますが、これらの疾患では高率で入眠障害が認められる事が知られています。
また、不規則な生活習慣も交感神経と副交感神経のバランスを崩します。寝る時間が日によって不規則であれば自律神経はバランスを保ちにくくなり、夜になっても交感神経が活性化したままになりやすくなります。
Ⅱ.考え事
特に
- 心配性の方
- うつ病などのこころの疾患の方
に多いのですが、夜ベッドで横になってから色々と考えてしまい、それで脳が活性化して眠れなくなってしまう事があります。
更に夜にする考え事の内容はネガティブなものが多くなるため(心配性の方や不安が強い方は特に夕方~夜にかけて不安が強くなる傾向があります)、不安・恐怖が増悪し、余計に脳が覚醒してしまいます。
横になると、色々な心配事が頭に浮かんでしまうという方は意外と多くいらっしゃいます。
Ⅱ.環境
睡眠の環境に問題があるとなかなか寝付く事ができません。
極端な例ですが、「騒音がひどい場所」「ひどい異臭がする場所」で寝ようとすれば、寝付きにくいというのはみなさん理解しやすいと思います。
睡眠に最適な環境としては、
- 室温は25~29℃前後
- 明るさは50ルクス以下、寝床でスマホやゲームなどをしないこと
- 音は40~50デジベル以下
- 湿度は50%前後
- 適度な保温・通気性のある寝衣を
という事が言われています。
寝室を厳密にこの値にする必要はありませんが、少なくとも大きな問題がある場合は改善した方が良いでしょう。
例えば、寝る前に携帯やスマートフォンを触ってしまっているのだとしたら、それはやめた方がいいでしょう。スマートフォンから発される光(ブルーライト)が脳を覚醒させてしまいます。
騒音がひどい場合は、寝室を静かな部屋に変えたり、防音カーテンを使うという手もあります。また耳栓を使うという方法もあるでしょう。
すべてを完璧にする必要はありませんが、改善できるところだけでも改善する工夫は大切です。
(詳しくは、快適な睡眠を得るために意識すべき5つの寝室環境をご覧ください)
Ⅳ.体温が下がっていない
スムーズな眠りに入るためには、寝る前に体温が自然と下がる必要があります。実際に正常な睡眠では、深い眠りについている時の体温は日中の活動時と比べると1℃ほど低くなっています。
寝る前に体温が速やかに下がると、私たちは眠気を感じます。よく雪山で遭難者が眠気に負けてしまうシーンが映画でありますが、あれも体温が急激に下がっているから生じている現象なのです。
では私たちの身体は、寝る前にどのように体温を下げているのでしょうか。これには2つの仕組みがあります。
1つ目が、手足の血管が拡張する事です。手足の血管が拡張すると、そこに多くの血液が集まるようになります。すると手足が熱くなり、これによって手足から熱が放散され、体温が下がりやすくなります。
眠り始めると手足が温かくなりますが、これは体温を下げるために熱を放散しているためなのです。
そして2つ目が、寝汗をかく事です。寝汗は深い睡眠に入る直前で特に多くなる事が知られています。これは寝汗によって一気に体温を下げることで、深い眠りに入りやすくする役割があるのです。
このようなはたらきによって私たちの身体は寝る前に体温を下げ、寝つきを良くしています。
という事は逆に言えば、寝る前に体温が下がらないと入眠しにくくなるという事です。
具体的には、
- 極端に熱いお風呂に長時間入浴してから寝ようとする
- 寝室の室温が熱過ぎる
- 寝る前に激しい運動をする
などがある場合、寝つきが悪くなることが考えられます。
Ⅴ.適度に疲労していない
睡眠の本来の目的というのは、「心身の疲労と取る」という事です。
睡眠は脳や身体を休め、また元気に活動できる状態に回復させる役割があるのです。
と言う事は、心身の疲労を取る必要がない状態に寝ようとしても眠る事はできません。
例えば、
- 一日中、何もせずに過ごしている
- 身体を十分に動かしていない
- 長時間(30分以上)の昼寝をしている
といった状態だと、寝る時に身体が十分に疲れておらず、寝付く事が難しくなります。
Ⅵ.不眠の副作用があるお薬や物質
お薬によって寝つきが悪くなる事もあります。
例えば、
- 抗うつ剤
- 気分安定薬
- 抗パーキンソン病薬
- 抗生物質
- ステロイド
- 降圧剤
- 脂質異常治療薬
- 鎮咳薬(咳止め)
- 気管支拡張薬(喘息などに使うお薬)
- 鎮痛剤
などといった多くのお薬で不眠の副作用が生じる可能性があります。
何らかのお薬を定期的に服用されている方で不眠がある方は、一度その処方医にお薬の副作用の可能性はないのかを聞いてみた方が良いでしょう。
またお薬ではありませんが、
- コーヒー、チョコレートなどに含まれるカフェイン
- タバコなどに含まれるニコチン
の摂取も覚醒レベルを上げてしまうため、特に眠る前の摂取はオススメできません。
4.入眠障害の治療法
最後に入眠障害に対する治療法を紹介します。
Ⅰ.アルコールで改善させるのは危険
寝つきが悪いことに対して、「お酒を飲んで眠る」という方法と取る方が結構いらっしゃいます。
これは決して行ってはいけません。アルコールで眠るくらいであれば睡眠薬を使ってください。その方が安全です。
ではお酒を飲んで眠るというのは何故ダメなのでしょうか。
アルコールは飲むと眠くなりますので、確かに入眠障害を改善させる作用があります。そのため入眠障害に対してだけを見れば有効でしょう。
しかしアルコールは睡眠の質を低下させ、中途覚醒・早朝覚醒を増やしてしまう事が知られています。また睡眠中にアルコールの作用が切れて離脱症状が生じるため、これも中途覚醒を生じさせる原因となります。
更にアルコールには耐性(だんだんと効きが悪くなってくる)があるため、アルコールで眠るという方法を取っていると、だんだんとアルコールの摂取量が増えていきます。アルコールには依存性もあるため、大量のアルコール摂取を続けていると次第にアルコールなしでは落ち着かなくなってしまい、「アルコール依存症」になってしまう危険もあります。
アルコール依存症になれば、アルコールを手放せず、それによって仕事や対人関係などの必要な活動もできなくなります。
アルコールは確かに入眠障害を改善させますが、総合的に見れば睡眠や健康への悪影響が大きい物質なのです。
Ⅱ.副交感神経を活性化させる
交感神経が興奮している状態だと、なかなか眠りに入る事が出来ず、寝つきが悪くなります。
そのため、寝る前は副交感神経を活性化させるような行動が効果的です。副交感神経はリラックスの神経であり、これが活性化するとスムーズに眠りに入りやすくなります。
ではどのような行動が副交感神経を活性化させるのでしょうか。
副交感神経は心身が「今はリラックスしても大丈夫なんだ」と判断した時に活性化され始めます。そのためそのような状況を作ればいいのです。
- ぬるめのお風呂にゆっくりと入る
- 落ち着く作用のあるアロマを炊く(「アロマで不眠を治す!睡眠の改善に効果的なアロマの使い方」参照)
- 寝る前にゆっくりとストレッチをする
- 寝る前に気持ちが落ち着く音楽を聴く
このような方法が有効です。
また筋弛緩法(リラクゼーション)という心身をリラックスさせる方法も有効です。
筋弛緩法は、筋肉を意識的に緩めることで身体をリラックスさせる方法です。
眠る前に身体の緊張をほぐしてリラックス状態を作ることで寝つきを改善させる効果が期待できます。
筋弛緩法、正確には「漸進的筋弛緩法(Progressive Muscle Relaxation)」という名称ですが、これは特別な器具も必要なく、10-20分ほどでかんたんに行えるリラックス法です。身体を動かして緊張を取る「運動」になるため、副作用などの心配もありません。
正確なやり方は、専門家の指導を一度受けるべきですが、簡単に説明すると、
- 8割ほどの力で5-10秒ほど力を入れて、
- その後スーッと力を抜き、10秒ほど脱力する
ということ顔、手、足・・・と全身の筋肉に対して順々に行っていく方法です。
力を入れたあとストンと力を抜くことが一番のポイントで、脱力を意識することで筋肉の緊張が取れやすくなります。これを行うと、全身の筋肉の緊張が取れ、自律神経が落ち着きます。
一気に力を抜く事で、緊張が取れた状態を意識的に作り、その状態を覚えることでリラックス状態を意識的に作れるようにしていきます。
Ⅲ.iCBT(睡眠への認知行動療法)
不眠に対する精神療法として、iCBTというものがあります。
睡眠への正しい知識を学び、睡眠へのあやまった考え方やとらわれを修正する事で睡眠を改善させる方法です。しっかりと専門家の指導の元でiCBTを行えば、お薬と同等の効果が得られる事も報告されています。
iCBTについては「薬を使わずに不眠症を改善する!不眠に効く4つの非薬物治療」で詳しく説明していますのでご覧ください。
特に「刺激制御法」と「睡眠制限法」は、睡眠薬を始める前にぜひ試して頂きたい治療法です。
【刺激制御法】
不眠が続くことで、脳が「寝室は眠れない場所」と意識づけている事があり、これを修正する方法。
・眠る時にだけ寝室を使う
・寝室で睡眠以外の行動はしない(寝室で本を読んだりしない)
・眠れなければ寝床から離れる
などを続け、脳に「寝室は眠る場所」という意識づけを促す。
【睡眠制限法(睡眠時間制限法)】
あえて寝床にいる時間を制限することで、「寝床は眠るところ」という意識づけを行う方法。
不眠症の方は「少しでも長く横になっていよう」長時間寝床にいる傾向があるが、例え眠れていないと感じていても時間が来たら起きるようにする。
これによって生活リズムを正し、また脳に「寝室は眠るところ」という正しい意識づけを促す。
Ⅳ.生活習慣の改善
寝つきが悪くなるような生活習慣があれば改善する必要があります。
前項の入眠障害の原因でお話したもので、自身に当てはまるものがあれば改善しましょう。
- 寝る前にカフェインやニコチンを摂取している
- 寝る前にスマホやゲームをしている
- 日中に十分身体を動かしていない
- 朝日を浴びていない
など、当てはまる方は意外と多いのではないでしょうか。これらを改善するだけでも寝つきやすくなります。
また朝日は体内時計を整えるはたらきがあり、朝日を浴びることによって朝にしっかり目覚めるだけでなく、夜に自然と眠くなります。眠気を促す物質としてメラトニンがありますが、メラトニンは朝日を浴びた約16時間後に分泌が増えることが分かっています。
Ⅴ.寝る前に体温を下げる
寝る前に速やかに体温が下がると入眠しやすくなります。そのため入眠障害の改善に、「得る前に体温を速やかに下げる」事は有効です。
ではどうすれば寝る前に体温が速やかに下がるでしょうか。
まずは体温が適切に下がりやすいような寝室環境にする事です。
- 通気性の良い寝衣
- 季節にあった適切な掛け布団・毛布
- 適切な寝室室温(25~29℃)前後
このような点に気を付けると良いでしょう。
また、寝る前の入浴も効果的です。入浴すると体温が上がり、その後急速に下がるために眠気を感じやすくなります。
ただしあまり熱い温度のお風呂に入ってしまうと体温が上がったままになってしまったり、交感神経が活性化してしまうため、これはしてはいけません。ぬるめの温度のお風呂のゆっくりと浸かるようにしましょう。
Ⅵ.寝室環境の適正化
寝室環境に問題がある場合は、その適正化を行いましょう。
先ほども説明した
- 室温は25~29℃前後
- 明るさは50ルクス以下、寝床でスマホやゲームなどをしないこと
- 音は40~50デジベル以下
- 湿度は50%前後
- 適度な保温・通気性のある寝衣を
を参考にして下さい。
Ⅶ.寝室で考え事をしない工夫を
ベッドで横になってから色々と考えてしまうと寝付けなくなります。
考え事は自分が意識しなくても自然と浮かんでしまう事もありますので、完全に制御する事は難しいのですが、なるべく考え事をしないような工夫をしておくことは大切です。
例えば、
- 考え事は寝る前に時間を決めて行う
- 眠気を感じてから横になるようにする
- 横になってから考え事が浮かんでも、考え続けないようにする
など、ちょっとした工夫をするだけでも寝つきの改善に効果があるでしょう。
Ⅷ、睡眠薬
上記の方法を行ってもなかなか入眠障害が改善しない場合は、睡眠薬を使うという方法もあります。
睡眠薬を怖がってしまう方は多いのですが、近年の睡眠薬には安全性が高いものも多く、特に危険なお薬だという事はありません。少なくともアルコールで眠るよりは確実に安全な治療法です。
睡眠薬にもいくつかの種類がありますが、入眠障害の治療に求められる睡眠薬は効果発現が早い睡眠薬です。
健常な人の睡眠潜時(寝付くまでの時間)は30分以内ですから、できれば30分以内、遅くても1時間以内には効果が発揮されないと、入眠障害の改善にはつながりません。
効果発現は早い睡眠薬としては、
などがあり、よく用いられます。
また近年では
といった耐性・依存性のない睡眠薬もあり、これらも入眠障害に効果があると考えられています。