ロゼレム錠(ラメルテオン)の効果・強さ【医師が教える睡眠薬の全て】

ロゼレムの効果・強さ

ロゼレム錠(一般名ラメルテオン)は2010年に発売された睡眠薬です。

ロゼレムの特徴は「自然な眠りを促してくれる」事で、今までのベンゾジアゼピン系睡眠薬とは全く異なる作用機序を持つ点です。

薬の力で強制的に眠らせるという機序ではなく、自然な眠りの機序を後押ししてくれるロゼレムはその安全性の高さが非常に評価されています。

ここではロゼレムの効果の強さや作用時間、他の睡眠薬との比較などを紹介していきます。

スポンサーリンク

1.ロゼレムはどんな睡眠薬なのか?

ロゼレムは睡眠薬なのですが、他の睡眠薬と作用機序がまったく異なるという特徴を持ちます。

ざっくりと説明すると、他の睡眠薬は薬の作用で強制的に眠らせるのに対して、ロゼレムは自然な眠りの機序に沿って、それを後押しする事で眠りを導くのです。

私たちは夜、どうして眠くなるのでしょうか。

夜になって辺りが暗くなると、私たちの脳は松果体という部位からメラトニンという物質を出すことが知られています。

そして、このメラトニンが脳の視交叉上核という部位にあるメラトニン受容体にくっつくと、私たちは眠さを感じるようになります。

また、朝に太陽が昇って明るくなると、脳の松果体はメラトニンの分泌を抑制させるようにはたらくことも分かっています。

メラトニンは眠りを導く物質で、暗くなると分泌され、明るくなると分泌されなくなる、という非常に生理的なうごきをするのです。

そして、ロゼレムという睡眠薬は、実はメラトニンなのです。正確にいうと「メラトニン受容体作動薬」というもので、メラトニンと同じような作用をします。メラトニン受容体とくっつき、メラトニンと同じように脳を眠りに導きます。

元々脳から自然とメラトニンが出ているのですが、その量を人工的に増やすことで、眠りを更に導きやすくするのです。

2.他の睡眠薬と比較したロゼレムの長所と短所

現在主に使われている睡眠薬はベンゾジアゼピン系睡眠薬ですが、これらは脳のGABA-A受容体を増強させるのが機序になります。

GABA-Aは脳のはたらきを抑制させる方向にはたらくため、抑制系受容体と呼ばれています。脳の抑制を増強するため、ベンゾジアゼピン系を飲むと眠くなります。これはアルコールで眠くなる機序に似ています。

確かに眠りを得られるのですが、強制的な眠りであるため、眠りの質はあまりよくありません。ベンゾジアゼピン系睡眠薬は睡眠深度(=眠りの深さ)は浅くなると言われています。アルコールを飲んで寝ると眠りが浅くなるのと同じですね。

また、長期使用すると耐性や依存性が生じるなどの問題もあります。

ロゼレムは、自然な眠りの機序に沿った睡眠薬ですので、睡眠深度を正常に保ったままの睡眠が得られます。

また、生理的な機序であるため耐性や依存性なども生じないと考えられています。

非常に安全性が高い、というのがロゼレムの長所です。

では短所はというと、効果が弱めで、即効性が低いことです。

生理的な機序ではたらく、というのは長所でもあるのですが、無理矢理眠らせるわけではないため、効果としてはどうしても弱めになってしまいます。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは作用機序が異なるため、強さを比較するのは難しいのですが、臨床的な体感としてはベンゾジアゼピン系よりは明らかに効果は弱いと考えていいと思います。

また、飲んだ当日からある程度の効果は得られるのですが、「一か月間くらいかけて少しずつ眠りを改善していく」というイメージで使うおくすりであるため、しっかり効くまである程度待たないといけません。

ロゼレムは非常に良いおくすりなのですが、「ゆっくり時間をかけて不眠を治す」おくすりであるため、じっくり腰を据えて不眠を治す余裕がある患者さんでないと、難しいところがあります。

スポンサーリンク

3.ロゼレムの作用時間

ロゼレムは、おくすりだけの力で眠らせるというものではなく、自然な眠りの機序を後押しするはたらきであるため、ベンゾジアゼピン系などと違い作用時間という概念はあまり意味がありません。

一応、最大濃度到達時間や半減期を紹介すると、ロゼレムは服薬してから1時間以内に血中濃度が最高値になり、半減期も約1時間前後です。

半減期というのは、その薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間の事です。

「おおよその薬の作用時間」の目安として使われていますが、ロゼレムの場合は、血中濃度が落ちたあとも、体内から自然と分泌されているメラトニンによって睡眠は維持されますので、必ずしも血中濃度が低くなったから眠りが浅くなるということにはなりません。

しかし、おくすりの後押しによるメラトニンの増強は1~2時間程度であるため、少なくとも起床時や日中に持ち越して、眠気やふらつきなどを生じることは少ないと考えられています。

4.ロゼレム使用の注意点

ロゼレムは、今までのベンゾジアゼピン系睡眠薬とは異なる睡眠薬ですので、使用にあたりいくつか注意点もありますので紹介します。

まず、これは非常に重要なことなのですが、抗うつ剤であるフルボキサミン(商品名ルボックス、デプロメール)と一緒に使う事は出来ません(その他の抗うつ剤であれば問題ありません)。

抗うつ剤と睡眠薬は併用されることが多いため、これは気を付けてください。併用すると、ロゼレムの血中濃度が著しく上昇してしまう事が報告されています。

もちろん主治医も分かっていることですので、まず併用されることはないとは思いますが、万が一併用処方されている場合はすぐに病院に連絡して、絶対に一緒には飲まないでください。

また、眠る時は必ず部屋を暗くしてください。というのもいくらロゼレムを飲んでも、部屋が明るいと体内からのメラトニンが分泌されないため、ロゼレムによる後押しも不十分になってしまい、眠くなりにくいからです。

(注:ページ上部の画像はイメージ画像であり、実際のロゼレム錠とは異なることをご了承下さい)

スポンサーリンク
こちらの記事も是非ご覧下さい