「いつかは楽になる日がきます」規則正しい生活でうつ病を克服したK様の体験談

この記事では、サイト来訪者様から頂いたこころの疾患の治療体験談を紹介しています。

闘病中は辛い時期がたくさんあります。「もう治らないのではないか」と諦めかけてしまう事もあるかもしれません。

そんな時は同じく辛い時期を乗り越えた方々のお話を聞いてみてください。実際に病気を克服した本人だから言える言葉は、治療中の方に大きな勇気を与えてくれます。

今回は、規則正しい生活を徹底する事で徐々にうつ病を克服しつつあるK様の体験談を紹介します。

スポンサーリンク

Ⅰ.発症・病院受診までの簡単な経過

私がうつを発症したのは、仕事を始めてから5年目のことです。

原因は会社の人間関係でした。

私は事なかれ主義で「皆さん仲良くしましょう」というお花畑の思考回路の持ち主だったのですがそれが通用するのは学生時代まででした。会社ではお花畑思考回路は通用せず、派閥争いに巻き込まれることになってしまったのです。

双方から聴こえてくる苦情や悪口、仕事に難癖をつけるなど色々なことがあり「もしかしたら私も裏で悪口を言われているのでは?」と疑心暗鬼になってしまいました。そうなってくると全員が信用できなくなり、自分の過去さえ否定するようになってきたのです。

皆仲良く、というのは他人にとったら迷惑だったのではないか?と考えるようになりました。

相談することの出来る存在の上司もいたのですが、彼も派閥争いに巻き込まれしんどそうでしたので、私のしょうもない相談なんかしても余計疲れるだけだろうな、と相談しませんでした。

そのうち夜中眠れなくなり「明日仕事がある」というだけで涙が出てくるようになったのです。

ある日「何でこんな苦しい思いまでして会社に向かっているんだろ」と通勤中に思い、泣けてしまいました。一時間経っても涙が止まらないので会社を休み近所にあるメンタルクリニックを受診することに決めたのです。

Ⅱ.行われた治療

最初は、ワイパックスという薬を処方されました。しかしうつになり立ての頃の自分の記憶はほとんど曖昧で、先生の顔もどんな話をしたかも覚えていません。診察室だけやたらと覚えています。

ワイパックスを処方されて一週間経ちましたが全然心身ともに良くならず再度病院へいきました。

私は「薬を飲んだら調子はすぐよくなる」と思っていたので、一週間経っても治らずしんどいことは薬が効いていないからだ!と思い込んでいました。

病院で「心の病気は薬を飲んだからってすぐよくなるものではないからもう少し様子をみてほしい」といわれました。

その間しんどいのが続くのか…と絶望してしまいました。まだ会社に通っている状況でしたので、効いてるか効いてないか分からない薬を飲みながら仕事をするのは正直体が疲れていました。

病院の先生と「原因が何か」についても話し合いましたが「一概に会社が原因とは言えない」と言われてしまい「お前に何が分かるんだよ!」と攻撃的な思考を持ってしまいました。

カウンセリングもあったのですが、ずっと自分をみてくれているわけではないし、三十分・一時間接しただけで分からないだろ、という思いが強く私には向いていませんでした。

スポンサーリンク

Ⅲ.治療に対する個人的な感想

先生はずっと「私」をみているわけではなく、数多い患者のうちの一人が「私」なのです。

ですので、自分の事をいくら説明しても全部理解してもらうのは不可能ですし、本当はもっとこういう気持ちもあるのに!という事が言葉足りなくて説明できなかったり、しんどくて説明できないけど「調子どう」と聞かれたら「しんどい」というのが面倒で「変わりないです」と答えてしまうことがよくありました。

もしかしたら先生はそこまで見越しているかも、と思っていたのですが、今となっては分かりません。

Ⅳ.治療に当たり自分で気を付けたこと

自分の思いを全て先生にぶつけても何も解決しませんし、しんどいのは自分なのです。ですので、自分がいかに楽に生活できるようにするか、と基準に考えました。

それと、基本的なことなのですが生活リズムを朝型にしそれを守ることです。何だかんだで一番効いたのはこれです。

あとはネットから離れることです。ネットの世界は色んな情報がありますがネガティブなものも多く、うつのときはそちらに引き込まれることがあります。もしネットを観るのであれば「これは全部フィクションなんだ」と思うようにすると幾分か楽になります。

Ⅴ.現在闘病中の方へメッセージ

いつかは、今より楽になります。

闘病しているとき「このまま死ぬかも」や「仕事どうなるんだろ」「他人にどう思われるか」など考えてしまうことがあります。

しかし、それでも生きていけます。頑張らなくていいですし、世界はあなたが思っているより優しいです。

もし優しくないのであれば、違う場所へ逃げることもできます。

関わる人間を変えると良いと思います。

全てにモヤがかかったような気持ちと視界だと思いますが、いつかはクリアになります。

今はゆっくり休んでください。

<せせらぎメンタルクリニックより>

K様は職場の人間関係が原因でうつ病を発症してしまいました。

K様に限らず、うつ病を発症するストレス因として「人間関係の問題」というのは非常に多い割合を占めます。

K様は、以前の「大学の環境」から現在の「職場の環境」という大きな変化のギャップに適応できず、うつ状態を発症したと考えられます。主治医からはうつ病と診断を受けたとの事ですが、このような経過を考えると背景には「適応障害」もある可能性があります。

【適応障害(Adjustment Disorder)】
ある環境に対して「適応」することが出来ないために、ストレスによって様々な症状(身体症状や精神症状)を来たしてしまう障害

うつ病にせよ適応障害にせよ、このような人間関係や環境に対するストレスが原因である場合、その治療をお薬だけで完結する事は困難です。なぜならばお薬は症状は抑えてくれますが、根本の原因である人間関係や環境の改善に対しては効果を示さないからです。

適応が難しい環境に遭遇した時、その解決法は2つあります。

  • 適応できるように自分を変える
  • その環境から離れ、環境を変える

前者が理想的な解決法ではありますが、中にはどうしてもその環境や価値観を受け入れられない事もあります。そのような場合は後者の解決法を選ぶ事は決して間違った方法ではありません。

適応できるように自分を変えるという方法は、

  • こころに余裕を持つようにする(ストレス解消法を学ぶ)
  • 様々な考えを受け入れ価値観を拡げる(カウンセリングなどの精神療法など)

などの方法があり、これは診察やカウンセリングなどを通して少しずつ改善をはかっていきます。

その環境から離れる、というのは言ってしまえば「その仕事をやめる」「転職する」という事になりますが、仕事を変えるという事は人生において大きな決断となるため、安易に決めず、本当にその解決法でいいのかは慎重に判断する必要があります。

K様の体験談を拝見して一つだけ残念に感じる事があります。それは主治医の先生との良好な信頼関係を築けなかった印象を受ける事です。自分の考え方を変えたり、価値観を拡げるという解決法は、治療者(主治医)との良好な信頼関係がなければ実践は難しいでしょう。実際、K様も途中から「主治医に相談してもあまり意味がないから」と考え、あまり深く相談しなくなっているように見受けられます。これは良い診療が出来ているとは言えません。

もし主治医先生がもう少しK様と良好な信頼関係を築けていたら、もしかしたらK様はもう少し早く楽になれたのかもしれません。主治医先生も一生懸命診療されていたのだとは思うのですが、どこかで「あなたは数多い患者のうちの一人」とK様に感じさせるような発言・態度があったのかもしれません。これは私たち治療者も反省すべき点だと感じます。

精神科・心療内科はある程度、医師と患者さんの「相性」があります。そのため、どうしても医師と合わないと感じる場合は、主治医を変える事も一つの方法です。

幸いであったのは、K様は自分の力で、解決策を見つけ出せた事です。

K様がここで挙げてくれた解決法は、いずれも基本的なことながら非常に重要な事ばかりです。

  • 朝型の生活リズムに(生活リズムを整える)
  • ネットをやめる
  • 最悪、逃げればいいんだと考える

生活リズムを安定化させる事の重要性は改めて説明するまでもありません。生活が不規則だと健常な人でも精神が不安定になる事から分かるように、規則正しい生活は精神安定の基本条件です。なるべく夜は寝て日中は起きておくというリズムを作ることは非常に大切です。

また「ネットをやめる」というのは現代においては非常に有効な治療法です。ネットを通じた人間関係で勇気をもらえることもありますが、その反対にネットの人間関係や誹謗中傷によって更にこころが傷つく事もあります。ネットは匿名性のある媒体であるため、他者への悪口・誹謗中傷が書かれやすいという面があります。こころが不安定な時にこのような情報をみる事はあまり良くありません。

ネットは自分のペースでいつでもやれてしまうため依存性も高く、生活リズムを乱す原因にもなります。

仕事は大切なものですが、命を失ってまでしがみつくものではありません。当たり前ですが命の方が何百倍も大切です。

いざとなれば仕事と命どちらを取るかと言えば、迷わず命なわけです。

当たり前のことですが、こころが不安定な時はこのような判断すらも出来なくなってしまう事があります。

「本当にダメそうだったら逃げちゃえばいいんだ」という考えは、実際に逃げてしまうかどうかではなく、最終的な逃げ道を自分に用意してあげる事で安心感を持たせるという意味で、非常に大切な考え方になります。

<あなたの治療体験談を教えてくれませんか?>

こころの疾患は私たち医療者が中心となって治療をしています。しかし私たち「医療者」以外にも、こころの病気で苦しんでいる方に大きな力を与えられる人がいます。

それは同じくこころの病気を患い、乗り越えてきた経験のある方です。

「苦しかった時は、このような事をして乗り切った」
「こんな苦しかったけど、いつか治ると信じてたから今がある」

実際にこころの病気と闘ってきた元・患者さんの言葉は、他の誰の言葉よりも説得力があり、他の誰の言葉よりも今苦しんでいる患者さんに勇気と希望を与えてくれます。

私はこのサイトを通してメンタルヘルス情報を配信していますが、医療者目線の情報だけでは不十分であることを強く感じています。実際にこころの病気を克服してきた元・患者さんの経験は、私がメンタルヘルス情報を配信する事以上に、患者さんの励みになるでしょう。

こころの病気を克服した方、あるいは克服中であるが最初よりは大分良くなったという方、このサイトを通じてあなたの治療体験談を教えて頂けませんか。

それはいま、苦しんでいる多くの方の大きな希望の光になるはずです。

お名前 (必須、仮名可)

メールアドレス (必須)

タイトル(闘病生活を端的に表したタイトルがあればお願いします)

本文(次の項目に沿って記載頂ければ幸いです)
Ⅰ.簡単なプロフィール(年齢や性別、職種など)
Ⅱ.発症・病院受診までの簡単な経経過
Ⅲ.行われた治療(お薬、カウンセリング、認知行動療法など)
Ⅳ.治療に対する個人的な感想
Ⅴ.治療に当たり自分で気を付けたこと
Ⅵ.現在闘病中の方へメッセージ


スポンサーリンク

こちらの記事も是非ご覧下さい