ジェイゾロフトで痩せるという噂は本当か?

ジェイゾロフト痩せるイメージ

「ジェイゾロフトは痩せ薬としても使われる」
「ジェイゾロフトを飲むと痩せる」

こんなウワサをどこからか聞き、「先生、本当なんですか??」と訪ねてくる患者さんがいます。

どこから出たウワサなのか分かりませんが、ネットなどで検索してみると、確かに「ジェイゾロフトは痩せる」という書き込みがあります。

実際、ジェイゾロフトを飲んで痩せるということがあるのでしょうか?ジェイゾロフトは「痩せ薬」として使えるのでしょうか?

このコラムではジェイゾロフトで本当に痩せるのかについてお話します。

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1.ジェイゾロフトで痩せるのは最初だけ

結論から言うと、ジェイゾロフトで痩せるという事はほとんどありません。

正確に言えば、飲み始めには痩せることはあります。しかしこれは最初の数週間に限った「一時的」な話です。長期的に見ればほとんどのケースでは体重は増える方向に向かいます。

ジェイゾロフトを飲み始めると、人によっては投与初期に「下痢」「吐き気」「食欲不振」などの副作用が生じることがあります。下痢を起こせば体重は落ちるし、 吐き気や食欲不振で食事の摂取量が減れば、当然体重は落ちて痩せます。

加えて、抗うつ剤の体重増加の副作用は投与初期には出てこないため、飲み始めてから数週間は、どちらかと言えば痩せる方向に向くのです。

でもこれは、ジェイゾロフトの効果で痩せているわけではなく、下痢や食欲低下の結果として栄養が排出されるために痩せているだけです。胃腸炎になって下痢と嘔吐が続けば体重が落ちていくのと一緒ですね。

そして、ジェイゾロフトの内服を始めてから数週間経つと、からだがお薬に慣れ始め、自然とこれらの副作用は消失してきます。

今度は抗うつ剤の効果が出始め、からだの代謝を落とし始めるため、体重増加の副作用が前景に立ってきます。

このように、長期的に見ればジェイゾロフトは体重を増やします。中にはほとんど太らずに現状維持という方もいますが、痩せ続ける、というケースはかなりまれだと考えていいでしょう。

2.なぜこのようなウワサが出回ったのか

「ジェイゾロフトは痩せるらしい」なぜ、このようなウワサが出回ったのでしょうか?

これはあくまでも私の推測なのですが、前述の通り投与初期には下痢や食欲不振から一時的に体重が落ちることがあります。

初めてジェイゾロフトというお薬を飲んでみたら、1週間で数キロ痩せた。これは患者さんはびっくりしますよね。日頃から「痩せたい」と思っている方であれば、「ジェイゾロフトってすごく痩せるよ!」と喜んで周りに教えるでしょう。

このような、投与初期の一時的な体重減少から、「ジェイゾロフトは痩せる」という誤解が生まれたのではないでしょうか。

もう一つ、「他の抗うつ剤と比べると体重増加の程度が弱い」ということも誤解を起こす理由かもしれません。

ジェイゾロフトは、他の抗うつ剤よりは太る程度が軽いため、他の抗うつ剤からジェイゾロフトに変薬すると、相対的に体重増加の副作用が軽減され、体重が減るという現象が起こります。

パキシルやルボックスからジェイゾロフトに変えたり、三環系抗うつ剤からジェイゾロフトに変えたり、このような変薬では、多くの場合で数キロの体重減少が起こり得ます。

これは副作用が軽くなったために起こったことですが、薬を変えて体重が落ちたら「ジェイゾロフトは体重を落としてくれるんだ!」と誤解してもおかしくありません。

このような理由から誤解が生まれたのではないかと思われます。

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3.痩せ薬としてジェイゾロフトを使うべからず

以上のことから、「ジェイゾロフトを飲めば痩せる」というのは誤解であることが分かります。

また、仮に痩せたとしてもそれは、下痢や食欲不振の副作用が原因です。これらの副作用で栄養が体内にうまく吸収されないために痩せるわけで、これは非常に不健康な痩せ方といっていいでしょう。

下痢や嘔吐が続けば、体の中の電解質のバランスが崩れますし、腸管を痛めつけます。食欲不振が続けば、栄養を十分に取れなくなり栄養失調になってしまうでしょう。

下痢や食欲不振の副作用がひどく、改善がみられない場合は、別の抗うつ剤に変えるべきなのです。

「痩せてるからこのままでいいや」と放置しておくと、身体を壊してしまいます。

しかし、体重増加の副作用が軽い、というのは事実です。他の抗うつ剤を内服していて、体重増加の副作用が強くて困っている場合は、ジェイゾロフトに切り替えることで改善は図れるかもしれません。

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