上手に休む力、「休息力」をつけよう

穏やかなこころを保つためには、気持ちに余裕がある事が大切です。ホッと一息つく時間の中で私たちは、自分を取り戻し、気持ちを安定させることができるのです。

穏やかなこころを持ちたいのであれば、上手に休む力、すなわち「休息力」をつける訓練をしましょう。

訓練といってもかんたんです。

ちょっとした法則にしたがって行動するだけで気持ちの余裕が感じられるように大きく変わります。

ぜひ、体験してみてください。

<人の集中力は1時間が限界!>

途切れることなく、何時間も頑張り続けることが出来る人はいません。

人間の集中力は30分ー1時間程度が限度だといわれており、
どんなに努力しても人間である以上、これ以上は高い集中力を保つことはできません。

「いやいや、俺は何時間も頑張って仕事をしているぞ」

そう反論される方もいるかもしれません。
しかし、残念ながらそれは頑張っている「つもり」になっているだけです。

集中力が必要な作業を休憩なく続けると、
そのパフォーマンスはどんどん低下する事が分かっています。

一時的に発揮できるベストな集中力を100とすれば、
1時間以上、慢性的に作業をしている際の集中力は20以下に落ちるといわれています。

ピーク時の1/5のパフォーマンスで仕事を続けていると
効率が悪いため、どんどん疲弊してしまいます。

さらに、思うように作業が進まないことで
イライラしたり、自分を責めたり、精神的にも不安定になるでしょう。

長時間、頑張り続けるということは、
パフォーマンスを下げ、疲労がたまる上に精神衛生上もオススメできない行為なのです。

<集中力を保てるサイクルで活動しよう>

では、どうすればいいのでしょうか?

ポイントは「上手に休憩を入れること」です。

人間の集中力の限界は変えることができないのだから、
その限界が来る前に休憩して、脳をリセットしてあげましょう。

具体的には、

25分活動して5分休む
50分活動して10分休む

サイクルがオススメです。

このどちらがいいかは個人差がありますので、
まずはどちらも試してみて、自分にとってよりストレスの少ないサイクルを選んでください。

これらのサイクルを繰り返すことで
脳が長期間高機能を維持することができるようになります。

<休憩中のすごし方>

「休む」といっても、具体的に休憩中は何をしたらいいのでしょうか?

うつ病の治療法なんかでも、必ず「安静」「休養」と書かれていますが、
具体的にどうすれば休養に当たるのか、その明確な定義は書かれていません。

休憩の目的はこころと身体を休めることです。

なので、「何もせず、何も考えないこと」が最高の休憩法になります。

これは、瞑想や座禅に近いものかもしれません。

楽な体勢で、目を閉じて何も考えずにゆっくりとすごしましょう。

ただ、横になってしまうとそのまま睡眠に入ってしまう危険があるので、
あまりオススメしません。

休憩中に、「ついつい何かを考えてしまう」方もいると思います。

・気付けばついつい仕事の事を考えていたり、

・昨日あったイヤな出来事を思い出してしまったり・・・。

これではこころの休憩になりませんね。

考えないようにすることが理想ですが、どうしても考えてしまうのであれば、
何かリラックスできる行動をしてもいいでしょう。

・散歩にいったり、

・好きな飲み物を飲んだり。

何かをしていると、そのことに意識が集中するので、
頭で色々と考えてしまうことを回避する事ができます。

ただし、「ゲームをする」「マンガを読む」などの行動になると
今度は頭を使ってしまい、休憩にならなくなってしまいますので、
あくまでも「こころも身体もリラックスできる行動」にとどめてくださいね。

<まとめ>

・こころを穏やかにするためには上手に休憩を取る力(=休息力)も大切

・人間の集中力は30-60分が限界で、これは努力しても鍛えられない

30-60分に1回、休憩を入れることで、気持ちの余裕を保つことができる

・休憩中は何も考えず、何もしないことが理想