精神科・心療内科を受診した時の料金はどのくらいかかるのか?

精神科・心療内科と料金

こころの不調があって病院受診を考えた時、「お金はどのくらいかかるのだろうか?」というのは意外と気になるところではないでしょうか。

しかし「受診したいんですけど、いくらかかるんですか?」というのはなかなか聞きずらいものですし、「患者さんによってそれぞれ違います」と言われてしまうと、それ以上はなかなか聞けないものです。

診察の他に検査を受けたり、お薬を処方されたりする可能性もあるわけですから、それを考えると多くのお金がかかってしまいそうな印象もあります。

しかし病院受診はそこまで多額のお金が必要なものではありませんので安心して下さい。

今日は精神科・心療内科を受診する時、料金はおおよそいくらくらいかかるのか、という事をお話してみたいと思います。

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1.精神科・心療内科を受診したら料金はいくらかかるの?

初めて心療内科を受診するにあたって、どうしても気になるのが「料金」ではないでしょうか。どれほど良い病院であっても、法外な金額になってしまうのであれば、通い続けるのは難しいですよね。

特に、「精神科・心療内科を初めて受診する」という方は、周りに聞くわけにもなかなかいきませんし、お金がいくらかかるのは不安になってしまうかもしれません。

料金は、診察時間や検査、処方される薬によって多少変わるため、一概に「〇〇円です」と断言することは出来ません。しかしおおよその額はみなさんだいたい同じです。

  • 初診(初めての受診)では、だいたい3,000~6,000円程度
  • 再診(二度目以降の受診)では、だいたい2,000~3,000円程度

と考えておけば間違いはないでしょう。

なおこの金額は、病院で払うお金と薬局で払うお金を合計した額の事で、

  • 診察代
  • 検査代
  • 処方代
  • お薬代や調剤料

など、1回の受診にかかるお金の総額を指しています。

2.精神科・心療内科でかかるお金の詳細

では病院を受診すると、具体的にどのようなお金が発生するのでしょうか。

1つずつ詳しく見てみましょう。

医療では料金の算定に保険点数をいうものを使います。保険点数は1点が10円になります。実際は保険点数の合計の全てを患者さんが払うわけではなく、日本は原則3割負担ですので、合計額の3割が患者さんが払う金額になります。

なお、ここで示している保険点数はあくまでも典型的なものになります。実際は「〇〇加算」などの規定が細かく設定されており、診察の内容や処方されるお薬の種類によっては多少上下する可能性がありますが、ここでそこまで細かく説明するとかえって混乱してしまうと思いますので、あくまでも「概算」という形で説明させて頂きます。

Ⅰ.診察料

診察料というのは、医師が患者さんを診察する事によって発生する料金です。

精神科・心療内科の場合、診察料は大きく2つに分けられます。

1つ目は、一般的な診察料です。これは、

  • 初診:282点
  • 再診:72点(200床以上の病院だと73点)

となっています。診察料は科を問わず、「医師の診察を受けた」際に発生する料金で、内科でも整形外科でも精神科でもかかる料金です。

更に精神科・心療内科では、通院精神療法という料金が加わります。これは精神科的な診察を行った際に算定されるもので、

  • 初診:600点
  • 再診:30以上は400点、30分未満は330点

となっています。

まとめると、精神科・心療内科における診察料は、

  • 初診が882点
  • 再診が402点(200床以下の病院で、2回目の再診時は30分以下だった場合)

となる事が多いと思われます。

Ⅱ.検査料

精神科・心療内科では検査を行うことがあります。行われる可能性のある検査をいくつか紹介します。

【心電図検査】

例えば初診時に心電図検査を行うところもあります。精神科・心療内科でなぜ心電図検査が必要なのかというと、心臓にご病気のある方は使えないお薬があるからです。またお薬の副作用で不整脈が出ることもあるため、治療中も定期的に心電図検査を行うこともあります(詳しくは「精神科で心電図検査をするのは何故?」をご覧ください)。

主に12誘導心電図が行われますが、この点数は、

  • 12誘導心電図:130点

となっています。

【血液検査・尿検査】

血液検査・尿検査を行うこともあります。これらの検査をする理由は身体の異常で精神症状が出ているのではないかの確認です。例えば甲状腺ホルモンの異常によって気分が落ち込んでしまい一見うつ病に見えてしまう事がありますので、このような身体の異常がないかを確認します。また肝臓や腎臓の数値に異常がないかを見ることで、お薬を問題なく使える方なのかの確認という意味もあります。

血液検査・尿検査も取る項目によって料金が異なってきますが、精神科・心療内科で見るもので考えると、血算(赤血球、白血球など)・生化学(肝臓や腎臓の数値や電解質、タンパク質など)、血糖(Hba1c)や甲状腺機能などがあります。

この項目を取るお金に加え、「判断料」という医師が検査結果を判断するに当たって発生する料金や、医師・看護師が血液を採取する時にかかる手技の料金もあります。

これらを総額すると、おおよそ

  • 血液検査:450点前後

くらいになることが多いと思われます。

【心理検査】

精神科・心療内科では心理検査を行うこともあります。患者さんが自分で紙にチェックしていくチェックシート形式のようなもので、これにより精神状態を点数で判断します。

例えば、うつ病の重症度を補助的に判定する心理検査として「CES-D」があります。また、不安の重症度を補助的に判定する心理検査として「STAI」というものがあります。

これらは、

  • CES-D:80点
  • STAI:80点

となっています。

どの検査を用いるかによっても診療報酬は変わってきますが、患者さんが自分でチェックできるような簡易なものだとだいたい同じくらいの料金になります。

Ⅲ.処方料

医師がお薬を処方するという行為にかかる「処方料」があります。これは処方するお薬の数によって異なり、

  • 基本的には42点
  • 多剤処方を行っていると20点または29点

となっています。最近は多剤処方が問題となっていますので、診療報酬的にはたくさんのお薬を処方すると、病院の売り上げが下がるようになっているのです。

多剤処方とは、具体的には,

・3種類以上の抗不安薬
・3種類以上の睡眠薬
・4種類以上の抗うつ薬
・4種類以上の抗精神病薬

のいずれかに該当する場合で、この場合は20点に下がります(ただし一時的に服薬する頓服は除きます)。また計7種類以上のお薬を投与している場合も、29点に下がります。

Ⅳ.お薬代

あとは、実際のお薬の値段があります。お薬の料金は、処方されるお薬によって異なりますので、一概に言えません。

代表的なものを紹介すると、

【抗うつ剤】
レクサプロ10mg 212.0円
サインバルタ20mg 168.7円
リフレックス15mg 171.2円

【抗不安薬】
ワイパックス0.5mg 6.1円
ソラナックス0.4mg 9.5円
デパス0.5mg 9.0円

【睡眠薬】
マイスリー5mg 49.6円
レンドルミン0.25mg 27.5円

などです。しかしこれらはほんの一例になります。基本的に新薬ほど高くなり、古いお薬ほど安くなります。

また薬局にて、「調剤料」「薬剤料」「処方箋料」がかかりますが、これはお薬の薬価、処方日数などによって計算が複雑であるため、ここで細かい計算は割愛させて頂きます。

以上が精神科・心療内科受診時にかかる料金になります。

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3.精神科・心療内科初診時にかかる金額を計算してみよう

以上、説明してきた金額で、初診の料金を計算してみましょう。

うつ病のような症状が出たため精神科を初診し、精神科医の診察を受け、心電図・血液検査と心理検査1つを行い、うつ病と診断されて抗うつ剤を1剤と睡眠薬を1剤処方されたと仮定しましょう。サインバルタ20mgとレンドルミン0.25mgが14日分処方されました。

診察は、282点(初診料)+600点(初診の通院精神療法)=882点、
検査は、130点(心電図)+450点(血液検査)+80点(心理検査)=660点、
処方は、42点(処方料)です。

合計で1584点です。金額的には15,840円という事です。

お薬代は、168.7円×14日(サインバルタ20mg×14日)+27.5円×14日(レンドルミン0.25mg×14日)です。2361.8円と385円で計2746円です。

以上を合計すると18,586円になり、これの3割負担となると約5575.8円となります。これに更に薬局での「調剤料」「薬剤料」「処方箋料」が加わりますのでもう少し上がります。

ここまでしっかりと検査をし、お薬も処方するとなると約6000円となります。

病院によっては最初から検査を全てやらない事もあるため、その場合はもう少し下がります。またこの試算ではちょっと高めのサインバルタを使っていますが、最近は新規抗うつ剤のジェネリック医薬品も発売されているため、更に料金を下げることも可能です。

4.精神科・心療内科再診時にかかる金額を計算してみよう

次に、説明してきた金額で、再診の料金を計算してみましょう。

先ほどの例に出した方がその後、14日後に再診し、サインバルタが40mgに増量となり、レンドルミン0.25mgは引き続き処方されたと仮定しましょう。

診察は、72点(再診料)+330点(初診の通院精神療法)=402点、
検査は、毎回行うものではありませんので、今回はなしと考えます。
処方料は、42点(処方料)です。

合計で444点です。金額的には4440円という事になります。

お薬代は、168.7円×2×14日(サインバルタ20mg×2×14日)+27.5円×14日(レンドルミン0.25mg×14日)です。4723.6円と385円で計5108.6円です。

以上を合計すると9548.6円になり、これの3割負担となると約2864.58円となります。

同じようにこれに薬局でのお金が加算されると、再診でかかるお金は約3000円となります。

この試算ではちょっと高めのサインバルタを使っているため、お薬代がかなり高くなっています。最近は新規抗うつ剤のジェネリック医薬品も発売されているため、更に料金を下げることも可能です。

5.自立支援医療と使えば低料金で受診できます

このように見てみると、医療費というのは決して馬鹿にならない金額だという事が分かります。日本の医療保険制度はしっかりしており、誰もは医療を受けれる環境にあるとは言われていますが、そうは言っても安い金額ではありません。

しかしこの医療費を下げる方法があります。

患者様全員に適応になるわけではありませんが、精神科・心療内科においては「自立支援医療」という制度があります。これを使えば通常3割負担である保険診療が1割負担まで下がります。

対象は「精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者」とされており、ざっくりいうと、「精神科に長く通院する必要がある患者さんの負担を軽減しよう」というものです。

  • 統合失調症
  • 気分障害(うつ病、躁うつ病)
  • 精神遅滞

の方などが対象になり、症状が重い方であればパニック障害など、その他の疾患でも適応になる可能性があります。ただし所得が十分に高い方は、通らない事もあります。

この制度が作られた背景には「お金がない事が原因で治療を受けられない人を減らそう」という国の想いがあると思います。

ですので、もし金銭面が理由で受診ができない方がいましたら、ぜひ病院や医師に聞いてみてください。

6.時間外や夜間、休日は高くなります

意外と知られていない事なのですが、時間外の診察、早朝・夜間の診察、休日の診察は料金が割り増しになることがあります。

びっくりするほど高額になるというわけではありませんが、よく算定されるのが「夜間早朝等加算(50点)」で、届け出をしている医療機関が、

・平日の18:00~20:00
・土曜の12:00~20:00
・休日、深夜

に診察をした場合、50点が上乗せされます。

また、あまりないことですが、本来病院が閉まっている時間に診察を受けると、時間外加算や休日加算が取られることがあります。

7.不安なら問い合わせてみよう

精神科・心療内科を受診するに当たってのおおまかな料金をお話しました。

これよりも詳しく知りたい場合は、直接該当の病院に問い合わせてみるのが良いでしょう。

患者様によって行う検査や処方するお薬が違うため、はっきりとは答えられないと言われるかもしれませんが、病院によって最初に行う検査がある程度決まっている場合もあり、その場合はより詳しく料金を把握しやすいと思われます。

また「目安でいいのでどれくらいか教えてください」と聞いたときの、対応も1つの参考になるでしょう。

冷たく対応されるのであれば、その程度の対応しかしてくれない病院です。初診で1万2万など、法外な値段を取られる事はほとんどないわけですから、ありえないような料金を万が一にも言われれば、適当な対応しかしてくれないところだと気付くかもしれません。

また質問に対してあまりにも不明瞭な点が多すぎる返答であれば、その病院への受診は再検討した方がいいかもしれません。

電話で問い合わせると、スタッフの対応もわかります。スタッフの対応がすべてではありませんが、病院の雰囲気の一部がわかります。病院選びの一助にもなります。

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