「フルボキサミン」「フルボキサミンマレイン酸塩」とは

フルボキサミンジェネリック

「フルボキサミン」「フルボキサミンマレイン酸塩」といった用語を最近目にするようになりました。

処方箋に「フルボキサミンマレイン酸塩」と書いてあり、「なにこれ?」と疑問を感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。

実はこれ、「ルボックス」「デプロメール」という抗うつ剤の「一般名」になんです。

 一般名とは何でしょうか。また、なぜ処方箋に一般名が書かれるようになったのでしょうか。

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1.フルボキサミンの効果・副作用

まず、抗うつ剤「フルボキサミン」の薬効や副作用について知りたくてこのページに来た方は、
下記「デプロメール」の記事をご覧ください。

フルボキサミンはデプロメール/ルボックスと同じ成分ですから、
効果効能や副作用も、デプロメールやルボックスと全く同じです。

▽ デプロメールについて

2.「フルボキサミン」「フルボキサミンマレイン酸塩」って何?

これらの用語は私たち医療者には以前からなじみのある言葉でしたが、
一般の方には何やら聞き慣れない言葉だと思います。

前述したように、これは抗うつ剤「ルボックス」「デプロメール」の一般名です。

全ての医薬品には、それぞれ「一般名」と「商品名」があります。

一般名というのは、国際的に決められたお薬の名前で、全世界で共通の名称です。
海外でも「フルボキサミン(Fluvoxamine)」と言えば、精神科の医療者には通じます。

対して商品名というのは、医薬品を販売している会社が独自につけた名前です。
「デプロメール」はMeiji Seikaファルマ社がつけたフルボキサミンの名称、
「ルボックス」はアッヴィ社がつけたフルボキサミンの名称です。

「フルボキサミンマレイン酸塩」が正式な薬剤名ですが、長いので一般的には
「フルボキサミン」と呼びます。 

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2.一般名がよく使われるようになったのはなぜ?

なぜ、このような「一般名」を目にする機会が多くなってきたのでしょうか。
その理由は2つあります。

一つは「ジェネリック医薬品」が理由です。

デプロメール/ルボックスは日本では1999年に発売が開始されました。
我が国では発売後10年経つとジェネリック医薬品を作ることができるため、
2009年以降、多くの会社がデプロメール/ルボックスのジェネリックの販売を開始しました。

現在、10社以上からジェネリック薬が出ています。

それぞれの会社が、デプロメール/ルボックスのジェネリックに好き勝手な商品名をつけてしまうと、
どうなるでしょうか?薬の名前が何十倍にも増え、現場は大混乱です。

実際、少し前にそういった状況になり、我々医療者は非常に困りました。
毎日毎日新しい名前のジェネリックが発売されるのですから、もう覚えきれません。

そのため、最近ではジェネリックには「(一般名)+(会社名)」という名前をつける事が通例となっています。

たとえば、

  • フルボキサミンマレイン酸塩「日医工」
  • フルボキサミンマレイン酸塩「ファイザー」

などですね。

こうすれば、何の薬のジェネリックなのか、どの会社が出しているジェネリックなのかがよく分かります。
この通例が浸透してきたおかげで、私たちは非常に助かってます。

こういった経緯で、一般名をジェネリック薬の名前に使うようになったため、
一般名の名前を目にする機会が増えたのです。

二つ目の理由は、国の方針です。
国は「一般名処方」を推奨しており、平成24年4月以降は一般名で処方箋を書くと
「一般名処方加算」と言って処方箋一つにつき2点(20円)加算できるようになりました。

なぜこんな事をしたかというと、一般名処方が増えると、

  • ジェネリック医薬品の処方が増える(=医療費削減につながる)
  • 患者さんが薬を選ぶ自由が増える
  • 病院と製薬会社の癒着が少なくなる

ことが期待できるからです。

現在、国の医療費は年間40兆円に近づいており、これは完全に破綻が目に見えてます。
そのため、医療費の削減は国の急務です。

ジェネリックは成分は正規品と同じで薬価が6ー7割に下がるため、
医療の質を下げずに医療費削減をするのに最適であり、現在は国をあげてジェネリックを推奨しています。

一般名で処方箋を書くと、正規品にするかジェネリックにするのかを、患者さんが自由に選べるため、
ジェネリックの処方が増える事が予想され、これが医療費の削減につながるのです。

また医療費削減だけでなく、患者さんが自由に薬を選べるというのも利点です。

例えば、医師が処方箋に商品名「デプロメール」と書いてしまうと、
それはもう「デプロメール」でないといけません。

たとえ同じ成分であったとしてもルボックスにしてはいけないし、
デプロメールのジェネリックにしてもいけないのです。

しかし、一般名「フルボキサミンマレイン酸塩」と書けば、
ルボックスでもいいしデプロメールでもいいし、ジェネリックでもいいのです。

医師が「この製薬会社の薬を使いなさい」と指定できず、成分が医師が指定したものであれば
どの製薬会社の薬でもいいため、患者さんが選びやすくなるし、これは製薬会社と医療機関の
癒着の防止にもなります。

3.フルボキサミンの薬価比較

フルボキサミンは、デプロメール/ルボックス(正規品)と
フルボキサミンマレイン酸塩(ジェネリック)があります。

それぞれの薬価を比較してみましょう。

 25mg50mg75mg
デプロメール/ルボックス(先発品)37.8円65.4円90.6円
フルボキサミンマレイン酸塩(ジェネリック)20.6円~27.1円35.7円~44.5円43.5円~61.6円

正規品のデプロメール/ルボックスは、パキシルやジェイゾロフトなど他のSSRIとだいたい同じくらいの薬価です。
ジェネリックのフルボキサミンは正規品の6割ほどの薬価に抑えられており、だいぶお財布にやさしくなっています。

また、フルボキサミンは同じジェネリックでも製薬会社によって微妙に薬価が異なっており、
一番安価なメーカーだと正規品の半額近くのものもあります。

抗うつ剤は長期間内服する事も多いので、少しでも薬価が抑えられるのはありがたい事ですね。

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