10代でうつ病を発症しカウンセリング併用で治したA様の治療体験談

この記事では、サイト来訪者様から頂いたこころの疾患の治療体験談を紹介しています。

闘病中は辛い時期がたくさんあります。「もう治らないのではないか」と諦めかけてしまう事もあるかもしれません。

そんな時は同じく辛い時期を乗り越えた方々のお話を聞いてみてください。実際に病気を克服した本人だから言える言葉は、治療中の方に大きな勇気を与えてくれます。

今回は、元々別の精神疾患で加療中だった方がうつ状態を併発し、カウンセリングを上手に使う事で克服した体験談を紹介します。

Ⅰ.発症・病院受診までの経過

うつ病を発症したのは、高校生くらいの時になります。

もともと別の精神疾患で通院や入院で治療をしていましたが、それの悪化によりうつの症状も併発してしまいました。

始めは自分でもなんでこんなにしんどいのかという理由が分からず、毎日しんどい気持ちばかりでどうしようもなかったのですが、先生に詳しく話をしていくうちに軽度のうつ状態にあることが分かりました。

Ⅱ.行われた治療

病院では、カウンセリングや箱庭療法、そして精神安定剤などを処方されました。

カウンセリングを受けている時は、なぜか涙が出てきたり、苦しい気持ちをいっぱい吐き出せてカウンセリングが終わると少し気分が楽になりました。

お薬は正直なところ、効いているのかいないのかあまり分かりませんでした。ただ睡眠導入剤に関しては、眠れないときに服用するととてもよく効きました。

通っている病院では、認知行動療法は行っていなかったので、認知行動療法は、自分の意思で本屋さんに行き本を見つけて試してみたのですが思ったように実践できませんでした。

やはりきちんと病院で行うほうがよいのだろうと思いました。

【箱庭療法】
箱の中に自由におもちゃを置いてもらう治療法。言葉ではうまく表現できない自分の気持ちや葛藤などを箱庭を通して表現することで、自分の気持ちや葛藤を整理する助けとする。主に小児に使われる治療法だが、疾患によっては成人に用いる事もある。

Ⅲ.治療に対する個人的な感想

一番効果的と感じた治療は、やはりカウンセリングでした。

誰かに話すというのは思っている以上に心が軽くなります。ただ話せる段階まできていない人の場合は、しんどいかもしれません。

治療中に気を付けたことは、とりあえず先生の指示通りに薬は飲むということくらいです。あとは無理をしすぎないこと、自分を責めないことです。

Ⅳ.治療に当たり自分で気を付けたこと

どうしてもマイナスな気持ちが先走ってしまって苦しくなることが多かったのですが、何か気晴らしになることを探して行うようにしていました。

自分が楽しいと感じることをするのは大事です。

そんなものない・・という事も病気の初期はあるかもしれません。そういう時は無理に何かしようと思わなくても良いと思います。

時期が来れば何か行動できると信じることが大事です。

Ⅴ.現在闘病中の方へメッセージ

家の中に閉じこもりたくなるのは分かりますが、外の空気を吸うだけで気持ちが変わったりします。外出しなくても良いけれど、ベランダに出てみるとか、植物を育ててみるとかすると心が癒されます。

前向きに考えることは難しいかもしれませんが、絶望的な気持ちだけは捨てるようにしたほうが良いと思います。まだ完治していませんが、以前よりは考え方が変わってきてずいぶん楽になりました。

でも時々しんどい時もあります。生きていればだれでもしんどいことはあると思って過ごすようにしています。

頑張りすぎないで自分を取り戻してください。

<せせらぎメンタルクリニックより>

A様はカウンセリングを上手に利用した事が治療の大きな助けになったと感じます。

軽症うつ病の場合、抗うつ剤などのお薬は必ずしも用いられません。結果的に見ればA様には抗うつ剤は必要なかったのかもしれませんが、これは治療後だから言える事で、治療開始前にはなかなか判断が難しいところもあります。

少なくとも軽症うつ病に対して、抗うつ剤のみで治療するのは良くありません。必ずカウンセリングなどの精神療法や生活習慣の改善などを行っていく必要があります。

カウンセリングの主な目的は、自分の中にあるつらい気持ちや葛藤を整理する事です。整理する事で自分なりの解決法が見えてくるからです。カウンセリング中はつらい事を思い出さないといけない事もあるため、しんどい事もあるでしょう。しかしそれをカウンセラーと一緒に乗り越えていくことで、病気は快方に向かっていきます。

A様も書いていますが、注意点として精神療法は精神状態があまりに悪い場合(中等症や重症など)は、必ずしも最初から行わない方が良い場合もあります。その理由として、精神症状が不安定な時は、

  • 冷静に考える事が出来ない
  • つらい思いに向き合うだけの精神的エネルギーがまだない

ためで、この時に無理に気持ちや葛藤を整理しようとするとかえって症状が悪化してしまう事があります。ある程度気持ちが落ち着いてきて考える力が戻ってきた段階で導入する事が望ましいでしょう。

また認知行動療法は当サイトでも詳しく説明しておりますが(「認知行動療法はどのような特徴を持つ治療法なのか」参照)、やはり文章だけで理解するのは難しく、最初は専門家の指導の元で行うことをオススメします。今はネットを通して行う認知行動療法(iCBT)といった取り組みもあり、少しずつ身近で受けれるような環境が整ってきています。

<あなたの治療体験談を教えてくれませんか?>

こころの疾患は私たち医療者が中心となって治療をしています。しかし私たち「医療者」以外にも、こころの病気で苦しんでいる方に大きな力を与えられる人がいます。

それは同じくこころの病気を患い、乗り越えてきた経験のある方です。

「苦しかった時は、このような事をして乗り切った」
「こんな苦しかったけど、いつか治ると信じてたから今がある」

実際にこころの病気と闘ってきた元・患者さんの言葉は、他の誰の言葉よりも説得力があり、他の誰の言葉よりも今苦しんでいる患者さんに勇気と希望を与えてくれます。

私はこのサイトを通してメンタルヘルス情報を配信していますが、医療者目線の情報だけでは不十分であることを強く感じています。実際にこころの病気を克服してきた元・患者さんの経験は、私がメンタルヘルス情報を配信する事以上に、患者さんの励みになるでしょう。

こころの病気を克服した方、あるいは克服中であるが最初よりは大分良くなったという方、このサイトを通じてあなたの治療体験談を教えて頂けませんか。

それはいま、苦しんでいる多くの方の大きな希望の光になるはずです。

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タイトル(闘病生活を端的に表したタイトルがあればお願いします)

本文(次の項目に沿って記載頂ければ幸いです)
Ⅰ.簡単なプロフィール(年齢や性別、職種など)
Ⅱ.発症・病院受診までの簡単な経経過
Ⅲ.行われた治療(お薬、カウンセリング、認知行動療法など)
Ⅳ.治療に対する個人的な感想
Ⅴ.治療に当たり自分で気を付けたこと
Ⅵ.現在闘病中の方へメッセージ