うつ病を予防するには食べ物も大切!うつにならないための食事5選

meal for depression

食事と精神状態というのは、無関係ではありません。

脳が活動する際には膨大なエネルギーを要します。そしてエネルギーを生み出すには栄養が必要です。摂取した炭水化物の20%は脳が消費する事が分かっており、栄養が不規則・不十分であれば脳のはたらきや精神機能にも何らかの支障が生じる事は想像に難くありません。

不規則で偏った食生活が続けばイライラしたり精神的に不安定になりやすいというのは、みなさんも経験から何となく理解できるのではないでしょうか。

また、いくら規則正しくバランス良く食事を取っていたとしても、毎日暗い部屋で一人で食事をしているとしたら、これも精神的にはあまり良いとは考えられません。

食事と精神状態を考える時、

  • 食べ物の内容・・・どんなものを食べているか
  • 食事の環境・・・どんな環境で食べているか

の2つの面から見直すことが大切です。

飽食の現代では食生活は軽視される傾向にあります。みなさんの中にも、

「昼飯なんて食べれない。夜ご飯は深夜になるのがいつものこと」
「家族が寝静まった深夜に一人で夕食を食べてます」

といった方も少なくないでしょう。

一時的にこのような状態になってしまうのは仕方がないかもしれませんが、これらの状態が長期間続けば、精神状態にも必ず悪い影響が生じます。

精神的に健康な毎日を送るためは、食事はどのように気を付ければよいのでしょうか。今日はうつを予防するための食べ物や食事環境について考えてみましょう。

スポンサーリンク

1.バランス良く食べる事が基本

「うつ病改善には〇〇を食べると良い」
「セロトニンをたくさん含んでいる食べ物を食べよう」

うつ病に適した食事について調べると、このような情報が飛び交っています。

うつを予防するために有効な食品というのは何があるのでしょうか。精神的に安定するためにはどんな食べ物が良いのでしょうか。

結論から言うと、精神状態を安定させるためには「栄養バランスのとれた食事を規則正しく食べる」事がもっとも重要です。

「これだけを食べていれば、うつ病が良くなります」という食品は残念ながらありません。

「この食べ物には抗うつ作用がある」とか、「この食べ物にはやる気を出す成分が含まれている」とか様々な情報があり、中には科学的な説明がされている情報もあります。

例えば、うつ病を改善させると言われている栄養素として、

  • トリプトファン(セロトニンの原料になる)
  • ビタミン
  • ω3脂肪酸

などが有名です。

もちろん、これらの物質を摂取する事に意味がないとは言いません。

しかし、これらの成分だけを摂取すればこころが健康になるかというと、そんな事はありません。

精神状態の安定を目指すのであれば、単一の食品をたくさん摂取するよりも「栄養バランスの取れた食事を規則正しく食べる事」の方が何倍も有効です。

現実的には忙しい中で栄養バランスを毎日完璧にすることは難しいかもしれません。仕事や家事・勉強などやるべき本業がある場合、忙しさによって食生活が不十分になってしまう事はどうしてもあります。誰だって忙しくて昼食を食べる時間が取れなかった経験はあるでしょう。

時には食事の時間がずれてしまったり、栄養バランスが多少崩れてしまっても、それは仕方ありません。

しかし自分で出来る範囲で栄養のバランスを最適に近づけるような工夫をするようにしましょう。自分でできる限りの工夫をして、食事の時間が不規則にならないようにしてみましょう。

完璧な食生活ではなくても、現実的に継続出来る工夫を無理なく続けていくことが大切です。

実際に長く精神状態が安定しない患者さんの生活状況を詳しく聞いてみると、食生活が不規則である例が非常に多く見られます。

食事は気が向いた時だけ食べる。料理が面倒でカップラーメンばかり食べている。

これで精神状態が良くなるかというと、難しいでしょう。自分ではなかなか食生活の改善が難しい場合は、周囲にも協力してもらってでもバランスの取れた食生活に近づけていくべきです。

最近ではバランスの整った食事を配食してくれるサービスなども充実してきていますので、場合によってはそういったものを利用したっていいわけです。

では具体的に「栄養バランスが整っている食生活」というのは、どのようなものなのでしょうか。

私たちは食べ物から栄養やビタミン・微量元素などを摂取しています。そしてこれらの成分を摂取する事でエネルギーを生み出して生体活動を行ったり、身体に必要な成分を作ったりしているのです。

エネルギーを生み出すためにもっとも重要なのは三大栄養素と呼ばれる、

  • 炭水化物
  • タンパク質
  • 脂質

で、まず抑えておきたいのはこれらの摂取割合です。

これらの割合が極端に偏ると、身体に必要なものを十分に作れなくなります。

理想的な割合としては、

炭水化物:タンパク質:脂質=60:20:20

くらいが望ましいと考えられています。

炭水化物は身体が活動する際にもっとも使いやすいエネルギー源です。車でいうガソリンのようなものですから、炭水化物がなければ私たちは十分に動けません。

うつ病や不安障害などの精神疾患は「脳の神経」に異常が生じていると考えられています。脳は複雑で高度な活動をする臓器ですから、膨大な量のエネルギーを使います。そしてそのエネルギーの一番の源となるのが炭水化物です。

つまり炭水化物が不十分だと脳神経は十分に働けなくなってしまうという事です。

脂質もエネルギー源になり、炭水化物よりも多い量のエネルギーを生み出せます。更に脂質は食べ物が取れない状況になった時でも困らないように、皮下や内臓に貯蔵する事で、いざという時のために備えておけるという特徴もあります。

また脂質は体内の様々なものを作るための原料にもなりますので、脂質が少なすぎてもやはり心身の調子に様々な不調が生じます。

最近は、炭水化物や脂質は太る原因である悪者のように扱われる風潮があります。脂質は取ってはいけないとか、炭水化物抜きダイエットなどを勧める本もありますが、みなさんに分かって頂きたいのは、これらの栄養素は過剰に摂取すれば確かに問題なのですが、必要な分は摂取しなければいけないものだという事です。

極端に偏った食生活をするのではなく、栄養はバランスよく摂取するようにしましょう。

またカロリー量を意識することも大切です。あなたに必要なおおよそのカロリー量は、性別、年齢、身長、生活強度からおおよそ算出できます。

日本医師会のサイトに簡単に計算できるツールがありますので、自分のおおよその目安を知っておくようにしましょう。ちなみに成人であればだいたい2000kcal前後が多くなります。

カロリー量が多すぎれば、余分な栄養は身体を傷付けてしまう事もあります。例えば炭水化物が過剰だと糖尿病になります。糖尿病で血糖が高い状態が持続すると神経や腎臓、網膜といった全身の臓器を障害する事が分かっています。

脂質が多いと慢性的な炎症が生じます。また血管に脂質が沈着すれば動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクになります。

タンパク質が多いと、腸内細菌のバランスが乱れたり、腎臓に負担がかかったりします。

栄養は少なすぎても多すぎても良くありません。自分にとって適正な量を知り、その前後に収まるように気を付けましょう。

また食べ物の品目を多くすることも大切です。特に一人暮らしだと、つい毎日同じものばかり食べてしまいがちですが、これは栄養のかたよりにつながります。

理想的には「1日に30品目食べるように」となっていますが、ここまでは現実的には難しいかもしれません。「毎日なるべく違うものを食べる事を意識する」くらいでも構いませんので、出来る範囲で意識していきましょう。

2.たまには好きなものを思いっきり食べよう

こころ穏やかに毎日を送るために食生活は大切です。

栄養バランスを考えて、毎日規則正しく、バランスよく食事を摂取する事が理想なのは言うまでもありません。

しかしあまりに厳しく食生活を管理しすぎてしまうと、その制限自体がストレスになってしまい、精神状態を不調にしてしまう事もあります。

もちろん、規則正しい食生活が大事ですし、バランスも大切ですが、食事とは生きている限りずっと続くものです。だから、長く続けても無理のない食生活を作ることが大切なのです。

そのため、たまには好きなものを食べたり、ちょっと食べすぎたりしても良いのです。

たまには大好きなポテトチップスを食べたっていいし、ファーストフードやジャンクフードを食べにいってもいいのです。

人間の体は、一日二日、ちょっと食生活が崩れただけであれば、容易に持ち直す力を持っています。さすがに何か月も食生活が乱れているのは問題ですが、たまには好きなものを思いっきり食べても構いません。

じゃないと、食事が息苦しいものになってしまいます。

スポンサーリンク

3.やはり食事は1日3食がいい

食事の回数は1日3食が基本だと考えてください。

特に、起床が朝で、日中は仕事や学校などの活動をして、夜は眠るという一般的な生活スタイルの方であれば、1日3食にすべきです。

朝は、これから活動する前に栄養補給をする必要があります。それが朝食で、朝食で摂取したエネルギーをもとに午前は3~4時間作業をします。

その後、休憩と栄養補給を兼ねた昼食を取り、昼食で摂取したエネルギーをもとに午後から3~4時間ほど作業をします。

1日の作業が終わったあとは、リラックスした状態で夕食を取り、その後3~4時間して眠りにつきます。

これは大変理にかなっています。

頭脳労働であっても肉体労働であっても、作業にはエネルギーを使います。そのエネルギーを作業前に適度に取る、という適切なリズムになってますよね。

また世の中の多くの方が、1日3食が一般的になっています。という事は、それに合わせれば一人で食事をする頻度も少なくなるという事です。

可能な限り、1日3食とることを心掛けてください。

4.感情が刺激される環境も大切

私たちは食事で、単に栄養補給だけをしているわけではありません。

単なる栄養補給が目的であれば、おしゃれなレストランなんて必要ないはずだし、高級レストランで何万円も払う人なんていないはずです。

私たち人間は他の動物と違い、食事に「楽しみ」「癒し」なども感じているのです。そしてこの感覚は精神状態に大きく影響します。

海外には、スカイプ上で女性が料理を食べるのを見ながら、一緒にご飯を食べるというサービスがあるようです。なんでも独身男性を中心に人気なんだとか。食事に単なる栄養補給を求めているだけでなく、「楽しみ」「癒し」なども求めている事がここからも分かります。

1日3食規則正しく、バランス良く食べれていたとしても、食事の環境が悪ければ精神状態が安定するとは言えません。

食事をする際は出来るだけ人を交えてするようにしましょう。食事は一人で食べるのではなく、家族や友人、恋人などとなるべく一緒にしましょう。またお金に余裕があれば、時には誰かとお気に入りのレストランなどに足を運んでみましょう。

外食は栄養バランス的には偏ってしまうこともありますが、「楽しみ」「癒し」が得られやすいという利点もあります。

更に誰かと一緒であれば、その外食はより楽しく癒されるものとなります。楽しい話題で盛り上がったり、友人の頑張っている話を聞いて元気をもらったりすれば、それだけで普段よりも何倍も食事がおいしく感じられるでしょう。

5.トリプトファン、脂肪酸などの抗うつ効果

冒頭で少し触れましたが、「うつ病に良い」と言われている成分があります。

これらの効果はどうなのでしょうか。うつ病に効くと言われている栄養素について詳しく紹介します。

先に言ってしまうと、これらの栄養素は全く無意味とは言えませんが、「規則正しくバランスの取れた食生活」にかなうものではありません。

あくまでも補助的なものと考えてください。

Ⅰ.ω3脂肪酸の抗うつ効果

ω3脂肪酸は脳のセロトニン量を増やすためうつ病に有効である、という研究報告があります。

ω3脂肪酸というと聞きなれない言葉かもしれませんが、ω3脂肪酸とは、

  • DHA(ドコサヘキサエン酸)
  • EPA(エイコサペンタエン酸)
  • ALA(αリノレン酸)

などの脂肪酸の総称です。DHAは「頭が良くなる成分」として一時期話題になりましたね。これらはいずれも魚類に多く含まれています。

はたしてω3脂肪酸は、本当にうつ病に効果があるのでしょうか。

実はこれは現在でも明確な結論は出ていません。

確かに「ω3脂肪酸を摂取させた方がうつ病の改善率が良かった!」という研究報告もあります。しかし「まったく差はなかった」という報告もあるのです。

研究報告を総評すると「効果がある例もあるが、統計学的には効果的だとは断定はできない」というのが現時点での答えです。

高用量のEPAを投与したら明らかな抗うつ効果を示した、という結果もありますが、少なくとも日常摂取量やサプリで摂取する程度の量では明確な効果はなさそうです。

Ⅱ.トリプトファン

トリプトファンとは、セロトニンの原料になるアミノ酸です。

うつ病はセロトニンの不足で起きるんだから、セロトニンの原料を摂取すればいいのでは、という考えから抗うつ効果を期待されている成分です。

トリプトファンは、

  • 豆腐や納豆などの豆類
  • マグロ、カツオなどの赤身の多い魚類

などに多く含まれています。

確かに理論的にはセロトニンが作られやすくなるため、抗うつ効果がある可能性はあります。しかし、摂取したトリプトファンが分解されずすべて脳に届くとは考えられないし、どれくらい抗うつ効果があるのかは、はっきりしてないところがあります。

その効果を客観的に測定した研究もまだ少ないようです。

6.無理なく続けよう

様々なことを書いてきましたが、食生活は毎日毎日、これから何年何十年と続いていくものです。一時的に食生活を改善しても、それが続かなければ意味はありません。

食生活は継続できることが大切なのです。

私たちはみな、食生活のことだけを考えて生きているわけではありません。理想的な食生活を求めることだけにエネルギーのすべてを注ぐことはできないでしょう。

もちろん栄養バランスには気を付けたほうがいいし、1日3食、規則正しく取った方がいいです。食事は一人ではなく、家族や恋人、友人などと一緒に取った方がいいでしょう。

でも無理してもそれは続きません。今の自分の生活から考えて、無理なく続けられるものにするようにしましょう。

無理すれば結局は続きません。1週間・1か月で終わるものであれば無理して何とか乗り切ってもいいのですが、食生活はそういったものではありません。

続かないような無理な食生活をするくらいなら、最初からちょっと妥協した緩めの食生活の方がいいでしょう。

7.自炊のススメ

うつ病治療中の方におすすめしたいことに「自炊」があります。自炊は治療的に考えてもとても良い行動だからです。

うつ病は集中力や判断力が落ちてしまう疾患です。急性期は休むことが大事ですが、それを過ぎたら少しずつリハビリをして、元の自分を取り戻していく必要があります。

そのリハビリの一環として自炊は、とても理にかなっているのです。

まず自炊は、外食と比べて栄養バランスがいいという面があります。毎日違う料理にチャレンジすれば、必然的に摂取する品目も増えるでしょう。

また自炊という作業は集中力や想像力、体力が必要です。何を作ろうか考えて、スーパーに買い物に行きます。料理も手順を考えながらやらないといけません。

これってうつ病のいいリハビリになります。外出するいい機会にもなるし、集中力を取り戻すリハビリとしても適切です。失敗しても、誰かに迷惑をかけるわけではないので、プレッシャーを感じずにやれます。

うつ病の回復期にある方は、ぜひリハビリの一環としての自炊も検討してみてください。

まとめ

こころ穏やかに保つ食生活として、

  • 規則正しくバランスの取れた食事
  • 無理なく続けて、たまには好きなものを思いっきり食べても良い
  • 出来るだけ、1日3食にしてみる
  • なるべく誰かと一緒に食べよう。時には外に食べに行ったりしてみよう
  • うつ病に効くといわれている成分に明確な抗うつ効果は確認されていない。あくまで補足程度に

を意識してみよう。

スポンサーリンク
こちらの記事も是非ご覧下さい