食事で癒されよう!うつ病にならないための食生活5選

meal for depression

食事とメンタルヘルスというのは、実は深く関連しています。不規則で偏った食生活が続けば、誰だって穏やかではいられないし、イライラしやすくなるでしょう。また、いくら食事バランスが完璧だったとしても、毎日暗い部屋でレトルト食品を一人きりで食べていたとしたら精神的に安定していられるはずがありません。

メンタルヘルスにおける食事とは、

・食事バランス・・・どんなものを食べているか
・食生活   ・・・どんな環境で食べているか

の2つの面から見直すことが大切です。

飽食の現代では、食生活が軽視される傾向があると感じます。多忙な社会人の方の中には、

「昼飯なんて食べれない。夜ご飯は深夜になるのがいつものこと」
「家族が寝静まった深夜に一人で夕食を食べてます」

なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。食生活がおろそかになっていれば、おだやかなこころは作られません。

こころ穏やかな毎日を送るため、食生活で気を付けることにはどのようなことがあるのでしょうか?

スポンサーリンク

1.食事バランスが何より大切

うつ病に効く食べ物はこれだとか、あの成分を摂取すれば元気が出るだとか、ネットで調べると、様々な情報が飛び交っています。一体、精神的に安定するためにはどんな食事がベストなのでしょうか?

結論を言うと、「バランスのとれた食事を規則正しく食べるのが一番」です。

普通すぎる答えで、本当に申し訳ないのですが事実、これに勝る答えはありません。

この食べ物には抗うつ作用があって良いんだ、とかこの食べ物にはやる気を出す成分があるからオススメ、だとか様々なことが言われており、中には科学的な裏付けがある情報もあります。

うつ病を改善させると言われている栄養素、例えばトリプトファンやビタミン、ω3脂肪酸など、これらの物質を摂取する意味がないとは言いません。しかし、そういうことよりも何倍も大切なことが、「バランスの取れた食事を規則正しく食べる」ことなのです。

これ以上の答えはありません。

もちろん、栄養バランスは完璧とまでいかなくてもいいでしょう。時には食事リズムが多少崩れてしまっても構いません。誰だって忙しくて昼食を食べる時間が取れなかった経験はあるでしょう。

自分でできる限り工夫して、バランスを良くする。自分でできる限り工夫して、不規則にならないようにする。

これでいいのです。これがあなたにベストな食生活です。

実際に患者さんを診ていると、うつ病などがなかなか改善しない方は終日ねたきりで食生活も滅茶苦茶なことがとても多いです。

では具体的に「栄養バランス」とはどういうことかを見てみましょう。

食事においては、三大栄養素と言われている、炭水化物・タンパク質・脂質の比率が大切です。ざっくり言うと

炭水化物:タンパク質:脂質=60:20:20

くらいが望ましいと言われています。

炭水化物や脂質は活動する際のエネルギーになりますので、必要です。車でいうガソリンのようなものですから、なければ動けません。

最近は、炭水化物や脂質は太る原因である悪者のような風潮があります。脂質は取ってはいけないとか、炭水化物抜きダイエットなどを勧める本もありますが、
これらは過剰に摂取したら問題なだけであって、必要な分は摂取しなければいけません。

すべての栄養素をバランスよく摂取して下さい。

また、カロリー量を意識することも大切です。あなたに必要なおおよそのカロリー量は、性別、年齢、身長、生活強度から算出できます(成人であればだいたい2000kcal前後のことが多いでしょう)。

日本医師会のサイトに簡単に計算できるツールがありますので、これを見て、算出してみてください。

食べる品目を多くすることも大切です。一人暮らしだと、つい同じものばかり食べてしまいます。気を付けましょう。

理想的には1日に30品目食べるようにと勧められてはいますが、現実的には難しいかもしれません。それでも、「毎日なるべく違うものを食べる」ことでいいので意識してみて下さい。それだけでも大分違うと思いますよ。

2.たまには羽目をはずしたっていい

こころ穏やかに毎日を送るためには食生活が大切だ。だから毎日、栄養バランスを完璧に計算しなくてはいけない。

これは理想論ですが、現実的にここまでできる方はいないでしょう。ここまで食生活に縛られると、かえって息が詰まってしまいます。

もちろん、規則正しい食生活が大事ですし、バランスも大切ですが、食事とは生きている限りずっと続くものです。だから、長く続けても無理のこない食生活を作ることが一番大切です。

時々は、大好きなポテトチップスを食べたっていいし、ファーストフードやジャンクフードを食べたっていいんです。

人間の体は、一日二日、ちょっと食生活が崩れただけであれば、容易に持ち直す力を持っています。さすがに何か月も食生活が乱れているのは問題ですが、たまには羽目をはずして、食べたいものを食べても構いません。

じゃないと、食事が息苦しいものになってしまいます。

スポンサーリンク

3.やはり食事は1日3食がいい

特殊な生活環境で生きている方は別かもしれませんが、朝起きて、日中は仕事や学校などの活動をして、夜寝るという一般的な生活をしている方であれば、やはり1日3食がいいでしょう。

朝、活動の前に朝食で栄養補給をして、3-4時間作業する。その後、休憩と栄養補給を兼ねた昼食を取り、3-4時間ほど午後の作業に望む。一日の作業が終わったあとのリラックスした状態で夕食を取り、その後3-4時間して眠りにつく。

これは大変理にかなっています。

頭脳労働であっても、肉体労働であっても、作業にはエネルギーを使います。そのエネルギーを作業前に適度に取る、という適切なリズムになってますよね。

また、世の中の多くの方が、1日3食ですから、それに合わせるということは一人で食事をする頻度も少なくなるでしょう。

可能な限り、1日3食とることを心掛けてください。

4.感情が刺激される環境も大切

私たちは食事で、単に栄養補給だけをしているわけではありません。

単なる栄養補給が目的であれば、デートでおしゃれなレストランに食事なんて行かないし、高級レストランで何万円も払うなんて誰もしないでしょう。私たちは他の動物と違い、食事に「楽しみ」「癒し」なども感じているのです。そしてこれはメンタルヘルスにおいて非常に重要です。

skype上で女性が料理を食べるのを見ながら、一緒にご飯を食べれるというサービスが海外にはあるようです。なんでも独身男性を中心に人気なんだとか。これも食事で「癒し」を求める結果なのでしょう。

3食規則正しく、バランス良く食べても、食環境が悪ければメンタルヘルス的には問題です。

できるだけ、家族や友人、恋人など人を交えて食事をしましょう。また、お金に余裕があれば、時にはお気に入りにレストランに行ってみてはいかがでしょうか?

外食は栄養バランス的には偏ってしまうこともありますが、その分、「楽しみ」「癒し」が得られやすいのが利点です。

更に誰かと一緒であれば、その外食はより楽しく癒されるものとなります。楽しい話題で盛り上がったり、友人の頑張っている話を聞いて元気をもらったりすれば、それだけで普段よりも何倍も食事がおいしく感じられるでしょう。

5.トリプトファン、脂肪酸などの抗うつ効果

うつ病に良い、と言われている成分がありますので、いくつか紹介します。ただし、しつこいようですが「規則正しくバランスの取れた食生活」の方が重要です。

Ⅰ.ω3脂肪酸の抗うつ効果

ω3脂肪酸は脳のセロトニン量を増やすため、うつ病に有効である、という研究報告があります。

ω3脂肪酸というと聞きなれない言葉かもしれませんが、ω3脂肪酸とは、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、ALA(αリノレン酸)などの総称です。DHAは「頭が良くなる成分」として一時期話題になりましたね。いずれも魚類に多く含まれます。

はたしてω3脂肪酸は、本当にうつ病に効果があるのでしょうか?これは現在でも明確な結論は出ていません。

確かに「ω3脂肪酸を摂取させた方がうつ病の改善率が良かった!」という研究報告もあります。しかし、「まったく差はなかった」という報告もあるのです。研究報告を総評すると「効果がある例もあるが、統計学的には効果的だとは断定はできない」というのが現時点での答えです。

高用量のEPAを投与したら、明らかな抗うつ効果を示した、という結果もありますが、少なくとも日常摂取量やサプリで摂取する程度の量では明確な効果はなさそうです。

Ⅱ.トリプトファン

トリプトファンとは、セロトニンの原料になるアミノ酸です。

うつ病はセロトニンの不足で起きるんだから、セロトニンの原料を摂取すればいいのでは、という考えから抗うつ効果を期待されている成分です。

・豆腐や納豆などの豆類
・マグロ、カツオなどの赤身の多い魚類

などに多く含まれています。

確かに理論的にはセロトニンが作られやすくなるため、抗うつ効果がある可能性はあります。しかし、摂取したトリプトファンが分解されずすべて脳に届くとは考えられないし、どれくらい抗うつ効果があるのかは、はっきりしてないところがあります。

その効果を客観的に測定した研究もまだ少ないようです。

6.無理なく続けよう

様々なことを書いてきましたが、これらは継続することが大切です。1~2週間だけ頑張って、その後は元に戻ってしまったのでは意味がありません。

ひとはみな、食生活のことだけを考えて生きているわけではありません。理想的な食生活を求めることだけにエネルギーのすべてを注ぐことはできないでしょう。

もちろん、栄養バランスには気を付けたほうがいいし、1日3食、規則正しく取った方がいいです。

家族や恋人、友人などと取った方がいいでしょう。

でも、無理してもそれは続きません。今の自分の生活から考えて、続けられる程度にしてください。

無理は結局は続かないものです。続かず、途中から元の食生活に戻ってしまうくらいであれば、最初から、ちょっと妥協した食生活の方がいいでしょう。

7.自炊のススメ

うつ病治療中の方におすすめしたいことに「自炊」があります。自炊は治療にはとてもいいものです。

うつ病は集中力や判断力が落ちてしまう疾患です。急性期は休むことが大事ですが、それを過ぎたら少しずつリハビリをして、元の自分を取り戻していく必要があります。

そのリハビリとして、自炊はとても理にかなっているのです。

まずは、外食やコンビニ食と比べて栄養バランスがいいという面があります。毎日違う料理にチャレンジすれば、必然的に摂取する品目も増えるでしょう。

また、自炊という作業は集中力や想像力、体力がいります。何を作ろうか考えて、スーパーに買い物に行きます。料理も手順を考えながらやらないといけません。

これって、うつ病のいいリハビリになります。外出するいい機会にもなるし、集中力を取り戻すリハビリとしても適切です。失敗しても、誰かに迷惑をかけるわけではないので、プレッシャーを感じずにやれます。

うつ病の回復期にある方は、ぜひリハビリの一環として、自炊をしてみてください。

まとめ

こころ穏やかに保つ食生活として、

・規則正しくバランスの取れた食事がやっぱり大切
・無理なく続けることが大事。たまには羽目をはずしてもいい
・特殊な生活環境の人以外は、1日3食がいい。
・食べる環境も大切。誰かと一緒に食べたり、外に食べに行ったりしよう
・うつ病に効くといわれている成分に明確な抗うつ効果は確認されていない。あくまで補足程度に

スポンサーリンク
こちらの記事も是非ご覧下さい