対人関係を良好にするために意識したい、たった1つの秘訣

私たち精神科医は日々患者さんの悩みの相談に乗る機会を頂いています。そこで気付くのは、悩みのほとんどは人間関係に関連したものであるという事です。

仕事をしている社会人に「仕事で何が一番つらいか?」というアンケートを取ると、仕事内容そのもののつらさよりも 「人間関係」をつらさを挙げる方も多いようです。

このように対人関係は私たちの精神にも大きく関係しています。

これはつまり、対人関係を良好にする事が出来れば精神的なストレスは大きく低下し、こころの安定につながるとも言えます。

対人関係というのは、相手あっての事ですから自分の努力だけでは上手くいかない事も多く、だからこそ、なかなか解決できない難しい問題です。

しかし、解決策がないわけではありません。

対人関係を円滑にするポイントはたくさんあるのですが、今回は、その中でも最も大切と思われる、

「対人関係を良好にするたった一つの秘訣」

を紹介したいと思います。

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1.誰もが持っている、「私の事を分かってもらいたい!」という気持ち

人は誰でも「私の事を分かってもらいたい」という想いを持っています。

この欲求は人間の本能であり、このような気持ちを全く持っていない人はいません。

私たちが普段話している内容も、よくよく思い返してみると「自分を理解してもらう」ための話は少なくありません。

  • 「今、こんなことにハマっててさ」という自分の趣味の話、
  • 昨日どんなところに誰といって、こんな気持ちになった、
  • あの人のこんなところに腹が立った

これらは全て、「私はこんな人間です」という事を他者に向けて発しているのです。

私たちはこれほどまでに、相手に自分の事を分かってもらいたいと感じており、また相手が自分の事を分かってくれたと感じると大きな喜びを感じます。

「自分の事を分かってもらいたい」という気持ちは会話だけにとどまりません。

  • ミュージシャンが音楽を作るのも
  • 芸術家が作品を作るのも、

その根本は「自分を理解してほしい」という感情があります。

「あなたの歌詞に共感しました」
「あなたの絵から想いが伝わってきて感動した」

このように言われれば、作者はとても嬉しいはずです。

こう考えると 「私を理解してほしい」というのは、 人類がみな持っているものであり、これはもう単なる「想い」というレベルではなく

「人間の本質的欲求」
「熱望」

と言うべきレベルのものでしょう。

私たちは誰もが、自分の事を分かってほしいと願っています。

そして、「自分を理解してもらう」という事が達成された時、つまり「私の事を分かってもらえた」と感じた時、 人は相手に好意を持つのです。

という事は、相手の事を理解できるようになれば、相手と良好な関係を築きやすくなるという事です。

反対に、相手の事を理解しようとしなければ、いつまでたっても人間関係はうまくいかないでしょう。

2.「私の事を分かってもらえた!」と感じてもらうには?

では、どうすれば「私の事を分かってもらえた!」と相手は感じるでしょうか?

自分以外の人の気持ちを十分に理解するのは簡単なことではありません。夫婦や親子であっても、相手の気持ちを100%理解することは不可能だと言われています。

それぞれ違う背景を持って生きてきたわけですから、極論を言ってしまえば相手を100%理解することなんて出来るわけがありません。

しかし、ここで間違えないでほしいのが「相手の事を100%理解する事」が大切なのではない、 という事です。

相手が「私の事を分かってもらえた!」と思ってもらえれば良いのです。

このような相手が感じてもらうのは、実は難しくはありません。それは、

「相手の話を最後まで、批判せずに聞いてあげる事」

これに尽きます。

人が「私の事を分かってもらえた!」と感じるのは、話をしっかりと聞いてもらえた時なのです。

だから、まずは相手の話をしっかりと聞く事。これだけです。

でも、実際は多くの方はこれをできていません。

どうしてでしょうか?

それは、相手が最後まで話し終わる前に自分の意見を言ってしまうからです。

話を聞いている人(あなた)も同じ人間なので、同じように 「自分を分かってもらいたい」という気持ちがあります。なので、つい、相手が話している最中に自分の意見を言ってしまうのです。

相手の話が最後まで行く前に

「そりゃ失敗するに決まってるじゃん」
「いやいや、そういう事じゃなくてさー」

と批判してしまったり、

「うんうん、分かった分かった。そういう事ね」

と途中で話を切って、自分なりに理解して話を終わらせようとしてしまったりします。

批判を受けたり、話の途中で切られてしまうと、相手は「この人は私の事を分かってくれない」と感じてしまいます。そして理解してくれない人に対して、 人は好意を持ちません。

まずは、時間の許す限り最後まで話を聞いてあげる。その間は、相槌を入れるくらいで 極力自分の意見は言わないようにしましょう。

そして、相手の気持ちを理解することに努めましょう。

批判やアドバイスをしてはいけないわけではありません。しかし批判やアドバイスは、相手の話を最後まで聞き終わってから するようにしましょう。本当にちょっとした事なのですが、 これが出来る人ってあまりいません。

自分の意見をグッとこらえて、相手の話を最後まで聞いてあげるって、慣れるまでは結構難しいものなのです。

対人関係を円滑にするには、

「まずは自分の意見を言わず、相手の主張をしっかりと聞く事」

を意識してみましょう。

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3.自分が同じように批判されたらどう思うだろう、と考えてみる

対人関係で大切なのは 「自分がされたらどう思うだろう?」と相手の立場に立って考えてみる事です。

とても辛い事があって、それをどうしても誰かに話したかった。本当に辛い事だったから、つい熱が入ってしまって、文脈はめちゃくちゃだったけど、それでも吐き出したくて一生懸命に話した。

なのに、話の半分もいかないところで

「いや、それお前が悪いんじゃない?」
「いやいや、それってこうすればいいだけの話じゃん」
「ちょっと何言ってるか分からないよ」

って言われたら、どう思うでしょうか。

たとえ相手の意見が正論であったとしても、 嫌悪感を抱いてしまうのではないでしょうか。「この人は私の事を分かってくれないな」と感じてしまうでしょう。

ならば、自分も同じ事をしてはいけません。

「自分がこれをされたら嬉しいな」
「自分がこれをされたらイヤだな」

という視点で考えると、対人関係は上手くいくようになります。

4.批判してはいけない、わけではない

「まずは相手の話を最後まで聞きましょう」と勧めると「相手の主張が間違っていても聞かなきゃいけないのか?」という質問を頂きます。

まずは相手の主張が間違っていると感じても 最後まで聞いてあげる事が大切です。

しかし批判や否定をしてはいけないわけではありません。

批判するという事は、相手の主張を理解して、「私はこっちの方が良いと思うよ」と提案しているという事ですから、実はこれって相手のためを思ってしているわけです。どうでもいい人が相手だったら、 「こうしたらもっといいんじゃない?」 なんてアドバイスしません。

だから批判できるというのは、相手の事を考えてあげられているという事で 一概に悪いものではないのです。

しかし会話の途中で批判されてしまうと話している方はどうしても不快になってしまいます。

繰り返しますが、相手の話を最後まで聞いてあげて、気持ちを理解してあげて、 その上で批判するようにしましょう。

<まとめ>

  • 人は皆、「自分の事を分かってもらいたい」という欲求を持っている
  • その欲求が満たしてあげる事が、対人関係を上手くいく秘訣
  • 相手の話を最後まで聞き、理解してあげる事が一番のポイント
  • 自分の意見や提案、批判は相手の話を最後まで聞いてから
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