6.スケジュールを立てる
人は本来、なまけようとする生き物です。
制約を設けないと楽な方楽な方に流れてしまいます。無気力状態であれば輪をかけてその傾向が出ます。
私たちは毎日、様々なスケジュールの制約の中で生きています。
朝9時までに出社しなくてはいけない。
11時には営業先に挨拶に行かなければいけない。
15時には会議に出席しなければいけない、などなど。
これらの制約は一見すると息苦しいものですが、 しかし反面でこういう制約があるからこそ私たちはメリハリを持って生活を出来ているところもあります。
仕事を定年退職になった男性が、急にやる事がなくなってしまい一日中部屋のボーッと無気力に過ごしている、なんて話をよく聞きます。制約がなくなってしまったことでメリハリがなくなり、気力も落ちてしまったのです。
いきなり周囲や社会から制約を受ける事は、リスクやプレッシャーも大きいので、まずは自分で自分に制約をかける程度のことからやってみましょう。
それは、「スケジュールを立てて生活する」ということです。スケジュールという制約を設けることで、適度なプレッシャーを感じ、動けるようになる確率が上がります。
制約をかけすぎるとプレッシャーを感じすぎて返って動けなくなってしまうこともあります。なのでまずはスケジュールは「極力軽く」かけることが大切です。
まずは軽い制約をかけて、それが問題なくこなせるようであれば制約を徐々に重くしていけばいいのです。
最初は、
・朝10時に10分程度散歩にいく
・15時に日用品を買いにいく
・夕方に10分、部屋の掃除をする
程度の制約でかまいません。
達成できたら、少しずつ負荷を上げていってください。
7.感情を刺激する
無気力というのは、感情が停滞している状態です。感情が動かない状態だから、何も楽しいと思えないし、何にも関心を持てないのです。
この状態を打破するための方法として、外的刺激を与えて感情を刺激してあげましょう。外的な刺激をきっかけに自分の感情が動き出すことがあります。
比較的やりやすいものとして、
・映画を観る
・友人と会う
などがオススメですが、感情を刺激してくれるものであれば何でも構いません。
ただし「適度に」刺激してくれるものにしましょう。過度に刺激されると、疲労が悪化してしまいます。
一人で部屋に篭っていると、 無気力はなかなか治りません。無気力状態では、自分で自分に刺激を与えることは困難だからです。
映画は自宅で借りて観るよりも映画館に行きましょう。戦闘ものやホラーなどよりも、感動ものやお笑い系の方がいいでしょう。
友人と会う場合は、一緒にいて心地いい友人にしましょう。話しているうちに気が付けば盛り上がっていたり、大笑いしていたりするでしょう。自然と元気がもらえ、気力が戻ってきます。
8.小さな充実感を得る
「誰かの役に立つことをする」
「何かを成功させる」
何か充実感を得ることが出来ると、人は生きがいを感じます。生きがいは生きる気力につながります。
無気力状態で大きなことを成し遂げることは困難ですので、そこまでしなくて構いませんが、小さな充実感を得るのは効果的です。
ちょっとした家事を手伝ってあげれば、家族は感謝するでしょう。外に出たときに、道に迷っている人に道を教えてあげてもいいでしょう。
「誰かのため」でなくても、「自分のため」の行動でも構いません。時間がかかってもいいので部屋の掃除をして、汚れた部屋がスッキリすれば大きな充実感が得られるでしょう。
小さな、すぐできることでいいのです。充実感や達成感が得られるような行動をしてみましょう。
9.結果を求めすぎない精神を持つ
無気力になる原因として、何かに失望したり挫折したりしたため、という事はあるでしょう。
なぜ、人は挫折や失望をするのでしょうか。それは「こうなるはずだ」「こうなって欲しい」という希望を持つからです。
希望があるからこそ人は頑張れますが、希望があるからこそ、それが叶わなかった時に強くダメージを受けます。期待と現実の乖離が大きければ大きいほど、挫折感や失望感も大きくなります。
ある事業を立ち上げた。この事業で年収は5倍になる見込みだ。そう希望を持って、身を粉にして働き続けたのに、実際は年収は変わらなかったとしたらどう感じるでしょうか?
「努力が無駄になった・・・」
「頑張った意味がなかった・・・」
と感じ、無気力になってしまう人も多いでしょう。
確かにものすごく頑張って、思う結果が出なければやる気がなくなってしまって当然かとは思います。
しかし、ここで
「でも、事業を持つといういい経験になったな」
「努力してた時の充実感はとても素晴らしいものだった」
と思うことが出来たら、無気力にはならないと思うのです。
近年増加している「ニート」と呼ばれる引きこもりの方たちも同じで、
「日本の未来に絶望した」
「自分の能力の低さに絶望している」
などの気持ちが、彼らをニートにしているのです。
その絶望の裏には、「こうなって欲しかった」「こうなるはずだった」という期待があったからこそ、絶望しているのです。
そこで
「でも、大きな病気する事なく今日まで生きてこられている」
「手足も動くし、どこにだって行ける。これだけでも素晴らしいことだ」
と思うことが出来れば、やはり無気力にはならないはずです。
理想論だと言われてしまうかもしれませんが、結果を求めすぎず何事も「意味があった」「良かった」と思えるような気持ちを持つことはメンタルヘルスにおいて大切です。
頑張ることや希望を持つことがいけないことではありません。希望があるからこそ人は努力できるし、一生懸命努力する事は、生き物にしか出来ない、非常に素晴らしい行為です。
でも、その努力に対する結果は、必ずしも人間の思い通りには出来ません。努力した結果というのは、誰にも分からないのです。だから、そこに期待しすぎてはいけません。
10.無気力が改善しない場合はうつ病の可能性を考えよう
無気力が一向に改善しない。
上記の方法を試しても克服できない。
あるいは上記の方法を試す気力すら沸いてこない。
このような場合で、あなたが毎日つらい気持ちで過ごしているのであれば、それは「うつ病」などの疾患を生じている可能性があります。
目安として「2週間以上」改善を認めず、上記の克服法を試しても改善がない、あるいは試そうと思っても試せない。そして何より、自分自身が毎日非常につらい思いをしているのであれば、一度精神科・心療内科での診察を受けてみることをお勧めします。
うつ病などの疾患であった場合、精神療法や薬物加療を行うことで、回復する可能性があります。
受診することすらもつらいとは思いますが、何とか気力を振り絞って、電話やメールだけでもしてみてください。