デプロメール25mg,50mg,75mgの薬価

デプロメールは「デプロメール錠」として1999年よりMeiji Seika ファルマ社から発売されています。

剤型は錠剤のみで25mg、50mg、75mgの3種類があります。2009年以降ジェネリックも多く発売されています。

中には正規品の半額近いジェネリックもあり、これは現時点では全てのSSRIの中で最安値です。SSRIはまだまだ値段の高いお薬ですから、このように安価なジェネリックがあるのは助かりますね。

ここでは、デプロメール錠の薬価やデプロメールのジェネリックの薬価、他抗うつ剤との薬価の比較などを紹介します。

1.デプロメール錠25mg,50mg,75mgの薬価

デプロメール錠の薬価は、以下の通りです。

デプロメール錠25mg 37.8円
デプロメール錠50mg 65.4円
デプロメール錠75mg 90.6円

デプロメールは50mgから開始し、最大投与量は150mgです。
(都道府県によっては300mgまで認められます)

最大量を300mgと考えて、これを毎日内服しているとすると1日362円、月に10,872円かかります。
3割負担だと1日で109円、1か月で3,262円になります。

SSRIやSNRI、Nassaと言った新しい抗うつ剤は、三環系や四環系抗うつ剤などの
古い抗うつ剤と比べると薬価は高めに設定されており、安くはない値段です。
(おおよそですが、3-5倍ほども値段が違います)

また、デプロメールにはジェネリックがありますが、
その薬価はデプロメールの6割前後になっています。

2.ジェネリック「フルボキサミン」の薬価

デプロメールのジェネリックは「フルボキサミンマレイン酸塩 ○○」という商品名で販売され、
多くの会社から出ています(○○には製薬会社名などが入ります)。その数、なんと15社以上です。

ジェネリックになると、正規品デプロメールの6割前後の薬価になることが多く、
お財布的にはだいぶ助かります。

 25mg50mg75mg
デプロメール/ルボックス(先発品)37.8円65.4円90.6円
フルボキサミンマレイン酸塩(ジェネリック)20.6円~27.1円35.7円~44.5円43.5円~61.6円

2.他抗うつ剤との薬価の比較

次に、他の抗うつ剤との薬価の比較をしてみましょう。

抗うつ剤(最大量)薬価   
パキシル(40-50mg)(5mg) 60.50円(10mg) 105.60円(20mg) 184.70円
パキシルCR(50mg)(12.5mg) 105.60円(25mg) 184.70円
ジェイゾロフト(100mg)(25mg) 106.00円(50mg) 184.70円
レクサプロ(20mg)(10mg) 212.00円
ルボックス(150-300mg)(25mg) 37.80円(50mg) 65.40円(75mg) 90.60円
サインバルタ(60mg)(20mg) 168.70円(30mg) 228.80円
トレドミン(100mg)(12.5mg) 21.00円(15mg) 24.40円(25mg) 35.70円(50mg) 60.50円
リフレックス(45mg)(15mg) 171.20円
トフラニール(200-300mg)(10mg) 9.60円(25mg) 10.00円
テトラミド(60mg)(10mg) 16.40円(30mg) 46.00円
デジレル(200mg)(25mg) 18.90円(50mg) 33.30円

SSRIはどれも横並びで、最大量を使うと1日400円弱かかります。
中でもレクサプロはSSRIの中でも頭一つ高い値段です。

SNRIのサインバルタも最大量60mgであれば450円超で高いお薬になります。
トレドミンは比較的安いですが、効果も弱めのためでしょう。

リフレックスも高いですね。
最大量45mgで1日502.5円と最大量で比較すると、抗うつ剤の中で一番高いようです。

安さで考えると、三環系や四環系は圧倒的に安価なことが分かります。
副作用が多いと言われる三環系ですが、未だに処方される頻度が少なくないのは、
抗うつ効果が強いことと、実はこの「薬価の安さ」に理由があります。

表にある例でいうと、トフラニールは25mgでわずか10円です。
トフラニールは添付文書上は300mgまでは使えますが、抗うつ剤の選択肢が増えた現在において
300mgまで使うケースは極々稀であり、使っても150mg程度までのことがほとんどです。

150mgで考えると1日60円です。デプロメール300mgの362円と比べると6倍ほどの違いがあります。

このように古い抗うつ剤はSSRIなどと比べると5-10倍ほども薬価が違うのです。

金銭的に苦しい方で、「多少の副作用は我慢するから、安いやつでお願いします」
と希望される方は少なくありません。

新規抗うつ剤を2剤以上使っている患者さんだと、一日1,000円近くかかってしまいます。
3割負担だとしても約350円/日、約10,000円/月です。

新規抗うつ剤ももう少し薬価が下がるといいんですけどね。

3.薬の金額を下げるためには

病気の治療をする際は、薬価にとらわれずに
主治医に提案されたお薬を指示通りに飲むことが理想です。

しかし、どうしても「金銭的に苦しい」ときは、
次のような方法で薬価を下げることが可能ですので 参考にしてみてください。

1.自立支援医療制度(精神通院医療)を利用する

自立支援医療制度は、精神的な疾患で苦しい思いをしている患者さんのために、
医療費の自己負担額を軽減する制度です。

この制度が適応されると、入院外の医療行為(診察やデイケア、訪問看護やお薬の代金など)が
「1割負担」に減額されます。

また、支払が過大にならないように所得に応じて毎月の上限額が設定され、
その上限額以上の金額の支払いを免除されます。

この制度を受けれるかは主治医の判断になります。
「通院をしばらく続ける病状にあると医師が判断する方」が該当します。

また、症状はほとんど落ち着いているけど、医師が
「もう少しお薬を続けた方がいい」と判断された患者さんも 適応になります。

適応になる代表的な疾患としては、

  • 統合失調症
  • 気分障害(うつ病、躁うつ病)
  • 不安障害
  • 精神遅滞
  • アルコールや薬物の中毒、依存症

の方などが適応になります。

ただし、この制度はあくまでも「精神疾患」に対してですので、

「精神科受診の時に、ついでに風邪薬や花粉症の薬をもらった」

など、精神科医療と関係のない医療行為は適応になりまりません。
この場合は、風邪薬や花粉症のお薬だけ、通常と同じ3割負担になります。

2.ジェネリックに変えてみる

ジェネリックが発売されている抗うつ剤なのであれば、ジェネリックに変えると薬価が6割ほどに抑えられます。
2014年5月現在でジェネリックがある新規抗うつ剤は、

  • ルボックス/デプロメール
  • パキシル
  • トレドミン

などです。

デプロメールからジェネリックである「フルボキサミンマレイン酸塩」に変えれば、薬効は同じですから
薬価は下がるけど、薬の効果は変わらないはずです。 

3.三環系など安価なお薬に変えてみる

三環系抗うつ剤に変えることで薬価は劇的に安くなります。
しかし、副作用が強くなりうることは覚悟しておかなければいけません。

三環系への切り替えは「どうしても薬価を安くしたい」というのであれば
候補に挙がる方法ですが 「治療」という意味ではあまりお勧めはできません。

安くはなりますが、一般的に副作用の生じる可能性が上がりますし、
その副作用もデプロメールと比べると程度が強いものが多いのです。
そのため、本当にやむを得ない場合のみにし、主治医と十分に相談してから切り替えてくださいね。