精神科医が教えるストレスを解消するために有効な10つの方法

ストレス解消

現代はストレス社会と言われており、私たちは日々多くのストレスに晒されています。生きていく上で、ストレスを避ける事はできません。

ストレスが避けられないものである以上、必要以上にストレスを回避しようとするのではなく、ストレスと上手に付き合っていく方法を知っておく必要があります。

私たちは無限にストレスを抱え込めるわけではありません。受けたストレスを自分の中に溜め込み続ければ、いつかはこころが疲弊していき、うつ病などの精神疾患を発症する可能性が高くなります。

一方でストレスを受けていても、それを上手に解消する事が出来れば、心身ともに健康な生活を続ける事は十分に可能です。

ストレス解消の問題点は、その方法が万人にとって全く同じではなく、人それぞれでストレス解消できるものが異なるという事です。ある人にとってストレス解消になる事が、別の人にとっては反対にストレス因になってしまう事もあります。そのため、自分に合ったストレス解消法を身に付ける必要があります。

診察の中で患者さんのお話を聞いていると、皆さん自分なりに工夫して様々なストレス解消法を身につけていることに驚かされます。

「どのようなストレス解消法が良いのか」は、いくら精神医学の教科書を読んでもどこにも記載はありません。精神科医の中でも適切なアドバイスが出来ていないケースも少なくないのではないかと思われます。

患者さん達は、自分で自分に良いストレス解消法を考え、実践しています。みんな上手く考えるものだなぁ、と私もいつも感心し、勉強させていただいています。

このでは、患者さんたちから教えてもらったストレス解消法のうち、特にストレス解消に効果的で定評のある方法をいくつか紹介させて頂きます。

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1.大声で歌う

ストレス解消法のうち、患者さんがもっとも多く実践していたのは「大声で歌を歌う」というものでした。

大きな声を出すという事は、それだけでストレス解消になります。とは言っても怒鳴り声や暴言を発してしまうと一時的にはストレス解消になりますが、その後に罪悪感や後悔も生まれてしまいます。

でも好きな歌だったら、大声で歌っても気持ちがいいし、その後もイヤな気持ちになる事もありません。

大声はどこでも出せるものではありませんので、この方法はいつでもどこでも出来るという方法ではありません。しかし工夫次第でその環境を作る事は十分に可能です。

普段の環境的で大声を出せないような場合は、お風呂場で歌ったり、車を運転している時に歌ったりと場所を工夫してみても良いでしょう。中には「布団をかぶって大声で歌ってます」なんて方もいました。

時間が許すならカラオケ店などを利用しても良いでしょう。最近は、一人でカラオケに行く方も珍しくないようです。カラオケボックスに入れば、気兼ねなく大声で歌うことができます。

カラオケは一人で思う存分歌っても良いのですが、友人と一緒に行ってみんなでストレス解消しても良いでしょう。

似たようなストレス解消法として、ストレスが溜まると好きなアーティストのライブに行くという方もいました。ライブ会場でアーティストと一緒になって大声で歌ったり、踊ったりするのです。思いっきり声を出し、ヘトヘトになるまで踊り続け、ライブ後はとてもスッキリするそうです。

2.紙に書き殴る

ストレスになった事は、何らかの形で「吐き出す」事が有効です。それは前述のように声に出すという方法でもいいですし、後述しますが「身体を動かす」という方法でもよいでしょう。

声に出してストレスが発散できないような場合でも、ストレスを吐き出す方法はあります。それは「ひたすら紙に書き殴る」というストレス解消方法です。

「書くだけで本当にストレス解消になるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし「書く」という行為も、自分の内に溜めている感情を外に「出す」行為になるため、ストレス解消に有効なのです。

半信半疑で試される方も多いですが、意外とスッキリするものですよ。

「歌う」「大声を出す」といったストレス解消法と違い、周囲の迷惑になる可能性が低いため、時間や場所を選ばずに出来ます。深夜や早朝でも問題ありません。

ストレスであった事を書くだけでスッキリするという方もいますが、「ゴリゴリと書き殴った上で、それをビリビリに破いてゴミ箱に投げ捨てるとスッキリするんです」という方もいました。

確かにストレスだった事を書いて、それを「投げ捨てる」のは「この件はこれで終了!!」と区切りをつけやすい行為になりますから良いのかもしれません。

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3.身体を動かす

ストレスを解消するためには、思いっきり体を動かすのも効果的です。

ストレス解消という面から考えると、ランニングなどの同じ動作を繰り返す運動、ラジオ体操のようなゆっくりした運動よりも、身体をたくさん動かし、息が上がるくらいの運動の方が効果的です。

具体的には、

  • ボクササイズ
  • ダンス
  • バッティング

などがストレス解消の運動としては人気です。

ボクシングジムに通って、サンドバッグやミットを思いっ切り殴ったり、トレーニングジムのボクササイズのレッスンに参加してみたり・・・。

乱暴に聞こえますが「殴る」事は確かにストレス解消になります。ただし、人を殴ったり大切なものを殴るのはもちろんダメですから、殴っても問題のないものを殴りましょう。

また運動によって身体を動かす事は気分をスッキリさせてくれますのでダンスやサッカー、バスケなどの身体を動かすスポーツもオススメです。

4.思いっきり泣く

泣くというと「情けない」「かっこ悪い」と抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に男性は「男は泣いてはいけない」といった考えから、泣く事に対してネガティブなイメージを持たれている方が少なくありません。

しかし「泣く」という行為は実はストレス解消の効果があります。思いっきり泣いた後、気持ちが少しスッキリしたという経験はないでしょうか。

泣くという行為はどこでも出来る事ではありません。職場で仕事中に急に泣き出してしまったら周囲も困惑してしまいますし、場所は選ぶ必要がありますが、「泣く」というストレス解消法はぜひ取り入れてみてください。

悲しい時や辛い時、自然と涙が出る事は、無意味な生理反応ではありません。

泣くという行為は、感情を思いっきり解放するため、ストレス解消になるのです。

また、「泣くことは心と身体を健康に導くチカラがある」「泣くことはリラックス作用がある」という意見もあります。

涙を流すことで副交感神経という「リラックス状態を作る神経」が活性化するためだと考えられています。

泣きたい時に泣かずに耐える事は、ストレスを溜め込んでいるのと同じです。泣く事は自然な反応なのです。身体が泣く必要があると判断したからこそ生じている現象です。

それに無理して逆らうのではなく、泣きたい時は思いっきり泣いてしまいましょう。

5.壊す

ちょっと乱暴な行動ですが、何かを壊す事はストレス解消になります。

イライラすると物を投げて壊したりしてしまう方がいますが、これは「物を壊す」という行動は短期的にはストレス解消になるためです。

みなさんもイライラしている時に「何かを壊したい衝動」に駆られた事はありませんか。それが良い事か悪い事かは別にして、物を壊す事がストレス解消になるのは確かです。

しかしいくら物を壊す事がストレス解消になるからと言って、部屋の壁を殴って穴を開けたり、大切な家具を壊したり、ひとを殴ってケガをさせたりしてしまう事は良い事とは言えません。

これは周囲にとって迷惑となるだけでなく、長期的に考えれば自分にとってもデメリットの方が大きくなります。気分がスッキリするのは物を壊した直後だけで、冷静になれば罪悪感や後悔でかえってストレスを感じてしまいます。

健全なストレス解消法として「壊す」と取り入れるには、壊しても差し支えないものを選ぶ必要があります。

例えば患者さんから教えてもらった方法には、

  • ダンボールや新聞誌・雑誌・要らない紙をビリビリに破く
  • 空のアルミ缶を思いっきり握りつぶす
  • キュウリなどをビニール袋に入れて、思いっ切り床に投げつける
    (ストレスが治まったら、キュウリはその後おいしく頂くようです)

などがありました。

6.噛む

歯ごたえのあるものを「噛む」という方法もストレス解消になります。

「噛み壊す」という行為がストレス解消になる他、ガムを噛む事に代表されるように噛む事には「集中力を高める」作用があるため、噛む事で冷静になりやすいという面もあります。

7.信頼できる人と過ごす

ここまで一人で出来るストレス解消法を中心に紹介してきましたが、誰かと一緒に過ごす事でストレス解消するのも有効です。

仲の良い友人とカラオケに行ったり、一緒にスポーツを楽しんだり。一緒にショッピングしてストレス解消してもいいですし、一緒に食事を食べに行ってもいいでしょう。

信頼できる人と一緒に過ごせば、それだけで安心感を得る事ができ、ストレスが落ち着きやすくなります。

また一緒に過ごしている中で、ストレスになった出来事を相手に聞いてもらえれば更に良いでしょう。ストレス因を「話す事」そして「他者に理解してもらう事」はストレス解消にとても有効です。

カラオケでストレスを解消して、更にストレス因を聞いてもらって共感・理解してもらえればストレスはかなり軽減されるでしょう。

また誰かと一緒であれば「やりすぎる」ことに歯止めをかけてくれます。一人だと、ストレス解消でショッピングに行って浪費してしまったり、食事で過食してしまったりというリスクも高くなりますが、誰かと一緒だと他者の目がある分自制が効きやすくなります。

8.掃除

ちょっと意外な方法ですが、「掃除」は定評のあるストレス解消法です。私自身、これは患者さんから教えてもらったストレス解消方法なのですが、ストレスが溜まっている患者さんに掃除を勧めると、おおむね良い評価を頂けます。

何故でしょうか。

まず掃除をするとなると、掃除中はその事に集中するため、ストレス因から頭が離れやすくなります。掃除は重いものを持ったりあっちこっちに行ったりきたり適度に身体も動しますから、身体を動かす事がストレス解消になるという面もあります。

更に掃除によって散らかっている部屋がきれいになると、精神的にも落ち着きますし、達成感・充実感も感じられます。

掃除は気分がスッキリするだけでなく、部屋もスッキリさせる事が出来るオススメのストレス解消法です。

9.自分に良いように解釈する

ここまでは「行動」によるストレス解消法でしたが、ここからは「考え方」によるストレス解消法を紹介します。

ある出来事に対してストレスを感じた場合、その「出来事」とその出来事に遭遇してしまった事実は変える事は出来ません。

しかしその出来事を自分がどのように感じたか、どのように認識したのかは、自分のとらえ方次第で変える事が出来ます。

実はストレスというのは、出来事そのものに対して生じるものではありません。その出来事を自分が「不快」と感じるから生じるのです。

誰かから注意された時、同じように「注意された」という出来事であっても、「自分では気付かなかったし、ちゃんと指摘してくれてありがたい」とあなたが感じればこれはストレスにならないでしょう。

しかし「なんでいちいちそんな事注意するんだ。」と感じればストレスになります。

このように同じ出来事でもとらえ方の違いによってストレスになるかどうかは異なってくるのです。

であれば、なるべくストレスにならないようなとらえ方が出来るようになる事はストレス解消になるという事です。

例えば、仕事中に上司から理不尽な叱責を受けたことでストレスを感じていたとします。仕事後も「なんで自分が怒られたのか、全く納得できない!」と怒りは収まりません。

これは当然です。理不尽な叱責は腹が立つものですし、これは何もおかしい事ではないでしょう。

しかしいくら相手に非があったとしても「叱責された」という事実は変える事は出来ません。であれば、変えられない事に対して「納得いかない」といつまでも考えるのではなく、変えられる事に対してアプローチしていきましょう。

変えられる事というのは、叱責された事に対する自分のとらえ方です。

「そういえば最近、上司は家族と上手くいってないって漏らしてたな」
「今日の叱責は八つ当たりみたいな感じだったり、家庭のストレスが背景にあったんだろう」
「そういえば、自分もストレスが溜まってる時には、理不尽に他人に当たってしまった事があったな・・・」
「そう考えると、叱責してしまった上司の気持ちも分からんでもない」
「むしろ俺に当たった事で上司のストレスが少し取れたかもしれない」
「叱責されたことで、上司の役に立てたんだし、まぁいっか」

このように考えてみるとどうでしょうか。少しは怒りが治まりませんか。

もちろんこれは本当かどうか分からない、勝手な想像です。でもこのようにとらえるだけでストレスが解消されるのであれば、そう考えた方が得ではないでしょうか。

このような時、真相がどうなのかを考える必要はありません。

理不尽なことに対する怒りはぶつけようもなく、どうしていいのか分からなくなります。そんな時は、こっちも理不尽に自分に都合よく解釈してしまえばいいのです。

10.瞑想

瞑想(めいそう)もストレスを解消するために有効です。

瞑想というと難しいイメージがありますが、本格的な瞑想を学ぶ必要はありません。あくまでもそれでストレス解消が行えればいいのです。

椅子や床に座って身体がリラックスできるような体位になり、目をつむって頭をからっぽにしてみましょう。

それだけです。この状態を15分~30分くらい続けてみましょう。やってみると驚くほどスッキリすることに気付くはずです。

多くの宗教が精神統一などのために瞑想を取り入れていますが、これは瞑想は精神を落ち着かせる作用があるからなのです。

ストレスを受けたあなたの脳やこころは疲れています。誰にも邪魔されない静かな環境に身をおいて、何も考えずにリフレッシュさせてあげましょう。

実は、何も考えないという事は結構難しいものです。ひとは気がつけば何かを考えています。

瞑想をしようとしても、つい色々考えてしまう、という方は呼吸を意識して下さい。大きく深呼吸をしましょう。大きく息を吸って、吐き出すと意識がそこに向くため余計な雑念が消えていきます。

「何も考えない」事に慣れるのに少し時間はかかりますが、オススメの方法です。

こんなストレス解消方法はダメ!

ここまで10個のストレス解消の方法を紹介しました。最後にオススメできないストレス解消法を紹介します。

実際にこのようなストレス解消法を実行している方もいらっしゃいますが、これらは短期的にはストレス解消になりますが、長期的に見れば害の方が大きくなります。

もしあなたがこのようなストレス解消を行っているのでしたら、今までに紹介してきたような方法に少しずつでも切り替えていく必要があります。

Ⅰ.やけ食い

ストレスが溜まるとやけ食いや過食をする方がいます。

特に女性に多く認められますが、過食すると今度は太る事が怖くなるため、自分で口に指を突っ込んで嘔吐をする方もいらっしゃいます(自己誘発性嘔吐)。

過食は食べている瞬間はストレス解消になりますが、その後に強い後悔と罪悪感に襲われます。また長期的には栄養バランスの乱れや糖尿病・高脂血症といった身体疾患のリスクにもなります。

Ⅱ.自傷行為

ストレスが溜まると、自分を傷付ける事で解消しようとする方がいます。

  • 髪の毛を抜くという「抜毛」
  • 手首を切る「リストカット」
  • 腕を切る「アームカット」

などがあります。

自分を傷付ける行為は人に迷惑をかけず、一人で完結する方法ではあるため選択する方がいらっしゃいますが、このようなストレス解消法は長期的には害が非常に大きいものです。

まず自分の身体を傷付けるわけですから、健康上問題があります。傷からばい菌が入って感染症にかかってしまうリスクだってあります。

しかしもっとも問題なのは、自傷行為を繰り返していると、だんだんと自尊心(自分を大切だと思える気持ち)が低下していく事です。そうなると更に自傷行為を起こしやすくなり、最終的には自殺行動にも至りやすくなってしまうのです。

Ⅲ.浪費

買い物や浪費でストレス解消をするという方もいます。

適度な買い物であればストレス解消法として全くダメだとはいえませんが、後々生活が困るくらい浪費してしまったり、本当に欲しいもの・必要なものか分からないのに一時的なストレス解消の目的で買ってしまうのは良い方法とは言えません。

浪費でストレス解消をするとその時はスッキリしますが生活に必要なお金も使い込んでしまい、長期的に見れば新たなストレスを生み出してしまいます。

また買ったものが本当に自分にとって意味のあるものであればいいのですが、ストレス解消によって購入したもののほとんどがそういったものではありません。

買うという行為によってストレス解消しているだけですので、購入したあとそれが有効に使われる事は少ないのです。

Ⅳ.ギャンブル・アルコール

ギャンブルやアルコールでストレス解消をしている場合も要注意です。

これらをストレス解消で行うと、歯止めが効かず、やりすぎてしまいがちだからです。

それが続けば、アルコール依存症やギャンブル依存症に容易に罹患してしまいます。

これらの依存症は一度かかってしまうとそこから抜け出すのは非常に大変で、大げさではなく人生の多くの時間を無駄にする事になってしまいます。

ストレスを解消する元気すら出ない場合は

ストレスを定期的に解消する事は重要です。私たちが身体の中に溜め込めるストレスの量には限界があります。解消せずにいつまでも溜め込んでいると、いつかこころは疲弊してしまいます。

もしあなたがストレスはすごく溜まっているのに、それを解消する元気すらない場合は、こころが相当に疲弊している可能性があります。場合によってうつ病などの精神疾患に罹患しているかもしれません。

このような場合も自分で何とかしようとするのではなく、私たちに相談してください。精神科・心療内科でしっかりと診察を受けし、必要な治療を受けるようにしましょう。

まとめ

ストレスは延々と溜め込む事はできないので、上手に発散しなくてはいけない。

・大声で歌う
・紙に書き殴る
・体を動かす
・思いっ切りなく
・壊す
・噛む
・こころ許せる友人と一緒にすごす
・部屋の掃除をしてみる
・自分に都合のいいように解釈してしまう
・瞑想する

などの方法を試してみよう。

過食嘔吐、リストカット、抜毛、巨額な買い物、飲酒、ギャンブルなどで
ストレス発散をする事は危険なのでやめるべき。

もし、ストレスの改善が得られない場合やストレス解消する気分にもなれない場合は
はうつ病などの疾患の可能性もある。心療内科を受診しよう。

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コメント

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