ソレントミンの全て 【医師が教える睡眠薬の全て】

ソレントミンのイメージ

ソレントミンはファイザー社が発売している睡眠薬です。

レンドルミン(一般名ブロチゾラム)のジェネリックであり、効果や副作用などレンドルミンと全て同じです。国がジェネリックを推奨していることもあり、ジェネリック薬が処方される頻度はどんどん増えています。

ここではソレントミンについて詳しくみてみましょう。

なお、ソレントミンの効果や特徴は基本的にレンドルミンと同じなので、レンドルミンの記事も参考にして頂ければと思います。

▽ レンドルミンの全記事はこちらです

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1.ソレントミンの効果・作用時間は?

現在、睡眠薬治療の中心となっているのは、「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」の2種類です。

このうち、ソレントミンは「ベンゾジアゼピン系」に属します。

ベンゾジアゼピン系はGABA(ɤアミノ酪酸)の作用を増強する事で眠気を生じさせます。GABAには催眠作用、抗不安作用、抗痙攣作用、筋弛緩作用の4つの作用があり、このうち「催眠作用」が睡眠薬として働きます。

睡眠薬は作用時間の違いによって4種類に分類されています。

  • 超短時間型・・・半減期が2-4時間
  • 短時間型 ・・・半減期が6-10時間
  • 中時間型 ・・・半減期が12-24時間
  • 長時間型 ・・・半減期が24時間以上

半減期というのは作用時間の目安として用いられる数値で、服用したお薬の血中濃度が半分に落ちるまでの時間を表しています。

ソレントミンは「短時間型」に分類されます。レンドルミンと同じく、内服後1.5時間ほどで血中濃度がピークになり、約7時間で半減期を迎えて効果が切れます。

一般的な成人の睡眠時間は約6~8時間と言われていますから、7時間前後の作用時間であるレンドルミンやソレントミンは、使い勝手のよい睡眠薬で、実際に睡眠薬の第一選択薬としてよく処方されます。

薬効の「強さ」はというと普通くらいです。

睡眠薬を処方する際に、「これって強い薬なんですか?」と強さを気にする患者さんは少なくありません。しかし、「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」睡眠薬は、それぞれ強さに大きな差はないと言われています。

どれも量を多くすれば強くなるし、量を減らせば弱くなります。

2.ソレントミンの副作用

どんなお薬にも、副作用の報告はたくさんあります。

稀なものまで全て羅列しても、よく分からなくなってしまうだけですので、ここでは臨床で比較的よく見られる副作用を中心にお話します(レンドルミンの副作用と全く一緒です)。

Ⅰ.眠気

睡眠薬なので当然「眠気」が生じます。そしてこれは時として副作用にもなります。

睡眠薬を飲んで、夜に眠くなるのは「効果」なので問題ありません。しかし、「朝起きてもまだ眠い」「日中も眠くて仕方ない」となると、問題です。

日中まで睡眠薬の眠気が残ってしまう事を「持ち越し効果(hang over)」と言います。眠気だけでなく、だるさや倦怠感、ふらつき、集中力低下などもあります。

ソレントミンの半減期は約7時間ですので、7時間前後の睡眠をとっていれば、理論的には持ち越し効果はあまり起こらないはずです。

しかし、睡眠時間が4-5時間ほどの人であったり、薬の代謝(分解)が遅い体質の人だったりすると、持ち越してしまう事があります。

この場合の対処法は、まずは睡眠時間を増やすことです。それが難しそうであれば、半減期のより短い睡眠薬に変えることが対策になります。

半減期が4時間程度のアモバン、5時間程度のルネスタ、6時間程度のデパスなどが候補に挙がるでしょう。

もし、あまり睡眠薬の種類を変えたくない、という場合は、量を減らしてみるという方法もあります。

例えば0.25mgを内服しているのであれば、半分の0.125mgにするのです。効果も弱くなってしまいますが、量を減らすと一般的に半減期は多少短くなります。

Ⅱ.耐性・依存性形成

多くの睡眠薬に言える事ですが、長期的に内服を続けていると「耐性」「依存性」が形成されます。

耐性というのは、身体がおくすりに慣れてきて、効きづらくなってくる事です。

耐性が形成されると、最初は1錠飲めばぐっすり眠れていたのに、2錠、3錠と飲まないと十分な眠りを得られなくなります。

依存性というのは、次第にその物質なしではいられなくなる状態をいいます。依存性が形成されると、おくすりをやめられなくなってしまいます。

耐性と依存性を持つ物質として有名なものにアルコールがあります。なのでどちらもアルコールで考えてみると分かりやすいでしょう。

アルコールを常用していると、次第に最初に満足できていた量では酔えなくなってきて飲酒量がどんどん増えていきます。これは耐性が形成されているという事です。

また、次第にお酒を常に求めるようになり、飲酒せずにはいられなくなります。「お酒なしではいられない」状態は、依存性が形成されているという事です。

ほとんどの睡眠薬には耐性と依存性があります。ただ、一般的な量の睡眠薬の内服であれば、アルコールと比べると耐性・依存性形成は軽いため、医師の指示通りに内服していればそこまで心配する必要はありません。

たまに「睡眠薬は依存が怖いから」といって寝酒をして眠ろうとしている方がいますが、
これは全くおかしな話だという事が分かります。だって睡眠薬よりアルコールの方が依存性は強いのですから。

睡眠薬で耐性・依存性を形成しないためには、まず「必ず医師の指示通りに服用する」ことが鉄則です。アルコールも睡眠薬も、量が多ければ多いほど耐性・依存性が早く形成される事が分かっています。

医師は、耐性・依存性を起こさないように量を考えながら処方しています。それを勝手に倍の量飲んだりしてしまうと、急速に耐性・依存性が形成されてしまいますし、本人の勝手な判断だと、医師もそれに気づくのが遅れてしまいます。

また、アルコールとの併用も危険です。アルコールと睡眠薬を一緒に使うと、これも耐性・依存性の急速形成の原因になると言われています。

「漫然と飲み続けない」ことも大切です。睡眠薬はずっと飲み続けるものではなく、不眠の原因が解消されるまでの「一時的な」ものです。時には「量を減らせないか」を検討すべきであり、漫然と長期間内服を続けてはいけません。

服薬期間が長期化すればするほど、耐性・依存形成のリスクが上がります。

このようなことをしっかりと守って、内服を続ければ睡眠薬で耐性や依存性が形成されることはほとんどありません。

Ⅲ.もうろう状態、一過性前向性健忘

ソレントミンの服薬後、自分では覚えてないけど、歩いてたり人と話してたりする事があります。これは超短時間型の睡眠薬(ハルシオンなど)で多く見られます。ソレントミンで生じる頻度は稀ですが、ゼロではありません。

睡眠薬はまれに中途半端な覚醒状態にしてしまう事があり、この中途半端な覚醒状態が「もうろう状態」「一過性前向性健忘」を起こします。

一般的には急激に効くお薬(超短時間型)に多く、また多くの量の睡眠薬を内服しているケースで起こりやすいようです。

万が一、これらの症状が起こってしまったら、量を減らすか、作用時間の長い睡眠薬へ切り替える事が対応策となります。

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3.他剤との比較

ソレントミンと他剤の半減期(≒作用時間)の比較を紹介します。レンドルミンのジェネリックですので、「レンドルミン=ソレントミン」と考えてご覧下さい。

睡眠薬最高濃度到達時間作用時間(半減期)
ハルシオン1.2時間2.9時間
マイスリー0.7-0.9時間1.78-2.30時間
アモバン0.75-1.17時間3.66-3.94時間
ルネスタ0.8-1.5時間4.83-5.16時間
レンドルミン約1.5時間約7時間
リスミー3時間7.9-13.1時間
デパス約3時間約6時間
サイレース/ロヒプノール1.0-1.6時間約7時間
ロラメット/エバミール1-2時間約10時間
ユーロジン約5時間約24時間
ネルボン/ベンザリン1.6±1.2時間27.1±6.1時間
ドラール3.42±1.63時間36.60±7.26時間
ダルメート/ベジノール1-8時間14.5-42.0時間

5.ソレントミンの薬価

ソレントミン錠0.25mg        6.1円

レンドルミン0.25mg錠(先発品)         27.5円

ソレントミンの薬価は0.25mgで6.1円です。先発品のレンドルミンと比べると大分安いですね。

ちなみにレンドルミンのジェネリックの薬価は、6-11円と製薬会社によってバラツキがありますが、効果はどれも変わりません。

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