睡眠に効果的な音楽はあるのか。安眠CDの真実と誤解

音楽の睡眠への効果は?

「このCDを聴けば快眠できます!」
「この音楽で不眠症が治る!」

このような宣伝を見かけることがあります。眠れなくて困っている方は思わず興味を持ってしまう宣伝文句です。音楽を聴くだけで、不眠症が治るのであれば、こんなに素晴らしいことはありません。

説明を読んでみると、

「この音楽を聴くと脳からα波が出ます」
「このα波が睡眠に良いのです」

と書かれていたりします。世の中には「安眠CD」「熟眠CD」と呼ばれるものがありますが、これって本当に効くのでしょうか。

睡眠の質を高めるのに、音楽に一定の効果があるのは事実です。

しかし、全ての音楽にそういう効果があるわけではありません。また、音楽そのものに直接不眠を治す力があるわけでもありません。使い方次第では眠りに良い効果が期待できますが、使い方によっては逆に眠りを妨げてしまう可能性もあります。

そのため、睡眠の質を上げるために音楽を利用する場合は正しい知識が必要です。

ここでは良い睡眠を得るために音楽は効果があるのか、そしてどんな使い方をすると効果的なのかについてみてみましょう。

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1.基本的に音は眠りを妨げる

冒頭から安眠CDを否定するようなタイトルですが、音楽というのは基本的には睡眠をジャマします。

これは良く考えれば当たり前の事です。

私たちが音楽を聴く時、音は耳から神経を通って脳に入ります。私たちが音を「音だ」と認識できるということは、神経や脳が活動したからです。つまり、音が脳に入った時点で脳は活動してしまっているのです。

音楽に意識を向け、集中して聴けば聴くほど、脳や神経は活性化してしまいます。

睡眠に入るためには脳のはたらきを落とす必要があります。しかし、耳から入ってきた音は脳に刺激として伝わりますので、脳は活性化します。音楽を聴くと、脳のはたらきを落とすどころか活性化させてしまうわけですから、当然眠りは妨げられます。

これで眠れるわけがありませんよね。

良い音楽やお気に入りの音楽であればあるほど、集中してその音を聴いてしまいます。脳はより活性化し、眠る状態とは逆の状態になっていくのです。

眠るためには脳のはたらきを落とす必要があるため、刺激の少ない環境が一番です。なるべく音が少ない、静かで暗いところが一番よく眠れるのです。

2.安眠できる音楽の作用機序

では安眠CDなど、「これを聴けば不眠が解消します!」と謳っている音楽というのは詐欺商品で、効果は全く無いのでしょうか。

音楽に眠らせる力が無いことは事実ですが、睡眠に全く効果が無いかというとそんなことはありません。

先ほど書いた通り、音は刺激になりますから睡眠にジャマなのは事実です。しかし、眠りの準備として脳をリラックス状態にするのには一定の効果があります。

ゆったりとした音楽や、自然の音などを聴くと穏やかな気持ちになれますよね。

気持ちが穏やかになると、副交感神経が優位になり筋肉の緊張が取れ、心身ともにリラックスした状態になります。そして、この状態になると脳波がα波という波長に変わることが知られています。α波優位の脳の状態は、入眠に入る段階としては良いものですので、α波を起こしやすくする音楽は間接的に眠りに効果があると言えます。

つまり、正確に言うと安眠CDというのは、「眠りの質を良くする」「眠りを深くする」わけではなく、「眠りに入りやすいリラックス状態を作ってくれる」というのが正しい表現になります。

そして、音楽そのものにα波を出す作用があるわけではなく、音楽を聴く事で気持ちが穏やかになり、脳がリラックスした結果としてα波が出やすくなるという事なのです。

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3.どんな音楽が安眠できる音楽なのか

気持ちが落ち着き、α波が出やすくなる音楽は、睡眠の準備段階を作るには効果があることが分かりました。しかし、どんな音楽でも睡眠に効果があるわけではありません。

睡眠に良い音楽とはどんな音楽なのでしょうか。

身体をリラックス状態にしてくれる音楽にはいくつかの特徴があります。それは、

・単調な音楽
・歌が入っていない
・静かでゆっくりとした音楽
・極端な高音・重低音がない音楽

です。 

あまりにごちゃごちゃした音楽や展開が複雑な音楽は、脳を興奮させてしまいます。「次はどんな展開になるんだろう!?」という思考が発生してしまえば脳は更に覚醒してしまうでしょう。

それよりも、単調な音楽の方がそれほど意識を向けずに聴けるため、心身がリラックスできます。波の音や川のせせらぎといった自然の音がリラックスできるのは、音が単調だからというのも一因でしょう。

歌も無い音楽の方が良いと考えられます。歌詞があると、自然と歌詞に意識が向きます。歌詞という「言語」を理解しようとするため、脳は活性化してしまいます。

高音が多い音楽も脳を刺激するため、良くありません。かと言って重低音がバリバリのメタルも論外です。どちらも脳を興奮させてしまいます。

4.寝る前に音楽を聴き、寝る時には聴かない事!

つまり、音楽はあくまでも眠りに入る準備状態を作ってくれるものに過ぎません。睡眠薬のように眠りの導入になるわけではないし、睡眠を持続させるものでもありません。ここを誤解してはいけません。

安眠できる音楽を聴く事で、興奮している脳をリラックスさせ、眠りに入りやすい状態にすることは期待できます。しかし、睡眠導入・睡眠維持の効果は期待できません。

そのため、睡眠に音楽を利用するのであれば、

1.就寝の30~60分前に音楽を聴き、リラックス状態を作る
2.その後音楽は消して眠りに入る

という方法が良いはずです。

就寝時に音楽が流れないように、音楽にタイマーをセットして入眠の時間には消えるようにしておくのも良いかもしれませんね。

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