睡眠と入浴の関係。良い眠りに効果的な入浴の6つのポイント

睡眠と入浴、風呂

私たちは生活習慣として、眠る前にお風呂に入ります。

「お風呂に入ってぐっすり眠る」という言葉からも分かるように、お風呂に入るとよく眠れるというのは、昔からよく知られています。経験からも入浴が睡眠に良い影響を与えるということは、多くの方が感じていることでしょう。

しかし実際、入浴にはどんな効果があるのでしょうか。また、良質な睡眠を得るためにはどんなことに気を付けて入浴すればいいのでしょうか。これらの質問にしっかりと答えられる方は少ないでしょう。

今日は入浴と睡眠の関係、そしてそこから考えられる睡眠に良い入浴法を紹介したいと思います。

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1.入浴は睡眠にどう影響するのか

人の体温は、一日の中で変動しています。体温は、日中に活動している時は高くなり、夜間の休息している時には低くなります。具体的には、起床してから徐々に体温は上がり始め、午後4時ごろをピークに下がり始めます。

体温が下がるのは、末梢の血管が拡張するためです。手足の末梢血管が拡張すると、そこから熱が逃げていくため、体温は徐々に低くなっていきます。

そして、体温がある程度下がると私たちは眠くなります。また、体温の低下速度が早い場合、眠気が強くなると考えられています。

ここに入浴と睡眠の関係のヒントがあります。

入浴すると、温かいお湯の中に身体を入れるため、身体は温まっていきます。身体が温まれば末梢の血管は拡張します。すると、お風呂から上がった後には身体から熱がどんどん逃げていくことになり、体温の低下速度が速まります。

これが入浴が眠りを導いてくれる理由になります。

もう一つ、ある程度の温度で身体を温めると、寝付く際に徐波(デルタ波)が発生しやすくなります。徐波は深い眠りの時に発生している脳波形のことであり、身体を温めると深い眠りを得やすいということです。

なぜ身体が温まると徐波睡眠が増えるのかというと、脳内のプロスタグランジンという物質が増えるからだと考えられています。その証拠に、プロスタグランジンを抑えるくすり(アスピリン)を入浴後に飲ませると、徐波睡眠は増えなくなることが確認されています。

ただし徐波睡眠は、ある程度熱い温度でないと増加しません。具体的には40℃以上が徐波睡眠を増加させる湯温だと言われており、36~38℃程度の低温だと、徐波睡眠の増加は得られません。

まとめると、入浴で睡眠が改善する理由は、

  1. 身体を温めることで、その後速やかに体温が下がっていくから
  2. 身体を温めることで、入眠時の徐波が増えるから

が挙げられます。

2.ぐっすり眠るための入浴法とは?

入浴で睡眠が改善する理由を見れば、良質な眠りを得るためにどのような入浴をすればいいかが見えてきます。
良質な睡眠を得るための入浴のポイントを紹介します。

Ⅰ.シャワーではなく、入浴を

忙しいと、ついついシャワーで済ませてしまうという方は多いと思います。

確かに、入浴の目的の一つである「身体の汚れを落とす」という点だけを見ればシャワーで十分です。しかし、睡眠を改善させたいのであればシャワーはほとんど意味がないと言ってもいいでしょう。

シャワーはお湯を身体に一時的に当てているだけですので、体温の上昇は得られません。となれば、入浴後に体温の低下速度が上がることもありませんし、徐波(デルタ波)も増えません。

睡眠を改善する場合は、シャワーではなく入浴をしましょう。

Ⅱ.温度は40℃前後

湯温は40℃前後が一番良いでしょう。

この温度であれば、身体を適度に温めることができますので、入浴後の体温低下速度を速めることができます。また、徐波の増加も期待できます。

低温(36~38℃程度)だと、元々の体温とほとんど変わらないため、入浴後の体温低下速度は、入浴しない場合とあまり変わりません。また、徐波もあまり増えません。

反対に高温(42℃以上)はどうなのでしょうか?

実は熱過ぎる場合も、睡眠の改善にはあまり意味がありません。熱ければ体温も高くなるため、確かに入浴後の体温低下速度は速くなります。また徐波睡眠も増えやすくなります。

しかし実際は、熱過ぎると交感神経が興奮してしまい、脳が覚醒してしまいます。入浴後もしばらくは交感神経の興奮が続くため、脳が冴えてかえって眠れなくなってしまうのです。

Ⅲ.入浴は就寝の2時間以上前に

入浴直後、すぐ眠ろうとするのは良くありません。

入浴によって体温が高くなり、その後速やかに体温が下がっていくために私たちは眠くなるのです。

まだ体温が下がり始めていない入浴直後に寝床に入ってしまうと、そのまま保温されてしまうため体温低下が発生せずに、かえって眠れなくなってしまいます。

入浴して、ある程度の体温低下が得られたところで眠るようにしましょう。具体的には最低でも入浴から1時間後、出来れば2時間は開けた方がよいでしょう。

Ⅳ.入浴時間は15~30分くらいで

入浴時間は最低でも10分程度は取った方が良いでしょう。

数分の入浴では、身体の表面は温まったとしても深部体温の上昇は得られません。これでは身体が温まったことになりませんので、睡眠への効果はあまり期待できません。できれば15分程度は入浴していた方が、身体全体が温まり、睡眠に良い効果を与えます。

かといって長すぎる入浴も問題です。1時間など長時間入浴していると湯温も自然と下がってきてしまうため、「体温を上げる」という入浴の目的が乏しくなってしまいます。

Ⅴ.お風呂の照明にも一工夫

睡眠の質を上げるための入浴、という観点でみれば、風呂場の照明にも工夫をしてみるといいかもしれません。

明るすぎる照明を浴びてしまうと脳が覚醒してしまい、せっかく入浴して得た快眠効果が薄れてしまいます。蛍光灯や白色電球を使っているお風呂場もありますが、できればうっすらと明るい程度の間接照明や、柔らかい色の電球が良いでしょう。

電球の調節ができない場合は、お風呂の電気は消して、脱衣所の電気をつけてそれを間接照明として使うという方法でも良いかもしれません。

もちろん、お風呂場でスマホをいじったりテレビをみたりすることは厳禁です。これらから発生しているブルーライトは不眠の一因になります。

Ⅵ.入浴後は適温で過ごす

入浴後は、自然な体温低下が得られるように室内で適温で過ごしてください。あまり神経質になりすぎることもありませんが、24℃前後がよいでしょう。

暖房で室内を暖めすぎてしまうと、体温低下が得られにくくなり、良い眠りが得られなくなります。また、先ほども書いたように入浴後すぐに寝床に入るのも良くありません。

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 3.身体が温まればお風呂以外でもいいのか

お風呂で睡眠が改善するのは、身体が温まることで

  • 体温低下速度が速まること
  • 徐波が出やすくなること

だとお話しました。

であれば、「身体が温まればお風呂以外の方法でもいいのか?」という疑問がわいてきます。

実際は、条件満たせばお風呂以外でも睡眠への良い効果は得られるようです。

例えば、40℃前後の低温サウナやミストサウナは、睡眠への良い効果があることが確認されています。ただし高温サウナは交感神経を刺激して覚醒させてしまうため、要注意です。

しかし、どちらかと言えば入浴の方が良いでしょう。入浴の方が全身が万遍なくお湯で加温されますし、浮力があることで筋肉も弛緩してリラックスしやすいためです。

自宅にサウナがある人というのもほとんどいないでしょうし、現実的には入浴が身体を温める一番の方法でしょう。

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