強迫性障害を克服する!確実に克服する方法を教えます。

強迫性障害

強迫性障害という疾患があります。

「本当に大丈夫だろうか?」という不安に支配されてしまい、それを払拭するために周りから見たら異常とも思える行動を繰り返してしまう病気です。

代表的な症状として、

・鍵がちゃんと閉まっているか不安で何十回も確認する。
・火の元栓がしっかり締まっていたか心配で何度も家に戻る。
・手の汚れが落ちているか不安で、手が真っ赤になるまで何度も洗う。

などがあります。

この病気のつらいところは、 自分でも「やりすぎだ・・・」と十分理解しているのにも関わらず、 それでも不安が勝ってしまってやめられない、というところです。

手が真っ赤になるまで手洗いを続けても雑菌を100%除去することなんてできません。バカバカしい行為だと、自分でも分かってはいます。でも、やめられない。これが、どれほど辛い事か、想像できるでしょうか?

強迫性障害は、私たち医療者の間でも手ごわい疾患という認識があります。地道にコツコツと、時間をかけて治すしかないため、患者さんも治療者も、途中で挫折してしまうことが多いのです。

でも、「手ごわい」だけで治らないわけではありません。強迫性障害は治らない疾患だと誤解している方がいますが、とんでもありません。きちんと手順を踏めば、強迫性障害は必ず克服できます。

安心してください。必ず、治す事ができます。

「強迫性障害を克服したい!」 。こう考えている方は、まずは病院を受診して頂きたいと私たちは考えています。

それは、手ごわい疾患だから自分だけで治せる確率が低いからです。

一人で治すことが不可能とは言いません。しかし、本人だけでなく、家族、医療者、精神療法、お薬など、たくさんの力を合わせた方が治せる確率はずっと高まります。

どうせ頑張るなら、成功したいじゃないですか。成功率が一番高い方法でやるべきだと思うのです。

ここでは、強迫性障害を克服するための基本的なステップを紹介させていただきます。しかし実際は、文章では伝えきれないこともたくさんありますので、ぜひ、医療機関の受診も並行して行い、確実に治療して下さい。

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1.不安が強すぎる場合は、まずはお薬から

強迫性障害の克服は、「暴露反応妨害法」という治療法が核となります。

これは、

不安と感じるものに立ち向かい、我慢する事で慣れていく

というものです。

強迫性障害を克服するためには、不安なことに立ち向かう必要があります。どんなに怖くても、少しずつでいいので逃げずに立ち向かわないといけません。

たとえば、手洗いを10回しないと不安な人は、9回で止めて我慢してみるという事です。

しかし、中には、「いきなりそんなこと言われても、絶対に出来ない!!」という方もいらっしゃるでしょう。

いきなり不安に立ち向かう事が困難な方は、まずお薬を使いましょう。お薬で少しでもいいので不安を下げる必要があります。

SSRIや三環系などの抗うつ剤は、不安やこだわりを低下させる作用があります。安定剤(抗不安薬)も不安を和らげてくれますし、人によっては不安を取る漢方薬が効くこともあります。

いきなり暴露反応妨害法に入れない、という方は、まずは下準備をしてください。心療内科や精神科を受診し、投薬加療を受け、できる限り不安を下げてください。

克服できる可能性がずっと高くなります。

2.困っている症状を困っている順に書き出す

次にすべきことは、自分が困っている症状をすべて書き出すことです。主要な症状から小さな症状まで、全て書き出してください。

また、それぞれの症状に対して、不安を打ち消すために自分が行っている対処法についても同様に書いてください。

症状                      対応
・手の汚れが気になって洗ってしまう        5分間手を洗う
・身体が汚れるのが怖くて外出できない       家から出ない
・汚れが落ちなくてお風呂からなかなか上がれない  60分身体を洗う

こんな感じですね。

次にこれらの症状を困っている順に並べ、だいたいでいいので「困っている度」を10点満点中で何点なのか書いてください。

症状 対処法 困り度
身体が汚れるのが怖くて外出できない 家から出ない 10点
風呂で何度も身体を洗ってしまう 60分身体を洗う 8点
手を何度も洗ってしまう 5分手を洗う 6点

例では、かんたんに3つしか書きませんでしたが、実際は時間をかけて、すべての症状を細かく書いてください。

病気を克服するためには、まずは自分の病気について深く知る必要があります。敵がどんなものなのか知らなければ、克服しようがありません。面倒と思わず、何日かけても構わないので、 全ての症状を拾い出してください。

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3.難易度の「低い」ものから、時間をかけて減らしていく

困っている症状の一覧表を書いてもらいました。

次にすべきことは、 「困り度の低いものから暴露反応妨害法をチャレンジする」 ことです。困り度の低いものから。 これが治療の鉄則です。ここ、非常に重要なポイントです。

多くの人は、自分が最も困っているものから手をつけようとします。一番治したいところから治そうとするのです。気持ちは分かりますが、それは絶対にダメです。

一番困っているものというのは、自分にとって一番深く根付いているものです。それはつまり一番治しにくいものだと言うことです。一番治しにくい、つまり一番成功率の低いところからチャレンジしてしまうと、失敗する可能性が高くなります。

失敗は自信を失わせ、不安を強めてしまいます。「俺はどうせ治らないんだ・・・」と絶望に襲われてしまうでしょう。

そうではなく、まずは一番困り度の低いもの、つまり治せる確率の高いものからチャレンジするのです。

成功率が一番高いものからチャレンジすれば、成功しやすいわけです。成功すれば自信にもなり、次にもつながっていきます。

ここの鉄則を絶対に破らないでください。「難易度の低いものから治していく」です。

次していくのか、ですが、上記の例をもとに考えてみましょう。

この例では、「手の汚れが気になってしまう」が一番難易度の低いものになります。まずはこの症状の克服からチャレンジしましょう。

チャレンジの際には

目標を決め、時間をかけて確実に1個ずつ減らしていく事

を心がけてください。

この例で考えると、今は5分間手を洗わないと満足できないわけですから、「4分」あるいは「4分半」で満足できるようにするのが妥当でしょう。タイマーなどを使い、4分で手洗いを中断しましょう。いきなり30秒や1分にするのではなく、少しずつ、地道に確実に減らして下さい。

今までやってきた行為を減らすことはとても不安に感じるでしょう。それは当然です。でも、頑張りましょう。 「耐える」しかありません。非常につらいと思います。 でも、がんばって耐えてください。

どうしてもつらい時は安定剤などをその都度飲んでも良いと思います。何とかして耐えることを何よりも優先してください。

周りの協力してもらうことも効果的です。手洗い後は家族に「大丈夫、雑菌は付いてない!」と言ってもらってもいいでしょう。そう言ってもらえれば、少し安心できます。

5分の手洗いを4分にするのに1ヶ月かけても2か月かけても構いません。焦らずゆっくりという気持ちでやってください。

一度耐えることに成功すればしめたものです。二回目の我慢は一回目より、不安は弱くなります。そして3回目の我慢は2回目より更に小さな不安になります。

回数を重ねれば重ねるほど、不安は小さくなることが分かっています。無意識のうちに小さな成功体験を積み重ねることで自信がついているのです。

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回数を重ねれば重ねるほど、不安は小さくなる

これを何度か繰り返し、不安が自分で制御できる程度になったら、更に次は、「手洗いを3分で中断すること」にチャレンジします。

あとはその繰り返しです。

非常に長い道のりになる事は想像に難くないでしょう。その想像通り、時間がかかります。でも、これが最短で確実な道のりなのは間違いありません。

一人では挫折してしまう可能性が高くなりますから、繰り返しになりますが家族、医療者など多くを巻き込んで、みんなの協力を得て、治療していくことが大切です。

4.3歩進んで2歩さがる、という気持ちで

精神疾患すべてに言えることですが、経過には波があります。順調に来てたのに、些細なきっかけで不安が増悪してしまい、1ヶ月前の状態に戻ってしまった、ということは往々にしてあります。

そんな時、落ち込んではいけません。経過中に波があるのは当然のことと考えないといけません。綺麗に治っていく方が稀です。改善・増悪の波のなかで全体的に少しずつ良くなっていくのが普通なのです。

小さなスパンで一喜一憂せず、 半年、一年単位で増悪、改善は判断するようにしましょう。

この病気はどうしても克服に時間がかかります。焦りは絶対にいけません。 確実に、時間をかけて治すという気持ちを持ちましょう。時間をかければ必ず治ります。

5.原因については最初は触れないこともある

「まずは病気になってしまった原因を深く掘り下げるべきなんじゃないの?」という意見をご家族から頂くことがあります。

確かにそうする場合もありますが、 最初は原因については深く踏み込まない方が安全です。明確な原因があって強迫性障害が発症したケースは多くの場合、その原因は「非常につらい思い出」です。

その原因が本人にとって非常につらく、思い出したくもない体験であった場合、ただでさえ精神的につらい状態なのに、原因に踏み込むことで更に精神を悪化させてしまう可能性があります。

強迫性障害は、精神疾患の中でも最上級に不安が強い疾患です。ですから不安をなるべく持ち上げず、まずは不安の軽減をはかるべきなのです。

まずは原因はさておき、不安を軽減することを第一とします。ある程度不安が低下し、冷静に自分を見つめられるようになってから、原因については踏み込んでいくことが望ましいと考えられています。

6.地道な努力の積み重ねが自信となる

強迫性障害の克服には時間がかかります。

特に最初がとても時間がかかります。不安に立ち向かうということがとても怖くてつらくて勇気がいることだからです。

何度もあきらめたくなる気持ちに襲われるでしょう。もう治らないんじゃないのか、と何度も不安になるでしょう。でも、地道にコツコツと時間をかけて努力した過程で実はあなたには確実に「自信」が積み重なっています。

病気を克服しようと一生懸命立ち向かったというその事実は確かに存在しています。 その事実が、自信となります。

この病気の根源にあるものは何でしょうか? それは「不安」です。不安の反対は何でしょうか?

そう、「自信」なのです。

自信を積み重ねていく、という事はそれだけで不安を押さえ込む力があります。一見すると、ぜんぜん治ってないと感じられるような期間にも 間違いなく、自信が積み重なっているのです。

結果がすぐに見えなかったとしても、必ず良くなっています。あきらめないでください。

6.階段状ではなく放射線状に改善していく

私が強迫性障害の患者さんの治療をお手伝いさせて頂いて感じることは症状は階段状には治っていかない、ということです。

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強迫性障害は階段状ではなく、放射線状に改善していく

少しずつ、着実に治っていくのであれば分かりやすくてモチベーションも保てるでしょう。しかし、残念な事に現実はそうではありません。

最初の頃は努力を重ねてもあまり目に見える改善はなく、あるとき、急に視界が開けたかのように良くなるような印象です。

強迫性障害の治療は、最初が一番つらいのです。だから治療を脱落してしまう方が多いのです。

しかし、最初を乗り切れればそこから脱落する人はほとんどいません。

「最初が一番つらいんだ!」
「何とか最初を乗り切ろう!」

そんな気持ちを持って取り組んでください。

7.改善後も治療は一定期間続け、再発させない事

改善してくると、次第に自信がついてきます。

「もう通院をやめても大丈夫なんじゃないか?」
「お薬はもうなくても大丈夫なんじゃないか?」

こんな気持ちにもなってきます。これは自信がだいぶついているという事ですから、とてもいい事です。

もちろん、通院も内服も一生するものではありません。どこかで終了になるのが普通です。

しかし、独断で判断せず、必ず主治医の指示を守ってください。

ここまで苦労して克服したものを再発させては絶対にいけません。また同じ努力をしなきゃいけないなんて気が遠くなるでしょう。

しかも多くの場合、再発例は初発例より難治(治りにくくなる)と 言われています。個人差もありますが、 改善してからも1-2年間は通院、服薬を続けることをお勧めします。

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