メイラックス錠1mg、2mgの強さ【医師が教える抗不安薬のすべて】

メイラックスはベンゾジアゼピン系に属する抗不安薬で、1mg~2mgの量で使うことが多いおくすりです。

剤型は、

「メイラックス1mg錠」
「メイラックス2mg錠」

の2種類が発売されています。

おくすりを処方されると、その「量」について不安に感じる方は多いでしょう。

「いま処方されている量は一般的にみて多いのか?どれくらいの量が普通なのか?」
「2mgは強すぎるのではないか?」

などと心配になるのも無理はありません。

ここでは、メイラックス1mgやメイラックス2mgなどが一般的にどのくらいの強さなのか、また量の違いによって強さがどれくらい変わるのかについてお話します。

1.メイラックス1mg、2mgの位置づけ

メイラックスの添付文書を見ると、

【用法及び用量】
通常、成人には、ロフラゼプ酸エチル(メイラックスのこと)として2mgを
1日1~2回に分割経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。

と「2mg」が通常量であると書かれております。

ただし「年齢や症状に応じて適宜増減する」とも書かれているため、2mgは基準となる値では
ありますが、絶対に2mgでなければいけないわけではありません。

患者さんの症状や重症度によっても異なるため、一概に言えないところはありますが、
臨床では1~2mgの間で用いられることが多いという印象です。

軽い方であれば0.5mgなどの事もありますが、反対に2mgより多い量を使うことは
あまり多くはありません。

効きには個人差があるため、一概に「このくらい量でこのくらいの強さです」とは言えませんが
おおよその感覚で言うと、1mgも2mgも一般的な量です。

ここで言う一般的な量とは「臨床で使う普通量」「平均的な量」という意味です。

メイラックスは、効果はやや強めのおくすりなのですが「ゆっくりと穏やかに効く抗不安薬」のため、
最大量の2mgを使っていたとしても、「これは多すぎる!」という量ではないのです。

とは言っても、おくすりの量は少ないに越したことはありません。
高用量の抗不安薬は、乱用や依存につながるケースもあるため、
メイラックス2mg以上を長期間処方されている方は、定期的に減量できないか考えてみましょう。

2.量を増やせば効果は強くなるけど・・・

メイラックスに限らず、どんなおくすりでも同じですが、
基本的には量が増えればそれだけ効果は強くなります。

メイラックス1mgとメイラックス2mgでは、後者の方がニ倍量多くおくすりが身体に入りますから、
どう考えてもより強く効くはずです。

量を増やせば、おくすりの効きも強くなる。
これは真実です。

しかし、量を2倍にしたら、効果も2倍になるのかというと、
実際に抗不安薬を処方している印象としては、そんなことはありません。

例えばメイラックス1mgを処方して、効きが不十分であるため2mgに増やした。
その場合、量を2倍にすることでどのくらい効きが強くなるのかというと、
体感的なイメージですが、1.2から1.4倍程度にしか効果は強くなりません。

特に、高用量になればなるほど効果の差は小さくなっていく印象があります。

抗不安薬は、量を増やせば効きは多少強くはなります。
でも、「量を増やせば増やすほど、どんどん効く」というものではないのです。

乱用を防ぐためにもこのことを理解しておくことはとても大切です。

3.少量からはじめるのが基本

おくすりは、どのくらい強く効くかは実際には使ってみないと分かりません。

「一般的にはこのくらい効く」という平均像はあるものの、
それがこれから投与するあなたにも同じように当てはまるとは限らないのです。

そのため、少量からはじめて効果を見ながら少しずつ増やしていくことが基本になります。

メイラックスでもこれはもちろん同じです。

できればメイラックスも1mgから開始しましょう。
いきなり2mgから開始することはお勧めできません。

特にメイラックスは半減期が122±58時間ととても長いおくすりです。
(半減期:そのおくすりの血中濃度が半分になるまでにかかる時間。作用時間の目安になる値)

一度身体に入れてしまうと数日は抜けないため、心配な方は0.5mgから開始してもいいと思います。

増量する場合も、最低でも1週間以上は様子をみて、
それでも効きが不十分な場合に限り検討してください。