メイラックスは1989年に発売された抗不安薬で、抗不安薬の中では比較的新しいおくすりになります。
現在でも使われる抗不安薬であるため、ジェネリック医薬品も発売されています。
ここではメイラックスのジェネリックの紹介、先発品とジェネリックの違いについてなどをお話します。
1.メイラックスのジェネリック
2014年現在、いくつかの製薬会社からメイラックスのジェネリック医薬品が発売されています。
少し前まではジェネリック医薬品も先発品と同じように、製薬会社がそれぞれ
自由に名前をつけていました。
- メデタックス
- スカルナーゼ
- ロンラックス
- ジメトックス
これらがメイラックスのジェネリック医薬品になります。
しかし最近は、ジェネリックの数があまりに増えすぎてしまい、現場が混乱しているため
ジェネリック医薬品の薬名を統一して混乱を防ごう、という流れがあります。
具体的には、ジェネリックの名称を
「(一般名)+(会社名)」
に変えることで、「このくすりは○○のジェネリックなんだ」と分かりやすくします。
ちなみに一般名とは、国際的に決められた薬物の名称のことです。
これからはほとんどのジェネリックがこの名称に統一されていくでしょう。
ちなみに、メイラックスの一般名は「ロフラゼプ酸エチル」です。
実際、現時点でもメデタックスは
- ロフラゼプ酸エチル錠「サワイ」
と名称変更されています。
2.メイラックスのジェネリックの薬価
ジェネリックの最大のメリットは、その薬価にあります。
先発品とジェネリックの薬価を比較してみましょう。
メイラックス(先発品) 1mg 22.4円
メイラックス(先発品) 2mg 40.0円ロフラゼプ酸エチル(ジェネリック) 1mg 7.5~9.2円
ロフラゼプ酸エチル(ジェネリック) 2mg 9.2~14.8円 (2014年現在)
抗不安薬のは薬価は元々が安めに設定されていますが、
ジェネリックは更に安くなります。
3.先発品とジェネリックの効果は同じなのか?
患者さんから、「先発品とジェネリックの効果に差はありませんか?」と
いう質問をよく頂きます。
基本的には全く同じ効果だと考えていいでしょう。
ジェネリックは安いので、「成分が少ないのでは?」「質が悪いのでは?」と考える方がいますが、
これは全くの誤りです。
先発品は「最初に作られたおくすり」ですので、
その研究や開発に多額のお金がかかっています。
おくすりの成分を発見・抽出するのにも費用がかかります。
数千人の人を対象にした臨床試験をすれば、これもまた費用がかかります。
私も詳しくは知りませんが、聞くところによると数億・数十億とかかるそうです。
先発品を発売する製薬会社は、その費用を回収しないといけませんから
必然的に薬価は高くせざるを得ません。
これが先発品の薬価が高い理由です。
製薬会社も企業である以上、利益を上げないといけませんから仕方ないのです。
しかしジェネリックはというと、研究費や開発費がほぼかかりません。
だって、先発品ですでにおくすりの開発や研究はしてもらってますから、
何億円もかけて同じことをやる必要はないのです。
ジェネリックが行うべきことは、
「このジェネリック薬は、先発品と同じ程度の効果効能がありますよ」
ということを証明するだけです。
(これを生物学的同等性試験といいます)
このように、先発品とジェネリックは初期投資額が全く異なるのです。
ジェネリックは、質が悪いから安いのではなく、
多額の研究費や開発費の分が引かれた分安くなっているのです。
しかし、稀にですがジェネリックに変えたら
おくすりの効きが悪くなった、というケースもあります。
ジェネリックは、主成分は先発品と同じですので、基本的には効果は同等のはずですが、
なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。
主成分的には先発品もジェネリックも同じなのですが、主成分以外の添加物などが微妙に違う場合があり、
それが人によっては合わなかったり、分解や吸収に多少の影響を与えてしまうからではないかと
考えられています。
そのため、もしジェネリックに変更して違和感を感じるのであれば、
先発品に戻す方がいいこともあります。
この判断は主治医とよく相談しながら行ってください。
(注:ページ上部の画像はイメージ画像であり、実際のメイラックス錠のジェネリックとは異なることをご了承下さい)