危険ドラッグ(合法ドラッグ、脱法ドラッグ)って一体なに?

ニュースで「合法ドラッグ」「脱法ドラッグ」「危険ドラッグ」という言葉をよく聞くようになりました。最近では「合法ハーブ」「脱法ハーブ」などもメディアを賑わせています。

これらドラッグは一体どんなものなのか、みなさんご存じでしょうか。「合法」って言うくらいだから安全なものなのでしょうか。それとも「危険」と付いているしやはり危ないものなのでしょうか。

実はこれら「合法ドラッグ」「脱法ドラッグ」「危険ドラッグ」は全て同じものを指しています。また、合法ハーブ、脱法ハーブもこれら危険ドラッグの一種であり同様のものです。

これらは全て安全な薬物ではありません。非常に危険なものです。

「合法って付いてるし大丈夫だろう」と安易な気持ちでドラッグに手を出してしまい、人生を棒に振ってしまう若者が増えています。これらの薬物には絶対に手を出してはいけません。一時の快楽を代償に、人生を失います。

ここではこれらの「ドラッグ」の正体をみていきましょう。

1.「危険ドラッグ」「合法ドラッグ」「脱法ドラッグ」の違いは?

危険ドラッグ、合法ドラッグ、脱法ドラッグ・・・。様々な呼び名がありますが、これらは全て同じものを指しています。

ドラッグを販売する者・取り締まる者などの立場によって呼び名が違い、また時代の流れとともに名称が変更されていますが、その実体は同じものです。ドラッグの販売者はたくさん売りたいため「合法ドラッグ」と呼び、さも安全であるかのような表現をします。しかし、同じものを行政などでは「危険ドラッグ」と呼んでいます。

「合法ドラッグ」という名称は、誤解を招く非常に危険なネーミングです。「法律的にもセーフだし安心」というイメージを持ってしまいますが、実際は「法の網をすり抜けているから、現状では違法指定はされていない」というだけで、安全であるという意味では全くありません。

これらドラッグの歴史をみてみると、元々は1995年ごろより「麻薬・覚せい剤のように快楽を得られて違法ではないもの」として「合法ドラッグ」が流行しはじめ、メディアでも取り上げられるようになりました。

当初は違法な薬物に指定されていない成分であったため、安全性が高いドラッグなど誤解されていたようですが、実際に調査してみると違法薬物である麻薬・覚せい剤と似た成分を含んでいる事が判明しました。

「現在の法では違法ではないけど、法の網を潜り抜けているだけ。これらは規制すべき物質である」と判断され、行政は2000年に「合法ドラッグ」から「脱法ドラッグ」へと名称を変更しました。

しかしその後もこれらドラッグの問題は後を絶ちませんでした。そのため、行政はドラッグの違法性を一般の方にも認識してもらうため、2005年に「違法ドラッグ」と名称変更しました。

しかし違法ドラッグという名称は浸透せず、ドラッグによる問題はどんどんと深刻化していたため、行政は2014年に「危険ドラッグ」と名称変更をし、更に注意を促しています。

「危険ドラッグ」と言う名称は「合法だとか言ってるけど、これらはとても危険なものなんだよ」という行政からのメッセージが込められているのでしょう。

2.「合法」=「安全」という意味ではない

勘違いしてはいけないのが、「合法」=「安全」ではないという事です。これは非常に重要です。「合法って書いてあるし大丈夫だろう」という安易な気持ちでこれらのドラッグを使用してしまう方が少なくありません。この「合法」の意味にはトリックがあります。

昔から違法薬物と法律はいたちごっこの関係があります。ある薬物が流通し、それが人体への危険が高いものだと判断されると国は法律でそれを「違法薬物」として規制します。すると今度は、その違法薬物の化学構造を微妙に変えた新しい薬物が新たに作られ、流通します。

この新しい薬物は、その時点では違法薬物とは構造が違うため「違法」には該当しません。一応「合法」だという事になります。これが「合法ドラッグ」のカラクリです。

合法というのは、安全だと言う事ではなく、まだその薬物の法規制に国が追い付いていないだけなのです。

この意味では「合法ドラッグ」と言うよりも「脱法ドラッグ」という方が適切です。脱法、つまり法の網をすり抜けているけども、実際は違法性が十分あるドラッグだという事です。

実際、危険ドラッグによる事件は毎年増加傾向にあります。みなさんもニュースなどで観たことがあると思いますが、交通事故や暴力事件の原因になったりすることも多いですし、中には危険ドラッグによって死亡者も出ているケースもあります。

危険ドラッグは法規制を逃れるために化学構造を少し変えているため、毒性や依存性がかえって強まっていると指摘する専門家もいるくらいで、非常に危険な物質なのです。

3.危険ドラッグってどんな成分なの?

危険ドラッグはどんな成分が含まれているのでしょうか。

実はこれ、ものによって成分や含有量がバラバラであり、一概には言えません。そもそも正規に販売されているものではないため、中身もしっかりと作られたものではありません。適当な配合で販売されているドラッグもあると思われます。中には致死量に至る物質が入っている可能性だって否定できないのです。

実際に危険ドラッグを使用したものが事故を起こしたり、死亡に至ったケースは数多くあります。基本的には麻薬や覚せい剤の類似成分のため、使い続ければ身体への害も大きく、皮膚や臓器を傷めます。また依存性なども強いため一度使ってしまうとそこから抜け出すのが大変です。

4.危険ドラッグを使うとどうなるの?

危険ドラッグの成分や含有量は、商品によって様々であるため、症状も様々です。しかしほとんどが覚せい剤や麻薬の成分を少し変えているだけであるため、麻薬・覚せい剤と同じような症状を引き起こします。

変に成分をいじっている分、麻薬・覚せい剤よりも危険度が高いものも多くあると指摘されています。

主な症状を挙げると、

〇 交感神経症状(頻脈、頻呼吸、散瞳など)
〇 幻覚・妄想、異常行動
〇 不安感、焦燥、興奮
〇 傾眠、意識障害
〇 嘔気、嘔吐

などの症状が報告されています。更にドラッグの使用を続けると、ドラッグに依存してしまいます。ドラッグの効果が切れると幻覚やイライラ、ふるえなどの離脱症状が出て落ち着かなくなり常にドラッグを求めるようになります。

連用を続ければ、臓器も痛んできます。内臓はボロボロになり皮膚の血色も悪くなります。更にドラッグには耐性があるため、同じ効果を得るためには使用量がどんどん増えていくことになります。

死に至るケースもあり、安全なものとはとても言えません。非常に危険です。

また危険ドラッグは法の網をすり抜けるために多少構造を変えた成分であるため、病院に搬送されても成分の特定がしずらく適切な治療ができない事があります。

4.危険ドラッグは麻薬・覚せい剤です

言ってしまえば、危険ドラッグは麻薬・覚せい剤と同じです。安易に手を出せば人生を棒に振ります。万が一、周りから勧められたとしても絶対に手を出してはいけません。

バスソルトやお香などに扮して販売されていたり、カラフルでおしゃれなパッケージで販売されているため、「そんなに怖いものではなさそうだ」と誤解されがちですが、とんでもありません。

軽い気持ちで使用していいものではありません。中身は麻薬・覚せい剤と同等のものなんだという認識を持ってください。むしろ化学構造をいじっている分、成分が分かっている麻薬・覚せい剤よりもタチが悪い可能性すらあるのです。

精神的につらい時、何もかもがイヤになってしまう時って誰にでもあります。そんな時、ついドラッグに逃げたくなってしまう事もあるかもしれません。でもその安易な判断は、一時の快楽を代償に全てを失います。

危険ドラッグによる被害は自分だけに降りかかってくるのではありません。幻覚妄想状態になって事故や暴力事件を起こしてしまえば、まったく無関係の他者にも迷惑をかける事になります。家族やあなたの大切な人にもたくさんの迷惑をかけることになるでしょう。

絶対に使ってはいけません。