ロヒプノールの半減期・作用時間【医師が教える睡眠薬の全て】

ロヒプノールの半減期

ロヒプノールは中時間型に分類されている睡眠薬です。

中時間型は半減期が10~24時間ほどのものが多いのですが、ロヒプノールは半減期が7時間前後とやや短めです。

半減期とは、内服したおくすりの血中濃度が半分になるまでの時間のことで、これはおくすりの作用時間とある程度相関します。

半減期が分かると、そこからそのおくすりの様々な特徴が見えてくるため、おくすりの半減期はとても重要な情報です。

ここでは、ロヒプノールの半減期や他睡眠薬との比較、そこから考えられるロヒプノールの効果的な使い方について紹介していきます。

また、「半減期」の意味についても少し詳しくお話します。

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1.ロヒプノールの半減期

睡眠薬は半減期(≒作用時間)で大きく4種類に分類されています。

  • 超短時間型・・・半減期が2-4時間
  • 短時間型 ・・・半減期が6-10時間
  • 中時間型 ・・・半減期が12-24時間
  • 長時間型 ・・・半減期が24時間以上

半減期は、おくすりの血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことです。
血中濃度が半分まで減ると、薬効がある程度消失するため、、
半減期はおくすりの作用時間とある程度一致すると考えられます。

おおまかには「半減期」≒「おくすりの作用時間」と考えてよいでしょう。

おくすりが身体がから抜けていくスピードは個人差があるため、
半減期は、あくまで作用時間の目安に過ぎませんが、
おくすりを選択する際に大きな指標になる数値なのです。

ロヒプノールは「中時間型」の睡眠薬に分類されてはいますが、
短時間型に近い半減期を持ちます。

服薬してから1~1.6時間ほどで血中濃度が最高値になり、半減期は約7時間です。

中時間型にしては即効性があり、半減期もやや短いことが特徴です。
数値だけを見れば、短時間型といってもいいかもしれません。

なぜロヒプノールが中時間型に分類されているのかというと、薬物動態がやや特殊だからです。
ロヒプノールは服薬後12時間までは半減期7時間のペースで血中濃度が下がっていくのですが、
それ以降になると、半減期が20時間程度のペースに落ちるという二相性の半減期を持っています。

かんたんに図に表すとこのようになります。

fnphalftimeこのように、途中から血中濃度の落ち方が緩やかになるので

他の短時間型よりも身体から抜ける時間が長くなります。

そのため、短時間型ではなく中時間型に分類されているのです。

2.睡眠薬の半減期一覧

睡眠薬は、半減期によって4種類に分類されることをお話しました。
主な睡眠薬の半減期を比較してみると下図のようになります。

睡眠薬最高濃度到達時間作用時間(半減期)
ハルシオン1.2時間2.9時間
マイスリー0.7-0.9時間1.78-2.30時間
アモバン0.75-1.17時間3.66-3.94時間
ルネスタ0.8-1.5時間4.83-5.16時間
レンドルミン約1.5時間約7時間
リスミー3時間7.9-13.1時間
デパス約3時間約6時間
サイレース/ロヒプノール1.0-1.6時間約7時間
ロラメット/エバミール1-2時間約10時間
ユーロジン約5時間約24時間
ネルボン/ベンザリン1.6±1.2時間27.1±6.1時間
ドラール3.42±1.63時間36.60±7.26時間
ダルメート/ベジノール1-8時間14.5-42.0時間

睡眠薬によって、半減期や最高濃度到達時間が様々であることが分かります。

最高濃度到達時間が早いお薬は「即効性がある」と言えます。

例えばマイスリー、アモバン、ハルシオンなどの「超短時間型」は
1時間前後で血中濃度が最高値になるため、「すぐに寝付きたい」という方に向いています。

しかし半減期が3-4時間ですから、長く眠りたい方には向いていません。

反対に、長く眠る事を目的にする場合は、
エバミール/ロラメットやリスミー、ユーロジンなどが
第一選択としては向いていることが分かります。

ロヒプノールはというと、1~1.6時間で効きが最高値に達し、薬効も7時間前後続くため、
即効性も持続力もあり、バランスの取れた睡眠薬であると言えます。

数値だけを見ると、短時間型のレンドルミンと似ていますね。

睡眠薬はそれぞれ微妙に特徴が違いますので、
主治医と相談して自分に合いそうな睡眠薬を選びましょう。

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3.半減期から考えるロヒプノールの使い方

不眠は大きく分けると2つのタイプがあります。

一つ目が「寝付けない」タイプで、「入眠障害」と呼ばれます。
二つ目は「寝付けてもすぐに目覚めてしまう」タイプで、「中途覚醒」と呼ばれます。

教科書的には、

入眠障害には超短時間型か短時間型、
中途覚醒には中時間型や長時間型

の睡眠薬が適していると書かれており、
まずはこのセオリーに沿っておくすりを決めていきます。

ロヒプノールは「中時間型」に属するため、セオリー通りであれば、中途覚醒に使われるべきです。
しかし、1時間ちょっとで効きが最高値になるため、入眠障害への効果も十分期待できます。

半減期も7時間ありますので、中途覚醒への効果もまずまず期待できると言えるでしょう。

ロヒプノールは、入眠障害にも中途覚醒にもどちらにも使える、
使い勝手のよい睡眠薬なのです。

しかし、注意すべきなのは、
ロヒプノールはベンゾジアゼピン系睡眠薬の中で、かなり強い部類に入る睡眠薬だという点です。

効果が強いという事は、副作用も多めだという事でもあり、
また依存や乱用につながりやすいという事でもあります。

実際、米国ではロヒプノールを覚せい剤と一緒に乱用したり、自殺手段に使ったりという事案が続いたため、
現在では合法的に入手することができなくなっています。病院でも処方できません。

このことから、不眠になった場合、最初に使うべきおくすりとして
ロヒプノールは不適だと思われます。

効果が強く副作用も強いというおくすりは、他の睡眠薬が効かないケースに限って
慎重に使用すべきだからです。

まずは、レンドルミンなどの似たような薬物動態を持つ、効果が強すぎない睡眠薬からはじめ、
それでも十分な効果が得られない場合に限り、検討すべきでしょう。 

 

4.半減期とは?

せっかくなので「半減期」について勉強してみましょう。

半減期というのは「おくすりの血中濃度が半分になるまでに要する時間」のことです。

半減期は、おくすりの作用時間とだいたい一致するため、
半減期が分かれば作用時間がだいたい推測できます。

例えば、下記のような薬物動態を示すお薬があるとします。

半減期イメージ

だいたいのお薬は内服すると、このグラフのようにまず血中濃度がグンと上がり、
それから徐々に落ちていきます。

このお薬は、投与10時間後の血中濃度は「10」ですが、
投与20時間後には血中濃度は半分の「5」に下がっています。

血中濃度が半分になるのに要する時間は「10時間」ですので、
このお薬の半減期は「10時間」です。

そして半減期が10時間ということは「だいたい10時間くらい効くおくすり」なんだと分かります。

正確には半減期と作用時間の長さは完全に一致するわけではありません。

実際は、おくすりを飲むとまずは血中濃度は上がり最高血中濃度に到達して
それから下がっていきますので、厳密に言えば
最高濃度に到達するまでの時間も加味しなければいけないでしょう。

もっと言えば、すべての人が、血中濃度が半分になったら薬効を感じなくなるとは言えません。
血中濃度がどれくらい下がれば薬効を感じなくなるかは人それぞれでしょう。
半分の人もいれば、それ以上・それ以下の方もいます。

更に個々人の体質や代謝能力まで考え出すとキリがなく、
そうなると作用時間を数値化することは不可能です。

でも、「どれくらいの効くかは、人それぞれですから分かりません」では話にならないので、
ひとつの目安として、半減期を使用しているのです。

細かいことを考え出せばキリがありませんが、あまり難しく考えずざっくりと
「だいたい半減期が作用時間と同じくらいだ」と考えていいのではないかと思います。

半減期はあくまでも目安で、絶対的な値ではないという事は気を付けてください。
個人差はおおいにあります。

お薬を分解する力が強い人もいれば弱い人もいます。
人によって差があります。

特に肝臓が悪い方は、お薬を分解する力が弱まっているため、
一般的に半減期よりも長い時間お薬が身体に残ってしまいます。

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