ロヒプノール錠1mg、2mgの強さ【医師が教える睡眠薬のすべて】

ロヒプノールはベンゾジアゼピン系というタイプの睡眠薬で、0.5mgから2mgの間の量で使います(高齢者は1mgまで)。

剤型は、

「ロヒプノール錠1mg」
「ロヒプノール錠2mg」

の2種類が発売されています。

おくすりを処方されると、その「量」について不安に感じる方は多いでしょう。

「いま処方されている量は一般的にみて多いのか?どれくらいの量が普通なのか?」
「2mgってどれくらい強いのか」

おくすりは自分の身体に入るものですから、心配になるのも無理はありません。

ここでは、ロヒプノール1mgやロヒプノール2mgなどが一般的にどのくらいの強さなのか、また量の違いによって強さがどれくらい変わるのかについてお話します。

1.ロヒプノール1mg、2mgの位置づけ

ロヒプノールは通常、0.5mgから2mgの量で使用します。地域によっては4mgまで保険上認められているところもあるようですが、一般的には2mgが上限です。

効きには個人差があるため、一概に「このくらい量でこのくらいの強さです」とは言えませんがおおよその感覚で言うと、0.5mgから1mgが一般的な量でしょう。

ここで言う一般的な量とは「臨床で使う普通量」「平均的な量」という意味です。

ロヒプノールは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中でも最強クラスの強い睡眠効果を持ちます。同じベンゾジアゼピン系であるジアゼパム(商品名:セルシン、ホリゾン)の約10倍だという報告もあります。

そのため、0.5mgでも他の睡眠薬と比べると強い催眠作用があり、2mgと言うと、睡眠薬としてはまずまず多い量だと言っていいでしょう。

「効果が強い」という事は、眠らせてくれる効果に優れるという事なので良いことです。しかしそれは副作用のリスクも大きく、依存にもなりやすいということでもあります。

服薬量が多ければ、副作用のリスクもより高くなるため、効果が強いロヒプノールの最大量2mgを慢性的に内服している場合などは、依存形成が心配になります。

中には不眠がひどくて4mgをずっと処方されている、というケースも稀にあり、この場合は依存が形成されているリスクは高いと言えます。

睡眠薬はほとんどが依存形成を起こす可能性がありますが、ロヒプノールは、とりわけ作用が強いために高用量の内服には注意を払わなければいけません。

睡眠薬を内服している場合は、定期的に「そろそろ量を減らせないだろうか」という事を考え、漫然と長期間飲み続けないように気を付けてください。

 

2.量を増やせば効果は強くなるけど・・・

睡眠薬に限らず、どんなおくすりでも同じですが、基本的には量が増えればそれだけ効果は強くなります。

ロヒプノール1mgと2mgでは、後者の方がニ倍量多く睡眠薬が身体に入りますから、後者の方がより強く効くはずです。

量を増やせば、おくすりの効きも強くなる。これは真実です。

しかし、量を2倍にしたら、効果も2倍になるのかというと、実際に睡眠薬を処方している印象としては、そんなことはありません。

例えばサイレース0.5mgを処方して、効きが不十分であるため1mgに増やした。その場合、量を2倍にすることでどのくらい効きが強くなるのかというと、体感的なイメージですが、1.2から1.4倍程度にしか効果は強くなりません。

特に、高用量になればなるほど効果の差は小さくなっていく印象があります。

睡眠薬は、量を増やせば効きは多少強くはなります。でも、「量を増やせば増やすほど、どんどん効く」というものではないのです。

睡眠薬の乱用を防ぐためにもこのことを理解しておくことはとても大切です。

3.少量からはじめるのが基本

おくすりは、どのくらい強く効くかは実際には使ってみないと分かりません。

「一般的にはこのくらい効く」という平均像はあるものの、それがこれから投与するあなたにも同じように当てはまるとは限らないのです。

そのため、少量からはじめて効果を見ながら少しずつ増やしていくことが基本になります。睡眠薬でもこれはもちろん同じです。

ロヒプノールは出来れば0.5mgから開始しましょう。どんなに多くても1mgからです。いきなり2mgから開始することはお勧めできません。

増量する場合も、最低でも1週間以上は様子をみて、それでも効きが不十分な場合に限り検討してください。

(注:ページ上部の画像はイメージ画像であり、実際のロヒプノール錠とは異なることをご了承下さい)