ユーロジン1mg、ユーロジン2mgの強さ

ユーロジンはベンゾジアゼピン系というタイプの睡眠薬で、1mgから4mgの間の量で使います。

剤型は、

「ユーロジン1mg錠」
「ユーロジン2mg錠」

の2種類が発売されています。

使用量が1mgから4mgと幅があるため、

「どれくらいの量が普通なのか」
「4mg飲むとどれくらい強いのか」

など疑問を持たれる方もいるかもしれません。

ここでは、ユーロジン1mgやユーロジン2mgなどが一般的にどのくらいの強さなのか、また量の違いによって強さがどれくらい変わるのかについてお話します。

1.ユーロジン1mg、2mg、3mg、4mgの位置づけ

ユーロジンは1mgから4mgの量で使用します。

効きには個人差があるため、一概に「このくらい量でこのくらいの強さです」とは言えませんが
おおよその感覚で言うと、1mgから2mgが一般的な量です。

ここで言う一般的な量とは「臨床で使う普通量」「平均的な量」という意味です。

処方されているおくすりを見てユーロジン1mgや2mgだと、
「まぁ普通量の睡眠薬を使っている患者さんだな」と考えます。

3mgや4mgはというと多めという印象です。

別にこの量が悪いわけではありませんが、1-2mgで効かないからこの量になっている事が多く、
量が多いと副作用や身体への負担も大きいわけですから、私たちも慎重に考えます。

高用量の睡眠薬は、乱用や依存につながるケースもあるため、
ユーロジン4mgを長期間処方されている場合は、依存などになっていないかを
より注意しながら診療をしていきます。

2.量を増やせば効果は強くなるけど・・・

睡眠薬に限らず、どんなおくすりでも同じですが、
基本的には量が増えればそれだけ効果は強くなります。

ユーロジン1mgとユーロジン2mgでは、後者の方がニ倍量多く睡眠薬が身体に入りますから、
どう考えてもより強く効くはずです。

量を増やせば、おくすりの効きも強くなる。
これは真実です。

しかし、量を2倍にしたら、効果も2倍になるのかというと、
実際に睡眠薬を処方している印象としては、そんなことはありません。

例えば、ユーロジン1mgを処方して、効きが不十分であるため2mgに増やした。
その場合、量を2倍にすることでどのくらい効きが強くなるのかというと、
体感的なイメージですが、1.2から1.4倍程度にしか効果は強くなりません。

特に、高用量になればなるほど効果の差は小さくなっていき、
3mgと4mgではほとんど効きが変わらなかった、ということもあります。

 

睡眠薬は、量を増やせば効きは多少強くはなります。
でも、「量を増やせば増やすほど、どんどん効く」というものではないのです。

睡眠薬の乱用を防ぐためにも
このことを理解しておくことはとても大切です。

3.少量からはじめるのが基本

おくすりは、どのくらい強く効くかは実際には使ってみないと分かりません。

「一般的にはこのくらい効く」という平均像はあるものの、
それがこれから投与するあなたにも同じように当てはまるとは限らないのです。

そのため、少量からはじめて効果を見ながら少しずつ増やしていくことが基本になります。

睡眠薬でもこれはもちろん同じです。

できればユーロジン1mgから開始しましょう。
どんなに多くても最初は2mgまでが限度だと思います。

いきなり3mgや4mgから開始することはお勧めできません。

増量する場合も、最低でも1週間以上は様子をみて、
それでも効きが不十分な場合に限り検討してください。