精神科医が教える応急入院が適用される条件と患者さんの権利について

応急入院について

どのような疾患であっても、症状の程度が重かったり、通院治療では改善が困難だと判断される場合は「入院」による治療が検討されます。

精神疾患においてもこれは同様で、精神疾患の状態によっては精神科病棟での入院加療が行われる事があります。

しかし精神科には他の科とは異なる入院形態があります。

他の科と同じような入院形態である「任意入院」が基本ではありますが、任意入院に応じて頂けない場合、一定の条件を満たした場合には患者さんが入院を拒否しても強制的に入院してもらう制度があるのです。その1つが「応急入院」です。

強制的、とは言っても医学的に妥当な根拠がある時にのみ適用されるもので、あくまでも入院によって長期的にみて患者さんに利益がある時に限って行われるものです。しかし、そうは言っても患者さんが拒否しているのに無理矢理入院させるわけですので、患者さんにとっては不満や怒りを覚える入院であり、その適用は慎重に判断する必要があります。

この応急入院はどのような時に発動し、どのような人が対象となるのでしょうか。また人権を超えた入院形態などがなぜ必要で、悪用されたりする事はないのでしょうか。無理矢理入院させられた患者さんは、異議などは申し立てる事などは出来ないのでしょうか。

ここでは応急入院という制度について詳しく説明し、また応急入院に納得のいかない患者さんが取れる異議申し立てについても紹介させていただきます。

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1.強制的な入院がなぜ必要なのか

応急入院という入院形態を簡単に説明すると、

「自分が病気の状態であると認識できていない患者さんが、本来であれば入院による治療が必要なのにも関わらず入院治療を拒否した場合で、家族にも連絡が付かずに家族の同意が得られない場合に限り、72時間だけ入院強制的に患者さんを入院させる事が出来る」

というものになります。

本人が入院したくないと言っているのに無理矢理入院させてしまえるなんて、なんだかとっても怖い制度のように感じられるかもしれません。

医師から入院を提案された時、患者さんはそれに同意する事も出来ますが、どうしても入院したくない場合はそれを拒否する権利も持っています。これは患者さんの権利です。

この制度は患者さんの人権(入院しないという権利)を超えて発動する制度になりますので、悪用すれば自分の気に入らない人間を精神科病院に閉じ込めてしまう事も出来てしまうように感じられます。

もちろんそんな事にはならないように工夫された制度ではありますが、応急入院のような特殊な入院形態が入院を拒否する患者さんを無理矢理入院させる制度であるのは事実であり、人権を超えて発動する制度である以上、この入院を発動させる際はやむを得ない場合に限られ、慎重に使う必要があります。

ではなぜ精神科ではこのような入院形態が必要なのでしょうか。

応急入院の必要性を理解するために、まずは精神疾患の患者さんの例を1つ挙げてみましょう。

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Aさんは会社員で、現在単身赴任中であり、寮で単身生活しています。

持病に双極性障害を持っており、近医に定期的に通院してます。

お薬を服用していれば病状は安定していましたが、ここのところ仕事が忙しく受診の頻度が次第に不規則になっていき、主治医から「必ず服用してください」と言われていたお薬も段々と飲み忘れるようになっていきました。

【双極性障害】

気分が異常に高揚する「躁状態」と、異常に低下する「うつ状態」を繰り返す疾患。

躁状態では、高揚気分(気分が良くなり、言動が浮つく)、万能感(なんでもできると感じる)、誇大妄想(自分の立場や能力を過大に評価してしまう)、易怒性(怒りっぽくなる)などが認められる。

一方でうつ状態では、抑うつ気分(気分が晴れない)、興味と喜びの喪失(喜んだり関心を持ったりが出来ない)、疲労感、無価値感(自分に価値を感じられない)、希死念慮などが認められる。

次第にAさんは、怒りっぽくなったり、家に帰っても深夜まで仕事を続けるようになっていきました。様子がおかしいと感じた同僚が「病院に行った方がいいんじゃない?」と提案するも、「いや、最近お薬を飲まなくなってからむしろ調子がいいんだ」「自分はもう治ったと思う」と聞く耳を持ってはくれませんでした。

次第に言動はエスカレートしていき、職場で部下に怒鳴り散らすようになったり、明らかに実現不可能な壮大な事業計画を上司に進言するようになりました。上司が何とかなだめようとしても「あなたはこのプランの素晴らしさが分からないのか。そんな無能な人間だとは思わなかった!」と上司に対しても怒鳴り散らすようになりました。

しまいには「もう会社を辞める。こんな三流企業にいるよりも自分で事業を始めた方が上手くいく」と退職届を出そうとし始めました。

更に事業立ち上げのためにはお金を借りないといけないと、借金をするために銀行に出向くようにもなりました。

さすがにまずいと感じた上司が本人を無理矢理精神科病院に連れて行きました。主治医はすぐに「入院治療が必要です」とAさんに伝えましたが、Aさんは「私は病気ではない」「私がおかしいのではなくて、あなた方が無能なだけだ」と入院を拒否しました。

医療と保護のために入院治療をする必要があり、医療保護入院の適用であると主治医は考えて家族に連絡を取ろうとしましたが、家族に連絡が取れません。

Aさんは「無理矢理入院させるなんて人権侵害だ!俺は忙しいんだ。帰る!」とわめいています。

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Aさんは、双極性障害の躁状態だと考えられます。躁状態では「自分は何でもできる」「自分は天才に違いない」といった万能感・誇大妄想など認めます。これらは正常な認識ではなく、双極性障害という疾患によって引き起こされた「症状」です。

妄想という症状はいくら周囲が説得しても訂正不可能ですので、本人の希望を尊重すれば本人は入院せずにそのまま病院から帰り、「病気の症状」によって本当に仕事を退職し、莫大な借金をして、明らかにうまくいかないような事業を始めてしまうでしょう。

このケースでAさんは入院を拒否していますが、「本人が入院しないと言ってるんだからこのまま様子を見ましょう」とする事は本当に正しいのでしょうか。

確かにAさんには人権があり、入院するかしないかを自分で決める権利があります。そのため基本的には本人の希望を尊重すべきなのですが、「入院しない」という判断を下すためには入院によって得られるメリット、そして入院しない事によって生じるデメリットをしっかりと理解している必要があります。

しかしAさんは病気の症状によって、入院のメリット・帰宅のデメリットを理解できていないと考えられます。このように自分の状態を正しく認識できなくなるような症状が発症している場合、本人の希望を尊重してしまうと、本人の将来がめちゃくちゃになってしまいます。

このような場合、病識が戻るまでの一時的な期間のみ本人の人権を超えて強制的に入院してもらう事で適切な治療を施し、本人の将来を守るのが精神科で行われている特殊な入院形態なのです。

応急入院もその1つです。

このような特殊な入院形態は、患者さんの人権を侵害する可能性のある行為であるため、誰でも出来るものではありません。精神科医の中でも「精神保健指定医」という国家資格を持った医師のみが行える入院形態になります。

2.特殊な入院形態の中での応急入院の位置づけ

精神科における特殊な入院形態がなぜ必要なのかを理解していただけたでしょうか。

患者さんに「病識」がなく、本人の希望に沿ってしまうと患者さんの将来に大きな不利益があると考えられる場合、このような特殊な入院形態が検討されます。

特殊な入院形態はいくつかあります。その中で応急入院というのはどうような位置付けの入院形態になるのでしょうか。

精神科で行われる特殊な入院形態には、

  • 応急入院
  • 医療保護入院
  • 緊急措置入院
  • 措置入院

の4種類があります。これらは下に行くほど重症度が高くなります。

応急入院を理解するにはこの4つの中での応急入院の位置づけが分かると理解しやすくなります。

まず大前提として、入院を検討する際は原則「任意入院」を試みる必要があります。任意入院とは普通の入院の事で、内科などでも一般的に行われている入院形態です。

医師が「あなたは今このような状態で、このような危険がありますので入院の必要があります」と患者さんに説明をして、患者さんがそれに同意する事で成立するのが任意入院です。

どのような患者さんでも、まずは任意入院に応じてくれるかを必ず確認しなければいけません。これをせずにいきなり医療保護入院や措置入院を行なう事は認められません。

精神科の特殊な入院形態は、この任意入院が行われる状態でないことが第一条件です。つまり、患者さんが任意入院を拒否しているという事です。

この任意入院の拒否が、入院によるメリットや入院しない事によるデメリットを正しく理解した上で拒否しており、かつ入院しない事で周囲に大きな害をきたさないのであれば構いませんが、そうでない場合は特殊な入院形態を発動させる必要が出てきます。

患者さんが精神症状などによって病識が欠如してしまい、任意入院が行われる状態にない。しかし入院治療をしないと本人の将来や周囲に大きな不利益がある可能性が高いと考えられる時、応急入院などが検討されるのです。

特殊な4つの入院形態は、

  • 応急入院と医療保護入院
  • 緊急措置入院と措置入院

の2つに分けて考える事が出来ます。

応急入院と医療保護入院は基本的には同じような入院形態なのですが、応急入院は「一時的な医療保護入院」になります。同様に緊急措置入院と措置入院も同じような入院形態であり、緊急措置入院は「一時的な措置入院」になります。

これら特殊な入院形態は、人権を侵害するものであるため、発動させるためには細かい条件があります。緊急時はその条件が全て満たせない事がありますが、それでも入院してもらわないとまずいという場合があります。

このように条件が足りなくても、一時的に入院させる事が出来るのが応急入院と緊急措置入院なのです。

ではそれぞれの入院形態についてより詳しくみていきましょう。

Ⅰ.応急入院と医療保護入院

応急入院と医療保護入院は、患者さんが精神疾患による症状を発病していて、任意入院を行える状態でなく、「医療と保護のために入院が必要である」と1名の精神保健指定医が判断した場合に適応されます。

任意入院を行える状態でないというのは、「患者さんが入院を拒否している」かつ「正しい病識を持った上での入院の拒否ではない」という事です。

つまり病気の症状によって自分の状態を正しく認識できておらず、そのあやまった認識を元に入院を拒否しているという事です。このあやまった認識をもとに入院させないでしまうと、患者さんやその周囲に大きな不利益が生じる可能性が高くなります。

医療と保護のためというのは、「医療行為(治療)を患者さんに施す必要がある」かつ「患者さんのためと患者さんの周囲のために患者さんを保護する必要がある」という事です。

先ほどの例のように、入院しない事によって本人の将来がめちゃくちゃになる可能性が高いという場合は、医療と保護のために入院が必要であると考える事が出来ます。

医療保護入院は本人の同意が得られない時に発動する入院ですが、本人のかわりに家族等(配偶者、親権行使者、扶養義務者、後見人または保佐人のいずれか)に同意をもらわないといけないという条件があります。

また家族等が全くいない方に対しては家族の代わりに居住地の市町村長に同意をもらう必要があります。

しかし医療保護入院の適応ではあるんだけど、病院に家族等が付き添っていなかったり、また家族等に電話で連絡をしてもすぐに連絡が取れない事もありえます。

このような場合「家族と連絡がつかないから入院させないで帰そう」というのは、患者さんの将来に不利益が生じる可能性が高いと考えられます。

このような時に一時的に家族等に連絡がつかなくても医療保護入院と同じ形態で入院させるための制度が「応急入院」です。

ただし応急入院はあくまでも「一時しのぎの医療保護入院」ですので、その効力は72時間しかありません。つまり応急入院としたら72時間以内に家族と何とか連絡を取り、同意をもらわないといけません。

もし72時間以内にもらえなかった場合は効力を失い、患者さんは本人の意志で退院できるようになります。

また家族と連絡が取れたものの、家族が入院に同意しなかった場合も同様に効力は失います。「家族が同意しないから一時的に応急入院を使って、72時間以内に家族を説得させよう」といった使い方は出来ません。

また12時間以内であれば精神保健指定医でなくても、特定医師(医師になって4年以上、精神科経験が2年以上の医師)でも応急入院をさせる事が出来ます。

Ⅱ.緊急措置入院と措置入院

緊急措置入院と措置入院は、患者さんが精神疾患による症状を発病していて「自傷他害の恐れがある」と2名の精神保健指定医が判断した場合に適応されます。

幻覚や妄想などの精神症状によって、自分を傷付けてしまったり(自傷)、周囲の人を傷つける(他害)可能性が高いと判断される場合に適応となります。

例えば「自分は悪の組織に狙われている」という被害妄想にとらわれて、ずっと自室に引きこもっている患者さんが、「こんな隠れてばかりの生活が続くなら死んだほうがましだ」と自傷行動をしてしまったり、全く無関係の通行人を「お前も悪の組織の一員だろう」と攻撃したりしてしまったら、これは本人の将来に不利益があるだけでなく、全く関係のない第三者にも不利益が生じます。

この場合、本人が入院を拒んでいるからといって入院させなければ本人のみならず周囲の人間にも大きな害が生じる可能性があります。更に家族が「入院させなくてもいいです」と言ったとしても、そのまま帰してしまえば無関係な第三者に危険が及ぶ可能性があるでしょう。

このような場合は本人・家族の同意がなくても強制的に入院してもらう「措置入院」「緊急措置入院」が検討されます。

措置入院は「都道府県知事」の権限において入院させる形態になり、本人の同意や家族の同意も必要ありません。ただし人権を大きく侵害する行為であるため精神保健指定医2人が共に、「措置入院が必要である」と判断しないと発動はされません。

しかし病院によっては常に精神保健指定医が2人いるわけではありません。特に医師不足の地域などでは緊急時には精神保健指定医が1人しか確保できない事もあります。精神保健指定医が1人しかいないから措置入院の必要がある患者さんだけど帰そう、というのはあまりにも危険です。

このような場合に使えるのが緊急措置入院です。緊急措置入院は、2人の精神保健指定医が確保できない場合に、一時的に1人の精神保健指定医の判断にて措置入院と同等の入院を発動する事ができる入院です。

ただしその効力は72時間しかありません。引き続き措置入院の必要性がある場合は72時間以内にもう1人の精神保健指定医が診察し、1人目と同様に「措置入院の必要がある」と判断する必要があります。

ちなみに措置入院・緊急措置入院は本人・家族の同意の有無にかかわらず強制的に入院させるものですので、その入院費は原則患者さん負担はなく、税金で賄われます(一定の所得以上の方は自己負担になることがあります)。

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3.応急入院はいつまで有効なの?

応急入院は患者さんの人権を拘束する入院形態になります。更にあくまでも医療保護入院の「つなぎ」の入院形態になります。

そのため出来る限り使うべきものではなく、その使用は出来る限り短期間に留めるべきです。

では応急入院で入院中の方はいつまで人権を拘束されなければいけないのでしょうか。

応急入院の効力は72時間以内になります。では「72時間経ったら自由になれるのか」というとそういう事ではありません。

応急入院は「72時間で退院できる入院」ではなく「72時間以内に家族等に同意をもらい、医療保護入院に移行しなくてはいけない入院」ですので、条件が整い次第、医療保護入院に変更されます。

医療保護入院は、患者さんに病識がなく治療の必要性を感じていないけども、客観的にみれば入院によって治療・保護をしてあげないと患者さんに大きな不利益を来たす可能性が高いと判断される場合に発動します。

逆に言えば、このような状態を脱すれば医療保護入院は速やかに解除されるべきであり、退院あるいは任意入院に切り替えないといけません。

例えば患者さんに病識が生まれ、「自分は治療する必要があると思うから、入院を継続したい」と考えるようになれば医療保護入院を解除し、任意入院に切り替えなくてはいけません。

また治療によって患者さんの症状・状態が安定し、患者さんを入院によって治療・保護する必要性が消失した場合も、医療保護入院は解除され、外来通院などに切り替えなくてはいけません。

医療保護入院は人権を超えた入院であるため、その期間は必要最小限である必要があり、必要以上に長期化させる事は許されません。医療保護入院の基準を脱したら速やかに解除する必要があるのです。

ちなみに医療保護入院を発動させるには精神保健指定医という国家資格が必要ですが、解除に関しては、医師であれば誰であっても可能です。

4.応急入院に納得いかなくても従うしかないの?

応急入院は人権を拘束する入院形態であるため、悪用される心配がゼロではありません。

例えば悪い精神保健指定医が、自分にとって邪魔な人間を精神疾患患者に仕立て上げ、「お前は応急入院が必要だ」と診断してしまえば、無理矢理入院させる事も出来てしまいますよね。

このような事が起こらないよう、応急入院をはじめとした特殊な入院は、悪用できないような仕組みも整備されています。

その一環として、患者さん自身が「この入院はおかしい」と第三者に調査を依頼することができます。

応急入院は一時的に人権を超える入院形態ではありますが、これは患者さんの人権が無くなるという事ではありません。

病気の症状に支配されているという状況であっても患者さんに人権はあり、「この入院は不当だ」と処遇の改善や退院を請求する権利は当然あるのです。

患者さんが「自分は王乳入院の対象ではない。この入院は不当だ」と不満がある場合、各都道府県に設置されている精神医療審査会に「処遇改善請求」「退院請求」を行う事が出来ます。

この「処遇改善請求」「退院請求」は外出や電話などを制限されている患者さんであっても、決して制限されない権利であり、どんな入院形態の患者さんでも請求する事が出来ます。更に精神医療審査会への連絡先は病室内の目立つところに必ず張り出されている必要があり、患者さんはいつでも連絡する権利があります。

もし強制的な入院に納得がいかない場合は精神医療審査会に連絡し、「処遇改善請求」「退院請求」を伝えてください。

患者さんからの「処遇改善請求」「退院請求」を受け取ると、精神医療審査会の委員は本人や主治医・病院に調査に入ります。この精神医療審査会の委員は病院とは全く関係のない第三者機関であり、病院とグルになっているという事はありません。

審査には1カ月ほど要します。審査の結果「今の入院形態は妥当である」と判断されれば残念ながら基準を脱するまで今の状態が継続になりますが、「今の入院形態は不当である」と判断されれば、都道府県知事から病院に処遇の改善が指示されます。

また応急入院は基本的には72時間に医療保護入院に切り替えられますが、医療保護入院が不当に長期化していないかをチェックする目的で、1年以上医療保護入院が続いている患者さんに対して、主治医は定期病状報告書を提出しなければいけないという決まりもあります。

これは「この患者さんはこのような症状があり、このような理由により医療保護入院の継続が必要です」と報告するもので、医療保護入院継続の正当な根拠がなければ継続は認められない事となっており、病院や医師が不当に医療保護入院を長期化させていないかをチェックするものとなります。

このような様々な工夫により、強制的な入院でありながらも患者さんが不当に扱われないような配慮が工夫されています。

私自身、いくつかの精神科病院を勤務してきた実感として、この制度はおおむね良好に機能していると感じます。

これらの入院を発動させる時、患者さんが入院したくないと言っているのに無理矢理病室に連れていくわけですから、私たち精神科医も心が痛まないわけではありません。

「人権侵害だ!」「お前は悪魔だ!」などと罵られる事もあり、心の中では申し訳なさもあります。

しかし精神疾患を治療するプロフェッショナルとして、患者さんの将来を守るため、行わざるを得ない行為なのです。

自分の希望に反して入院させられてしまうと患者さんはお怒りになるのも当然ですし、不満を感じるのも当然だとは思います。

病識を取り戻してからでも構いませんので、「あの時は分からなかったけど、先生は自分の将来を守るために入院させたんだな」と理解してもらえると、私たち精神科医としてもありがたく思います。

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