「病気を治すのは自分なのだ」と考え、克服したC様の体験談

この記事では、サイト来訪者様から頂いたこころの疾患の治療体験談を紹介しています。

闘病中は辛い時期がたくさんあります。「もう治らないのではないか」と諦めかけてしまう事もあるかもしれません。

そんな時は同じく辛い時期を乗り越えた方々のお話を聞いてみてください。実際に病気を克服した本人だから言える言葉は、治療中の方に大きな勇気を与えてくれます。

今回は、「自分で治すという心構えが大切なのだ」という考えを大切にし、病気を乗り越えてきたC様の体験談を紹介します。

Ⅰ.発症・病院受診までの簡単な経過

67歳、女性、元大学教員(現在は退職)
離婚し現在は一人暮らし

昭和56年の秋のことでした。家庭も不自然な形態を抱えつつ、職場の改組による移行の中で、何とか乗り越えられたところで収拾がつかなくなり、精神科を訪れました。

Ⅱ.行われた治療(お薬、カウンセリング、認知行動療法など)

クリニックへ1年通院したものの良くならず、自分の希望で大学病院の精神科へ3ヶ月入院しました。

しかしその後、出勤した翌日から6ヶ月休職しました。大量服薬、リストカット、過食と続きました。

主治医とは別に、職場で毎週精神科医の診察を受けました。向精神薬は多剤、大量に服用しました。しんどくなると、アナフラニールの点滴を受けに行きました。

離婚後、私の訴えが薬理作用とは違うと気づかれ、職場での精神科医が主治医となり、すべて断薬して、以後薬は3種類のみとなりました。病名が変わったようです。5年前に交通事故に遭い、頭部外傷を負い、2年ほど前、眼瞼痙攣と診断されました。断薬を試み、今は離脱できました。最近になって、先生からも離れました。

Ⅲ.治療の感想や自分で気を付けた事

自分が治すしかないと思いました。

先生を信頼し、自分自身を観察しながら、先生に尋ね、自分自身を分析して、自分の心と身体をコントロールするよう努めました。

自分が一生懸命生きるしかありません。それで満足でき、納得できると思います。

その姿を先生もみていて下さり、お互いに治療という過程は寛解へ向くのではないかと思います。患者もそれなりに努力しなければなりません。

Ⅳ.現在闘病中の方へメッセージ

私は人生の半分を薬と精神科の先生とともに生き抜きました。この1か月、悩むこともなくすっきりとし、これが清明というのかなと思う日が続きましたが、どうも物足りなくなってきました。

苦しく、考え抜いた後、答えなりがみつかる。そのささやかな喜びがあったように思えてきました。深く苦しんだら、小さなことに光が感じられ、とてもいい感じが訪れるようです。

生きるのが楽になる日がきますよ。

<せせらぎメンタルクリニックより>

C様は30年以上もの非常に長い間、闘病生活を続けてこられました。

闘病生活が長くなると、「もう一生治らないのではないか」と絶望的になってしまい、治療へのモチベーションが保てなくなってしまう事が多々あります。そのような状況でも諦めずに病気と向き合い続け、一進一退を繰り返しながらも少しずつ少しずつ克服してきたC様は本当に辛抱強く頑張ってこられたと感じます。

C様の病状が改善に向かい始めたきっかけの1つとして、「病気を治すのは自分なのだ」という考えを大切にしていた点は大きかったのではないでしょうか。

これは「医者の助けを借りてはいけない」「家族や周囲の力を借りてはいけない」という意味ではありません。

こころの病気を治していく上で、医療の力や周囲の力は必要です。しかしそれと同じくらい「自分の力」も必要なのです。

いくら主治医が「このような生活をするようにしてみましょう」「このような考え方をしてみると自分を傷付けずに済みますよ」と提案しても、患者さんがそれを日常で実践してくれなければ、治療効果は思うように得られないでしょう。

お薬である程度は改善するとは言っても、根本的な治療というのは、このような生活習慣の改善や考え方の修正などが大切で、これは患者さん自身が日常の中で実践していくしかありません。

精神的につらい状態で、自分も治療を「頑張らないといけない」というのは、なかなかしんどいのも事実です。しかしお薬をただ飲むだけでは、一時的にお薬の力で多少気分は楽になったとしても、根本の解決がはかれないのです。

「自分も治療に参加する」「病気は自分が治すのだ」という気持ちを常に持ち、少しずつ少しずつで構いませんので、自分で出来る事を毎日続けていくことが大切です。「先生の任せておけば、自分は何もしなくても治るだろう」という考えは、こころの病気においては危険な考え方になります。

C様はお薬を大量に処方されていた当時を振り返り、「薬漬けだった私の人生ってなんだったのか」ともおっしゃっています。職場の精神科医の先生に主治医が変わるまでは、薬物療法が主体となってしまっていたのかもしれません。もちろんお薬だけで治療が行えるケースもあるのですが、お薬は根本を治すものではない以上、無理にお薬だけで解決しようとしてしまうと大量服薬となり、その上に症状は全然良くならないという事にもなってしまいます。

お薬も上手に利用しつつ、その他の治療もバランス良く取り入れていくことが大切です。

今、苦しさの真っ只中に居る方もいらっしゃるかもしれません。でも決して生きる事を諦めないで下さい。諦めずに、少しずつ少しずつ、今の自分に出来る事を精いっぱい続けていけば、いつか生きるのが楽になる日がきます。

つらくて諦めてしまいそうなときは、

「深く苦しんだら、小さなことに光が感じられ、とてもいい感じが訪れるようです」

この言葉を思い出してみて下さい。

必ず、「諦めなくてよかった」と感じられる日は来ます。

<あなたの治療体験談を教えてくれませんか?>

こころの疾患は私たち医療者が中心となって治療をしています。しかし私たち「医療者」以外にも、こころの病気で苦しんでいる方に大きな力を与えられる人がいます。

それは同じくこころの病気を患い、乗り越えてきた経験のある方です。

「苦しかった時は、このような事をして乗り切った」
「こんな苦しかったけど、いつか治ると信じてたから今がある」

実際にこころの病気と闘ってきた元・患者さんの言葉は、他の誰の言葉よりも説得力があり、他の誰の言葉よりも今苦しんでいる患者さんに勇気と希望を与えてくれます。

私はこのサイトを通してメンタルヘルス情報を配信していますが、医療者目線の情報だけでは不十分であることを強く感じています。実際にこころの病気を克服してきた元・患者さんの経験は、私がメンタルヘルス情報を配信する事以上に、患者さんの励みになるでしょう。

こころの病気を克服した方、あるいは克服中であるが最初よりは大分良くなったという方、このサイトを通じてあなたの治療体験談を教えて頂けませんか。

それはいま、苦しんでいる多くの方の大きな希望の光になるはずです。

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タイトル(闘病生活を端的に表したタイトルがあればお願いします)

本文(次の項目に沿って記載頂ければ幸いです)
Ⅰ.簡単なプロフィール(年齢や性別、職種など)
Ⅱ.発症・病院受診までの簡単な経経過
Ⅲ.行われた治療(お薬、カウンセリング、認知行動療法など)
Ⅳ.治療に対する個人的な感想
Ⅴ.治療に当たり自分で気を付けたこと
Ⅵ.現在闘病中の方へメッセージ