燃え尽き症候群ではどのような症状が現れるのか

燃え尽き症候群の症状

何かを精力的に一生懸命頑張っていた人が、ある日「燃え尽きる」ようにやる気がなくなり、動けなくなってしまう。

このような状態を「燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)」と呼びます。

燃え尽き症候群は、その名の通り「燃え尽きる」ことが主な症状になります。では、燃え尽きるとは具体的にはどのようなことなのでしょうか。また燃え尽きる以外にも症状があるのでしょうか。

燃え尽き症候群は明確に定義された疾患ではないため、「このような症状があれば燃え尽き症候群だ」と断定できるものではありません。燃え尽きに至るまでには人によって様々な症状がありますが、その中でも共通している出現しやすい症状もあります。

今日は燃え尽き症候群の症状についてお話しさせて頂きます。

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1.燃え尽き症候群に特徴的な症状とは

燃え尽き症候群は、その名の通り「燃え尽きてしまう」状態です。

主に精神エネルギーが燃え尽きてしまう事で、精神エネルギーの低下・枯渇が燃え尽き症候群の中核症状になります。

燃え尽き症候群の主な症状を理解するためには、MBI(Maslach Burnout Inventory)という検査が役立ちます。これは燃え尽き症候群の研究に取り組んでいたクリスティーナ・マスラックというアメリカの社会心理学者が考案した燃え尽き症候群のチェックツールになります

MBIでは、燃え尽き症候群をチェックするための項目として次の3つを挙げています。

  • Emotional Exhaustion(情緒の枯渇)
  • Depersonalization(脱人格化)
  • Decrease Sense of Personal Accomplishment(個人的達成感の減少)

MBIの精度については議論もあるところですが、少なくともこれらの項目は燃え尽き症候群の主症状を整理して理解するのには役立ちます。

この中で、特に一番目の「情緒の枯渇」が燃え尽き症候群の中核症状となります。またこの3つの症状以外にも副次的な症状が出現することもあります。

それでは、燃え尽き症候群の症状について1つずつ見ていきましょう。

2.情緒の枯渇

燃え尽き症候群の中核となる症状は、「こころの燃え尽き」になります。これを難しく言うと、「感情や情緒の枯渇・消耗」ということができます。

一生懸命頑張っていたけれど、努力の仕方になんらかの無理があった場合、その頑張りが限界を超えて、それでもなお頑張り続けていると、心のエネルギーがゼロになってしまいます。

まるで心に重い鉛が乗っかっているかのように重苦しく、意欲も気力も沸かなくなってしまいます。エネルギーが枯渇しているため、気持ちだけが空回り、何も出来なくなってしまうのです。

この症状はある日突然現れることもあるし、少しずつ現れることもあります。

ほとんどの人が燃え尽きる前に薄々「自分は無理をしている」「このままではおかしくなってしまう」と気付きます。しかしその事実を認めたくない感情がはたらき、頑張り屋さんであるほど、より無理をすることでこの事実を覆い隠そうとします。

無理をすればするほど、自分をだますことになるため、表面上は限界に達するまでいつもと変わらないように見え、ある日突然動けなくなってしまうのです。

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3.脱人格化

燃え尽き症候群が始まると、相手に対しての対応が冷淡・事務的になることがあります。

燃え尽き症候群は、人を援助するような職種(医療職・介護職や教職など)に多いため、その対象となる相手(患者さんや生徒など)に対して冷淡な対応を取るようになるのです。

今までは親身になって一生懸命相談に乗るような人が、急によそよそしい態度になったり、事務的な態度になったりすることもあります。相手に対して攻撃的になったり、突き放すような言葉をかけたり、露骨にイライラした態度を示すこともあります。

いずれも元々はそんな態度を取る人ではなかった人が、「人が変わったかのように」接し方が変わってきてしまうのです。

何故このようになってしまうのかと言うと、これは燃え尽きかけている心が燃え尽きてしまわないために取る防御策です。消えかけている心のエネルギーを消さないため、これ以上エネルギーを使わないようにと余計なエネルギーを使わないような対応になるのです。

4.個人的達成感の減少

燃え尽き症候群になってしまう方は、元々何かに対して期待や目標を持っていたはずです。一生懸命頑張っている間は、それが原動力とな頑張ることが出来ていたのです。

「あの人の病気を治してあげたい!」
「あの生徒を目標の大学に入れてあげたい!」

と。

しかし燃え尽き症候群が始まると、このような期待や目標を喪失してしまい、対象に対して達成感を感じられなくなってしまいます。

また、それまで自信を持ってやってきた事に対して、徐々に自信を無くしてしまうこともあります。

「自分が患者さんの力になれるわけがない」
「自分なんかは人に教えられる立場ではない」

と考えてしまうのです。

その結果、作業のパフォーマンスは更に低下し、更に燃え尽きやすくなるという悪循環に入ってしまいます。

達成感が感じられなくなるだけでなく、進行すると「絶望感」「虚無感」を非常に強く感じるようになることもあります。

5.その他の症状

燃え尽き症候群で多く認められる症状を3つ見てきました。

中でも「情緒の枯渇」は燃え尽き症候群の中核と言える症状であり、ほぼ全ての方に認められる症状だと言えます。。それ以外の「脱人格化」「個人的達成感の低下」も人によっては認められる症状です。

しかし燃え尽き症候群ではそれ以外にも出現しやすい症状がいくつかあります。

代表的なものを紹介します。

Ⅰ.自律神経症状

燃え尽きたのは、心が無理に燃え続けた結果です。無理な燃え方をし続けた心には、大きな負荷がかかっています。

身体に大きな傷が出来るわけではないため、その負荷には気づきにくいのですが、その負荷は自律神経のバランスを崩し様々な症状となって現れます。

一例を挙げれば、

  • 頭痛
  • 腹痛
  • 下痢
  • 不眠
  • 疲労感
  • 食欲低下

など、非常に多岐に渡るし症状が出現する可能性があります。

自律神経は全身に分布しているため、そのバランスが崩れると、このようにあらゆる症状が出現してしまうのです。

Ⅱ.引きこもり

燃え尽きると、社会から遠ざかるようになります。

身体も心も動かず、自信も持てない。今まで頑張ってやってきた事を頑張ることが出来ない。こうなると人と会う気力も沸かないし、誰にも会いたくなくなってしまうのです。

問題は燃え尽きている間だけではありません。燃え尽きから回復しても、この引きこもってしまった弊害が続くことがあります。

今の社会構造は、一旦引きこもって社会から隔離されてしまうと、そこから社会復帰するのはかなり大変です。引きこもってしまうという症状は、燃え尽き症候群が回復した後も将来に影響を来たしやすい、決して軽視できない症状なのです。

Ⅲ.依存

燃え尽き症候群は、何らかの不自然な燃え方を続けていることで発症してしまいます。

そのため燃え尽きる前から、大きなストレスを抱えています。このストレスは自覚出来ていることもあるし、自覚出来ていないこともあるのですが、何とかストレスを解消しようとして、依存性のあるものに頼ってしまう事があります。

いつもよりお酒をたくさん飲むようになったり(アルコール依存)、明らかな浪費が増えたり(買い物依存)、ギャンブルにのめりこむようになったり(ギャンブル依存)、といった行為が認められることがあります。

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