燃え尽き症候群かどうかチェックするツール「MBI」

燃え尽き症候群のチェック

何かを精力的に一生懸命頑張っていた人が、ある日「燃え尽きる」ようにやる気がなくなり、動けなくなってしまう。このような状態を「燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)」と呼びます。

燃え尽き症候群は精神疾患として定義されているものではないため、明確な診断基準などは存在しません。

しかし燃え尽き症候群に該当するような方は少なくないため、燃え尽き症候群かどうかを精度高く判定できることは重要になります。燃え尽きが原因なのかそうでないのかで、治療法が変わってくるからです。

燃え尽き症候群を判定するツールとして、MBI(Maslach Burnout Inventory)というものがあります。その精度は100%ではありませんが、現時点では一番燃え尽き症候群の判定に適していると考えられています。

今日は燃え尽き症候群をチェックする検査であるMBIについて紹介します。

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1.MBI(マスラック・バーンアウト・インベントリー)とは

MBI(Maslach Burnout Inventory)は、燃え尽き症候群の研究に取り組んでいたクリスティーナ・マスラックというアメリカの社会心理学者が考案した燃え尽き症候群のチェックツールです。

MBIでは、燃え尽き症候群をチェックするための項目として次の3つを挙げています。

  • Emotional Exhaustion(情緒の枯渇)
  • Depersonalization(脱人格化)
  • Decrease Sense of Personal Accomplishment(個人的達成感の減少)

MBIの精度については議論もあるところですが、少なくとも現時点ではもっとも利用されている燃え尽き症候群のチェックツールになります。

この中で、特に一番目の「情緒の枯渇」が燃え尽き症候群の中核症状となります。またこの3つの症状以外にも副次的な症状が出現することもあります。

実際のMBIについては、この記事の最後で紹介します。

2.MBIで確実な判定が出来るわけではない

MBIは現状、燃え尽き症候群の評価にもっとも用いられているチェックツールにはなります。

しかし燃え尽き症候群は、診断基準が明確化された病名ではありませんし、燃え尽き症候群の評価についても議論は分かれているところです。

そのためMBIの位置付けは、あくまでも「燃え尽き症候群の可能性が高いかどうかをみるツール」に過ぎず、MBIで燃え尽き症候群の点数になったからといって必ず燃え尽き症候群になるわけではありません。

またMBIのようなチェックツールというのは、どうしても「症状」を点数化することで評価するものになってしまいます。しかし燃え尽き症候群で一番重要なのは症状ではありません。

「燃え尽きに至るような経過があったのか」
「どのような過程を経て、今の症状が出ているのか」

といった燃え尽きに至るまでの過程や経過が一番重要で、それを評価できない以上、チェックツールというのは万能なものにはなり得ません。

MBIは有用なツールの1つであるのは間違いありませんが、あくまでも補助的なものという位置づけになります。

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3.MBIで燃え尽き症候群のチェックをしてみよう

では、燃え尽き症候群をチェックする1つの指標となる、MBIを実際に使ってみましょう。

MBIでは燃え尽き症候群の症状を、

  • 情緒の枯渇
  • 脱人格化
  • 個人的達成感の低下

の3つの項目に分けてそれぞれ評価します。

下記に紹介する検査は、基本的にはMBIの項目に準じた検査項目となっています。スマホの縦表示だと正常に表示されないことがあるため、横表示にしてご覧ください。

Ⅰ.情緒の枯渇

まずはMBIの情緒の枯渇をチェックしてみましょう。これは燃え尽き症候群の中核症状になり、燃え尽き症候群に該当する方はほとんど、この項目を満たします。

燃え尽き症候群ではこのような症状は燃え尽きている対象(仕事など)に対して強くみられ、それ以外の対象に対しては見られないという傾向があるのも1つの特徴です。

17点以下:燃え尽きの程度は低い
18点~29点:燃え尽きの程度は中程度
30点以上:燃え尽きの程度が重い

Ⅱ.脱人格化

次に脱人格化をチェックしてみましょう。

燃え尽き症候群は特に人を援助するような仕事でなりやすい傾向があります。例えば、看護師や介護士、教師、人事職などです。

質問では、「対象の人」という言い方をしていますが、これは人を援助する仕事についている人が、「援助する対象の人」という意味になります。

つまり看護師であれば「患者さん」が対象の人になるし、介護士であれば老人や障害者などの自分が介護している人が対象の人になります。教師であれば対象の人は「生徒」になります。

5点以下:燃え尽きの程度は低い
6点~11点:燃え尽きの程度は中程度
12点以上:燃え尽きの程度が重い

Ⅲ.個人的な達成感の低下

次に個人的達成感をチェックしてみましょう。この点数は、低いほど達成感が低くなっていると判定されます。

33点以下:燃え尽きの程度は重い
34点~39点:燃え尽きの程度は中程度
40点以上:燃え尽きの程度は低い

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