ソラナックスを断薬する方法【医師が教える抗不安薬のすべて】

ソラナックスの断薬

ソラナックスは抗不安薬であり、不安を和らげる作用を持つおくすりです。

優れたおくすりですが、 抗不安薬には依存性があり漫然と飲み続けることは避けなければいけません。必要な期間、しっかりと服薬し、症状が落ち着いてきたら、適切な時期に減薬・断薬することが大切です。

減薬や断薬は、必ず主治医と相談しながら行う必要があります。無理のない方法で行わないと、様々な症状で苦しむことになりかねないからです。

おくすりがまだ必要な状態なのに無理矢理減らし、症状のぶり返しで苦しむ方や、間違った減薬法を独自に行い、 離脱症状(しびれや耳鳴り、ふらつき、ソワソワ感など)で苦しむ方がいます。

そのようなことにならないためにも、ここではソラナックスを安全に減薬・断薬する方法について説明していきます。

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1.減薬・断薬で苦しむ2つのパターン

ソラナックスの減薬・断薬トラブルは、大きく分けるとふたつのケースがあります。

  1. まだ病気が良くなっていないのに減らしてしまい、病気の症状がぶり返す
  2. ソラナックスに依存になった状態で減らし、離脱症状が出現する

この二つはどちらも減薬によって症状が出ますが、その機序は全く異なります。

前者は、ソラナックスで抑えていた病気の症状が、減薬でぶり返しているので、
症状の正体は「病気」です。

後者は、身体がソラナックスに依存している状態で減薬したため、
身体が減薬に適応できずに起こる症状で、症状の正体は「離脱症状(依存の副作用)」です。

減薬や断薬で症状が出現した場合、このどちらが原因なのかによって対処法が全く違います。
そのため、どちらが原因なのかを見極めることはとても大切です。

2.必要な期間は服薬を続けよう

減薬・断薬をトラブルなく行うためには、減薬・断薬の前に自分の状態を見直すことが大切です。

最近は、睡眠薬や抗不安薬の依存問題がメディアで取り上げられることが多くなったため、「精神科のくすりは危険!」「一刻も早くやめなければ!」と急いで減らそうとする方を見かけます。

まだおくすりが必要な状態なのに、無理に減薬や断薬を行えば、症状がぶり返してくるため当然、減薬・断薬で苦しむ可能性が高くなります。

ソラナックスのような抗不安薬は、漫然と飲み続けることはオススメできませんので、症状が安定している状態で、主治医の許可も出れば減薬することは問題ありません。しかし、 まだ症状も残っていて精神的にも不安定なのに、その状態で無理に減薬や断薬を独断で行うのはやめるべきです。

まだおくすりが必要な状態なのであれば、安易な考えでやめようとするのではなく、必要な期間は服薬した方がいいでしょう。

ソラナックスをはじめとした抗不安薬には、確かに依存性があります。しかし、だからといって抗不安薬が悪者というわけではありません。すべては使い方次第なのです。

正しく使えばメリットにもなるし、間違った使い方ならデメリットにもなります。抗不安薬に限らず、すべてのおくすりはそういうものです。

「使っちゃダメ」と断定するのではなく、必要な時は使い、必要なくなったら安易に使い続けないという考えを持つことが大切です。

抗不安薬に依存しすぎも良くありませんが、 あまりに毛嫌いしたり、過剰に怖がることも問題です。

自分の今の精神状態を見て、 まだ抗不安薬が必要そうな状態であれば継続する、もう症状も安定しており、抗不安薬の必要性が低そうであれば減薬を検討するようにしましょう。

独自の判断だけでは危険ですので、必ず主治医とよく相談してください。

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3.「離脱症状」とは?

抗不安薬の内服を長期間続けていて、脳が抗不安薬に慣れきってしまっている時に
減薬や断薬をすると、離脱症状を起こす可能性があります。

また、長期間の内服ではなくても、身体に負担がかかりすぎるような無理な減薬・断薬法を取ると、
同じく離脱症状が出てしまう可能性があります。

離脱症状とは、抗不安薬の血中濃度が急激に下がる事に、脳や身体が対応できなくために生じる症状です。

ソラナックスのような抗不安薬を長期間飲み続けていると、次第にヒトの脳は、
「このおくすりは毎日身体に入ってくるものだ」と認識するようになり、
おくすりが入ってくる前提で身体の諸機能を調整するようになります。

そんな状態で、ある日突然抗不安薬が入ってこない、あるいは入ってくる量が極端に少ないとなると
脳はパニック状態になってしまうのです。

抗不安薬が入ってくる前提で身体の諸機能を調整してますので、
脳や身体がうまく機能しなくなります。

離脱症状はその結果、生じるのです。

離脱症状は、様々な症状を引き起こし、具体的には

  • イライラや不安などの精神的不安定
  • 不眠
  • ふるえ
  • 動悸
  • 発汗
  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • 幻覚

など多岐に渡ります。

4.長期内服していたなら、減薬は少しずつ、ゆっくり

主治医と相談して、抗不安薬の減薬・断薬を検討しても良さそうだ、
となれば 減薬に入っていきますが、減薬・断薬の鉄則は 「できる限り少しずつ、ゆっくり」 です。

減らす程度が少なければ少ないほど、また減らすスピードがゆっくりであればあるほど
離脱症状は起こしにくくなります。

特に長期間服薬していたのであれば、より慎重に減薬はすべきでしょう。

例えば、ソラナックス0.4mgを1日3回服薬していて、ここから減薬するのであれば、
いきなりやめるのではなく、まずは昼の0.4mgだけ抜いてみるのがよいでしょう。

それでも離脱症状が出てしまうのであれば、昼だけ0.2mg(0.4mgを半錠)にする、など
より細かく刻んでください。

細かく刻めば刻むほど、身体が減薬に適応できるようになるため、スムーズに減薬できるようになります。

ちなみに、1/4錠など、あまりに小さい量だと飲みずらいですから、
細かくやる場合は薬局で砕いて粉にしてもらうと微調整がしやすくなります。

あるいは粉にしてもらって服薬時に水に溶かし、
その水を飲む量を少しずつ減らしていくことで服薬量を微調整する方法もあります。
(例えば、0.4mg量を100mlの水に溶かして、飲む量を100ml⇒90ml⇒80ml・・・と減らしていく)

また、減薬の期間も重要です。

一般的には1~2週間間隔で減薬していきますが、
それで離脱症状が出てしまうのであれば、より期間を長くとってもいいでしょう。

3~4週間間隔や2か月間隔で減薬すれば、反動は小さくなります。

繰り返しますが、安全な減薬の鉄則は 「できる限り少しずつ、ゆっくり」 です。

5.おくすりの種類を変えてから減らすのも一手

おくすりの種類を変えていく、という減薬法もあります。

おくすりを変えて、そこから減薬していくので二度手間になってしまいますが、
治療の途中段階で「減薬はまだ心配だけど、だいぶ落ち着いてきたかな」という時期に
減薬しやすいおくすりに切り替えておけば、のちのちの減薬時に楽になります。

一般的に、半減期の長い抗不安薬の方が依存になりにくく、離脱症状も少ないと言われていますので、
そういった抗不安薬に切り替えてから減薬をするのはひとつの方法です。

ソラナックス0.4mg(半減期14時間)を1日3回服薬しているのであれば、
例えば半減期の長いメイラックス(半減期60-200時間)に変えてみます。

ソラナックス1.2mg相当ですと、個人差もありますがメイラックス1~2mgほどでしょうから、
メイラックスの1mgあるいは2mgを1日1回服薬します。

メイラックスに身体が慣れるまで2週間ほど様子をみた後に、
今度はメイラックスを減らしていきます。

6.離脱症状が起こってしまったら?

ソラナックスの減薬・断薬時に離脱症状が起こってしまったらどうすればいいでしょうか?

対処法は別コラムにまとめていますので、こちらをご覧ください。

ソラナックスの離脱症状と対処法

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