コンスタンの半減期【医師が教える抗不安薬の全て】

コンスタンは抗不安薬と呼ばれる、不安を和らげる作用を持つおくすりです。

使い勝手がよく、処方される事も多いのですが、その理由のひとつに「半減期がちょうどいい」ことが挙げられます。

半減期とは、服薬したおくすりの血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、そのおくすりの作用時間とある程度相関します。

ここでは、コンスタンの半減期や他の抗不安薬との比較、そこから考えられるコンスタンの効果的な服薬方法について紹介していきます。

また、「半減期」の定義についても詳しくみてみましょう。

なおコンスタンは武田薬品工業株式会社が販売していますが、ファイザー株式会社が販売している「ソラナックス」と主成分が全く同じおくすりです。効果や副作用などの薬効もほぼ同等のため、この記事は「ソラナックスの半減期」と同じ内容になっています。

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1.コンスタンの半減期はどのくらい?

コンスタンは服薬後、約2時間で血中濃度が最大となり、半減期は約14時間です。

抗不安薬は、半減期で分けるとだいたい3種類に分類できます。

  • 半減期が短い ・・・半減期が~6時間
  • 半減期が普通 ・・・半減期が6~24時間
  • 半減期が長い ・・・半減期が24時間~

半減期とは、おくすりの血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、おくすりの作用時間とある程度相関するため、作用時間の目安として使われています。

おおよそですが、「半減期が14時間」≒「作用時間が14時間くらい」と考えます。

おくすりが身体がから抜けていくスピードは個人差があるため、半減期はあくまでも目安ですが、どのおくすりを使うべきかの大きな指標になる数値です。

コンスタンの半減期は、抗不安薬の中で「中等度(普通くらい)」の位置づけです。服薬してから2時間ほどで血中濃度が最高値になり、半減期は約14時間です。

2.抗不安薬の半減期一覧

抗不安薬はたくさんの種類があり、それぞれ半減期が異なります。主な抗不安薬の半減期を比較してみると下図のようになります。

抗不安薬作用時間(半減期)最高血中濃度到達時間
グランダキシン短い(1時間未満)約1時間
リーゼ短い(約6時間)約1時間
デパス短い(約6時間)約3時間
ソラナックス/コンスタン普通(約14時間)約2時間
ワイパックス普通(約12時間)約2時間
レキソタン/セニラン普通(約20時間)約1時間
セパゾン普通(11-21時間)2~4時間
セレナール長い(約56時間)約8時間
バランス/コントール長い(10-24時間)約3時間
セルシン/ホリゾン長い(約50時間)約1時間
リボトリール/ランドセン長い(約27時間)約2時間
メイラックス非常に長い(60-200時間)約1時間
レスタス非常に長い(約190時間)4~8時間

半減期や最高濃度到達時間が様々であることが分かります。

一般的に半減期が短いと、効果がすぐなくなるため細かい調整がしやすいというメリットがあります。しかし1日何回も飲まないといけず、依存にもなりやすいというデメリットもあります。

反対に半減期が長いと、一回飲むとなかなか身体から抜けないため細かい調整がしにくいのですが、服薬回数も少なくて済みますし、ゆっくり効くため依存にもなりにくいと言われています。

どちらも一長一短ありますので、自分の症状・状態に合わせて適切なおくすりを選択することが大切です。

コンスタンはというと、半減期は14時間という中等度の長さですので、バランスの取れた使い勝手のよい抗不安薬だと言えるでしょう。

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3.半減期から考えるコンスタンの使い方

コンスタンは抗不安薬なので、不安感を改善するために使われます。その使い方は主に2通りで、

  • 一日を通して不安を抑える
  • 特定の時間帯だけ不安を抑える

場合があります。

Ⅰ.一日を通して不安を抑える使い方

1日を通して不安を抑えたい場合は、14時間しか効かないので、1日1回の服薬では不十分です。
そのため、最低でも1日2回(朝食後と夕食後など)の服薬をすることが良いことが分かります。

添付文書には「1日3回に分けて服薬する」と書かれていますが、「年齢・症状により適宜増減する」とも書かれているため、1日2回でも問題ありません。

半減期はあくまでも目安で、実際は個人差がありますので、1日2回投与で不十分さを感じるのであれば、1日3回、1日4回など投与回数を増やして使うこともあります。

定期的に服薬するメリットは、1日を通して抗不安作用が得られる事です。しかしそれだけでなく、定期的に飲み続けた方がワンポイントで飲むよりも強くしっかりと効く、ということも挙げられます。服薬を続けることで、ベースの血中濃度が徐々に上がっていくからです。

一般的には、半減期の約5倍の期間、定期的に服薬を続けると血中濃度が高い状態で安定する(=定常状態に達する)と言われています。コンスタンであれば理論上は「14時間×5=70時間」ですので約3日ですね。

Ⅱ.特定の時間帯だけ不安を抑える使い方

特定の時間帯だけ不安を抑える「頓服」としての使用であれば、飲む時間に気を付けなければいけません。

上の表を見ると、コンスタンの最高血中濃度到達時間は約2時間です。つまり、一番効かせたい時間の2時間前に服薬するのが理論上はベストだと言えます。

例えば、「毎朝10時の朝礼発表で不安・緊張が強くなるから、それを抑えたい」ということであれば、朝8時頃にコンスタンを服薬するのがベストだということです。

ただし、効きが最高値になるのは2時間後ですが、服薬後15〜30分もすればある程度は効いてはきますので、急な服薬の必要が出て来た時に、その場ですぐ飲むという方法でもある程度の効果は期待できます。

ワンポイントの服薬は、手軽な方法ですし依存にもなりにくいのですが、効きの強さとしては、どうしても定期的に服薬する方法よりも弱くなってしまうのはデメリットです。

4.半減期とは?

せっかくなので「半減期」について詳しく勉強してみましょう。半減期というのは「おくすりの血中濃度が半分になるまでに要する時間」のことです。

半減期は、お薬の作用時間と相関するため、半減期が分かれば作用時間がおおよそ推測できます。

例えば、下記のような薬物動態を示すおくすりがあるとします。

半減期イメージ

だいたいのお薬は内服すると、このグラフのようにまず血中濃度がグンと上がり、それから徐々に落ちていきます。

このおくすりは、投与10時間後の血中濃度は「10」ですが、投与20時間後には血中濃度は半分の「5」に下がっています。血中濃度が半分になるのに要する時間は「10時間」ですので、このおくすりの半減期は「10時間」です。

そして半減期が10時間ということは「だいたい10時間くらい効くおくすり」なんだと分かります。

正確には半減期と作用時間の長さは完全に一致するわけではありません。実際は、おくすりを飲むとまずは血中濃度は上がり最高血中濃度に到達してそれから下がっていきますので、厳密に言えば最高濃度に到達するまでの時間も加味しなければいけないでしょう。

更に細かく考えて行けば、どのくらい血中濃度が下がれば薬効を感じなくなるかは人それぞれですし、個々人の体質や代謝能力まで考え出すとキリがなく、作用時間を数値化することは困難になります。

そのため、あまり難しく考えず、ざっくりと「だいたい半減期が作用時間と同じくらいだ」と考えていいのではないかと思います。

半減期はあくまでも目安で、個人差はありますので気を付けてください。おくすりを分解する力が強い人もいれば弱い人もいて、人によって差があるのが実情です。

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