カームダン錠(アルプラゾラム「アメル」)の効果

カームダン錠の効果

カームダン錠は1992年に発売された抗不安薬です。抗不安薬は文字通り、不安感を和らげるお薬で、「安定剤」「精神安定剤」とも呼ばれます。

カームダン錠は1984年に発売されている抗不安薬である「ソラナックス(一般名:アルプラゾラム)」のジェネリック医薬品(後発品)になります。そのため、その主成分はソラナックスと全く同じであり、効果・効能もソラナックスと同等になります。

カームダン錠は2015年7月よりアルプラゾラム「アメル」という名称に変更となっています。最近はジェネリック医薬品が増えてきたため、お薬の名前を統一して医療ミスをなくそうとする流れがあり、カームダンもそれに伴い名称変更となっています。

しかし現場ではまだ「カームダン」と呼ばれる事も多いため、今のところは当記事も「カームダン」として説明させて頂きます。

カームダンの先発品であるソラナックスは、バランスが良いお薬でよく使われており、実際にアメリカでは一番多く処方されている抗不安薬となっています(2010年度)。

ここではカームダンの効果や特徴、また他の抗不安薬との比較などを紹介していきます。

なおカームダンとソラナックスはほぼ同じ効果・効能であるためこの記事は「ソラナックスの効果」の記事と共通する内容が多いことをご了承下さい。

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1.カームダンの特徴

まずはカームダン錠の全体的な特徴を紹介します。

【効果】

  • 中等度の抗不安作用
  • 弱い筋弛緩作用
  • 弱い~中等度の催眠作用
  • 弱い抗けいれん作用

カームダンは「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれるお薬になります。

カームダンをはじめとしたベンゾジアゼピン系には、次の4つの効果があります。

  • 抗不安作用(不安を和らげる作用)
  • 筋弛緩作用(筋肉の緊張をほぐす作用)
  • 催眠作用(眠くする作用)
  • 抗けいれん作用(けいれんを抑える作用)

そのため医療現場においてベンゾジアゼピン系は、不安を抑えたり、頭痛・肩こりを改善したり、不眠症を改善したり、けいれんを止めたりといった幅広い用途で用いられています。

同じベンゾジアゼピン系のお薬でも、お薬によってこの4つの作用の強さはそれぞれ異なり、抗不安作用に優れているお薬もあれば、催眠作用に優れるお薬もあります。

カームダンはというと、抗不安作用を目的として用いられることが多いため「抗不安薬」に分類されていますが、その他の作用もあります。それぞれの作用の強さを表すと上のようになります(個人差があり、あくまで目安です)。

カームダンは抗不安作用がしっかりある割に筋弛緩作用が軽いので、ふらつきなどを起こしにくくバランスの取れた抗不安薬だという事が出来ます。

【良い特徴】

  • 抗不安作用がしっかりある割には、副作用は全体的に軽め
  • 特に筋弛緩作用が軽いため、ふらつきや転倒を起こしにくい

【悪い特徴】

  • 眠気が強く出てしまう人がいる
  • 依存形成はやや多めという報告もある

バランス型の抗不安薬であるカームダンは、大きな欠点のない優等生です。依存形成はやや多めだと言う指摘もありますが、抗不安薬はどれも依存形成のリスクはあります。

私の印象としてはカームダンが特別に依存性が強い抗不安薬だとは感じません。カームダンをはじめとする「アルプラゾラム(ソラナックスなど)」は人気があるため処方される頻度が多く、結果的に依存になってしまう総数が多いというだけで、依存になる率として他と大差ないのではないかと思われます。

しかし使い勝手の良さから気軽に頼ってしまいやすいという可能性は否めません。必要以上に多く服薬してしまうと、お薬による害も多くなってしまいますので、主治医と相談しながら必要な量だけの服薬にとどめるように気を付けましょう。

 

2.カームダンの抗不安作用の強さ

抗不安薬には、たくさんの種類があります。

それぞれ強さや作用時間が異なるため、患者さんの状態によって、どの抗不安薬を処方するかが異なってきます。

カームダンは、不安を改善する作用(抗不安作用)は中等度です。

主な抗不安薬の「抗不安作用」の強さを比較すると下図のようになります。

抗不安薬作用時間(半減期)抗不安作用
グランダキシン短い(1時間未満)
リーゼ短い(約6時間)
デパス短い(約6時間)+++
ソラナックス/コンスタン普通(約14時間)++
ワイパックス普通(約12時間)+++
レキソタン/セニラン普通(約20時間)+++
セパゾン普通(11-21時間)++
セレナール長い(約56時間)
バランス/コントール長い(10-24時間)
セルシン/ホリゾン長い(約50時間)++
リボトリール/ランドセン長い(約27時間)+++
メイラックス非常に長い(60-200時間)++
レスタス非常に長い(約190時間)+++

カームダンは、ソラナックスと主成分が同じお薬ですので、図の「ソラナックス」の強さと同じだと考えて下さい。

カームダンは不安を取る力が特別に強いお薬だというわけではありません。しかし、臨床で使える程度の効果は有しているため、十分頼れるお薬です。

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3.カームダンの半減期・作用時間はどのくらいか?

カームダンの作用時間はどのくらいなのでしょうか。

カームダンは服薬後、約1~2時間で血中濃度が最大となり、半減期は約17~18時間だと報告されています。

半減期とは「お薬の血中濃度が半分に下がるまでにかかる時間」のことで、お薬の作用時間を知るための1つの目安となる値です。お薬が身体がから抜けていくスピードは個人差がありますし、血中濃度と効果がそのまま直結するわけではないため半減期はあくまでも目安に過ぎませんが、お薬を選択する際の1つの指標となります。

抗不安薬は、半減期で分けるとだいたい3種類に分類できます。

  • 半減期が短い ・・・半減期が~6時間
  • 半減期が普通 ・・・半減期が6~24時間
  • 半減期が長い ・・・半減期が24時間~

カームダンの半減期は抗不安薬の中でも「中くらい」であり、ちょうどよい長さです。

インタビューフォームには、カームダンの作用時間について

作用発現時間:0.5~1時間
持続時間:24時間

という記載があります。

臨床の実感としては、服薬してから20~30分ほどで効き始め、半日くらい効果が持続する印象があります。インタビューフォームでは持続時間は24時間となってはいますが、1回の服用で24時間有効なレベルの効果が続く印象はあまりありません(個人差はあります)。

4.カームダンはどのように疾患に使うのか?

添付文書を見るとカームダンは、

心身症(胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、自律神経失調症)における身体症候ならびに不安・緊張・抑うつ・睡眠障害

に適応があると書かれています。

心身症とは、身体の異常の主な原因が「こころ」にある病気の群です。例えば食生活が悪くて胃潰瘍になるのは心身症ではありませんが、ストレスで胃潰瘍になるのは心身症になります。同じようにタバコで血圧が上がるのは心身症ではありませんが、ストレスで血圧が上がってしまうのも心身症になります。

臨床では、心身症に限らず様々な不安感に対して使用することがほとんどです

ストレスで不安が強くなったり、気分の落ち込みが出てきたり、緊張が取れなくなってしまう場合などですね。

ちなみに、正常な人にでも不安はありますが、そういった「正常範囲内の不安」に用いることはありません。正常範囲内の不安にも効果は示しますが、健常者に使っても副作用などのデメリットの方が大きいからです。

不安感があり、医師が「抗不安薬による治療が必要なレベルである」と判断された場合にカームダンなどの抗不安薬が使われます。

疾患で言えば、パニック障害や社交不安障害などの不安障害圏、強迫性障害などの疾患に用いることがあります。また、うつ病や統合失調症などで不安が強い場合も補助的に使用されることがあります。

5.カームダンが向いている人は?

カームダンは、「強すぎず弱すぎず」といったバランスの良い抗不安作用を持ちますので、不安、緊張がある方で薬物治療が必要な方の第1選択薬として向いています。

まずはバランスの取れたカームダンを服薬してみて、それでちょうどよければそのまま、弱すぎればもう一段階強い抗不安薬へ、強すぎればもう一段階弱い抗不安薬にする。このような、初期評価に用いるお薬としても適しています。

また筋弛緩作用が弱いことから、以前別の抗不安薬を使ったらふらつきが強く出てしまって服薬を中断してしまった方なども試してみる価値があります。

飲んでから血中濃度が最大になるまでは約1~2時間かかりますが、体感としては内服後20~30分ほどで効果を感じられますので、ある程度即効性にも優れます。そのため不安なイベントや緊張するイベントの前に飲むといった頓服的な使い方もできます。ワンポイントで不安を抑えたい、という方にも向いているでしょう。

6.カームダンの作用機序

カームダンは「ベンゾジアゼピン系」という種類のお薬になります。

ベンゾジアゼピン系はGABA受容体という部位に作用することで、

  • 抗不安作用
  • 筋弛緩作用
  • 催眠作用
  • 抗けいれん作用

の4つの作用を発揮します。

ベンゾジアゼピン系のうち、抗不安作用が特に強いものを「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」と呼びり、カームダンもその1つになります。

ちなみに睡眠薬にもベンゾジアゼピン系がありますが、これはベンゾジアゼピン系のうち催眠作用が特に強いもののことをそう呼びます。

すべてのベンゾジアゼピン系は、基本的には先に書いた4つの作用が全てあります。ただ、それぞれの強さはお薬によって違いがあり、抗不安作用は強いけど抗けいれん作用は弱いベンゾジアゼピン系もあれば、抗不安作用は弱いけど催眠作用が強いベンゾジアゼピン系もあります。

カームダンは、先ほども書いた通り、

  • 中等度の抗不安作用
  • 弱い筋弛緩作用
  • 弱い~中等度の催眠作用
  • 弱い抗けいれん作用

を持っています。

(注:ページ上部の画像はイメージ画像で、実際のカームダン錠とは異なります。)

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