メデポリンの眠気【医師が教える抗不安薬のすべて】

メデポリンの眠気

メデポリンは、ソラナックスという抗不安薬のジェネリック医薬品です。

抗不安薬は、不安を和らげて心身をリラックスさせるはたらきがあるため、時に眠気を引き起こすことがあります。ちょっとの眠気ならいいのですが、生活に支障をきたすほどの強い眠気であれば問題ですので対処する必要があります。

ここではメデポリンで眠気が生じる理由や、その対処法について考えていきます。

【注意】
*メデポリンとソラナックスと同じ効能ですので、本記事は「ソラナックスの眠気」とほぼ同じ内容です。
*メデポリンは平成26年より、アルプラゾラム「サワイ」に名称が変更されています。

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1.メデポリンで眠気が生じるのは何故?

メデポリンは「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」という種類に分類されるおくすりです。

ベンゾジアゼピン系は、脳のGABA-Aという受容体を刺激し、
その作用を強めることで効果を発揮します。

GABA-A受容体は、「抑制系受容体」と呼ばれており、
脳や身体を鎮静させる方向にはたらきます。

具体的には、次の4つの作用があることが知られています。

  • 抗不安作用(不安を和らげる)
  • 催眠作用(眠くする)
  • 筋弛緩作用(筋肉の緊張を和らげる)
  • 抗けいれん作用(けいれんを抑える)

どのベンゾジアゼピン系も、基本的にはこの4つの作用を持っており、
それぞれの強さはおくすりによって異なります。

ベンゾジアゼピン系のうち、

抗不安作用に優れるものは抗不安薬と呼ばれ、
催眠作用に優れるものは睡眠薬と呼ばれ、
筋弛緩作用に優れるものは筋弛緩薬と呼ばれ、
抗けいれん作用に優れるものは抗けいれん薬と呼ばれています。

メデポリンが「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」と呼ばれているのは、
これら4つの作用を全て持っているけど、抗不安作用が特に優れているためなのです。

しかしメデポリンにも筋弛緩作用や催眠作用、抗けいれん作用はあります。
そして、この催眠作用が眠気の原因になるのです。

つまり、眠気の副作用はベンゾジアゼピン系のおくすりであれば程度の差はあれ、
どのおくすりでも生じえるということです。

2.各抗不安薬の眠気の起こしやすさの比較

それぞれの抗不安薬の眠気の起こりやすさは、次のようになります。
なお、メデポリンはソラナックスのジェネリックですので、〔ソラナックス=メデポリン〕と
読み替えて表はご覧ください。

【抗不安薬名】【抗不安作用/作用時間】【眠気】
リーゼ+ / 6時間±
デパス+++ / 6時間+++
ソラナックス/コンスタン++ / 14時間++
ワイパックス+++ / 12時間++
レキソタン/セニラン+++ / 20時間++
セパゾン++ / 11-21時間++
セレナール+ / 56時間+
バランス/コントール+ / 10-24時間+
セルシン/ホリゾン++ / 50時間+++
リボトリール/ランドセン+++ / 27時間+++
メイラックス++ / 60-200時間+
レスタス+++ / 190時間++

おくすりの効きには個人差がありますので、必ず表の通りになるわけではありません。
あくまでも目安としてご覧ください。

基本的には、作用(不安を和らげる強さ)が強いほど、副作用(眠気など)も多くなる傾向があります。

メデポリンの眠気の程度は、一般的には「中等度」であることが多いようです。

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3.眠気が生じたときの対処法

抗不安薬で、日常に支障が出るくらい困る眠気が出てしまったら、どうすればいいしょうか。

臨床でよく用いられる対処法を紹介します。
なお、これらの対処法は独断で行わず、必ず主治医と相談の上で行ってください。

Ⅰ.様子をみる

あらゆる副作用に言えることなのですが、「少し様子をみてみる」というのは有効な方法です。

特に内服をはじめて間もない場合は、身体がおくすりに慣れていないために
副作用が強く感じられる場合があります。

この場合は、1-2週間様子をみてみると、身体がおくすりに適応してくるため、
副作用は徐々に軽くなってくることがあります。

なんとか耐えられる程度の眠気なのであれば、少し様子をみてみるのも手です。

Ⅱ.服薬量を減らす

内服する量を減らせば、眠気の程度は軽くなります。
量が減れば効果も弱くなってしまいますが、副作用で困っている場合は検討して良い方法です。

副作用が強く出すぎている場合、「くすりの量が多すぎる」という可能性もあります。
この場合は、おくすりの量を減らした方がかえって良いこともあるのです。

服薬量が今の自分にとっての適正量なのか、定期的に主治医と相談し、
服薬量の見直しを行ってみましょう。

Ⅲ.服薬時間を変えてみる

服薬する時間を変えれば、眠気が起こる時間をずらすことができます。

例えば、メデポリン0.4mgを毎食後(1.2mg/日)服薬していたとします。
これで、お昼すぎの眠気で困っているようであれば、昼食後の服薬を中止して、
朝・夕食後にそれぞれ0.6mgずつ服薬にしてみるといいかもしれません。

昼食後のくすりがなくなるため、午後の不安感の増悪は心配ですが、
メデポリンは理論的には半日ほど効くおくすりですので、試してみる価値はあります。

Ⅳ.抗不安薬の種類を変えてみる

精神科のおくすりは、効果や副作用の個人差がとてもあります。
患者さんとおくすりの相性というのは軽視できません。

メデポリンが自分にあまり合っていなかった、という可能性もありますので、
あまりに副作用が苦しいようなら、種類を変えてみるのも手です。

一例ですが、似たような抗不安薬だと、

  • ワイパックス      : 作用時間12時間、効果強い
  • レキソタン/セニラン  : 作用時間20時間、効果強い
  • セパゾン        : 作用時間11-20時間、効果やや強い

(メデポリン:作用時間14時間、効果中等度)

などがあります。

ただしどの抗不安薬にも眠くなる作用はありますので、
主治医とよく相談して変えるおくすりは選びましょう。

Ⅴ.睡眠を見直す

意外と見落としがちなのですが、根本の睡眠に問題がないのかを見直し忘れてはいけません。
睡眠の質が悪ければ、日中の眠気が悪化してしまいます。

そもそもが最近夜更かし気味であったのなら、眠気が出やすくなるのは当然ですよね。

おくすりを飲み始めて不調を感じると、何でも「くすりのせい!」と考えてしまいがちですが、
「他の原因は本当にないのか?」という視点は必ず持つようにしましょう。

よくある原因と対処法を紹介します。

  • 最近、睡眠時間が少ない → 睡眠時間を増やす
  • うるさい、明るいなど寝室の環境が悪い → カーテン、アイマスクや耳栓などの対策をする
  • ベッドに入ってからマンガを読んだりスマホをいじっている → やめる
  • 寝る前にお酒を飲んでいる → 断酒する
  • 寝る前に食べ物を摂取している → 睡眠3時間前からは胃に負担がかかるものは食べない

睡眠の質を悪くしてしまう原因があるのであれば、まずはそちらの改善を優先してみてください。

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