無気力症候群で認められる4つの症状

無気力症候群の症状

無気力症候群は、無気力という症状を主とする疾患です。

無気力は、うつ病や統合失調症、認知症やパーキンソン病、脳卒中など様々な疾患で出現する症状ですが、無気力症候群の無気力は、他の疾患で生じる無気力とは異なる特徴があります。

今日は無気力症候群で見られる症状についてお話します。

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1.本業に対する無気力・無関心・無感動

無気力症候群の主症状は、その名前の通り無気力です。また、同じような症状として、無関心・無感動なども認められます。

そして無気力の対象は、その人にとっての「本業」に向くことがほとんどです。本業とは、本来のその人に期待されている社会的な役割のことを指します。学生であれば、本業は学業です。また社会人であれば本業は仕事でしょう。

こういった学業や仕事に対して無気力となり、ひどい場合は不登校や出社拒否になることもあります。無気力がひどい場合はそのまま、留年・退学となったり、退職となるケースもあります。ニートやひきこもりと言われている人の中には、この無気力症候群である人が結構いるのではないか、とも指摘されています。

ちなみに、元々、やる気のない性格の人もいますが、無気力症候群の無気力はそういったものとは異なると考えられています。

やる気のない人、だらしない人などは、それが性格であることが多く、小さい頃からずっと無気力傾向であることが多いのですが、無気力症候群はその逆です。元々は一生懸命な頑張り屋さんで、学校の成績も良く、親や教師などの大人からの評価も良好である方が多く、そういった方が、大学入学や会社入社を機に無気力になってしまうのが無気力症候群なのです。

無気力症候群は、「退却神経症」と呼ばれることもありますが、この「退却」という言い方が、無気力症候群の無気力の特徴を良く表しています。元々無気力であったわけではなく、何かを一生懸命頑張っていた人が、そこから「退却」するように無気力になってしまうのです。

2.対象の限定した無気力

無気力症候群の無気力は、対象が限定されています。

先ほどお話したように、「本業」への無気力は顕著なのですが、それ以外に対しては良好に活動していたりするのです。

極端な例では、仕事は無気力で休んでばかりいるけども、趣味のサッカーや友人との飲み会などには積極的に参加できたりします。うつ病など、他の疾患で見られる無気力には選択性はなく、「あらゆることに無気力になる」のとは対照的です。

無気力症候群に見られるこの「選択的な無気力」は、無気力症候群を「こんなの病気ではない。ただの甘えだ」だと誤解させる原因になります。確かに、仕事はサボるくせに飲み会には元気にやってくる人を見たら、「お前、ふざけるなよ!」と怒りたくもなるでしょう。

しかし、先ほども説明したように、無気力症候群の方は、元々やる気がない人ではありません。元々は、一生懸命努力するし、結果も出してきた方が、突然無気力になってしまうのです。

本当にただのサボリ癖がある人なのであれば、「甘えてばかりいないで、もうちょっとしっかりしろ!」と叱咤するのも必要ですが、無気力症候群であるのに、「そんなの甘えだ」と決めつけてしまうと、本人のこころの傷は更に広がり、経過も悪くなってしまいます。

サボリ癖なのか無気力症候群なのかを、その人の背景をしっかりと把握して鑑別することはとても大切なことです。

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3.無気力以外の症状の欠如

無気力症候群の主症状は「無気力」であるとお話しましたが、無気力以外の症状が乏しいのもこの疾患の特徴です。

無気力症候群以外の疾患で無気力が出現している場合、無気力以外の症状もあることがほとんどです。

例えばうつ病なら、無気力以外にも、落ち込みや不安が強かったり、不眠や食欲低下を認めたりします。統合失調症の陰性症状で無気力が出現している場合、無気力以外にも感情平板化や自閉、認知機能低下や集中力の低下なども見られます。

しかし、無気力症候群は、無気力以外の症状がほとんどありません。

無気力だけど、不安感も焦りもない。落ち込んでいるという気分もありません。ご飯も良く食べるし、夜は良く眠れます。

先ほど、ニートやひきこもりと呼ばれる人の中には無気力症候群の人が結構いると指摘されている、と書きましたが、このような人たちの生活をイメージすると分かりやすいかもしれません。は、社会的な活動(仕事や勉強)はほとんどしませんが、食欲はあるし、昼夜逆転はあるものの睡眠もしっかりとれています。現状に対しての焦りにも乏しく、数年や数十年そのような生活を続けることもあります。

このように、無気力症候群は無気力に症状が限定しているのが、大きな特徴です。

4.危機感の欠如

無気力症候群の方には、危機感や焦りがあまりありません。

通常、なんらかの病気に罹患し、無気力が出現すれば、「このままではまずい」と焦るのが普通です。

うつ病で無気力となってしまったら「一生このままだったらどうしよう・・・」と不安になり、焦りから病院を探して受診をしたりします。

しかし無気力症候群の場合は、自分が無気力だと自覚は出来るものの、それに対して「このままではまずい!」「何とかしなくては!」という危機感が乏しいのです。

そのため自分から病院を受診することはほとんどなく、発見が遅れがちです。

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