マイスリーは2000年に発売された睡眠薬で、現在でも多く使われているおくすりです。
発売してから10年以上経っているため、ジェネリック(後発品)もあります。国のジェネリック推奨の後押しもあり、最近はジェネリックの処方頻度がどんどん増えてます。
ジェネリックは「安い」ことがメリットですが、効果などは先発品と比べて差はないのでしょうか。マイスリーにはどんなジェネリックがあるのでしょうか。
ここではマイスリーのジェネリックの紹介、そして正規品とジェネリックの違いについてお話します。
1.マイスリーのジェネリックの名称
マイスリーは非常に人気のある睡眠薬ですので、
多くの製薬会社がジェネリックを発売しています。
正確には把握してませんが、20社以上がマイスリーのジェネリックを発売しているのではないでしょうか。
最近では、ジェネリック医薬品がどんどん増えてきたので、現場が混乱しないように、
ジェネリックの名称を「一般名+会社名」に統一する流れがあります。
今のジェネリックはほぼこのルールに基づいた名称になってきています。
マイスリーの一般名は「ゾルピデム」であるため、
- ゾルピデム「ファイザー」
- ゾルピデム「サワイ」
- ゾルピデム「NP」
などといった名称になっています。
ちなみに「ゾルピデム」というのがマイスリーの一般名ですが、
一般名とは「国際的に決められた薬物の名称」のことです。
1.マイスリーのジェネリックの薬価
ジェネリックの最大のメリットは、その薬価にあります。
ジェネリックの薬価は、先発品の半額程度になっています。
マイスリーはもともと薬価が高めに設定されているため、
少しでも安くなるのはありがたいですね。
マイスリー錠(先発品) 5mg 49.6円
マイスリー錠(先発品) 10mg 78.7円ゾルピデム(ジェネリック) 5mg 26.9円
ゾルピデム(ジェネリック) 10mg 42.8円
3.先発品とジェネリックの効果は同じなのか?
患者さんから、「先発品とジェネリックの効果に差はありませんか?」と
よく質問されます。
基本的には全く同じ効果だと考えていいでしょう。
ジェネリックは安いので、「成分が少ないのでは?」「質が悪いのでは?」と
考えてしまう方がいますが、全くそんなことはありません。
先発品は「最初に作られたおくすり」であるため、その薬の研究や開発に多額のお金がかかります。
数百~数千人を対象に臨床試験をしたり、効果や副作用の解析をしたりといったことをしなければならず、
聞くところによると、開発・研究費には何億円以上もかかるそうです。
先発品を作った製薬会社は、その金額を回収しないといけませんので
必然的に薬価は高くせざるを得ません。
しかしジェネリックは研究費や開発費はほぼかかりません。
先発品ですでにやってもらってますから同じことをやる必要はないのです。
ジェネリックに必要なのは、「生物学的同等性試験」というもので、
「これは先発品と同じ働きをしますよ」ということを証明する試験のみをすればよく、
先発品と比べると比較にならないほど安価で済みます。
その分、ジェネリックは薬価を安くできるのです。
つまり質が悪いから安いのではなく、研究費や開発費の分が引かれているということです。
しかし、中には多少の効果の違いがあるジェネリックもありますので注意が必要です。
ジェネリックは薬の主成分は先発品と全く同じです。
前述したようにジェネリックは発売する際に必ず「生物学的同等性試験」を行います。
これはジェネリックの血中濃度の推移が正規品と同じ程度である、ということを確認する試験で、
これに合格しないとジェネリックとして発売できません。
ですので、成分的には同程度と考えて大丈夫なのですが、成分以外の添加物などが微妙に違う場合があり、
それがお薬の分解や吸収に多少の影響を与えることがあるのです。
ジェネリックの効果は基本的には先発品と同じであるが、中には微妙に異なるものもあります。
そのため、もしジェネリックにして違和感を感じるのであれば先発品に戻すのも手です。