アモバンは1989年に発売された睡眠薬で、20年以上経過した現在でも人気のあるおくすりです。発売してから10年以上経っているため、ジェネリック(後発品)もあります。
ここではアモバンのジェネリックの紹介、そして正規品とジェネリックの違いについてお話しましょう。
1.アモバンのジェネリック
多くの製薬会社がアモバンのジェネリックを発売しています。
よく見るものでは、
- アモバンテス
- スローハイム
- ゾピクール
などがあります。
最近ではジェネリック薬がどんどん増えて、新しい薬名もどんどん増えているため
現場が対応しきれず混乱してしまっています。
そのため、ジェネリックは「一般名+○○」(○○には会社名などが入る)という名称に
統一しようという動きがあり、今のジェネリックはほぼこのルールに基づいた名称になっています。
アモバンの一般名は「ゾピクロン」であるため、
- ゾピクロン「トーワ」
- ゾピクロン「サワイ」
- ゾピクロン「アメル」
といった名称になっています。
これからは先ほど挙げたような個性的なジェネリック名は少なくなっていき、
ほとんどのジェネリックがこの名称に統一されていくのでしょう。
ちなみに「ゾピクロン」というのがアモバンの一般名ですが、
一般名とは「国際的に決められた薬物の名称」のことです。
ジェネリックの最大のメリットは、その薬価にあります。
正規品とジェネリックの薬価を比較すると、1/3程度の価格です。
アモバン錠(正規品) 7.5mg 23.1円
アモバン錠(正規品) 10mg 27.9円ゾピクロン(ジェネリック)7.5mg 6.6~8.7円
ゾピクロン(ジェネリック) 10mg 7.6~10.5円
2.正規品とジェネリックの効果は同じなのか?
患者さんから、「正規品とジェネリックの効果に差はありませんか?」と
よく質問されます。
基本的には全く同じ効果だと考えていいでしょう。
ジェネリックは安いので、「成分が少ないのでは?」「質が悪いのでは?」と
考えてしまう方がいますが、全くそんなことはありません。
正規品は「最初に作られたおくすり」であるため、その薬の研究や開発に多額のお金がかかります。
数百~数千人を対象に臨床試験をしたり、効果や副作用の解析をしたりといったことをしなければならず、
聞くところによると、開発・研究費には何億円以上もかかるそうです。
それを回収しないといけませんので必然的に薬価は高くせざるを得ません。
しかしジェネリックは研究費や開発費はほぼかかりません。
だって、正規品ですでにやってもらってますから同じことをやる必要はないのです。
ジェネリックに必要なのは、「生物学的同等性試験」というもので、
「これは正規品と同じ働きをしますよ」ということだけを証明すればよく、
先発品と比べると比較にならないほど安価で済みます。
その分、ジェネリックは薬価を安くできるのです。
つまり質が悪いから安いのではなく、研究費や開発費の分が引かれているということです。
しかし、中には多少の効果の違いがあるジェネリックもありますので注意が必要です。
ジェネリックは薬の主成分は正規品と全く同じです。
前述したようにジェネリックは発売する際に必ず「生物学的同等性試験」を行います。
これはジェネリックの血中濃度の推移が正規品と同じ程度である、ということを確認する試験で、
これに合格しないとジェネリックとして発売できません。
ですので、成分的には同程度と考えて大丈夫なのですが、成分以外の添加物などが微妙に違う場合があり、
それがお薬の分解や吸収に多少の影響を与えることがあるのです。
ジェネリックの効果は基本的には正規品と同じであるが、中には微妙に異なるものもあります。
そのため、もしジェネリックにして違和感を感じるのであれば正規品に戻すのも手です。