無気力を克服する6つの手順

やらなきゃいけないのは分かっている。でもどうしても気力が出ない、行動できない・・・。

このような無気力状態になってしまった経験はないでしょうか。

無気力というのは非常に厄介なものです。やらなきゃいけないのにやれない自分を情けなく感じ、自責感もどんどんと募っていきます。

た、周囲から見ると怠けているだけに映ってしまう事多く、誤解や非難から周囲との関係も悪くなってしまいがちです。

無気力状態に陥ってしまったとき、そこから脱却するためには、適切な手順があります。ではどのような克服法を取ればいいのでしょうか。

ここでは無気力になってしまった時にまず試みるべき方法を紹介していきます。

1.無気力がなぜ生じるのかを理解しよう

無気力から脱出するためには、「どうして無気力になってしまったのか」をまず分析する必要があります。

多くの場合、何の原因もなく突然に無気力になってしまう事はありません。一見すると原因が分からなくても、自分の心の中をよくよく探ってみれば、なんらかの原因がある事がほとんどです。

そしてその原因は人それぞれで異なります。そのため、本を読んだり人に聞いたりして分かるものではなく、自分自身で見つけ出していく必要があります。なかなか自分で見つけられない場合は精神科医や臨床心理士などの力を借りる事もありますが、それでも最終的には自分で探す必要があります。

ではどのような原因があるのでしょうか。

「無気力」というのは文字通り「気力」が無くなってしまう状態が続く事です。気力というのは「やる気」「意欲」といっても良いでしょう。

「やる必要があるもの」「やらないといけないもの」に対して、私たちは気力を出して頑張ります。

自分が心からやりたいものであれば、自然と気力が沸いてくるでしょうし、やりたくないものであってもやらないと結局は自分が困るもの(仕事や勉強など)は、「将来のため」「給料をもらうため」とメリットを意識する事で気力を出し、何とか頑張れるものです。

しかし、これが出来なくなってしまうのが無気力なのです。

つまり、

  • 本当は好きだったものに対して気力が持てない
  • やらないと後々に困る事が分かっているのに気力が出ない

という状態が無気力です。

このような無気力状態が生じてしまった理由をまずは分析しましょう。そして、その原因に応じた対処法を取る必要があるのです。

2.無気力が生じる原理

無気力は様々な原因で生じますが、その背景にある根本的な精神状態というのは比較的共通しています。

それは『精神の消耗』です。

何らかの理由で精神が消耗してしまう事で、行動する原動力である気力が沸かなくなってしまうのです。

それではどのような原因で精神の消耗が生じるのでしょうか。代表的な原因について紹介します。

Ⅰ.心身の疲労

単純に身体や心を酷使し続けて疲労が限界を超えてしまうと、無気力になる事があります。

これは私たちの心身が「これ以上気力を出し続けて行動し続けたら壊れてしまう」と判断するためです。気力を抑える事で心身を守ろうとするのです。

休みなく毎日毎日無理に頑張り続けたり、過度なストレスの中でひたすら歯を食いしばって我慢し続けたりしていると、ある時突然「動けない」「仕事をしないといけないのにできない」といった無気力が生じる事があります。

Ⅱ.心の葛藤

自分の心の中に強い葛藤(あらそい)があり、それを押し殺し続けていると、その葛藤に耐え切れなくなり、無気力という形で心身がストライキを起こす事があります。

例えば、本当はやりたくない仕事だけど、親の強い希望でその仕事につかざるを得なかった、周囲の期待を裏切れなくて止むえずその仕事を続けていた、という方がいたとします。

「周囲の期待に応えないといけない」という気持ちと「自分は本当はこんな事はやりたくない」という気持ちが毎日毎日心の中でぶつかりあいます。これが葛藤です。

この葛藤を解決しないまま、見て見ぬふりを続けているといつか心が「もう無理だ」と判断し、無気力という形で噴き出します。

Ⅲ.大きな達成の後

何かに一生懸命打ち込んでいて、見事結果を出したあと、燃え尽きたように気力が抜けてしまう事があります。

目標を達成する事はとても喜ばしい事ですが、達成してしまったがために「生きがい」がなくなってしまい、それによって精神が消耗してしまったのです。

特に大学受験の後に無気力になる生徒は「ステューデント・アパシー(学生の無気力)」と呼ばれ、以前から無気力を引き起こしやすい状態として以前から指摘されていました。

またオリンピックで金メダルを取ったりと輝かしい成績を残した選手がその後に生きがいをなくしてしまい、うつ状態になってしまうケースも報告されており、これも大きな達成の後の生きがいの喪失による無気力だと考えられます。

Ⅳ.理想と現実のギャップ

自分が求めていたもの・期待していたものと現実があまりに異なる場合、それを心が受け入れられず、気力が沸かない事があります。

やりたいと思っていた仕事に就いたけど、現実を見ると思っていた仕事と全然違っていたなどという場合です。

これは時に「甘え」ととらえられる事もあります。確かに社会の厳しさを知らずに理想を追い求めすぎて無気力が出てしまった場合、「社会の厳しさを分かっていなかった」という未熟さが原因となる事もあります。

一方で、現実の環境に問題がある場合もあり、その場合は環境を変えたりする事で改善が得られることもあります。