自己嫌悪に陥る心理と、そこから抜け出すための克服法

自己嫌悪の原因と克服法

失敗が重なったり、周囲に迷惑をかけてしまった時、「こんな自分なんてもう嫌だ」と自己嫌悪に陥ってしまう事があります。

何かを失敗した時、失敗した原因が自分にあるのであればそれを反省して将来に生かしていく事は非常に意義のある行為です。しかし、ただ自己嫌悪に陥るだけであれば、そこから得られるものは何もありません。

自己嫌悪に陥ると、自分の全てがダメなように感じてしまいます。失敗したのは自分の中の一部が原因であっただけなのに、「こんな自分なんて生きている価値がない」「自分は全てがダメで、良いところなんて一つもない」と考えてしまう事もあります。

ただ失敗した事のみを真摯に反省して、次に同じ失敗をしないように工夫をすればいいだけなのに、自己嫌悪はそれすらせずにただ自分を傷付けるだけの行為なのです。

反省と自己嫌悪は全く異なるものであり、反省は意味のある行為ですが自己嫌悪は害しかない行為になります。

今日は自己嫌悪に陥った時、そこまで至る心理を考えてみるとともに、そこから脱却する方法について考えていきましょう。

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1.自己嫌悪に至る心理

よく自己嫌悪してしまう事という方は、この自己嫌悪がどのような気持ちから生まれているのかをまず考えてみないといけません。

私たち人間には、誰にでも「自尊心」が備わっています。自尊心とは「自分を大切だと感じられる気持ち」「ありのままの自分を受け入れる気持ち」の事です。この自尊心があるからこそ、私たちは夢や希望を持ったり、自信を持って毎日を生き続けていくことができるのです。

この自尊心が何らかの原因によって崩れてしまった状態が、「自己嫌悪」です。

自己嫌悪は、自分が期待していた結果と異なった現実が生じた時に現れます。何かを失敗して自己嫌悪に陥ったのであれば、あなたはそれが成功する事を期待していたのです。友達に暴言を吐いてしまって自己嫌悪に陥っているのであれば、本来は暴言など吐かない自分を期待していたのです。最初から「自分は失敗する」「自分は暴言を吐く」という確信しかなければ、そこに自己嫌悪が生まれる事はありません。

つまり自己嫌悪という感情は、自分が「より良くありたい」という感情を持っているからこそ生まれる感情だという事ができます。

全く自分に期待していない人に自己嫌悪は生じません。より良い自分でありたいけど、それと異なる現実となってしまったため、自己嫌悪が生じているのです。

よく自己嫌悪に陥りやすい人は自己評価が低い人だと言われる事があります。これは確かに正解なのですが、ただ自己評価が低いだけでは自己嫌悪は生まれません。「自分は出来なくて当然」と考えるのであれば、出来ない自分を今更責める事などないでしょう。

自己評価は低いのだけれども、本当は自分を高めていきたいという向上心を持っている方が自己嫌悪に陥りやすいのです。

2.自己嫌悪に陥りやすいのはこんな人

では具体的にはどのような人が自己嫌悪に陥りやすいのでしょうか。

自己嫌悪に陥りやすいタイプをいくつか見ていきましょう。

Ⅰ.自尊心が十分に育っていない方

自尊心というのは「自分を大切だと思える気持ち」の事で、誰もが持っている感情です。

しかし中には自尊心が十分に育っていない方もいらっしゃいます。このような方は自尊心が崩れやすいため、自己嫌悪に陥りやすい傾向があります。

自尊心というのは、自分が安心して存在できるような環境に身を置くことで少しずつ形成されていきます。私たちは幼少時代、両親の温かい愛情に包まれて育っていきます。両親に守られながら、自分の存在を大切にしてもらい、自分の意見や考えを尊重してもらえるような環境の中で「自分は価値があるんだ」「自分は大切な存在なんだ」と無意識に感じ取っていくのです。

この過程を十分に踏めていない場合は、自尊心が十分に育ちません。

例えば「アダルトチルドレン」と呼ばれるような機能不全家族(十分に機能していない家族)の元で育てられた子は、幼少期に十分な愛情を受ける事が出来なかったために自尊心が十分に育っていないという事があります。

幼少期から、

  • 両親が喧嘩ばかりしていた
  • 親から暴力・暴言を受けていた
  • 「お前なんていなければいいのに」など存在を否定されるような言葉を受けていた
  • いつも親の顔色をうかがっていた
  • 親に甘えた記憶がない
  • 親に自分の意見を聞いてもらった事がない

といった家庭で育てられた場合、自尊心は未熟になりがちで小さな事で容易に自己嫌悪に陥りやすくなります。

Ⅱ.条件付きの自尊心を持っている方

通常、自尊心というのは「無条件」でないといけません。

無条件というのは、「〇〇があるから、自分は大切なのだ」といった条件付けをしていないという事です。

例えば、

「自分はクラスで成績が一番だから価値があるのだ」
「自分は営業成績がトップだから価値があるのだ」

といった条件付けの自尊心を持っている場合、この自尊心は本物ではありません。「〇〇があるから、自分は価値があるのだ」という状態は、自尊心が何かに依存した上で成り立っています。そしてこれは、「〇〇」という依存元がなくなってしまえば容易に自尊心が崩れるという事です。

「成績がトップの自分は価値がある」と考えるのであれば、もし成績が2位以下に落ちたら自分の価値は途端にゼロになってしまいます。「営業成績がトップの自分には価値がある」と考えているのであれば、一生にわたって常にトップの営業成績を納め続けなければ自己を保てなくなります。

これは極めて不安定な自尊心だと言えるでしょう。

本物の自尊心というのは、「〇〇があるから」という条件によらず、自分を大切だと思える感情です。

Ⅲ.完璧主義・理想が高い

自己嫌悪は、自分が期待していた理想と異なった現実になってしまった時に生じます。

これはつまり自分が期待している理想が高すぎる場合、自己嫌悪に陥りやすいと言えます。完璧主義の方であったり、理想を高く掲げがちな方は自己嫌悪に陥りやすいリスクがあるという事です。

人間は基本的に失敗する生き物です。どんなに賢い人であってもミスはします。一生で一回もミスをした事がない人などいないでしょう。

なのに、

  • 常に成功しないといけない
  • いつも完璧にやらないといけない

といった考えを持っていれば、自分の期待する理想と現実がかけ離れた結果となる可能性が高くなります。この場合も自己嫌悪に陥りやすくなります。

Ⅳ.他者の評価を強く気にする方

「周りからどう思われているだろうか」という事を常に強く気にしてしまう方は、自己嫌悪に陥りやすいと考えられます。

なぜならば、このような方は他者の目を気にするあまり「本来の自分」をさらけ出せず、常に「他者から見られても恥ずかしくない自分」を演じ続けているからです。

「他者から見られても恥ずかしくない自分」が自分であり、「本来の自分」は自分ではなくなるため、本来の自分に対して自己嫌悪を感じやすくなるのです。

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3.自己嫌悪から抜け出すための克服法

ではどのような考え方を持ったら、自己嫌悪から抜け出す事が出来るのでしょうか。

また自己嫌悪に陥りにくくするためにはどのような事に気を付ければいいのでしょうか。

自己嫌悪から抜け出すための方法について紹介します。

Ⅰ.自尊心を持つと自己嫌悪から遠ざかる

自己嫌悪は自尊心が低いと陥りやすいというお話をしました。という事は、自尊心を高めるち自己嫌悪に陥りにくくなるという事です。

何かを失敗して自己嫌悪に陥った時、その背景には「成功した自分は嫌いじゃないけど、失敗した自分は嫌い」という構図があります。

「仕事に成功している自分は好き」
「仕事に失敗している自分は嫌い」

このように何かに依存した自尊心というのは、あまり健全なものではありません。どんなに優秀な人でも人生で一回も失敗しない人なんていませんし、失敗した途端に自己嫌悪が生じる構図となっているからです。

このような条件付きの自尊心(=不十分な自尊心)を持っている限り、定期的に自己嫌悪の波がやってきます。

ここから抜け出すためには、成功・失敗などとは関係なく、「自分は価値があるのだ」と感じられるようにしていく事です。

何かの条件に依存せずとも自分を大切だと思える気持ちが本物の「自尊心」です。本物の自尊心を持てるようになると、自己嫌悪が起こりにくくなります。

では本物の自尊心はどのようにすれば作られていくのでしょうか。

自尊心は自分が安心して存在できるような環境に身を置くことで、少しずつ形成されていきます。子供は成長の過程で自尊心を身に着けていきますが、これは両親の温かい愛情に包まれた環境で育っているからです。自分の存在を大切にしてもらい、自分の意見に耳を傾けてもらえるような環境は自尊心を育んでくれます。反対にアダルトチルドレンのように両親の愛情を十分に受けられなかった場合、自尊心が低くなってしまいます。

このような自尊心が育つ環境は一朝一夕に作れるものではありませんが、意識すれば自分の工夫で少しずつ作っていく事ができます。

自尊心を持つためには、

  • 自分が安心できる環境をなるべく作る
  • 自分が接していて安心できる人と付き合う

事を意識していきましょう。

今の環境は自分が安心して過ごせる環境でしょうか。家庭が安心できない環境なのであれば、お互いが温かく過ごせるように家族間で話し合って工夫していくことが大切です。どうしても環境が改善されなさそうであれば、一旦は今の家族から離れて暮らしてみるのも手かもしれません。どんな環境が安心できる環境かというのは一律に言えるものではありませんが、自分にとって安心できる環境に少しでも近づけるよう工夫してみましょう。

また普段付き合う人も大切です。自分の意見をすぐに否定するような人や、こちらの話をあまり聞いてくれない人と多くの時間を過ごしているとやはり自尊心というのは育ちにくいものです。自分の意見に耳を傾けてくれる方、自分の話をしっかりと聞いてくれる方となるべく多く付き合うようにし、それ以外の人とは適切な距離感を持って付き合っていくと良いでしょう。

自分にとって最高に安心できる環境というのは現実問題、なかなか作れないかもしれません。しかし完全にその環境に到達できなくても、その環境に少しでも近づけるよう工夫してみて下さい。

Ⅱ.自己嫌悪ではなく、反省をする

何かを失敗してしまったとき、そこから何かを学ぶ姿勢はとても大切です。

「あそこをああすれば失敗しなかった」
「あの時、ああすればあの人にイヤな想いをさせずに済んだ」

失敗した事を反省し、そこから何かを学び取れば失敗は無駄にはなりません。将来に必ず生かされていきます。

しかし失敗した事に対して「自己嫌悪」するだけで終わってしまうと、それはただ周囲に迷惑をかけ、自分もただ傷つくという全く誰も得をしない結果となってしまいます。

どうせ失敗してしまったのだから、そこから何かを学ぶようにしましょう。もし何かを学び取り、あなたが成長するのであれば、失敗によって被害を受けた人も「でもその分、あの人が成長してくれたならいいか」と考えやすくなります。

「失敗は成功の母」ということわざもあります。

失敗してただ自己嫌悪するだけなんてもったいなすぎます。失敗した時は、「自分はダメだ」ではなく「そこから何かを学んでやろう」という気持ちを持ってみて下さい。

Ⅲ.迷惑をかけたことは素直に謝り、いずれ恩返しをと考える

失敗した事で誰かに迷惑をかけてしまった場合、自己嫌悪に陥る方は多いものです。

確かに自分の失敗で誰かに害を与えてしまったら、「人に迷惑をかけるような自分なんてダメだ」と考えてしまうかもしれません。

でも誰かに迷惑をかけたのに、ただ自己嫌悪するだけでは何も解決しません。本当に迷惑をかけたと感じているなら、自己嫌悪という生産性のない行為をするのではなく、なるべく相手のためになる行為をしてみてはいかがでしょうか。

ただ自己嫌悪しているだけでは、自分自身も「あの人に迷惑をかけてしまった」という罪悪感が消えませんし、相手も「被害を受けた」という気持ちが消えないかもしれません。

このような時は、迷惑をかけた事実は素直に謝り、今後必ずその分相手に報いようと考える事が大切です。

「〇〇の件でご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。これからはこのような事のないよう、〇〇さんが気持ち良く仕事が出来るように気を付けます」

このようにしっかりと謝罪をした方が、自分自身も気持ちがすっきりしますし、相手も「しっかり謝ってくれたんだからもうこの件は終わり」と気持ちの整理がしやすくなります。

人は誰でも他者に迷惑をかけながら生きています。だからいくらでも迷惑をかけて良いという事ではありませんが、ある程度迷惑をかけるのは仕方がない事だと考え、「他者様にどうしたら迷惑をかけないか」ばかり考えるのではなく、「迷惑をかけてしまった分、どうやって恩返ししていこうか」と考えた方が現実的ですし有意義です。

Ⅳ.自己嫌悪は自分に対する期待の裏返しだと知る

自己嫌悪というのは、自分が「より良くありたい」という感情を持っているからこそ生まれる感情だとお話しました。

この心理に気付いていない人は非常に多いのですが、改めてこの事を意識する事は自己嫌悪から脱却するために大切です。

自己嫌悪の真っただ中にいる時は、「自分なんて価値がない」と感じているかもしれませんが本当にそうでしょうか。

何かに失敗して自己嫌悪に陥ったという事は、「成功させたい」という向上心があったことの裏返しです。友達とケンカをした際につい暴言を吐いてしまって自己嫌悪に陥ってるのは、「友人に暴言は吐きたくない」という優しい気持ちをあなたが持っていたという証拠です。

自分がこのような気持ちを持っていたのだという事に気付き、この気持ちを持っていた自分を認めてあげてください。

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