レジリエンスを高めるトレーニングで大切な5つのポイント

レジリエンスのトレーニング方法。レジリエンスの鍛え方

レジリエンス(Resilience)とは、精神的な回復力・防御力という意味として、近年メンタルヘルス領域で注目されている言葉です。

ストレスを受けた時に、落ち込みやすい(防御力が低い)、なかなか立ち直れない(回復力が低い)という方は、「レジリエンスが低い」という事ができます。このような方は、レジリエンスを高めれば精神的なストレスを受けた時にこころにダメージを受けにくくなり、精神疾患にもかかりにくくなります。また精神疾患にかかってしまっても、早く病気を治すことができます。

以前は、レジリエンスは生まれつきの能力であり高めることは出来ないと考えられていました。しかし現在では、適切なトレーニングを受ければレジリエンスは誰でも高める事が出来る事が分かっています。

レジリエンスを高めるために大切なポイントについて紹介します。

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1.レジリエンスは高めることが出来るのか

以前は、レジリエンスはトレーニングを行っても鍛える事は出来ないと考えられていました。レジリエンスは遺伝的に決まるものであり、生まれつきの能力であると考えられていたのです。

しかし現在においてはレジリエンスは適切なトレーニングを行えば高める事が出来ることが分かっています。実際にレジリエンスが低い人に対して、レジリエンスを高める介入を行う事でうつ病などの精神疾患の改善が得られたという報告も認められているのです。

精神疾患の方のみならず、健常者においてもレジリエンスを高める事への関心は年々増大しています。近年ではレジリエンスを高める研修やセミナーを導入している企業もあり、実際にメンタルヘルスの改善・精神疾患の予防として役立っているようです。

確かにレジリエンスは、生まれつきの能力も一部あります。元々、気質(≒性格)として、落ち込みにくい人や前向きな人、自尊心をしっかりと持っている人というのは確かにいます。こういった方は生まれつき精神的な回復力・防御力は高く、生まれつきの能力として「レジリエンスが高い」と言えるでしょう。

しかし、生まれつきレジリエンスが低い方であっても、トレーニング次第ではある程度レジリエンスを高める事は可能です。

同じような精神的なストレスを受けても、落ち込みが浅い方と深い方がいますが、両者の違いというのは一定の共通項がある事が分かっています。つまり、レジリエンスの高い人の共通項を基にして、それに近づくようなトレーニングを行えばレジリエンスは高められるという事です。

実際に、その人の考え方や自己評価、周囲の環境などを適切に修正していけば、レジリエンスはかなり高める事が可能です。また、ストレスを受けた時に、ストレスに打ち勝つ正しい乗り越え方を学ぶ事で、レジリエンスが強化されていき、徐々に高まっていくことも分かっています。

レジリエンスは生まれつきの能力もありますが、トレーニング次第で充分に高めることが出来るものなのです。

2.レジリエンスを高める5つのポイント

レジリエンスは、ある程度の生まれつきの能力によるところもあります。しかしそれはレジリエンスを構成する要素のうち、一部分に過ぎません。

環境や考え方などに対して、適切な努力を行えばレジリエンスは高めることが出来ます。

レジリエンスを高める方法は様々なものがあり、個々人によって大きく異なってきますが、一般的に考えられているレジリエンスを高めるために重要な要素を紹介します。

Ⅰ.自己肯定感・自尊心

レジリエンスを高めるための基盤となるのは、自分に対する適切な評価です。

これは当然の事で、自分に対する価値を認めてあげていないと、何かストレスを受けた時に「どうせ自分は」と否定的に考えるようになってしまいます。これではレジリエンスが高まるはずがありません。

完璧な人間などいません。どんなに完璧に見える人でも、欠点はあります。

自己評価の低い方は、その欠点だけに目を向けて自分の評価をしてしまう傾向があります。また、その欠点が努力で改善させられるものであっても「どうせ自分が出来るわけない」と努力する前から諦めてしまう傾向があります。

誰でも良いところ・悪いところの両方があります。それを適切に評価し、自分に対して評価をしてあげないとレジリエンスは高まりません。

具体的な自己評価・自尊心を上げる方法というのは、一概に言えるものではありませんので、精神科を受診して主治医と相談したり、カウンセラーと相談したりしながら行うことがよいでしょう。

特に幼少期に親から十分な愛情を受けれない環境にあった方は、自己評価が低くなる傾向があり、これは時間をかけて改善させていく必要があります(詳しくはアダルトチルドレン(AC)とはをご覧ください)。

自己評価を上げるための方法として、当サイトの記事「自分が嫌いだという人へ。自己評価を上げる11の方法」も参考にしていただければ幸いです。

Ⅱ.適応力

レジリエンスは、「精神的なしなやかさ」という意味合いを持ちますが、その意味の通り「しなやかさ」「柔軟性」というのは重要です。ストレスに対しては、硬い盾で防御するのではなく、しなやかに避けたりはじいたりする方が有効です。

精神的に「硬い」というのはむしろ問題で、これはむしろ「レジリエンスが低い」と言えます。

考え方が硬い方、つまり柔軟性が低い性格は「完璧主義」や「こだわりが強い」という性格だと言えます。これは、自分を追い込んでしまいやすく、精神的にストレスを受けやすい性格です。実際、うつ病の病前性格として提唱されているメランコリー親和型性格も、「真面目で責任感が強く、完璧主義」であると言われています。

人生は理不尽なことや自分の予定通りにはいかないことはたくさんあります。生きていれば必ずこういった事には遭遇するでしょう。その時、「まぁ、仕方ない」とあきらめたり、受け入れたりといった適応力を持てる方がレジリエンスは高くなります。

これは、何でもすぐに諦めろということではありません。自分なりに一生懸命がんばっても、それでも思い通りにいかないことは諦めたり受け入れることも大切だということです。

「まぁ人生、こんなこともあるだろう」と適度に楽観的に考えられる適応力は、レジリエンスを高めてくれるのです。

Ⅲ.安定した人間関係

これは内的なものではなく、外的(自分の外側)な要因ですが、安定した人間関係はレジリエンスを高めるために必須です。

人間にとって一番辛いものは孤独だと言われています。信頼できる人間関係を持っていれば、それだけで安心感からストレスを跳ね返すことができるでしょう。

中でも家族との良好な関係はとても重要です。幼少期より家族仲が悪ければ、両親から十分な愛情を受けられずに自尊心が十分に育ちません。また、何か悩みがあった時にもっとも身近にいて相談しやすいのが家族ですから、良好な家族関係がないと、ストレスを自分の中に溜めこむようになってしまいます。

友人との関係も大切です。たくさん友達がいれば良いというわけではありません。深い事まで話せて信頼が出来るような「親友」を持っている事が重要です。家族には相談しずらい事なども相談に乗ってもらったり、一緒に遊びに行ってストレスを発散させたりと、友人はあなたを助けてくれます。

また、仕事においては、ストレスを受けた時、すぐに相談できる相手がいれば、ストレスを溜めこまずに早めに対処することが可能になります。

Ⅳ.社会とのかかわり

適度な社会とのかかわりを持ち、その中で役割を持つことは、レジリエンスを高めるために大切なことです。

それは前述の孤独の回避にもつながりますし、「社会に貢献している」という気持ちを持ちやすいため、自尊心を高めることにもつながります。

実際、職業が有無とレジリエンスの高さは関連性があるという報告もあります。つまり職についている人の方がレジリエンスが高いということです。

Ⅴ.生活習慣

日々の安定した生活習慣もレジリエンスを高めるためには大切です。

安定した食事・運動の習慣はレジリエンスを高めることが報告されています。

また、適度な飲酒もレジリエンスを高めることが報告されています。

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3.専門家のフォローを受けながら行うのが効果的

レジリエンスを高めるための大切な要素をお話しました。

これを元に、自分に足りない点を補う工夫をしてレジリエンスを高めることも良いのですが、もしあなたが「レジリエンスを高めたい」と思っているのであれば専門家と協力して行う方が良いでしょう。

精神科・心療内科を受診し、診察で少しずつ主治医をお話をしながらレジリエンスを高めるという方法でも良いです。診察は時間が十分に取れない事もありますので、カウンセリングを定期的に行い、その中でレジリエンスを高めるには自分の場合どうすればいいのかを話し合い、日常でそれを実践していくという方法も有効です。

自尊心を高めたり、適応力を身に付けるというのは、自分ひとりの努力ではなかなか成功しないことがあります。人はそう簡単に変わる事が出来ないため、自分ひとりで頑張っていても、ちょっと気を抜くと元の自分に戻ってしまうのです。

専門家の適切なフォローがあった方が成功率は大きく高まるでしょう。

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