癒されたい方必見!音楽でリラックスするために大切な事

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リラックスできる音楽とは

音楽は私たちの感情をより豊かにしてくれます。

音楽を聴く事でやる気が出たり、前向きになれたり、幸せな気分になったりした経験は誰もがあるでしょう。このように音楽には私たちの感情を刺激するはたらきがあるのです。

日常においても、音楽の効能は様々な場面で利用されています。

映画やドラマでは、怖いシーンに合わせてミステリアスな音楽が流れ、私たちはより恐怖を感じます。闘いのシーンでは勇ましい音楽が流れ、私たちはより興奮して映像に没頭します。このように状況に合った音楽を流すと、私たちの感情はより一層刺激されるのです。

明るいお店で楽しそうな音楽が流れていれば、より楽しい気分になれます。落ち着いた雰囲気お店で静かな音楽が流れていたら、私たちはよりゆったりした気分になれるでしょう。

音楽のこの効能を上手く利用すれば、音楽で気持ちをリラックスさせる事も出来ます。

みなさんも音楽で深くリラックスできる環境を作ってみませんか。ここでは音楽で心身をリラックスさせるために大切なポイントをお話しさせて頂きます。

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1.五感を刺激すれば目的の精神状態になりやすくなる

私たちは五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚・触覚)を使って、自分が今置かれている状況を認識します。

五感とは、

  • 視覚(見る)
  • 聴覚(聞く)
  • 嗅覚(嗅ぐ)
  • 味覚(味わう)
  • 触覚(触る)

といった感覚の事です。

五感を通じて様々な情報を集め、それを総合する事で私たちは現在の状況を正しく判断し、状況に応じた適切な行動が取れるようになるのです。

もちろん視覚や聴覚など単一の感覚のみであっても、ある程度の情報は得られます。しかし、用いる感覚が多ければ多いほど情報の精度は高くなり、より適切な行動がとれます。

例えば、怖い先輩がこっちに近づいてきたとき、視覚で「怖い先輩がこっちに来ている」と察知する事はできます。しかし更に先輩の声が聞こえれば「間違いなく先輩だ」と聴覚によって情報の精度はより高まります。

料理が運ばれてきたとき、視覚によって「これは魅力的な食事だ」と感じる事はできます。そこに「良いにおい」が漂ってくれば、「これはとてもおいしそうだ」と情報の精度は高まります。更に実際に味わう事が出来れば、おいしさを確信できます。

このように五感から得られる情報が多ければ多いほど、私たちの脳は今の状況に対する判断に確信を持つようになるのです。

これは、五感すべてに自分がなりたい精神状態を引き起こすような状況を感じさせる事が出来れば出来るほど、脳は「今はこういった状況なんだ」と確信し、目的とする精神状態に至りやすくなるという事でもあります。

五感によって意図的に特定の精神状態を作りやすくできる、ということです。

実はこのような五感による感情の操作は古来より行われています。

例えば戦の前の儀式では、勇ましい音楽が演奏されます。ただ「これから戦だぞ!」と伝えるよりも、五感の1つである聴覚を通じてもそれを伝えた方がより兵隊さんの気持ちは高ぶるためです。

そしてこの原理はリラックスしたい時も同じです。

ただ単に「リラックスしたいなぁ」と考えてリラックス状態を作ろうとするよりも、落ち着くようなもの(自然や動物など)が視界に入った方がリラックス状態に入りやすくなります。更に落ち着くような音を聴いて、落ち着くにおいを嗅いで、落ち着く感触の服やベッドに包まれれば、身体はより一層「今はリラックス状態に入って良い」と確信するでしょう。

私たちの五感に対するこの性質を利用すると、音楽を生活に役立てる事ができるようになるのです。

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2.音楽は生じている感情を増強させる

音楽は五感の1つである「聴覚」を刺激するものです。

聴覚は私たちが外部の状況を判断するために重要な情報源の1つで、脳はここから得られた情報を元にして最適な心身の状態を作ります。

つまり聴覚を通じて「今はこういう状況だよ」と脳に伝える事が出来れば、心身はその状況に適した状態になりやすくなるという事です。

皆さんは意識していないかもしれませんが、実は日常の中でも皆さんの感情は音楽によって影響を受けています。

楽しい状況の時に明るく愉快な音楽が流れていれば、より楽しく感じられます。ゆったりしたい時に静かな音楽が流れていれば、よりゆったりした気分になれます。

例えば遊園地では、皆さんに「楽しい!」と思ってもらいたいので、明るく愉快な音楽を流します。エステや旅館などでは、皆さんに「癒される」と感じてもらいため、静かで落ち着いた音楽を流します。

このように音楽を上手に使えば、誘導したい精神状態を作りやすくなるのです。

しかし間違えてはいけないのは、音楽は目的とする精神状態に誘導するための情報の1つに過ぎないということです。つまり音楽「だけ」でリラックス状態を作るのは出来ません。

私たちの脳は五感で得た情報を元に、今の状況を総合的に判断します。音楽が作用するのは聴覚であり、これは五感の1つに過ぎません。

いくら聴覚でのみ「今はリラックスしていい状況だよ」と脳を説得しても、他の感覚がそう判断をしていなければ、脳に「今はリラックスしてよい」と判断しません。

他の感覚では「怖い」「緊張する」「苦しい」と判断されるような状況なのに、そこにリラックスできる音楽をいくらかけても、それによってリラックスできるようになるという事はないのです。

音楽でリラックスするための大前提として、聴覚以外も「今はリラックスできる状況だ」と判断してくれるような環境に身を置いている必要があります。その状況で更に聴覚的にもリラックスできる状況だと判断されると、よりリラックス状態に入りやすくなるのです。

そういう意味では「音楽によってリラックス状態を作る事が出来る」というよりも、「音楽によって今のリラックス状態をより増強する事が出来る」といった方が正確かもしれません。

視覚的に脳を刺激するような派手な色が多い環境に身を置いていたり、不快な臭いがする部屋にいたり、締め付けられるようなきつい服をきていたり、苦いものを食べていたりするような状況では、いくらリラックスできる音楽をかけても深くリラックスする事はできません。

視覚的には、苦手なものや怖いもの、派手なものが無い環境が良いでしょう。匂いも苦手なにおいや不快なにおいがない状況である必要があります。温度や湿度も適正で、締め付けられるような服は着ない方が良いでしょう。

このように聴覚以外の五感でも「今はリラックスできる」と判断できる状況を作った上で、更にリラックスできる音楽を聴く事で、穏やかな気持ちが音楽によってより増強されるのです。

3.リラックスできる音楽とは

では最後にリラックス状態を作りやすい音楽とは、具体的にどのような音楽なのかを考えてみましょう。

極論を言えば「あなたが聴いて落ち着くと感じる音楽」がもっともリラックスしやすい音楽です。人それぞれ好きな音楽が異なるように、リラックスしやすい音楽も人によって異なります。

しかしこれだけだとリラックスできる音楽をどのように探したらいいのか困ってしまう方も多いでしょう。実は個人的な趣向とは別に、本能的に私たちがリラックスしやすい音というものは存在します。

なるべくそのような特徴に合致した音楽を選ぶと、リラックス状態を作りやすいでしょう。

最後に、一般的にリラックスしやすいと言われている音楽の特徴を紹介します。

Ⅰ.単調である事

リラックス状態を作るには、聴く音楽の構成は単調なものが良いでしょう。

激しい曲や次々と展開が変わっていく曲はワクワクしますし刺激的ではありますが、こうような音楽は脳を刺激して、むしろ興奮状態を作ってしまい逆効果となってしまいます。

リラックスするためには、あまり脳を刺激しないような単調な曲(退屈な曲、と言ってもいいでしょう)が良いのです。聞き入ってしまうような凝った音楽ではなく、あまり意識を向けなくても自然と耳に入ってくるような音楽です。

近年では「ヒーリングミュージック」という心身をリラックスさせる音楽が多く発売されていますが、実際ヒーリングミュージックを聞くとゆっくりと単調なものが多い事が分かります。

また自然の音が入っているヒーリングミュージックも多いですが、これも川のせせらぎや森のざわめきなどのリズムが単調だからです。

Ⅱ.静かである事

ハードロックやメタルなどの激しい音楽がリラックス状態を作るのには向かないというのはイメージ的に理解できると思います。

リラックスするためには、静かな音楽の方が適しています。

「静かな音楽」を、より具体的に言うと、

  • テンポがゆっくりの音楽
  • 構成楽器数が少ない音楽
  • 構成が単調な音楽

になります。

入ってくる情報量が多すぎると、その情報を処理しようとして脳は活性化してしまいます。ゆっくりしていて構成楽器が少ない単調な音楽の方が、脳が刺激されにくいため、リラックスしやすいのです。

Ⅲ.1/fゆらぎ

本能的に心身をリラックスさせるリズムに、「1/fゆらぎ」というリズムがあります。

これは自然界の多くに見られる天然のリズムです。

一例を挙げると、

  • 川のせせらぎ
  • 虫の鳴き声
  • 心臓の鼓動

などの多くは、1/fゆらぎのリズムになっています。

詳細な機序は不明ですが、私たち動物は本能的にこの1/fゆらぎを聴く事でリラックスするようなのです。

リラックスしたい時は、1/fゆらぎのリズムを取り入れると良いでしょう。

ちなみにこの1/fリズムは視覚的にもリラックス効果があります。

例えば、

  • ろうそくの炎のゆれ
  • 蛍の光

なども1/fゆらぎの間隔になっています。

「イライラする時はろうそくの炎をじっと見ていると落ち着いてくる」という方がいますが、これは1/fゆらぎを無意識に取り入れているのです。

Ⅳ.自分が心地良いと思える事

最後はやはり自分が心地良いと思える音楽を選ぶことがもっとも大切です。

いくら一般的にはリラックスできるといわれるような音楽でも、あなた自身がその音楽で落ち着く感じを得られなければ意味がありません。

あなたが直感的に「聴いていて癒されるなぁ」と感じられる音楽を選びましょう。

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