心身をリラックスする方法はこうやって見つけよう

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最高にリラックスできる方法

日々忙しく過ごしていると、お休みはリラックスできる1日にしたいものです。

リラックスする方法としては、

  • エステやマッサージでゆったり過ごす
  • 温泉でゆっくり過ごす
  • 自然に触れてのんびり過ごす

などが人気です。実際に休日をこのように過ごす方は多いのではないでしょうか。これらは確かにリラックスできる方法の1つです。

せっかくお休みできる日なのですから、自分にとって最高にリラックスできる方法で過ごしたいと皆さん考えるでしょう。

しかしどのような過ごし方がリラックスできる過ごし方なのかは人によって異なりますので、一般的に言われている過ごし方があなたにとってリラックスできるかどうかは分かりません。

では、最高にリラックスできる方法はどのようにしたら見つかるのでしょうか。最高にリラックスできる方法をここで探していきましょう。

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1.リラックスってどんな状態なの?

まず皆さんが目指す「リラックス」というのがどういった状態なのかを改めて考えてみましょう。

リラックス(Relax)という用語は、「re(後ろ)」「lax(緩める)」から来ています。心身が緊張した「後」に、その緊張を緩める事が「リラックス」なのです。

長い時間、緊張状態を続けてしまうと身も心も疲れ切ってしまいます。そうならないようにリラックスする必要があるのです。

日常で使われる「リラックス」という言葉は、「のんびりする」「くつろぐ」といった意味で使われる事が多いでしょう。この使い方は間違っているわけではないのですが、ただのんびりするだけではなく、何かに気を張って疲れた「後」に、身体や気持ちを「緩める」事がリラックスなのです。

リラックスというのは、緊張状態によってガチガチになってしまった心身をほぐすための行為だという事です。

2.交感神経と副交感神経

リラックスという状態を理解するためには、自律神経について理解する必要があります。

私たちの身体には「自律神経」という神経があります。

自律神経は全身の組織・臓器に分布している神経で、私たちの意志から自律して周囲の状況に合わせて適切にはたらいてくれる神経です。

例えば気温が高いと、私たちの身体は汗をかきます。汗を書くと水分が皮膚から蒸発するため、その時に熱が奪われ体温が下がります(これを気化熱と呼びます)。汗は体温を下げるために分泌されているのです。

この「汗をかく」という行為は私たちは意識してやっている事ではありません。自分の意志とは関係なく、暑くなると勝手に汗が出てくるのです。実はこれは「今は体温が上がり過ぎているから、体温を下げないと」と自律神経が適切に状況を判断し、自律して行ってくれているのです。

これ以外にも私たちの身体は自分の意志とは関係なく、自動的に適切な活動をしてくれる事がたくさんあります。身体を激しく動かして全身へ多く血液が必要になれば、勝手に心拍数が上がります。食事を食べると自分の意志とは無関係に胃腸の動きが活性化します。

これらはすべて自律神経が行ってくれているのです。

より詳しく見ていくと自律神経には、

  • 緊張状態を作る「交感神経」
  • リラックス状態を作る「副交感神経」

の2つがあります。この両者が綱引きをして、今の状況に最適な状態を作っています。

例えば身体を激しく動かしている時は交感神経が優位になり、心拍数が上がります。反対に睡眠中は副交感神経が優位になり、心拍数は下がります。

このように自律神経とは周囲の状況に合わせて適切な活動をしてくれる大変助かる神経なのですが、自律しているが故に問題もあります。

自分の意志とは無関係に周囲の状況に合わせて活性化してしまうため、環境によっては心身に害を与えてしまう結果になる事があるのです。

例えば、毎日毎日遅くまで仕事をしている方は、緊張状態を保つ必要がありますから常に交感神経が優位になってしまいます。この状態が慢性化すると、いざ休もうという時にも交感神経の活性が治まらず、心身の疲れが十分に取れなくなってしまうのです。

反対に仕事もせずに一日中家でダラダラと過ごす日が長く続いてしまうと、常に副交感神経が優位になってしまいます。この状態が慢性化すると、いざ緊張状態を作らないといけない時でも交感神経が活性化されず、集中力が発揮しにくくなってしまいます。

このように自律神経は周囲の状況によって自律して活性化し続けてしまうため、その状況が心身に良いものでなかった場合、心身を傷付けてしまう事にもなるのです。

交感神経と副交感神経はどちらも重要な神経であり、両者をバランスよく活性化させる事が心身の状態を安定させるために大切なのです。

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3.リラックスとは副交感神経を活性化させる事だが・・・

リラックスする方法というのは基本的には「副交感神経を活性化させる事」になります。

実際、リラックスする方法などを調べると、よく「交感神経を活性化させないように!」「副交感神経が活性化する生活を取り入れよう」などと書かれている記事を見かけます。

これは間違いではありませんが、正確な答えとしては不十分です。

交感神経も副交感神経もどちらも重要な神経です。リラックスという観点からみると交感神経が悪者のように扱われる事がありますが、それは間違いです。

私たちは何かを集中したり精力的に活動したりしないといけない時もあり、そのような時に交感神経はとても重要なはたらきをします。しかしずっと交感神経が活性化し続けていると心身が疲弊してしまうため、交感神経が頑張った後は、副交感神経を活性化させて心身を緩める必要があるのです。

冒頭で説明したように、リラックスというのは交感神経が頑張った「後」に、副交感神経を活性化させて心身を「緩める」事です。

つまり交感神経が活性化してもいないのに、副交感神経ばかり活性化させてもこれはリラックスにならないという事です。むしろ副交感神経が過剰に活性化してしまう事で、集中力低下や倦怠感などが生じてしまうでしょう。

ちなみに心身をリラックスさせる方法の1つとして、精神科では「漸進的筋弛緩法(リラクゼーション)」という方法を指導する事があります。

これは、筋肉を意識的に緩めることで身体をリラックスさせる方法です。身体の緊張をほぐしてリラックス状態を作ることで疲れが取れやすくなったり、睡眠を改善させる作用が期待できます。

医療的によく用いられる「副交感神経の活性化方法」といっても良いでしょう

そのやり方を簡単に説明すると、

  1. 8割ほどの力で5-10秒ほど力を入れて、
  2. その後スーッと力を抜き、10秒ほど脱力する

ということ顔、手、足・・・と全身の筋肉に対して順々に行っていく方法です。

力を入れたあとストンと力を抜くことが一番のポイントで、脱力を意識することで筋肉の緊張が取れやすくなります。これを行うと、全身の筋肉の緊張が取れ、自律神経が落ち着きます。

この筋弛緩法も、ただ緊張を緩めているだけではない事が分かります。まずは筋肉を緊張させ、その「後」に「緩める」からこそ、副交感神経の活性化によってリラックス状態が作れるのです。

ただひたすらに副交感神経を活性化させても、それはリラックス状態とは違うのです。

一生懸命何かに集中した後に必要なのが「リラックス」という行為であり、常にリラックスする方法を求めるのは間違っています。

4.あなたが最高にリラックスできる方法

リラックスというのがどういった状態なのかを理解できたでしょうか。

では最後に、あなたにとって最高のリラックス状態を作るためにはどのように考えていけばいいのかを見ていきましょう。

Ⅰ.何かに集中して取り組もう

みなさん見落としがちな大前提なのですが、リラックスするためには、まず交感神経が十分に活性化していた必要があります。

  • 勉強に一生懸命集中して取り組んだ
  • 仕事を精一杯頑張った

など、交感神経が活性化して心身に疲労が溜まっている状態でないと、リラックスの必要が生じません。

もしあなたが、仕事は定時が来るのをひたすら待ち、ダラダラと乗り切っているという状態だったとしたら、そもそも仕事中も交感神経が活性化していませんから、その後に副交感神経を活性化させても、ただ副交感神経の活性化が過剰になるだけです。

緊張もしてない神経を更に緩めても、緩まりすぎてしまうだけですよね。

この場合はリラックスする方法を学ぶ前に、仕事中は一生懸命取り組むという姿勢に方向転換する必要があります。

Ⅱ.自律神経の活性化は状況に左右される

自律神経は状況に合わせて最適な身体の状態を作る神経です。

仕事の重要な会議の時には交感神経が活性化します。自宅で家族と過ごしている時には副交感神経が活性化します。

いずれも自律神経は周囲の状況から、「今は交感神経を活性化させるべきだ」「今は副交感神経を活性化させるべきだ」と判断しているのです。

という事は副交感神経を活性化させるためには、周囲の状況を「今はリラックスできる状況だ」と判断できるような状況にする必要があります。

ではそれはどのような状況でしょうか。

副交感神経を活性化させようと自律神経が判断するのは、

  • 頭(脳)をあまり使わなくて良い状況
  • 身体をあまり動かさなくて良い状況

の2つを満たした時です。「心身ともにゆったり出来る状況」と言ってもいいかもしれません。

反対に頭をフル回転させないといけない時や、身体を激しく動かす必要がある時は交感神経が活性化します。

この2つを満たす状況を見つけるのが、あなたにとって最高にリラックスできる方法になります。

Ⅲ.あまり身体を使わない過ごし方とは?

では1つずつ考えていきましょう。

あまり身体を動かさなくていい過ごし方とは、どのような過ごし方が考えられるでしょうか。

一例として、

  • 家でゆっくりと寝そべる
  • 銭湯・温泉でゆっくりする
  • 公園でのんびりする

などがあります。

もちろんこれ以外にも身体を激しく動かさない過ごし方であれば該当します。

身体を動かしてはいけないというわけではなく、

  • 散歩をする
  • 軽くテニスを楽しむ
  • ゆっくりとサイクリングをする

といった、緊張状態を作らない軽めの運動であればこれも「あまり身体を使わない過ごし方」と考えても良いでしょう。

ちなみに、

  • 図書館で本を読む
  • ネットやゲームをする

なども確かに身体を動かさなくて良い過ごし方ですが、後述の「頭をあまり使わなくて良い過ごし方」には該当しない事もありますので、注意が必要です。これらの過ごし方が必ずしも悪いという事ではありませんが、あまりに頭を使ってしまう場合は、リラックスできる方法とは言えなくなる可能性もあります。

あなたにとって、あまり身体に負担のかからない過ごし方をいくつか考えてみましょう。

Ⅳ.あまり頭を使わない過ごし方とは?

次にあまり頭を使わない過ごし方を考えていきましょう。

頭を使わないといっても、全く使っていけないわけではありません。緊張状態や過集中状態になるほど脳を使うと良くないというだけです。

同じく一例を挙げると、

  • 家でのんびり過ごす
  • 散歩をする
  • 温泉・銭湯に入る

などがあります。

また、

  • あまり難しくない本を読む(漫画・雑誌など)
  • 簡単に出来るゲームをする

なども頭は多少使いますが、過度に頭を使うものではないため、良いかもしれません。

ちなみに頭に負担をかけない過ごし方を探す注意点として、過ごし方だけでなく過ごす相手も重要であるという点があります。

例えばいくら温泉に入っている時は何も考えずにゆっくり過ごせるといっても、嫌いな人と一緒だったり、子供がすごく騒いでいる銭湯だったりしたら、リラックスできませんよね。

ストレスを感じたりイライラしたりすれば交感神経が活性化してしまうからです。

以上を踏まえて、あなたにとってあまり脳に負担のかからない過ごし方をいくつか考えてみましょう。

そして前項の「あまり身体に負担がかからない過ごし方」を満たし、かつ「あまり脳に負担がかからない過ごし方」を満たすものが、あなたにとってリラックスできる方法になります。

そのような方法を一生懸命何かを頑張った後に行えば、しっかりと心身をリラックスさせる事が出来るでしょう。

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