断ることで得られることと上手に断る4つの方法

断るメリット

穏やかなこころを保つためには、ストレスを溜め込みすぎない事が大切です。

とは言え、ストレスはゼロにすることは出来ません。生きているとどうしても避けられないストレスも現実的にはあります。しかし中には、自分の工夫次第で避けることが出来るストレスもあります。このようなタイプのストレスを上手く回避していくことが、こころ穏やかに生きていくコツになります。

自分の工夫次第で避けられるストレスとして、「依頼」「頼み事」があります。もちろん、自分に引き受ける余裕があれば、依頼を引き受ける事は大きなストレスにはなりません。しかし自分に引き受ける余裕がない状況で、無理な依頼を引き受けてしまえば、それは大きなストレスになります。

このような依頼を「断る」ことはメンタルヘルス上も非常に重要なのですが、これが苦手な方は多いようです。「断るのが申し訳ない」「断ったら気まずくなりそう」と考えてしまい、自分の限界以上のものを背負ってしまい、その結果ストレスも大きくなってこころもどんどん傷付いてしまうのです。

このような状態から脱却するためには、断る大切さを改めて認識し、上手に断るための方法を学ぶことが大切です。

では、「断る力」はどのように身を付ければ良いのでしょうか。「断ったら申し訳ない」「断ったら気まずくなる」という問題はどのように解決していけばいいのでしょうか。

今日は「断る」必要性とその方法について考えていきましょう。

スポンサーリンク

1.「断る」という選択肢もあるのだと気付こう

何か頼み事をされたとき、それを「断る」という選択肢をそもそも持っていない方がいます。「断るのは失礼な事だ」「断るのは悪い事だ」といった気持ちを持っているのです。

このような方は、「断る」という行為は何も失礼な事ではないし、悪い行為でもないという事をまずは改めて知ってください。何かを頼まれたとき、それを引き受ける権利があるのと同時に断る権利もあります。依頼は必ず引き受けなくてはいけないものではないのです。

本来、私たちは、困っている人に対して「助けてあげたい」「何か力になりたい」という気持ちを持っています。

皆さんの中で募金や社会的援助を全くしたことがないという人は少ないでしょう。貧しい国にお金や物資を支援したり、災害が起こった地域にボランティアや援助を行うといった行為は頻繁に行われています。

これらの行為の根底にあるのは、私たち人間が本能的に持っている「助けたい」「力になりたい」という気持ちです。私たち人間は、一人で生きていくことは出来ません。お互い支え合って生きているのですから、このように困っている人を「助けたい」という気持ちはとても大切で素晴らしい気持ちです。

しかし、実はこのような気持ちはある条件を満たしていないと発動されません。

その条件とは、「自分に他者を助けられる余裕がある時」です。このような条件を満たした場合、私たちは他者を助けたいという気持ちを持つ余裕が生まれます。

自分にお金が全くなくて、今日食べる食費もないという状況で、貧しい国に募金を出来る人はいないでしょう。まずは自分が元気でなければ人を元気にする事は出来ません。自分が今日着るものもないのに、「被災地に洋服を送ってあげよう」と考える人もいません。このような状況でも「他者を助けたい」という気持ちはあるかもしれませんが、実際に行動を起こすにはある程度の余裕が必要なのです。

金銭的余裕が全くない状況の人に、「募金をしないなんてお前は非人道的な人間だ」と非難する人はいませんよね。他者を助けるためには、「自分にある程度の余裕がある」という条件は必要なのです。

日常における頼まれ事も基本的にはこれと同じように考えないといけません。

「この仕事をやってくれ」「君がこの案件を進めてくれないか」といった依頼を受けた時、自分に余裕があるのであればそれを引き受けることに全く問題はありません。その依頼を引き受けても自分の限界を超えないのであれば、「困っているみたいだし力になりたい」という気持ちに従ってぜひ依頼を引き受けてください。。

しかし今の自分に余裕がなく、現状ですでに限界を超えているのに更に依頼を引き受けてしまうのは、自分が今日生活に必要なお金もないのに、他者に募金しているようなものです。

「自分を犠牲にして他者を助ける」と聞くとこれは一見素晴らしい事に見えるかもしれません。しかしこれは、他者を幸せにする代わりに自分を傷付けるという行為です。他者を大切にする代わりに自分をないがしろにするという行為であり、素晴らしい事とは言えません。私たちは他者を大切にすることももちろん大切ですが、自分の事も大切にしてあげないといけないからです。

何かを頼まれた時、

「断るのは悪いことだ」
「断ってしまうと相手を傷付けてしまう」

という考えから、どんな依頼でも無理して引き受けてしまう方は多くいらっしゃいます。

しかしそれは間違いです。

依頼というのは、自分に余裕がある時は引き受けても良いものですが、その依頼を受けることで自分が限界を超えてしまうような時は「断る」という選択肢を持ってもいいものなのです。むしろ自分に余裕がないのに依頼を引き受けるという事は、「自分を傷付けること」「自分をないがしろにすること」だと言ってもよいでしょう。

2.引き受ける事で生じる長期的な弊害に目を向けよう

何かを頼まれた時、自分に余裕がないのにも関わらず断る事が出来ないのはどうしてでしょうか。

断るのが苦手だという方々のお話を聞いてみると、

「断ることで相手を傷付けてしまう」
「断ることで相手から嫌われてしまうのではないか」

という意見が聞かれます。

これは「依頼を断ること」を大きく誤解している事に気付かなくてはいけません。

依頼を断るのは、相手を断っている(否定している)のではありません。相手が持ってきた案件が今の自分の余裕と釣り合っていないという事に過ぎません。断ることは相手への攻撃でもなく、相手を傷付けるものではないのです

しかしそうは言っても断られるというのは気持ちのいいものではないですので、確かに「嫌な想いをさせてしまう」「相手を傷付けてしまう」といった心配は出てくるでしょう。

このような場合は、その依頼を引き受けたり断ったりする瞬間だけを判断するのではなく、もっと長期的な視野で物事を考えてみる必要があります。

短期的に見れば依頼を引き受ければ、相手は喜んでくれるでしょう。引き受けた瞬間はまだ依頼内容に取り掛かっていませんので、その瞬間はあなたのストレスもそこまで高くはなりません。むしろ「相手に喜んでもらえてよかった」とストレスは軽減する事もあるでしょう。

しかしこれはあくまでも依頼を引き受けた瞬間にのみ生じる事です。

長期的に見てみるとどうでしょうか。そもそも自分の限界を超えた案件を引き受けているわけですから、

・心身ともに大きな負担がかかる
・イライラが多くなり周囲に迷惑をかけてしまう
・ミスが多くなり周囲に迷惑をかけてしまう
・期限内に終わらせることが出来ず相手に迷惑をかけてしまう
・休日出勤が多くなり家族に迷惑がかかってしまう

など多くの弊害が想定されます。

この長期的な弊害も考えた上で、本当にその依頼を引き受ける事が自分や相手のためになるだろうかと改めて考え直してみる必要があります。「人の助けになりたい」という考えから無理して依頼を引き受けたとしても、それが自分の限界を超えているものであれば、結局他者に大きな迷惑をかけてしまう可能性があるのです。

スポンサーリンク

3.頼み事を上手に断る4つのポイント

誰かから頼まれた事の全てを断る必要はありません。自分にとって無理なくできそうなことであれば、自分も傷つかないし相手も助かるわけですので、その依頼を引き受ける事は好ましい事でしょう。

しかし今の自分には難しそうな依頼であった場合、それを引き受けることは必ずしも良いとは言えません。むしろ断った方が自分のためにも、そして相手のためにも良い結果になる事も多いものです。

ただ、そうは言ってもやはり「断る」というのはどうも抵抗があると感じる方も多いでしょう。

ここでは上手に断るための方法についていくつか紹介させていただきます。

Ⅰ.相手を否定しない断り方を意識しよう

断ることに抵抗を感じる一番の理由は、「依頼してきた人を傷付けてしまう」「依頼してきた人を不快にさせてしまう」と考えてしまうからです。

しかしこれは本当は誤解です。依頼を断るという事は、あくまでもその案件に対して「今の自分はそれに対応できない」という断りであって、依頼してきた相手を否定したり攻撃しているのではありません。依頼した相手に問題があるのではなく、案件や自分側のキャパシティに問題があるだけなのです。

ここを明確に伝えることで、相手を傷付けず、また自分も罪悪感を持たずにスムーズに断りやすくなります。

例えば断る際に、

「今の状況を見たら私にそんな余裕がない事くらい分かるでしょ?」
「何で私なの?他にいくらでも頼む人はいるでしょ?」

と「相手」を攻撃しているように取れる断り方をしてしまうと、相手は自分を否定されたと感じてしまいます。これだと、その後の人間関係にも支障を来たすかもしれません。

しかし、

「このような依頼は余裕がある時なら引き受けられるのだけど、運悪く今は余裕がない状況で・・・。ごめんなさい」

と案件の問題や自分側の問題として引き受ける事ができないのだという伝え方であれば、相手も不快には感じにくいでしょう。

断る事に罪悪感を持つ方は多いですが、断る事はその人を否定することではありません。その人が持ってきた依頼と、自分の時間的余裕が釣り合っていないだけです。

この事を明確に相手に伝えるようにしてみましょう。

Ⅱ.引き受けた際に予測される結果を伝える

無理して引き受けてしまうとどのような状態になる事が予測されるかを相手に上手く伝えられると、「そういう事であれば、あなたにお願いするのは間違っているよね」と相手も断られた事を納得しやすくなります。

例えば、

「今はこれだけの仕事を抱えているから、あなたの依頼に取り掛かれるのは最短でも〇日後になってしまう」
「今はこの仕事とこの仕事をしているから、あなたから依頼された仕事は納期よりも大幅に遅れてしまう可能性が高い」

という伝え方をすれば、こちらから断らずともも「違う人に依頼した方が良いのではないか」と相手も考えやすくなります。

Ⅲ.相手によっては断る理由も伝える

断る際に、その理由もある程度伝えた方が親切です。

単に「それは出来ません」と断ってしまうと、「本当は出来るのに自分を軽くみて断っているのではないか」と相手は感じてしまうかもしれません。それよりも、「このような理由で今はお引き受けできないんです」と断った方が相手は納得しやすいでしょう。

理由を伝えると「言い訳」と取ってしまう人もいますし、「引き受けられるかどうかの結論だけが欲しい」と急いでいる場合もありますから、どんな時も理由をしっかりと伝えた方がいいとは言えないのですが、少なくともある程度信頼関係が築けている相手であれば、しっかりと理由も伝えた方がお互いがイヤな気持ちにならずに済みます。

断るという行為は断られた側だけでなく、断ってしまった方もやはりあまり気持ちの良いものではありません。断った側も「引き受けられなくて申し訳なかったな」という罪悪感を感じてしまうものです。しかし理由を明確化していれば、「このような事情なのだから仕方ないのだ」と自分で自分を納得させやすくなるという効果も期待できます。

Ⅳ.判断に迷う時は時間をもらおう

依頼の内容によっては、「この依頼は自分の限界を超えているものだろうか」という事がすぐには判断できない事もあります。

このような場合は、判断するための少しだけ時間を頂く事も有効です。

「今いくつかの案件を抱えているので、お引き受けできるか少し検討する時間を頂いてもよろしいでしょうか」

このように伝えてみて下さい。

これは冷静にその依頼が自分の限界を超えていないかを確認できるというメリットの他、時間をかけてしっかり考える姿勢を見せることで「あなたの依頼を決して軽視しているわけではないんだよ」という事を相手に伝えられるという効果もあります。

ただし相手にも事情がありますので、あまりに長期間考えてしまうのは問題です。数時間、長くても1日程度で答えは出すようにしましょう。あなたが答えを保留している間、相手はその案件を他に頼んだり出来ないわけですから、あまりに長時間考えて「出来ません」と断ってしまう事は相手に失礼になります。

スポンサーリンク

こちらの記事も是非ご覧下さい