いい子に潜む問題点とは。いい子の苦しみから脱却する方法と親が注意すべき事

いい子の問題点と解決法

精神科では診察の一環として、患者さんの生育歴を聴取します。

今の症状に直接関係ないため、なぜそんな事を聞くのか不思議な顔をされる患者様もいらっしゃいますが、幼少期にどのような環境で育ってどのような行動や考え方を身につけてきたのかは、現在の精神症状と関係していることが少なくないのです。

そして患者さんの生育歴を聞かせて頂くと、精神的に不安定であったり、対人関係でトラブルを起こしやすい方の多くに、ある共通点がある事に気付かされます。

彼らの多くは、小さい頃から情緒が不安定であったり学校でトラブルばかり起こしていたわけではありません。むしろ、親や大人を困らせるような事がほとんどないような「いい子」であった事が多いのです。

「特に反抗期のようなものはなかった」
「手のかからない、いい子だったのに・・・」
「親の言う事を良く聞くし、口論や言い争いになった記憶がない」

このような「いい子」は一見すると何の問題もないように見えますが、実は大きな問題が潜んでいます。そしてその問題は成長して大人になってから噴き出します。

もしあなたが今、精神症状や対人関係で苦しんでいて、小さい頃に上記に該当するような「いい子」だったのであれば、いい子でありすぎた弊害が現在の症状を引き起こしているのかもしれません。

ここでは「いい子」とはどういう子の事なのか、そしてそれがどうして問題なのか、小さい頃のいい子が原因で現在苦しんでいる方はどうすればいいのかなどを考えていきたいと思います。

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1.いい子ってどんな子の事?

「いい子」というのは、どのような子でしょうか。

「いい子」の定義は厳密に決まっているわけではありません。しかし、「あそこのうちの子はとてもいい子ね」という評価を下すのは、大抵の場合は大人です。

つまりいい子というのは、大人の視点から見た「いい子」の事であり、「大人にとって好ましい言動をする子供」の事になります。

より具体的に言うと、

  • 親に反抗しない
  • 親の言う事をよく聞く
  • 親を困らせるような行動をしない

といった子が該当するでしょう。

「いい子」である事は一般的には好ましい事だと考えられています。それは、私たちは一般常識として、

「子供は親の言う事を聞かないといけない」
「子供が親に反抗するのはいけない事だ」
「親を悪く言う子供は最低だ」

という考えを持っているためです。

もちろん子供よりも親の方が人生経験を多く積んでいるため、親の意見の方が正しい事は多いでしょう。また、子供はまだまだ無力ですから親の指示に従って生活をしないと危険な事も多く、確かに「親の言う事を聞かないといけない」というのは多くの状況において間違いではありません。

しかし親だって人間ですから完璧ではありません。時に間違った事をしてしまう事だってあるでしょう。また世の中には正解のない事もたくさんありますから、親の考えと子供の考えが合わない事は当然出てくるはずです。

そのような時も「親に一切意見してはいけない」「親に反抗するなんてありえない」という暗黙のルールが家庭内にあると、子供はどんな時も自分の意見を口に出す事ができなくなってしまいます。

適度に「いい子」である事は、親と子供の両方にとって好ましい事です。

しかしどんな時でも無条件に親の希望通りに行動する「いい子」は、その時は親にとって手のかからない楽な子ではある代わりに、将来的に大きな問題を引き起こす可能性があるのです。

2.いい子の心理

いい子はなぜ、いい子であろうとするのでしょうか。

より具体的に言えば、なぜ「どんな時でも無条件に親の希望通りに行動する」という習慣が作られてしまうのでしょうか。

それは子どもという無力な存在は、親に見放されたら生きていけないからです。見放されないために「どんな時も親の言う事を聞く」という防衛手段を取らざるをえなかったという事です。

親に子供を見捨てる意図がなかったとしても、「言う事を聞かないなら見捨てるぞ」と取れるメッセージを親が発し、それを子供が言葉通りに受け取ってしまえば「生きていくためには親の言う事には無条件で従わないと」という考え方が身についてしまいます。

誰もが生まれたばかりの時は無力です。赤ちゃんは自分の力では生きていけませんから、大人(大抵は親)に守ってもらう必要があります。

そして多くの場合、親は見返りを求めずに子供を守り、育てます。そこには無条件に注がれる愛情があります。

子供はその無条件の愛情から「自分は大切な存在なんだ」と感じ、自尊心(自分を大切だと思える心)が育っていきます。また、どんな時も親が守ってくれるという安心感・信頼感から穏やかな心が育ち、自分の意思をもとに発言したり行動したりできるようになります。

多くの子は2歳くらいになると反抗期が始まりますが、この反抗期は「自分の意思」が芽生えてきた証拠なのです。自分の意志を表出するという事は、時に親の手を焼きますが、自立心や自尊心が育っている大切な証でもあるのです。そして親と異なる意見を発しても親は変わらず守ってくれる事で、自尊心や自己評価も安定して高まっていくのです。

しかし子供がもし「無条件に注がれる愛情」を親から受け取れなければ、子供の心はこのように育ちません。

「どんな時も親に反抗してはいけない」「親に意見するなんてありえない」というルールは、「親にとって好ましい行動をした時だけ愛情が注がれる」といった条件付きの愛情であり、これは無条件の愛情ではありません。

このような家族のルールの元で育つと、子供は親から見捨てられないようにと、愛情を受け取れる条件を満たすように必死でいい子を演じなければいけなくなるのです。

子供と親は肉親とは言え、異なる人間です。そのため子供が自分の意思を表出すれば、それはしばしば親と対立します。

「親の言う事を聞かないといけない」と考えるいい子は、この対立を避けようとします。そして対立を避けるためには、立場的に弱い子供は自分の意思を表出する事を止めるしかありません。

自分の意志を出さず、親の意思に従う事を第一に考えるようになります。

こうする事によって、

「この子は、大人の言う事を聞くいい子だ」
「親に口答えしないいい子だ」

と、大人側からの評価は高くなります。このように、「いい子」である事は子供にとって自分を守るための手段なのです。

一見するといい子である事は素晴らしい事のようにも見えます。しかしその背景が、

「親に歯向かうと見捨てられる」
「気に入らない事を言ったら親にひどい事になる」

などと言った恐れからきている「いい子」なのだとしたら、これは大きな問題をはらんでいます。

そして実際に大人になってから精神症状や対人トラブルが生じる「いい子」は、このような問題を持ついい子である事が多いのです。

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3.いい子がもたらす弊害

いい子には、もちろん良い面もあります。世の中で言われている「いい子」の全てが問題だという事はありません。

問題となる「いい子」は、今までお話してきたように、自分の意志ではなく「見捨てられないために」という理由でいい子を演じてきた子です。

これは自分でも気付いていない事も少なくありません。実際の子供はそこまで深く考えてこのような行動をとるわけではなく、本能的にこの行動を取っているためです。また「自分の親に悪い印象を持ちたくない」という意識もはたらく事も、この問題を見えにくくさせます。

ではいい子である事は、具体的にどのような問題を引き起こすのでしょうか。

なるべく人と争わない事、仲良くやる事は社会で生きていくために大切なことですから、このように親の気持ちを汲んで、なるべく親の希望に沿うように行動する能力は、将来的に役に立つ事もあるでしょう。

しかし私たち人間は、成長とともに少しずつ「自我」が芽生えてきます。この自我に基づいて、自分の意志を表出する事は、自分の価値を認めたり、自分の生きがいを見つけていくために必要な事なのです。

にも関わらず、このような自我を無理矢理抑え込んで「親を怒らせないようにしないと」「親に気に入られるような行動をしないと」と、自分ではなく他者の気持ちに基づいて行動し続けてしまうと、これは心の正常な発達を妨げてしまう可能性があります。

すると、次のような問題が生じてくるのです。

Ⅰ.自分の意思が分からなくなる

いい子は、常に大人が望むような発言・行動をします。これを続けていると、その子は常に自分の意思ではなく、親の希望に沿う事を第一として生きるようになります。

小さい頃からこのような考えを続けていくと、常に他者が希望するような自分を演じようとするようになり、自分の意思はどんどんと追いやられていきます。

そしていざ大人になり、自分の意思で全てを決めないといけない時になって、「自分の意思が分からない」「自分が何をしたいのか分からない」という事になってしまうのです。

そうすると、大人になっても「親が喜ぶような仕事に就こう」と他者の希望に基づいて自分の人生を決めてしまったり、「自分が何のために生きているのか分からない」と自分の意思がないため生きる目的を見失ってしまったりします。

このように自尊心や自己評価が育たずに大人になると、自分の生きている意味や自分の価値を確認できないため、些細な事で精神状態が悪化しやすくなります。

Ⅱ.不健全なストレス解消法を身につけてしまう

親が希望するような行動をするということは、自分がしたい行動を我慢するという事で、これをずっと続けていれば次第に心にはストレスが溜まっていきます。

しかし子供はそのストレスを親にぶつけることができません。大人に敵うはずがありませんし、もしそれで親から見捨てられてしまう事になったら生きていけないからです。

そのため子供はこのストレスを親が気付かないような場所で発散させるようになります。

具体的には、

  • 同級生をいじめたり、学校で問題行動を起こす
  • リストカット・自傷行為などを行う
  • 動物など、自分より更に弱いものをいじめる
  • 物を壊したりする

といった方法でストレスを発散するようになるのです。

いい子は、親の前で怒りを出せませんから、怒りを適切に処理する方法を学べません。すると親がみえないところでストレス解消を行わざるをえず、不健全なストレス解消法しか身につかなくなってしまうのです。

Ⅲ.対人関係がうまく作れなくなる

対人関係というのは、お互いが自分の意思を相手に伝え、その上で話し合ってお互いが納得できる方法を探す事が基本です。

人は皆、異なる価値観や考え方を持っていますから、意見が完全に合致する事などありません。しかしだからと言って自分の意見だけを通したり、相手の意見を全て受け入れるのではなく、お互いの意見をまとめてお互いにとっての落とし所を探していくのが良い人間関係です。

しかし常に相手の希望に従う事をしてきたいい子はこれが出来ません。

大人になっても常に相手の希望に従い続けて、そのうち関係を保てなくなってしまったり、反対に親にされたように自分の希望だけを通そうとして、相手に離れていかれたりしてしまいます。

4.いい子の苦しみから脱却するために

子供の時にいい子を演じすぎてしまうと、大人になってから前述したような様々な苦しみが生じるようになります。

子供時代の過去を今から変える事はできませんが、生じているこの苦しみは今からでも改善させていく事が出来ます。

今、精神状態や対人関係で苦しんでいて、その原因が子供の時にいい子を演じすぎていた事であると気付いた場合、どのように解決していけばいいのでしょうか。

ここでは、子供時代に身に付いてしまった「いい子」から抜けられずに苦しんでいる方が、いい子から脱却するための具体的な手順を紹介させて頂きます。

なお文章で書くと簡単に見えるかもしれませんが、実際は自分だけでこの手順をしっかりと行っていく事は非常に困難です。子供時代から身体に染み付いている考え方や行動はそう簡単に変える事はできません。

そのため出来れば精神科医などの専門家に相談し、専門家と一緒に治療していける事が理想です。

Ⅰ.いい子を「演じていた」自分に気付く

まず治療を始める前段階として、今の苦しみの原因が子供時代の「いい子」にあった事に気付き、それを受け入れる必要があります。

「自分がいい子であった事が原因である」と認める事は、実はとても難しい作業です。

なぜならば、これは自分の過去の言動を否定する事になるためです。誰だって自分の行いが間違っていたという事は認めなくないものです。

更に、いい子になってしまった原因をたどっていけば、親を否定する事にもなりかねません。「自分の親が悪かったのだ」「自分の親は間違った教育をしていたのだ」という受け取り方になってしまうため、これもなかなか認めずらいのです。

いい子を演じてきた方にとって親は「絶対的なもの」「反抗するなんてありえない相手」です。そのような絶対的な存在が「間違った事をしていた」「自分を苦しめている原因」だと受け入れてしまえば、自分の中にある価値観が崩壊しかねません。

そのため、「いい子を演じていた事が原因だ」という事に薄々気付いてはいても、それを否定し続ける方もいます。

しかし認めないと先には進めません。

今の苦しみが子供時代の「いい子」にあるという事は、別に今の自分を否定するものでもありません。またそれは親を攻撃したり非難する事に直結するわけではありません。

「誰が悪いのか」といった問題は切り離して、「子供時代にいい子を演じすぎた事が今の苦しみを生み出してしまっているのかもしれない」という事実をまずは受け入れる事が大切です。

それは自分を苦しみから解き放つためにも必要ですし、親と健全な関係を再構築するためにも必要な事で、長期的に見れば自分のためにも親のためにもなる事なのです。

私たちは自分や自分の親が否定される事を好みません。そのため、この「受け入れ」は自分一人だけでやろうとするとなかなかできません。やはり精神科医などの専門家の力を借りながら受け入れていくのが良いでしょう。

Ⅱ.いい子を頑張って演じてきた自分を許す

子供時代のいい子に原因があった、という事になると、

「子供時代の自分が悪かった」
「自分がもっと自分の意志を出せば良かったのだ」

と過去の自分を責めてしまいがちです。

しかしここで自分を責めてしまえば余計に自己評価や自尊心が低下してしまい、精神的にも不安定になってしまいます。

次にすべき事は、自分を責めるのではなく、そのような行動をせざるを得なかった自分を許してあげる事です。

そもそも子供の頃の自分が悪いと考えるのは見当違いです。

なぜならば、子供時代の無力なあなたは、そのような行動を取る以外に方法はなかったからです。あなたに限らず子供というのは無力なのが当たり前で、親に頼らないと生きていく事は出来ません。

その親から「言う事を聞かないと見捨てるよ」というメッセージを受け取ってしまえば、親に本当にそういう意図があったかどうかはさておき、「親の言う事に全て従わないと生きていけない」と考えてしまうのは当然です。

そう判断すれば「親の言う事を無条件で聞くいい子」になっていくのは仕方のない事でしょう。

「いい子」を演じてきたのは、子供ながらに一生懸命生き抜くために取った、精一杯の行動なのです。

いい子を演じる事で、無力な子供ながらに精一杯生きてきた子供時代のあなたを認めてあげましょう。間違っても、子供時代のあなたを責めてはいけません。

Ⅲ.親に自分の意志をぶつける

子供時代のあなたを責めてはいけないのと同様に、親を責めるのもあまり良い方法ではありません。

もし親が子供の頃のあなたに「親にとって都合の良い『いい子』」になるようにプレッシャーをかけていたのであれば、確かに親に非はあるでしょう。

しかしその時の親を責めても、過去を変える事ができるわけではありません。親も昔の事を責められても完全に償う事は出来ませんし、場合によってはかえって親子関係が険悪になってしまい、余計にお互いが傷付いてしまうかもしれません。

親を責めたい気持ちは十分理解できる事ですが、それをしても得られるものは少なく、失うものが多いのです。

ただ、親を責めたり罵倒したりする事はお勧めしませんが、親に今自分が感じている事を話す事は意味があります。

「昔、父さんにこう言った事を言われて、それで自分は見捨てられるかもと不安になった」
「それから、親に意見する事が怖くなってしまい、何でも無条件で従うようになってしまった」

と素直な気持ちを伝えられる方は伝えてみてください。

ポイントは相手の言動を「正しい」「間違っている」と評価するのではなく、「自分はこう感じた」という自分の気持ちを伝える事です。人は自分が攻撃されていると感じれば本能的に防衛しようと相手に対して攻撃的になります。そうなれば建設的な話し合いはできないでしょう。

そうではなく「あなたにはあなたの考えがあったのだと思うけど、私はこう感じた」という伝え方をするようにしてみましょう。

自分の苦しい気持ちを、伝えるべき人に伝える事は自分の気持ちの整理につながります。また相手は過去を完全に償う事は出来ませんが、「それは申し訳ない事をした」「そういった意図はなかったんだ。すまない」という言葉をもらえれば、それだけでも気持ちは軽くなるはずです。

例え親が理解してくれなかったとしても、「自分の意見を言えた」「自分の意志を伝えられた」という行為は、あなたが自分を取り戻すための第一歩となるのです。

親を責める事、親の考えを改めさせる事を目的とするのではなく(もちろん、それも出来れば最高ですが)、自分の気持ちに整理を付けるために親に自分の意志をぶつけてみましょう。

Ⅳ.少しずつ自分の意志に気付いていく

過去の自分を許し、気持ちの整理を少しずつしていきながら、合わせて少しずつ自分の本当の気持ちに目を向けてみましょう。

とはいえ、今まで自分の気持ちを出さないようにして生きてきたわけですから、すぐに自分の気持ちを出せるようになるわけではありません。

しばらくはリハビリが必要です。

よくよく考えれば私たちは日々、様々な事を選択し、決断しています。

朝何時に起きるのかという事から、朝ご飯を食べるか食べないか、何を食べるのか、何時に出勤するのか、午前中はどの仕事をするのか・・・。

小さな決断は実は毎日毎日たくさん行っているのです。

そしてその決断の1つ1つに自分の意志があります。いい子の多くはその選択が「誰かに言われた通りにする」というものになっています。

これを意識的に変えていくのです。

もちろん、自分で考えた結果として「あの人の言う事に従おう」と選択したのであれば構いません。それは「あの人の意見を取り入れる」という自分の意志だからです。しかし自分で選択せず、言われるがままにしているのであればそれは自分の意志ではありません。

このような生活を続けていると、少しずつ自分の気持ちが顔を出してきます。すると、

「こういう事をしている時は、とても穏やかな気持ちだ」
「このような活動をしていると、とても心が満たされる」

と自分が理想とする生き方の「芽」に少しずつ気付くようになってきます。その気付きをしっかりと拾い上げるリハビリを続けていく事で、少しずつ自分を取り戻していく事が出来るのです。

5.子供が「いい子」になりすぎないように親が気をつけるべき事

いい子が原因で生じている苦しみは、前述した方法で少しずつ改善させる事ができます。

しかし一番重要な事は、親が「いい子」を作らない事です。そのためには子供を育てる中で親が気を付ける事も大切です。

小さな子供は無力ですので、親から「言う事を聞かないと見捨てられるぞ」というプレッシャーを感じると、生きていくためにやむを得ずいい子になっていきます。

子供は好き好んでいい子を演じるわけではありません。いい子でいないと親から見捨てられるという気持ちが無意識で働いており、これによって仕方なくいい子を演じるようになっていくのです。

親の言う事に無条件に従う「いい子」にさせないためには、親がこの問題に気付き、子供への接し方を改めていく必要があります。

では親はどのような事に気を付ければいいのでしょうか。

Ⅰ.子供が成長する事・自分の意志を持つ事を受け入れる

子供は日々成長していきます。

ついこないだまで、何でも親がやってあげないといけなかったのに、気が付けば一人で歩けるようになり、一人で遊びに行けるようになり、一人で買い物ができるようになります。

まだ何もできない小さな子が、親の言う事を無条件に全て聞かないと危険だというのは、その通りでしょう。

しかし幼稚園に入って、小学校に入って・・・、と成長していく中で自分の意志が芽生え、少しずつ自分で考えて行動する力がついてきます。

なのに、親がいつまでも「この子は私が何でもしてあげないとダメだから」と赤ちゃんの時のイメージのままで接していたら、これはおかしいわけです。

子供の考えや行動はまだまだ未熟ですから、それは時に間違っている事もあるかもしれませんし、親から見れば気に入らないような言動もあるかもしれません。しかしこれは子供が健全に成長していくために必要な過程だという事を理解しましょう。

子供はどんどんと成長していきます。対して親は徐々に身体が衰えていきます。いつかは子供の方があなたより大きな身体になるでしょう。精神的にもあなたと同じかそれ以上に成長していき、いずれは親から離れていきます。

それに対して寂しさや不安・嫉妬心が沸いてくるかもしれません。それはおかしい事ではありませんが、でもそれは仕方ないのです。それを受け入れるのも親の仕事です。

子供が親と異なる意見を言った時、子供の意見を取り入れたからといって親が間違っていたという事にはなりません。また子供の意見を認めたからといって親の意見の方が劣っていたという事でもありません。

全てを守ってあげないといけない子供は、日々成長して、自分の意志で物事を決められるようになっていきます。いつまでもあなたの手を必要とはしないのです。これは寂しさも感じますが、同時にうれしい事でもあるはずです。

これを忘れてはいけません。

Ⅱ.自分が子供に依存していないか見直そう

子供に自分を投影し、子育てに自分の全てをかけてしまっている親の方もいらっしゃいます。

熱心に子育てをするのは素晴らしい事ですが、それが子供の意志を全く取り入れていないものであれば、その子育ては子供のためではなく、あなたのエゴに過ぎません。

もちろん、子供が自分の意志でまだ判断できない段階の時に親が全てを決めてあげる事はおかしい事ではありません。しかし中学生や高校生になっても親が全てを決めるという事であれば、それはあまり良い事とは言えません。

「自分の理想の子育てをしたい」という想いから一方的に子供の進むべき道を決めている方は、それが本当に子どもの幸せのためなのか、子供が自分で考えたり自分の意志を持つ事をジャマしていないかを考えてみましょう。

もしかしたらそれは「子育て」という名目で、子供に依存しているだけなのかもしれません。

子供が成長し、自分の意志が芽生えてきたら、子供の人生については少しずつ子供と話し合って決めていくようにしなければいけません。

Ⅲ.子供に謝れる親になろう

親と言えども完璧な人間ではありません。

気持ちの余裕のない時もあるでしょう。そのような時につい子供に八つ当たりをしてしまったり、怒鳴り散らしたりする事もあるかもしれません。

このような事はないに越した事はありませんが、時折このような事があったからといって親として完全に失格かというとそんな事はないでしょう。

人間は時にあやまちをおかす生き物であり、親だって例外ではないからです。

「悪い事をしたらあやまりましょう」

これはどの大人も口をそろえて子供に教えている事です。しかし親子の関係になると平気でこれが行われなかったりするのです。

「親が子供にあやまったら示しがつかない」「威厳がなくなる」「子供が調子にのる」という方がいますが、子供の一番のお手本であるべき親が、悪い事をしたのにあやまらないなんてよく考えればおかしいですよね。

親が子供に対してあやまった言動をしてしまった時、親は子供に謝らないといけません。

「あの時は仕事でイライラしてて・・・。でもそれで関係ないあなたを怒鳴っちゃってごめんなさい」

このように子供に対してでも、一人の人間としてしっかりと向き合い、悪いことをしてしまった時にはしっかりとあやまれる親になりましょう。

でないと子供は「親がする事はどんな事でも正しくて、自分が間違っているんだ」と考えてしまいます。相手が悪いのに「自分が悪いんだ」と考えてしまうようになれば、自己評価も低くなりますし、物事の善悪だって正しく理解できなくなってしまうのでしょう。

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