喧嘩の仲直りがしたい!真剣に相手と向き合って良い関係を築くための考え方

喧嘩の仲直りがしたい!真剣に相手と向き合って良い関係を築くための考え方

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「大切な人と大喧嘩をしてしまって・・・。仲直りするにはどうしたらいいでしょうか?」
「恋人と喧嘩をしないようになりたいんです。」

このような相談を患者さんから頂く事があります。

誰だって出来る事なら喧嘩なんてしたくないでしょう。しかし「雨降って地固まる」とも言うように、喧嘩になっても真剣に問題に向き合えば、お互いをより大切にできる関係になる事だってあります。

このような例からも分かるように、喧嘩は一概に悪いものとは言えません。残念ながら確実に仲直りできる魔法のような方法はありませんが、喧嘩をしてもお互いが向き合う考え方や姿勢を持てれば、より良い関係になれる事もあるのです。

喧嘩から仲直りをして、より良い関係を築いていくためにはどのような考え方を持つと良いのでしょうか。

ここでは喧嘩をしても、お互いが納得して仲直り出来るために欠かせない考え方を紹介させていただきます。

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1.喧嘩は本当に悪い事なの?

「喧嘩」というと、あまり良くないイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

例えば「私は夫と全然喧嘩をした事がないのよ」と聞けば、「素晴らしい!」「素敵ですね」と多くの方が賞賛します。反対に「いつも夫婦ケンカばかりです」と聞くと、「大丈夫ですか?」「それはまずいですね」と心配されます。

一般的に喧嘩は「良くない事」であり、喧嘩という行為は避けるべきだと考えられているのです。

でも本当にそうでしょうか。

もちろん殴り合いの喧嘩だったり、お互いを罵りあうだけの喧嘩であれば、それは極力すべきではありません。このような喧嘩はお互いにとって得るものがなく、失うものしかないからです。

喧嘩は、相手の意見や考え方を自分が受け入れられない事で生じます。

私たちは皆、異なる性格・考え方・クセを持っています。人間社会はそのような人々が集まっているわけですから、意見や考えが合わないという事態は日常茶飯事で生じます。

「私はあの人のこういった考え方が気に入らない」
「あの時にあのような態度を取るなんて信じられない!」

誰もがこのように感じた事はあるでしょう。

意見や考えが合わないという事態は必ず生じますから、その中でも喧嘩をしないという事は、合わない意見や考えに遭遇しても、何も言わずに我慢するか関わらないようにするといった行動を取るという事になります。

要するに「波風立てずに自分が我慢する事で解決させる」わけです。もちろん状況によってはこのような対応が最適な事もあるでしょう。しかし毎回毎回このような対応を取る事は正しいでしょうか。

「喧嘩」というと悪いイメージを持つ方が多いのですが、喧嘩は異なる意見がぶつかり合う事であり、お互いが様々な価値観・考え方を知るきっかけになります。

喧嘩をした事で相手の考え方が理解できて、それを機に相手をより思いやれるようになったり、相手の心の苦しみに共感できるようになったりする事もあるでしょう。

誰もが異なる環境で育ち、異なる親のもとで育てられ、異なる友人に影響を受け、異なる地域の風習の中で生きてきたのです。それなのにお互いの感性が全く同じだなんてありえません。

ただ相手を傷付けるだけの喧嘩、つまり暴力や悪口に終始するものが悪いものであるのは当然で、このような事は絶対にすべきではありません。

しかしお互いの意見のぶつかり合いが喧嘩なのだとしたら、まったく喧嘩をしないという事もやはり問題ではないでしょうか。

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2.喧嘩は建設的な行為になりうる

喧嘩は異なる意見のぶつかり合いです。

それが勢いや感情に任せたものであれば、お互いをただ傷付けるだけのものになりますが、お互いの意見を尊重できる気持ちを忘れなければ、喧嘩は建設的な行為に変わりうるのです。

例えば恋人と一日一緒に過ごす事になって、「今日は何をしようか」と相談している時の事を考えてみてください。

あなたは「遊園地に行きたい」と思いました。相手は「家でのんびり過ごしたい」と考えています。喧嘩って結構こういった些細な事がきっかけになるものです。

このような状況で、あなたならどうしますか。

一般的には、

  • 自分の意見を押し通す
  • 相手の意見に従う
  • お互いの意見を踏まえて妥協案を探す

のいずれかの方法を取る事になると思います。

この時、お互いが自分の意見を通したい(あるいは相手の意見を取り入れたくない)時に喧嘩が生じるのです。

あなたは「せっかく一緒にいれる日なんだから遊園地でも行きたい」と主張します。相手は「せっかくの休みなんだから疲れるところに行きたくない。ゆっくりと過ごしたい」と主張します。

ここで「あなたって本当につまらない人間ね」「そんな人だとは思わなかった」と相手を罵るだけで終われば、この喧嘩はお互いを傷付けるだけの不毛な行為になってしまいます。

そのまま喧嘩をしてしまい別々に過ごす事になるか、あるいはどちらかが折れて、不満を感じながら相手の希望する過ごし方をする事になるでしょう。

でも感情的になりながらも「相手の考えも理解しよう」「自分も相手も楽しむ道を探したい」という気持ちを持てれば、喧嘩をしていく中で少しずつ「互いの意見を踏まえて妥協案を探す」という方向に話し合いは移っていきます。

その中で「今回は遊園地に行こう。でも、その代わり次は家でゆっくり過ごそうね」と、お互いが納得できる答えが見つかるのです。

喧嘩で意見をぶつけ合う事は、お互いがある程度納得できる答えを探すために必要なプロセスです。しかし喧嘩で得られるものはこれだけではありません。

お互いがお互いの事を考えて最善の解決策を探す事で、お互いに対する信頼感が増していくのです。そして一生懸命考える行為は、「相手の気持ちを理解しようとする」「感情的になり過ぎず冷静に話し合う」という能力を高めていき、あなたの人間的な成長をも助けてくれます。

しかし、「喧嘩をしてはいけない」という考えだとどうなるでしょうか。

「自分の意見は引っ込めて、心に不満を感じながら相手の意見に従う」という解決策を取る事になるでしょう。

これは確かに表面的には仲良くやっていますが、一方が不満を我慢している状態になります。

これは「話し合いをあきらめた状態」であり、本当に良い関係という事は出来ません。

冒頭でお話した「喧嘩を全くしていない夫婦」というのは、一見すると素晴らしい夫婦に見えますが、私からすれば「それって大丈夫かな?」と逆に心配になります。

喧嘩をしていないという事は、意見の激しいぶつかり合いがないという事です。お互いの価値観が100%一致している事などまずありえませんから、これはどちらかが我慢していると考えざるを得ません。あるいは意見もぶつけないような表面的な関係なのかです。

もちろん昔はよく喧嘩をしていたけど、そのたびにしっかりと話し合いをしてきたから、今ではほとんど激しい喧嘩はなくなったという夫婦はいらっしゃいます。これは喧嘩をしてきた事でお互いを少しずつ理解していってそこに到達したわけで、とても素晴らしい事です。

しかし最初から喧嘩が全くないというのは「あり得ない」と言っても良いでしょう。

3.喧嘩から仲直りをするための考え方

以上を踏まえた上で、喧嘩をしてもそこから仲直りをしてより良い関係を築くために出来る事を考えていきましょう。

冒頭でも書いた通り、喧嘩から100%仲直りできる方法はありません。決定的な意見の食い違いがあった場合は、喧嘩を通して話し合ってもお互いを理解できない事もあります。

しかしそれはそれで「このような考え方を持っている人もいるんだ」「自分はどうしてもこのような考えの人は合わないな」「このような考えの人とは距離を取って付き合った方がお互いにとって良さそうだ」という事を学べるわけで、やはりお互いにとって建設的な行為であったと言えます。

喧嘩は、次のような姿勢を忘れない事で、仲直りでき、かつ以前よりもより良い関係を築けるようになる可能性が高くなります。

Ⅰ.暴言を発さない・暴力を振るわない事が鉄則

喧嘩というと「殴り合い」や「罵りあい」といったイメージがありますね。

これも確かに喧嘩なのですが、このような喧嘩が良くないものであるのは言うまでもありません。

力を使って相手を屈服させるという方法は、お互いの考えを理解しようとする姿勢を放棄している行為です。無理矢理相手をねじ伏せて、相手に言う事を聞かせているだけで、片方は良い気分でしょうが、もう片方は我慢を強いられます。

罵りあいも、相手の意見が気に入らずに溜まったストレスを、ただ相手を傷付ける事で解消しているだけです。片方がそのような行動を取れば、もう片方も感情的になり同じ行動を取りやすくなります。するとただお互いを傷つけあうだけの行為になってしまうのです。

これらが何の生産性もない行為である事は明らかです。生産性がないばかりか、相手の心身にダメージを与える有害な行為なのです。

このような喧嘩は、問答無用ですべきではありません。お互いにとって何も良い事はありません。

喧嘩は建設的な行為、とお話しましたが、それはあくまでも「話し合い」による喧嘩です。

Ⅱ.出来る限り冷静な精神状態で臨もう

自分の意見が否定されたり、異なる意見を通されようとすれば誰だって気分は良くありません。そのため喧嘩はつい感情的になってしまいがちです。

感情的になる事は人として自然な現象ですからおかしい事ではありません。しかし感情的になると、つい前項でお話したような「暴言」「暴力」に至ってしまいやすい点は注意しなくてはいけません。

喧嘩は感情的になってしまいますが、一方で出来る限り冷静に話し合えれば話し合えるほど、お互いにとって建設的なものになるのです。

そのため喧嘩は出来る限り冷静な精神状態で臨む事が重要です。

どうしても感情的になってしまいそうなときは、ついその場で文句の一つでも言いたくなったとしても「今日は多分感情的になってしまう」「けどあなたとは冷静に建設的な話をしたいから落ち着くまで1日待ってくれないか」と提案してみるのも手です。

1日頭を冷やす事で、気持ちを落ち着かせ、それによって喧嘩が意義のあるものになるのであれば時間を取る意味は大いにあるでしょう。

1日までいかなくても、少し時間を置いてから話し合うだけでも効果はあります。

なるべく感情を落ち着かせる方法として、

  • 少し散歩をしてから
  • お風呂に入って気持ちを落ち着かせてから
  • 好きな音楽を少し聞いてから
  • 家族や親友に電話して客観的意見を聞いてから

などの方法も場合によっては有効です。

Ⅲ.相手の言い分を最後まで聞き、自分の言い分を最後まで言う

喧嘩の目的は、相手を傷つける事による短期的なストレス解消ではありません。

相手と自分が今後うまくやっていくために、折り合いがつかない事に対して何とか折り合いがつくように話し合う事です。これを行う事で、その場では大きなストレスがかかるものの、長期的に生じうるストレスを予防できるのです。

折り合いをつけるためには、出来る限り相手の情報を正確に引き出し、出来る限り自分の情報を正確に相手に伝える事が大切です。

相手の事が理解できれば出来るほど解決策も提示しやすくなります。また自分の事を理解してもらえばもらうほど、相手も解決策を提示しやすくなります。

そのために大切な事は、まずはお互いの主張をしっかりと聞きあう事です。

私たちはそれぞれ自分の意志を持っていますから、自分と異なる意見が発されるとつい「いや、それは違う」「それはおかしい」と横やりを入れたくしまうものです。

しかしそれは最後まで我慢しないといけません。

相手がどんな意見なのかは相手の意見を最後まで聞かないと分かりません。話の途中で分かった気になって口をはさむのは、誤解のもとになりますし、何より相手にとって失礼です。「あなたの話をこれ以上聞く気はない」と発しているととらえられてしまうかもしれません。

例えば自分の気持ちを一生懸命相手に伝えているのに、途中で「はいはい、もう分かったから」とさえぎられてしまったらイヤな気分になりませんか?

これをされた後で、「じゃあお互いにとっていい方法を考えよう」と言われたって、「いやいや、私の事何も分かろうとしてないよね」と考えてしまうと思います。これでは建設的な喧嘩にならないし、本当の意味での仲直りも出来ないでしょう。

まずはお互いの意見を最後まで聞く。

これは非常に大切です。これをする事により、最適な解決策が見つかりやすくなるだけでなく、「この人は私とこれから仲直りするために真剣に考えてくれているんだ」という何よりのメッセージになります。

Ⅳ.抽象的な言葉ではなく具体性のある解決策を決めよう

喧嘩をした後、仲直りをして

「今後もお互いを思いやっていこうね」
「何でも話し合っていこうね」

と約束するのはとても素晴らしい事です。

喧嘩をした後は、これ以上お互いにイヤな想いをさせたくないため、このようにオブラートに包んだ解決法を提示してしまいがちです。

喧嘩した後は、お互いの心の距離が再度近くなるため、

「信頼しあっているのだから全てを言わなくても伝わるはず」
「愛があれば大丈夫」

といったロマンチックな想いになりやすいのかもしれません。

しかしこのように「思いやり」「話し合い」という漠然とした言葉で濁してしまうのは惜しいなとも感じます。

せっかくお互いの腹を割って話したのです。こんな機会、そう頻繁に取れるものではありません。せっかくお互い歩み寄りあいかけているのですから、ここでもう一歩踏み込んで、具体的な解決策を提示する事をお勧めします。

「これからも話し合っていこうね」

という漠然とした解決法はその時は美しく終わりますが、漠然としているだけに時間が経てば意識から遠のいてしまいます。

そのため、より具体的な解決策を取るようにしましょう。

「忙しくても週に1回は話し合いの時間を取るようにしましょう」
「この件はいつも口論になるから、これからは決める前に必ず話し合いをしましょう」

このように出来る限り具体的に話し合った方が、その時は面倒で気まずくても長期的にはお互い良い関係を築けるものです。

あなたがその人と短期的な関係を望んでいるのであれば、漠然とした解決策でもいいかもしれません。でもそうではないはずです。長期的に「私はこういう考えである事を分かって欲しい」と思うからこそ建設的な喧嘩が生じるのです。

私たち人間はお互いを100%理解しあう事など残念ながら出来ません。でもお互いが100%理解できないからこそ、少しでも相手の事が分かったり、自分の事を分かってもらえたりすると喜びを感じるのです。

長期的にお互いがうまくいくために、出来る限り具体的な話し合いをして下さい。

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