心因性うつ病とは? -どんな症状なの?-

【前回の記事】
心因性うつ病とは?

今回は、「心因性の」うつ病に見られる特徴のお話をしようと思います。

心因性のうつ病のおさらいからはじめましょう。
これがストレスなどによって引き起こされることは、既に触れたとおりです。
また、進学や妊娠などのような本来喜ばしいことが原因となることもある、と述べました。

仕事や人間関係の悩み。
大きな環境の変化。
親族の死。

生きていれば避けることのできないこれらが、心因性うつ病の原因となるのでしたね。

では、これらの原因で生じた心因性うつ病では、どんな症状を呈するのでしょうか?

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<身体症状は軽い事が多い>

このような、心の問題からくるうつ病には、大きな特徴があります。
それが、「身体的症状はほかの原因のときに比べて比較的軽い傾向にある」ということです。

「身体的症状ってなに?」というひとも多いと思いますので、詳しくお話しますね。

身体的症状というのは、いくつかあります。

たとえば不眠や過眠といった睡眠障害。
よく「心が重くて眠れない」「うつ病で眠れない日が続いている」という言葉を聞きますね。

それから、拒食。これは食欲の低下から起こることもあります。

また、対義語と思われがちな過食もうつ病の症状の一つです。
広く言えば「摂食障害」ですね。

うつ病になると、感情や感受性が鈍くなることがあります。
無感動状態が長く続く症状です。

これらは身体的症状と呼ばれ、うつ病の典型的な症状です。
ごく簡単に言ってしまうと、「周りから見て、すぐにそれとわかる症状」のことですね。
心因性の場合、これらの身体的症状はあまり起こりません。
また起こったとしても、ほかの原因に比べると、比較的軽いです。

<精神症状が重い事が多い>

では、逆にどんな症状が起こりやすいのでしょうか。

身体的症状が起こりにくいかわりに、非常に良く出るのが「精神的症状」です。

自己評価が著しく下がる、というのは、うつ病に見られる典型的な精神症状の一つです。
この「自己評価の低下」というのは、「周囲から見た評価」とはまったく関係ありません。

たとえば周りからの評価が、以下のようなものだったとします。

「彼は仕事ができてすばらしい」
「周りに常に気を配り、非常に面倒見がよい」
「誰からも慕われており、友人もたくさんいる」
「成績も優秀で、非の打ち所がない」

このように、周りからの評価が極めて高い状態であっても、自己評価の低下は見られます。
「自分はダメな人間だ、価値がない人間だ」という風に思い込んでしまうのですね。

加えて、不必要なほど自罰的になることもあります。

「自分は誰かをひどく傷つけてしまったのではないか」
「(自分の手から既に離れた)仕事がトラブルを起こしたのは、自分のせいではないか」
「うつ病になったのは、自分が特別おかしいからだ」

などのように、まったく関係のないことでも自責心にさいなまれる状態です。

また、無気力になり、何もやる気が起こらない、というのも症状も見られます。

「今まで楽しくやっていたのに、いきなり興味を失ったみたいだ」というものですね。

これらに象徴されるのは、「あらゆる面での自分自身に対する意識の低下」です。

このような精神的な症状が、心因性のうつ病には多く見られます。

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<「周りに理解されにくい」のが心因性のつらいところ>

以上の事から、心因性のうつ病というのは、周囲からなかなか理解しがたい、と言えます。

睡眠障害や摂食障害というのは、ある意味非常に「わかりやすい」症状です。

目の前にいる同僚が、まったく物を食べておらず、明らかにおかしいやせ方をしている。
あるいは配偶者がまったく眠れず、夜中中ずっとぼんやりと起きている。

このような状況だと、周囲のひともすぐに異常に気づくことができますし、
「おいおい、あいつは大丈夫なのか?」と心配するはずです。

しかし心因性のうつ病の場合、このような「わかりやすい」症状はほとんどでません。

たとえば、自己評価が非常に低くなり、過剰な自責心にさいなまれていたりする。
また、無気力になり、あらゆることに興味がなくなる。

このようなことがおきていても、それは「表面に」でてこないですよね。

そのため周囲は、そのひとがうつ病であるかどうかを判断することが難しいのです。
心は体と違い、目に見えるものではないからです。

このようなことが、更に「仮病を使っている」誤解を招きます。

また、何よりも「自分はうつ病かも知れない」という認識を持ちにくいのが問題です。
その結果として、受診が遅れる可能性が非常に高いのです。

配偶者の死などのように、誰もがショックを受けやすい環境なら、まだ周囲も気にします。

しかし進学や出産が、うつ病の原因ともなることは、意外なほど知られていません。
これらのことが複雑に絡み合い、更に理解が遅れているという現状があります。

<まとめ>

・心因性うつ病は身体症状が軽く、精神症状が重い傾向がある

・症状が他者から見えにくいため、理解されなかったり誤解を受ける事が多い

・症状が身体に現れないため、自分自身も気づきにくい事が多い

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