やる気が出ない時に考えたい原因と有効な対処法

やる気が出ない時の対処法

私たちの調子には波があり、やる気に満ちている日もあれば、どうしてもやる気が出ない日もあるものです。特にこれといった原因がなくても、日々で調子にはある程度の波があるのが普通です。

このような調子の波は生理的なものであり、病的なものではありません。この波を完全になくすことは不可能ですし、「毎日やる気に満ちている状態でい続けたい」というのもやはり不可能です。

しかし社会においては、やる気の出ない日でも、何とかやる気を絞り出さないといけない事があります。

「今日はなんだかやる気が出ないなぁ」という日でも、重要な会議を休むわけにはいきませんし、試験を延期してもらうわけにもいきません。

このような時、やる気を出すような方法はないのでしょうか。

またやる気が出なくなっている原因がある場合、それはどのように見つけ出し、どのように対処していけばいいのでしょうか。

ここでは自分では見落としてしまいがちなやる気を落としてしまう原因と、やる気が出ない時に有効な対処法について紹介させて頂きます。

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1.やる気はどのようにして生まれるのか

どうしてもやらないといけない事がある時は、やる気を出来る限り高め、最良の結果を得たいものです。

このコラムではやる気がでない時に、出来る限りやる気を高める方法について考えていきますが、そのためにはまず「やる気」というのはどのようにして生まれるのかを理解していきましょう。

この機序を理解する事で、やる気を引き出す方法というものが見えてきやすくなるからです。

みなさんも過去に「やる気がすごく出ていた時」があったと思います。反対にやる気を出さなきゃいけないのが分かっているのに、どうしてもやる気が出なかった事もあったでしょう。

それぞれの時で、自分がどのような気持ちだったのか、その時はどのような状況だったのかを思い出してみましょう。そこから、やる気を出すためのヒントが少しずつ見えてくるはずです。

次のような状態・気持ちである時、私たちはやる気を得やすいと考えられます。

Ⅰ.目標が明確である

やる気は目標が明確であればあるほど、生まれやすくなります。

やる気を引き起こすには、その行動を行う事で自分がどうなれるのかが明確にイメージできていないといけません。

目標を具体的にイメージ出来れば、そこに辿り着きたいという気持ち(=やる気)も生じやすく、行動も起こしやすくなります。

受験勉強を頑張れるのは、行きたい大学や将来の夢があるからです。
資格試験を頑張れるのは、その資格を取得したいからです。
仕事を頑張れるのは、それによって経験や金銭が得られるからです。

「これを頑張る事で、自分はこうなれる」という目標を明確に持っていれば持っているほどやる気というのは生み出されやすくなります。

当然ですが、目標は自分にとってワクワクするもの、あこがれるもの、嬉しいものである必要があります。

自分が「そこにたどり着きたい」と思えるものでないと、いくら明確に目標をイメージできていても、行動するための気持ちが沸いてきません。

誰かに決められた目標であったり、自分にとっては魅力的ではない目標であった場合、それがいくら具体的であってもやる気は生じにくいでしょう。

目指している目標がどうしても大きなものであり、明確なイメージが沸きにくいものは、目標を小分けにする事でイメージしやすい目標にするという方法も有効です。

例えば小学生の子がいきなり「メジャーリーグで活躍する野球選手になりたい」と言ったら、それは実現不可能とは言えませんが、かなり遠い目標になります。あまりに遠い目標であるため、明確なイメージも湧きにくいでしょう。

この場合、

「まずは地区大会で優勝したい」→「甲子園に行きたい」→「日本のプロ野球選手になりたい」→「メジャーリーグ選手になりたい」

と目標を小分けにして、1つずつ達成していった方が、やる気は維持しやすくなるのです。

Ⅱ.体調が整っている

やる気は心身ともにエネルギーが十分に蓄えられている状態でないと生まれません。

何かに一生懸命集中するためには脳が活性化する必要がありますが、脳は複雑で高度なはたらきを持つ臓器であるため、多くのエネルギーを使います。

エネルギーが足りていないと、脳は十分に活性化できないため、やる気も生まれにくくなります。

エネルギーを十分に蓄えるためには、

  • 疲労をしっかりと取る事
  • 栄養をしっかり取る事
  • 規則正しい生活をする事

などが大切になってきます。

毎日オーバーワークで疲労が蓄積されていたり睡眠不足が続いたりすれば、体調を良い状態に保つ事はできません。疲労が蓄積されていると身体は休むことを欲するようになります。この状態でやる気が出るはずがありません。

また栄養をしっかりと取る事も大切です。炭水化物・たんぱく質・脂質といった栄養素はエネルギーを作り出すために欠かせないものです。これらの栄養素が足りないと、脳はエネルギー節約のため、最低限しか脳をはたらかせないようにするため、やる気も起きにくくなります。

同じく生活を規則正しくする事も重要です。生活が不規則だと自律神経のバランスが乱れやすくなります。

自律神経には「緊張の神経」である交感神経と「リラックスの神経」である副交感神経があり、状況に応じて両者が適切にバランスを取る事で良いパフォーマンスを発揮できています。

具体的には健常者においては、日中の活動時は交感神経が活性化して作業への集中力を高め、夜間には副交感神経が活性化して心身が十分に休めるようにしています。

自律神経のバランスが乱れると、日中なのに副交感神経が活性化してしまって集中力が高まらなくなったり、夜なのに交感神経が活性化してしまって眠りにつけなかったりという問題が生じます。

Ⅲ.目標の難易度が適正である

やる気を保つためには、自分が今からやろうとする事が実現可能であるという事も大切です。

それを頑張る事で素晴らしい結果が得られる事が分かっていても、明らかに自分では達成できなさそうなものであれば、多くの方はやる気を保つ事は出来ません。

頭がいい人ほど、失敗する可能性が顕著に高いものに関しては「頑張っても失敗する可能性が高い」と始める前に頭で分かってしまうからです。「どうせ失敗する」という気持ちを持ちながらやる気を保つのは不可能です。

そのため、ある程度努力する事でそこに届く可能性が十分にある目標を設定する事が大切です。もちろん簡単に達成できてしまう目標では意味がありませんが、難しすぎる目標でもやはり良くないのです。

極端な例ですが、例えばお年を召された方が、「今からマラソンの練習をしてオリンピックで優勝したい」という目標を立てても、それはまず達成する事は出来ないでしょう。

最初はやる気を持って練習をしていても、目標があまりに遠くていずれモチベーションを保てなくなります。無理な目標は無理な行動(オーバーワーク)も生み、心身をかえって不調にしてしまう可能性も高いでしょう。

しかし「マラソンのシニア大会で優勝したい」という事であれば達成は可能でしょう。ライバルは同年代の人たちですから、自分の年齢に合った無理のないトレーニングが出来ますし、これならやる気も保ちやすくなります。

このように目標の難易度を適正にする事は重要なのです。

Ⅳ.気持ちに余裕がある

精神的に追い詰められている状態では、やる気を十分に引き出す事は出来ません。

その理由は、気持ちが「やる気」以外の要素で占められてしまうためです。

何かトラブルを抱えていて、それで精神的に疲弊していたり不安を感じていたりすると、気持ちの大半はそのトラブルに向いてしまうため、目標である事に対して気持ちは向きません。このような状態では当然やる気も生まれません。

やる気を高めるためには、目標に全力を向ける事が出来るように精神的に余裕がある事は欠かせません。

Ⅴ.人のためになる行動

自分のためよりも大切な人のための方が「何とか頑張ろう」とやる気が続きやすいものです。

自分のために頑張る事が悪い事だと言いたいのではありません。自分のために頑張ってもいいのですが、自分のため「だけ」に頑張るよりも、他者のためを思っての行動は、やる気を保ちやすい傾向があります。

例えば、「自分が幸せになるために」と目標を立てて一生懸命仕事をするよりも、「家族が幸せに暮らせるように」と考えて一生懸命仕事をした方が、やる気は続きやすいのです。

これは他者の役に立っているという事が、私たちに生きがいや社会的な満足を与えてくれるためです。

とは言っても他者であれば誰でもいいというわけではありません。家族や恋人、親友など、自分にとって「とても大切な人」が対象になります。

そのような方がいて、頑張る事がその方のためにもなるという場合、やる気は保ちやすい傾向にあります。

2.やる気が出なくなってしまう原因にはどのようなものがあるのか

前項ではやる気が生まれる背景について考えてみました。

ここから、やる気が出ない時にはどのような原因があるのかが見えてきます。

「やらなきゃいけない事があるのに、どうしてもやる気がでない」という方は、次のいずれかの項目に該当しないかを見直してみましょう。

Ⅰ.目標がはっきりしていない

目標が定まらずに何かを頑張ろうとしても、やる気は出ません。何のためにそれを頑張っているのかが分からなくなってしまうような状態だと、ちょっとした障害でやる気は失われてしまいます。

「人に言われたから仕方なくやっている」
「この作業をする事で自分は何が得られるのかが分かっていない」

どうしてもやる気が出ない事に対して、このようになっていませんか。

であればやる気が出ないのは当然でしょう。

Ⅱ.体調が整っていない

「寝不足が続いている」
「連日の残業で疲れが取れていない」
「食事をちゃんと食べていない」
「昼夜逆転している」

このように心身の体調が安定しないような状態になっていると、やる気も生まれにくくなります。

何かに打ち込み過ぎると、夜遅くまで頑張ってしまったり、睡眠時間や食事の時間を削ってまで頑張ってしまう方がいます。

その意気込みは素晴らしいのですが、このように体調をおろそかにしてしまうとやる気は徐々に低下していきます。

体調が安定している事はやる気を生じさせる基本的な条件です。睡眠や食事、規則正しい生活リズムといった基本的なところを軽視せず、基本的なところだからこそしっかりと行うようにしましょう。

Ⅲ.目標の難易度が高すぎる

やろうとしている事(目標)の難易度が、自分にとって達成不可能なレベルのものである場合、やる気は起こしにくくなります。

頭がいい人ほど「頑張ってもどうせ無理だ」という事に気付いてしまうからです。

明らかに量が過剰であったり、ゴールまでの期間が短すぎたり、今の自分のレベルとかけ離れた技量が必要なものである場合、やる気を持って頑張り続ける事は難しいでしょう。

Ⅳ.精神的ストレスが多い

精神的ストレスが多く、気持ちに余裕がないような時もやる気は生じにくくなります。

何故ならば何かに対して大きく苦しんだり悩んだりしている時というのは、別の事を一生懸命頑張る余裕などないからです。

頭は常にストレスの事でいっぱいであり、そんな中で何かをやる気を持ってこなす事などできるはずがありません。

Ⅴ.人から評価されない

頑張っても、自分にとっての重要な人物から認めてもらえなかったり、褒めてもらえなかったりすれば、私たちはやる気を保てないものです。

例えば子供の頃、勉強というのは「将来の自分のため」にやるものです。しかし子供にとって「将来の自分のため」というのは、なかなかイメージしにくいものであり、実際は「いい成績をとって親に褒められたい」「先生から評価されたい」という気持ちもあるものです。

どんなに勉強できる環境が整っていても、一番の理解者であるべき親が子供の勉強に無関心であったりすれば、やはり子供の勉強に対するやる気は続きにくいものです。

これは大人になっても同じです。

「会社の役に立って評価されたい」「家族のために一生懸命仕事をして、家族に評価してもらいたい」という気持ちは働いていれば多くの方が多少は持っているものです。

本人が一生懸命仕事をやっているにも関わらず、上司が正当にそれを評価してくれなかったり、家族が本人の頑張りを全く評価しなければ、本人の仕事のやる気は続きません。

自分にとって重要な人物から、自分の存在や行動を認めてもらえるというのは、やる気を保つためにとても重要な要素なのです。

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3.やる気が出ない時に確認すべき事と有効な対処法

ここまで、やる気が出ない原因というものをみてきました。

原因が分かれば、それに対する対処法も見えてきます。

最後にやる気が出ない時に確認すべき事とそれぞれに応じた対処法を考えていきましょう。

やるべき事があるのにやる気がどうしても出ない時は、次の項目を1つずつ見直してみましょう。

Ⅰ.目標は明確か?

何かをやろうとしている時、それを頑張る事で自分はどうなりたいのかが定まっているでしょうか。

目標が明確になっておらず

「上司に言われたからやっている」
「これが何の役に立つか分からないけど、クビにならないためにやっている」

という事であれば、その事に対するやる気が起きないのは当然です。

仕事などであれば、自分の目標とは関連づけられそうもない仕事もやらないといけない事があるかもしれません。

そういった時でも、

「この仕事で自分が得られるものはないか」
「この仕事から学べる事はないか」

という視点を持って、出来る限り目標を作って取り組むようにしましょう。

Ⅱ.体調は良好か?

体調は整っているでしょうか。

睡眠不足が続いていたり、連日のオーバーワークで疲労が蓄積している状態であったりすればやる気が起きなくて当たり前です。

身体の状態が良好でない時、私たちの身体は本能的に休みを欲します。疲労が蓄積している時にやる気が生じてしまうと休めなくなってしまうわけですから、このような状態の時というのはやる気はあまり起こらないようになっているのです。

体調が整っていないためにやる気が出ない時は、少し休むことも大切です。

少し休んで体調を整えてから取り組んだ方が、結果的には作業効率も上がるものです。

Ⅲ.目標は現実的に達成可能なものか?

今からやる事は、自分にとって達成可能な難易度のものでしょうか。明らかに達成できないような目標になっていないでしょうか。

私たちは明らかに達成不可能なものに対しては、本気になれません。「どうせ無理だ」という事が分かっていれば、頑張りが無駄になる事が見えているため、やる気を持てないのです。

この場合、目標を達成可能なものに変えていく必要があります。

自分ひとりでは明らかに無理なものであれば、周囲にも協力を依頼する必要があります。自分の今の能力ではとても不可能な案件なら、上司などに相談して別の案件にしてもらうべきでしょう。

またあまりに遠くにある目標や大きすぎる目標というのも、長期的には達成可能であっても、短期的には達成できなさそうに見えてしまう事があります。この場合もやる気がそがれてしまうため、目標を出来る限り小分けにして、達成できそうなものにしましょう。

例えば、「1年で英単語を1000個覚えなきゃいけない」となれば、「そんなに覚えられないよ・・・」始める前からやる気が失われてしまうかもしれません。

しかし「1日3個覚えよう」だったら達成できそうな気がするものです。1年単位ではなく、1日単位に小分けにするだけで、やる気も大分変ってくる可能性があります。

Ⅳ.ストレスを抱え込みすぎていないか?

何らかのストレスを抱えていて、それが大きい場合はやる気を出す精神的余裕が持てないかもしれません。

この場合は、ストレスに対して何らかのアプローチをしないとやる気を引き起こすのは難しいでしょう。

例えばとても困っている悩み事があるような場合、その悩み事を抱えたまま何かを一生懸命頑張ろうとしてもなかなか難しいものです。一生懸命頑張ろうとしていても、悩みが頭をよぎってしまうため、なかなか集中できませんし、何かに悩んでいる時というのは精神状態も不安定になりがちです。

ストレスが大きい場合には、

  • そのストレスの原因を解決する
  • 別の方法でストレス解消する

のいずれかの方法を取らなくてはいけません。

理想的には前者のストレスの原因の解決です。解決されればそのストレスはなくなりますから、やる気も起きやすくなります。

しかし現実的にはなかなか解決できないストレス因も多いものです。このような場合は、ストレスを軽減させるような工夫を考えてみる必要はありますが、それ以外にもストレスを何らかの手段で解消する必要があります。

ストレス解消の方法は人によって異なるため、自分にとって心地よいと感じるストレス解消方法をみつけ、定期的にストレスを発散していく事が大切です。

Ⅴ.自分を評価してくれる他者はいるか?

私たち人間は、誰もが「他者から認められたい」「他者から評価されたい」という気持ちを持っています。この承認欲求が満たされる事であれば、やる気というのも生じやすいものです。

例えば、同じ仕事をするにしても、家族が「いつも私たちのために頑張って働いてくれてありがとう」と感謝してくれているケースと、家族が全く仕事に無関心なケースであれば前者の方が仕事のやる気は保ちやすいものです。

自分を認めてくれる他者の存在というのはやる気の維持にとても大切です。

Ⅵ.とりあえず5分だけやってみよう

やる気が出ない時というのは、なかなか作業に取り組む事が出来ないものです。

このような場合は、とりあえず「ちょっとだけでいいから」といった気持ちで作業を初めてみる事は効果的です。

「どうしてもイヤだったら5分経ったら休んでいい」などとルールを決めて、とりあえずでいいので初めてみましょう。

何かを始める時、一番エネルギーを要するのが動き出す時です。動き出してしまうと、その後は意外とスムーズに動き続ける事が出来る事もあります。

軽い気持ちでも、まず始めてみれば、意外と続けられる事も少なくありません。

4.それでもやる気が起きない時に考えたい事

ここまでやる気が出ない時に見直したい原因と、やる気を引き出すための方法について考えてきました。

最後に紹介した方法を試してもやる気が一向に出ずに、それによって、

  • とても辛い・苦しいと感じている
  • 生活に支障が生じている

といった場合は、やる気が出ない事が疾患の症状である可能性も考えておく必要があります。

精神疾患の中でもうつ病や適応障害などでは意欲低下が認められる事があります。

このような精神疾患であった場合、ご自身の工夫や努力だけで改善させるのは難しい事もあり、専門家(精神科医)の力を借りる必要があります。

目安として、

  • やる気が出ない期間が2週間以上続いている
  • 2週間の間、一向に改善しないかむしろ悪化していっている
  • やる気が出ない事で毎日苦しさを感じている
  • やる気が出ない事で日常生活に何らかの支障をきたしている

といった投稿がある場合は、一度精神科・心療内科を受診し、精神科医に相談してみる事をお勧めします。

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