こころを落ち着かせる方法と考え方

心を落ち着かせる方法

イライラしている時、衝動的に普段なら決して取らないような行動を取ってしまった事はないでしょうか。あるいは不安で仕方がない時、普段ならあり得ないような考え方になってしまったという経験はないでしょうか。

心が不安定な状態にある時、私たちは物事を冷静に判断できなくなり、適切な思考・行動が取れなくなってしまう事があります。

このような思考・行動は高い確率でその後にまずい結果を引き起こし、その人の将来に大きな不利益を与えてしまいます。

私たちは人間ですから、その「心」は時に不安定になる事があります。これを完全に防ぐことはできません。しかし、不安定になっている時に出来るだけ心を落ち着かせ、将来に不利益にならないように工夫する方法はいくつかあります。

「すぐにカッとなって衝動的な行動をしてしまい、あとで後悔する」
「不安になると周りが見えなくなり、いつも周囲に迷惑をかけてしまう」

このような経験の多い方は、心を落ち着かせる方法を日頃から意識しておくと良いでしょう。

今日は心を落ち着かせる方法を紹介させていただきます。

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1.心を落ち着かせる事は将来の自分を守る事

まず「心を落ち着かせる」というのは、どういう状態を目指しているのかを考えてみましょう。

心を落ち着かせる事にはどのような効果があって、心が落ち着かないとどのようなデメリットがあるのでしょうか。

Ⅰ.心が落ち着いていない状態とは

心が落ち着いていない状態というのは、どういう状態でしょうか。

「イライラしている」
「ムシャクシャしている」
「ソワソワしている」
「緊張している」
「不安で落ち着かない」

このような状態を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

このような「心が落ち着かない状態」の共通点は、不安定な精神状態に支配されており、正常な認知・行動が行えなくなるという事です。

このような不安定な精神状態を元に判断・行動をしてしまうと、高い確率で好ましくない結果を引き起こしてしまいます。

「イライラしてしまって、つい人に手を挙げてしまった」
「ムシャクシャして大切なものを壊してしまった」
「緊張して頭が真っ白になり、試験が全く出来なかった」
「不安で仕方なくなり、アルコールをたくさん飲んでしまった」

このような経験はありませんか。いずれも不安定な精神状態を元に判断・行動してしまい、まずい結果になっている事が分かると思います。

このように不安定な精神状態から行われた行動というのは、高い確率で将来の自分に不利益を与えます。

不安定な精神状態から生まれた思考や行動は、短期的に見れば多少のストレス解消になるかもしれませんが、長期的に見れば状況をより悪化させ、より心を不安定にしてしまいます。

すると更に精神状態が不安定になっていくという悪循環に陥ってしまうのです。

Ⅱ.心を落ち着かせる意味とは

心が不安定な時、「心を落ち着かせる」というのはどういう事でしょうか。

「心を落ち着かせる」とは、一時的であっても不安定な精神状態から脱して冷静な判断力を取り戻す事になります。

私たち人間は常に同じ平穏な気分でいる事はできません。生きていれば様々な刺激を受けます。その刺激に応じて私たちの気分は刻々と変化していきます。これを完全に防ぐ事は困難です。そして不安定な心を一瞬で正常に回復させる事も困難です。

しかし一時的に冷静さを取り戻すくらいであれば、これは工夫次第で十分可能になります。

たとえ一時的であっても、不安定な精神状態に冷静さを取り戻させ、不安定な精神状態から好ましくない判断・行動を起こさないようにする事が「心を落ち着かせる」意味になります。

イライラして人に手を挙げそうになった時、そのまま不安定な感情に任せて人を殴ってしまうのと、何とか自分を取り戻してグッと耐えるのとでは、その後の人生は大きく異なってくるでしょう。

人を殴ってしまえば、その人との今後の関係が悪くなります。「暴力的な人」というレッテルを周囲から貼られてしまうかもしれません。また、その人に大きな傷を負わせてしまえば最悪の場合、犯罪となってしまう事もあります。

心を落ち着かせる事が出来れば、このような事態を防ぐことが出来るのです。

心を落ち着かせる事は、将来を守るためにも大切な事なのです。

2.心を落ち着かせる2つの方法

心を落ち着かせる方法には、2つの種類があります。

その2つとは、

  • 心が落ち着くような「行動」を取る
  • 心が落ち着くような「考え方」をする

です。

両者の違いを端的に言うと、

  • 「行動」は簡単に行えるが、表面的な対処となる事が多い
  • 「考え方」は訓練が必要となるが、根本的な対処となる事も多い

と言えます。

心が不安定な時、なかなか冷静な思考に戻るという事は難しいのです。思考というのは自分の思い通りになるようでならないものです。しかし行動は、強制的にそれを行えばいいだけですので、比較的実行しやすいのです。

例えばすごく落ち込んでいる時に、それを治すような思考と行動について考えてみましょう。

「前向きに考えましょう!」と思考を改善させようとしても、「それは分かってはいるけど、そう簡単に出来ないよ」と思いませんか。思考というのはこのように分かってはいても簡単に変える事は難しいのです。

しかし「まずは背筋を伸ばしてみましょうか」「まずは軽い運動でもしましょうか」という行動へのアドバイスだったらどうでしょうか。思考よりも簡単に実行する事が出来るのではないでしょうか。

心が不安定な時、まず受け入れやすいのは行動の方です。

行動は表面的な対処にはなりますが簡単に実行できます。対して思考は根本に近い対処法ですが実行がなかなか難しいという特徴があります。

心を落ち着かせる時は、この思考と行動の両者の特徴をしっかりと理解し、上手に使い分ける事が大切です。

具体的には、まず最初は行動面から実行し、ある程度慣れてきたら思考面も行っていく、という流れがもっとも有効です。

慣れないうちは、「心が不安定になったらこういう行動を取ろう」とある程度自分なりのパターンを決めておくと良いでしょう。

それをある程度続けて、心が不安定になっても行動である程度落ち着けるようになったら、少しずつ考え方も取り入れていきます。

そうすれば、少しずつ不安定な心によってまずい結果を引き起こす事は少なくなるでしょう。

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3.心を落ち着かせる行動

ではまず、心を落ち着かせるために効果のある「行動」について具体的に見ていきましょう。

心を落ち着かせる行動のポイントは、心を不安定にする原因から「一時的に意識をそらす」事です。

今の不安定な感情を作ってしまう原因に接していれば、心はより不安定になっていくばかりです。一時的でもそこから離れるようにすれば、落ち着きを取り戻しやすくなります。

では一時的にでも意識をそらす行動にはどんなものがあるでしょうか。

Ⅰ.その場から離れる

心が不安定になる原因が環境にある時、もっとも有効なのは「まずはその環境から離れる」ようにしましょう。

単純に心を乱す原因と距離を取れば、心は落ち着きます。

こう言葉で書くと極めて当たり前の事なのですが、これを実際に行なえてない方は多くいらっしゃいます。

例えば、友人と話し合っていたら口論になってイライラしてきたとしましょう。

冷静に議論が出来ているのであれば会話を続けて問題ないのですが、お互いが感情的になってしまった場合、その後の議論は益がないばかりかお互いの関係を悪化させるだけの非生産的なものになってしまいます。

イライラした感情に任せて、つい相手に罵声を浴びせてしまったり、手を挙げてしまったリとまずい行動に至る可能性も高くなるでしょう。

こういった場合は無理に議論を続けるのではなく、一旦延期した方が良いのです。

次回以降、また冷静な状態の時に話し合いを再開すれば、まずい結果になるリスクは大分少なくなるはずです。

心が不安定になってきた時は、原因と距離を取る事を忘れないでください。

Ⅱ.深呼吸

深呼吸は副交感神経というリラックス状態を作る神経を活性化させるはたらきがあります。

深呼吸以外でも、瞑想や座禅といった行動も同様の効果があります。

深呼吸などの、心を落ち着かせるような行動を意識的に取る事も、冷静さを取り戻すためには有効です。

Ⅲ.運動

身体を動かす運動も、心を落ち着かせるためにはとても有効です。

運動中は運動に強制的に意識が向きますので、原因から意識が離れやすいのです。

例えばすごくイライラする事があった後、何もせずにいると「あれは本当にムカついた・・・」と、ついイライラしてしまった原因について思い返してしまうものです。すると余計イライラはひどくなり、心も不安定になっていきます。

しかし例えばランニングをしたりテニスをしたりと運動をしたらどうでしょうか。意識は強制的に運動に向くため、イライラしていた原因を思い返す事が少なくなります。また運動自体に代謝を高め、気分を前向きにする作用も期待できます。

もちろん、激しい運動でなくても構いません。ゆったりとした運動としては、散歩や森林浴などが良いでしょう。ゆっくりと歩く散歩や森林浴では、副交感神経を活性化させる効果も期待できます。

Ⅳ.何かに集中する

別の何かに集中する事で、心を不安定にする原因から意識を離すという方法も有効です。

例えば、

  • 写経
  • 好きな音楽を聴く
  • 好きなテレビ番組や映画を観る

などが挙げられます。

その行動に集中できている間は、原因を忘れる事が出来ます。一旦原因から意識的に離れる事で、冷静さを取り戻しやすくなるのです。

Ⅴ.寝てしまう

やや強引な方法ですが、寝てしまう事で強制的に原因から離れるという方法も時には有効です。

横になったはいいけど眠れないという状態だと、かえって原因の事を考えてしまうため逆効果になりますが、眠れそうな状態であれば寝てしまうのも手です。

朝起きた時には、気分はかなり冷静さを取り戻しているはずです。

Ⅵ.話す

イライラした事、あるいは不安な事を誰かに聞いてもらう事も極めて有効です。

グチなどを話す事は、それ自体がストレスを吐き出す「ストレス解消」になります。また原因を他者に伝わるように体系立てて話す事で、自分の中でも現状を整理しやすくなり冷静に判断しやすくなるという効果も期待できます。

また他者からの客観的なアドバイスをもらえる事で、冷静さを取り戻しやすくなるというメリットもあります。

Ⅶ.お薬の力を借りる

どうしてもイライラや不安が治まらない時はお薬の力を借りても良いでしょう。

お薬というと抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、不安定な精神状態によってまずい結果を引き起こすよりは、お薬の力を借りてそのような事態を防いだ方が良いでしょう。

このような時に用いられるお薬は、

  • 即効性があるもの
  • 効果がある程度強いもの

が向いています。

イライラしている時や不安が強い時は、お薬を服用して1分でも早く効いてくれないと、衝動性が抑えられません。またこのような強い感情は、ある程度強く押さえてあげないといけないため、ある程度効果が強いお薬でないと役不足となります。

用いられるお薬としては、

などがあります。

4.心を落ち着かせる考え方

心を落ち着かせるためには、まずは行動が有効ですが、慣れてきたら考え方でも心を落ち着かせるようにしてみましょう。な考え方をする事も有効です。

考え方は、ある程度訓練しないと身につかないため、行動のように一朝一夕にできる事ではありません。しかし一度身に着ければ、不安定になりにくい心を手に入れる事が出来るでしょう。

Ⅰ.俯瞰(ふかん)する

「俯瞰する」とは「高い場所から見下ろす」という意味です。

これは不安定になっている自分を、客観的な立場に見てみるという事です。

心が不安定になっている時は、視野が狭くなっており、不安定になる原因のみしか見えなくなっています。

例えば、友人の何気ない一言に対してイライラしてしまった時、視野が狭いとその言葉だけしか見えずに「むかつく」「こいつは人の気持ちが分からないヤツだ!」と感情的になってしまいやすいでしょう。

しかし俯瞰できるようになると、

「そういえば最近イヤな事が多かったから自分も過敏になっているのかな」
「普段はこんなこという奴じゃないし、何かあったのかも」

と様々な視点から原因を見つめる事が出来るようになります。

このような様々な視点から考えられるようになると、イライラする気持ちも幾分冷静に対処できるようになるものです。

Ⅱ.目先の感情ではなく、将来の結果まで考えてみる

不安定な精神状態を元に判断・行動してしまう事の問題点は、その判断・行動が将来まずい結果となる可能性が高い事です。

しかし心が不安定な時は「将来まずい結果になる」という事まで思考が回らなくなっているのです。そのため、その場の感情に任せて判断・行動してしまうわけです。

という事は将来の結果を意識する事が出来れば、不安定な感情にブレーキをかけてくれるという事になります。

この考え方もある程度の訓練が必要ですが、あまり感情的にならない人や心が安定している人は、この考え方が上手であると感じます。

心が安定している人に「よくイライラせずにいられますね」と聞くと、「だってイライラしても自分に何の得もないからね」と答えます。

これはイライラに任せて行動するのではなく、イライラして行動した結果自分はどうなるのかというところまで見る事が出来ているという事です。

そこまで見る事が出来るようになれば、「ここでイライラして相手を殴っても、自分に何の得もないよな」と考える事ができます。このように考えれば自然とイライラも抑える事が出来るようになるでしょう。

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