メランコリー親和型性格がうつ病を発症しやすい理由と5つの対策

うつ病を発症しやすい性格として、メランコリー親和型性格というものがあります。

メランコリー親和型は簡単に言えば、真面目で几帳面・完璧主義といった性格です。確かにこのような性格の方はストレスを溜めこみやすそうですし、うつ病になりやすそうなのは感覚的にも理解はできます。

しかしメランコリー親和型性格の方がなぜうつ病になりやすいのかは、しっかりと解説される事は少なく、表面的なイメージとしてしか理解していない方が多いようです。その理由をしっかりと理解すれば、どのように予防すればいいのかも見えてきます。

メランコリー親和型性格の方はどうしてうつ病になりやすいのか、そしてうつ病を予防するためにはどういった事に注意すればいいのかを考えてみます。

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1.メランコリー親和型性格とは

メランコリー親和型とは、ドイツの精神科医であるテレンバッハが提唱した概念です。テレンバッハは、メランコリー(憂うつ)に至りやすい性格の傾向としてメランコリー親和型性格を提唱しました。

メランコリー親和型性格というのは、

・ルールや秩序を守る、几帳面
・自分に厳しく、完璧主義、責任感が強い
・他者に対しては律儀で誠実。衝突や摩擦を避ける

など傾向を持つ性格の事です。

メランコリー親和型の基盤にあるのは「秩序志向性」です。これは秩序やルールをかたくなに守るという性格です。メランコリー親和型の秩序志向性の背景には、「負い目を避けたがる」という心理があり、負い目への過剰なまでの恐怖を抱えています。

自分に対して秩序を守るという意味では、几帳面で真面目、責任感が強い、完璧主義と言えますし、悪くとらえれば、こだわりが強い、頑固という意味でもあります。完璧主義や几帳面さは良い面もありますが、、過度に高い水準を自分に要求するため、しばしば本人を苦しめることもあります。

また、一つのルールの中にはまり込みすぎるため、秩序の切り替えができず、仕事を家に持ち込んでしまったり、気持ちを上手に緩めることができないということも言えます。

対人関係においても同様に秩序志向性が見られます。対人関係において摩擦・衝突を避けることを重視し、他者への配慮・気配りを重視します。そのため周囲からは「誠実」「親切」「良心的」という良い評価を得ます。メランコリー親和型の方は、「自分」ではなく「他者」のために尽くす傾向があります。

これも、良い面もあるものの、自己を犠牲にしてまでも他者や仕事に尽くすということにもなり、しばしば本人を苦しめます。

この性格傾向を見て分かるように、メランコリー親和型性格は何も問題のある性格ではありません。むしろ「模範となるような常識人」「誠実な人」という高い評価を受ける性格なのです。しかし、その程度が強すぎると、しばしば自分を苦しめてしまうのもまた事実なのです。

2.メランコリー親和型性格はどうしてうつ病になりやすいのか

メランコリー親和型性格の傾向を持つ方は、どうしてうつ病になりやすいのでしょうか。

几帳面で完璧主義、他者にも気を遣うような人はストレスを溜め込みすぎるから、うつ病になりやすいのだろうというのは感覚的には理解しやすいでしょう。もちろん、これもメランコリー親和型性格の方がうつ病になりやすいひとつの要因ではあります。

しかしここではもっと深く、メランコリー親和型性格とうつ病の関係について考えてみましょう。

Ⅰ.秩序・ルールを重視しすぎるあまり、環境変化に弱い

メランコリー親和型性格の方は、秩序やルールを大切にします。和を乱す事を嫌い、規則をしっかりと守ります。これは社会生活、集団生活を行う上でとても大切な事ですので、メランコリー親和型性格の方の会社や集団からの評価はとても良いものになります。

しかし問題は、秩序を過剰なまでに重視するということです。これは秩序の変更が余儀なくされた時に適応できなかったり、アイデンティティを保てなくなるという危険をはらんでいます。

うつ病を発症しやすい要因として、

・引っ越し
・昇進
・結婚
・出産
・親しい人の死去

などがありますが、これらはどれも急に自分を取り巻く周囲の環境が変わり、秩序・ルールの変化への対応が求められます。

引越せば、新たな土地での新たなルールがあるでしょう。昇進すれば、自分の立ち位置が変わるため、今までと全く同じルールで仕事をするわけではなくなります。また、新しい家族が増えたり、反対に家族が亡くなった場合も環境は強制的に変化させられます。

メランコリー親和型性格の方はこのような急な環境変化に対して秩序変更をスムーズに行うことが苦手であるため、ストレスを受けやすく、そのためにうつ病を発症してしまいやすいのです。

Ⅱ.完璧にやろうとするが、人は完璧にはなれない

メランコリー親和型性格の方の特徴に、几帳面・完璧主義である事が挙げられます。他者に迷惑をかけないため、何事も一人で完璧にやろうとし、自分に対して高い水準を要求します。

しかし、完璧な人間などいません。当たり前の事ですが、どんなに優秀な人でも失敗をすることはあります。自分に対して高い水準(完璧)を要求するけども、実際はそこへは到達できない。その矛盾がストレスを引き起こします。

メランコリー親和型性格は、「完璧主義だけど、完璧には出来ない」という矛盾を抱えた性格なのです。

メランコリー親和型性格の方が目指そうとしている目標は、実際には達成不可能なものです。ある程度妥協が必要であり、「100%」「完璧」を人間が一人で達成できるはずもありません。そしてその不可能と戦い続けているのであれば、いつか精神が破たんしてしまうということは想像に難くありません。

Ⅲ.他者に尽くすあまり、自分を犠牲にしやすい

メランコリー親和型性格の方は、他者との衝突・摩擦を避け、他者に対して律儀・誠実に尽くします。

これはとても素晴らしい事なのですが、他者のために存在し、他者のために献身するという事は、とても気を遣うことです。また、他者の役に立てたという事で充実感を感じるというのは、他者によって自分の価値観が決まってしまうということになります。他者の評価は自分ではコントロールできないため、それによって自分の価値観が左右されると言う事は、自分の価値観が容易に崩されてしまうという事にもなります。

また、他者のための存在でありすぎると、自分にとって重要な他者(家族など)が死去したり自分の元から去ってしまった場合、生き甲斐の喪失などにつながってしまいます。

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3.メランコリー親和型性格の方がうつ病にならないために気を付けたい事

メランコリー親和型性格の方は、うつ病を発症しやすい傾向があります。しかし、だからといって性格を全て変える必要などありません。

なぜならば、この性格は悪いものではないからです。一生懸命頑張り、他者にも気を遣うという性格は素晴らしい性格でしょう。

しかし、なるべくうつ病にかからないために、意識しておいた方が良い事がいくつあります。メランコリー親和型性格の方が、うつ病で苦しむ事がないように、意識しておいて欲しい事を紹介します。

Ⅰ.自分がメランコリー親和型性格である事を認める

一番重要な事は、自分がメランコリー親和型性格の傾向がある事を自覚する事です。

自分の性格について「うつ病になりやすい性格」という風に考えてしまうと、認めなくない気持ちになるかもしれません。しかし先ほども説明したように、メランコリー親和型性格というのは、別に問題のある性格であったり悪い性格であるわけではないのです。

むしろ尊敬されるような素晴らしい性格だと言っても良いでしょう。

自分がメランコリー親和型性格である事を恥じる必要など全くないし、それを「問題だ」と感じる必要も全くありません。

ただ、性格の傾向として「他の性格よりもうつ病にかかりやすい」という事実がある事は知っておく必要があるという事です。更に、上で説明した「なぜうつ病になりやすいのか」まで理解しておくと、なお良いでしょう。

Ⅱ.自分の性格の矛盾点を認める

メランコリー親和型性格には矛盾点があります。それは前項で説明した通りです。

メランコリー親和型の方は「完璧を目指す」「過度に高い水準を目指す」という性格ですが、人間は完璧にはなれません。目標水準を達成できない挫折感や自己評価の低下といったストレスを慢性的に受けているのです。

その矛盾を徐々にでも改善できれば一番良いですが、例え改善できなかったとしても、こういった矛盾が自分の中にある、という事を認識しておくことは大切なことです。

Ⅲ.適度に適当になる

メランコリー親和型性格の方はなるべくストレスを溜めこみすぎないようにする必要があります。

ストレスを溜めこむ原因になっているのは、几帳面さ・完璧主義、他者への気遣いなどでしょう。これらの性格は素晴らしいものなのですが、ストレスが溜まりすぎていたり、精神的に不安定になっている感じがあるのであれば、適度に適当になってみることを意識してみることは有効です。

急に「適当になれ」と言われても、なかなか実行するのは難しいかもしれません。長い年月をかけて形成されてきた性格をかんたんに変えることはできないからです。しかし、ちょっとしたことでも適度に手を抜いてみたり、他者に頼ってみたりするクセをつけるのはストレスを溜めこまないためには大切なことです。

Ⅳ.ストレス発散法を持つ

溜め込んだストレスは必ず発散しないといけません。特にメランコリー親和型性格の方は、ストレスが溜まりやすいため、より発散する事を意識する必要があります。

気分がスカッとするような趣味や行動をいくつか作っておき、定期的にそれを行うようにしましょう。

Ⅴ.不調が続いたら早めに精神科・心療内科受診を

メランコリー親和型性格の方は、なるべく他者に迷惑をかけないようにするため、自分が不調である事もあまり他者に言いません。「自分が頑張れば何とかなるはず」と考え、不調でも更に努力でカバーしようとします。

でもよく考えてください。

うつ病にかかってしまうと、病気の特性上、本人がいくら頑張ろうとしても、集中出来なかったり、やる気が出なかったりという症状が出てしまいます。この状態になってしまっては、どうしても他者に迷惑をかけてしまうでしょう。

しかし不調を感じた時、早めに精神科・心療内科を受診し、早めに必要な手を打つ事ができれば、傷はそこまで深くならず、その結果他者に迷惑をかけずに済むでしょう。

メランコリー親和型性格の方は、どうしてもうつ病になりやすいという傾向があります。これは間違いのない事です。だからこそ、不調を感じたら早めに専門家に相談するという姿勢が大切なのです。

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