愚痴を言うのは悪い事なのか?愚痴を吐き出す時に気を付けたい5つの事

愚痴を吐き出す効能と弊害

何か腹が立つ事や納得できないような事があると、つい誰かに愚痴(グチ)をこぼしたくなるものです。

しかし愚痴というものは、一般的にあまり良いイメージを持たれていません。

いつも愚痴ばっかり言っている人と仲良くしたいという人は少ないでしょう。会えば愚痴の人は、周囲からも避けられてしまいます。また「愚痴を言うなんてただの時間の無駄」「愚痴を言ったところで何も変わらない」と言われてしまえば確かにその通りかもしれません。

でも一方でストレスが溜まっていると私たちは本能的に愚痴を吐き出したくなります。だからこそ、つい愚痴が出てしまうわけで、愚痴を吐き出せると気持ちも少し晴れるような気もします。

では辛い時に愚痴を吐き出す事は本当に良くない事なのでしょうか。愚痴など言わずに我慢したり、他の方法で解決した方がいいのでしょうか。

ここでは愚痴を言う事は良くない事なのか、また愚痴を言う際に気を付けたい事などを考えてみましょう。

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1.なぜ愚痴を言いたくなるのか

誰でも愚痴でも言いたくなる時があります。

なぜ私たちは愚痴を言いたくなるのでしょうか。みなさんはどのような時に愚痴を言いたくなりましたか。

愚痴の意味を辞書で調べると、

【愚痴】
言ってもしかたのないことを言って嘆くこと

と書かれています。

これを見ると、愚痴というのは何の生産性もない不毛な行為にしか見えないかもしれません。実際、「愚痴なんて言っても何も変わらないんだから時間の無駄だ」と言う人もいます。

しかし私たちがつい愚痴を言ってしまう本質はもっと深いところにあります。

愚痴というのは行き場のないストレスが吐き出されたものであり、溜まったストレスを解消するために行われる行為の1つなのです。

大きなストレスがなければ愚痴を言いたくなる事はありません。愚痴を言いたくなるのはストレスが溜まり、吐き出さないとこころが悲鳴をあげてしまうからなのです。

日常でよく見かける愚痴をこぼすケースを考えてみましょう。

「毎日毎日上司に怒られて、つい同僚に愚痴をこぼしてしまう」という方は、上司からの叱責によって日々ストレスを感じています。

この状況が続けばストレスはどんどん溜まっていきます。しかし人が抱え込めるストレスの量には限界がありますからどこかで溜まったストレスを発散・解消をしないと、こころは壊れてしまうでしょう。

そうならないために「辛かった出来事を話す」「自分の気持ちを聞いてもらう」という形でストレスを発散しようとするのです。これが「愚痴」です。

愚痴というのは一般的にはネガティブなイメージを持たれています。愚痴ばかり言っている人と聞けば、その人にあまり良いイメージを持たないのが普通でしょう。

「愚痴」という単語をみても、「愚(=おろか)」「痴(=おろか、にぶい、配慮が足りない)」と、構成する漢字の意味からしてかなりネガティブです。

しかし愚痴を吐き出す事に全く良い面がないわけではありません。愚痴を言う事に何らかのメリットがあるからこそ、私たちはつい愚痴をこぼしたくなるのです。

しかし愚痴というのはネガティブな言葉を発するものですから、過度に発すればデメリットも少なくありません。

愚痴を言ってはいけないわけではありません。しかし愚痴を言う際にはいくつか理解しておくべき事があります。

それを正しく理解できていないと、愚痴を言う事でその場はスッキリするかもしれませんが、長期的にみればあなたによりストレスを与えてしまう事になります。

2.愚痴で得られる効能

辛い事が続くと、誰かに「ちょっと愚痴らせてもらっていい?」と言いたくなります。

愚痴を今まで一回も言った事がない人はいないでしょう。辛い事が続けば、私たちはつい愚痴でも言いたくなるものなのです。

それは愚痴を吐き出す事で得られるものがあるからです。何らかのメリットがあるからこそ、私たちはつい愚痴りたくなってしまうのです。

では愚痴を吐き出す事にはどのような効能があるのでしょうか。

Ⅰ.ストレス解消になる

愚痴を吐き出す事にはストレス解消の効果があります。

私たちは日々、ストレスを受けています。

そしてストレスというものは、無限に溜め続ける事はできません。目には見えませんが、溜められるストレスの量には上限があります。そして、その上限を超えた量を溜め続けているといつかこころが壊れてしまいます。

そのためストレスが蓄積する生活を送っている方は、定期的にストレスを解消・発散する事を意識しなければいけません。

ストレス解消には様々な方法があります。ストレスは不快な刺激ですから、それを打ち消すような快な刺激がストレス解消になります。要するに「自分にとって楽しい事・心地良い事」ですね。

例えば、

  • スポーツで身体を動かす
  • 趣味に打ち込む
  • 映画などを観て感動する
  • カラオケなどで大声で歌う

などは、よく行われているストレス解消法の1つです。

同じように「人と話す」事もストレス解消法として有用です。私たち人間は皆、本能的に「自分の事を分かってもらいたい」という欲求を持っています。「話す」という行為はそれを実現できる行為であるため、ストレス解消になるのです。

「話したらスッキリした」という経験はみなさんもあるのではないでしょうか。

愚痴を誰かに聞いてもらい、他者に自分の辛かった気持ちを分かってもらうという事は、実はストレス解消に役立つのです。

また趣味やスポーツなどのストレス解消と異なり、愚痴を言うという方法は手軽さもあります。趣味やスポーツなどはまとまった時間が必要な事も多く、休日など限られた日にしか行えない事も少なくありません。

一方で愚痴は話を聞いてもらう事でストレス解消が得られるため、相手さえいればすぐに実行できます。ストレスを解消させたい時にすぐに手軽に、すぐに行える使い勝手の良いストレス解消法の1つなのです。

Ⅱ.共感を得られれば安心出来る

愚痴を吐き出し、それを相手が理解してくれた場合、あなたは分かってもらえた事で気持ちが安らぐでしょう。

「それは大変だったね」
「そんな上司だなんて災難だね」

このようにあなたの苦労をねぎらうような言葉が返ってくれば、何だか安心できる気持ちになるものです。

人から共感してもらえる事は、「自分は孤独ではない」という気持ちを持たせてくれます。これは気持ちを安定させるためにとても役立ちます。

Ⅲ.気持ちの整理がしやすくなる

「話す」という行為は、自分の気持ちを整理するためにも役立ちます。

愚痴を言いたい時というのは、イライラしていたり苦しんでいたりと精神的にあまり安定している状態ではありません。このような時というのは自分の状態を冷静に判断する事が出来ないものです。

しかし愚痴を言うとなると、相手に理解してもらうように筋道立てて話すようになります。そして筋道立てて話していく中で、自分の状況を冷静に再認識しやすくなるのです。

冷静に状況が判断できれば、愚痴以外の対策も見えてくる可能性があります。

実は話す事は相手に伝えるだけでなく、自分自身がより客観的に状況を再認識するためにも役立つのです。

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3.愚痴で生じる弊害

愚痴を吐き出す事は、私たちにとっていくつかの良い効能がある事を見てきました。

しかしだからといって「どんどん愚痴を言いましょう」というわけではありません。愚痴を吐き出す事には良い面も確かにありますが、同時に弊害もあるのです。

では愚痴を吐き出す事でどのような弊害があるのでしょうか。

Ⅰ.ストレス因をより意識してしまう

基本的に愚痴というのはネガティブな発言が多くなります。

「上司がむかつく、腹立たしい」
「あいつの事が許せない」
「もう仕事を辞めたい」

愚痴を吐き出す中では、どうしてもこのような発言が多くなってしまいますよね。

実は私たちは、自分や周囲が発する言葉に無意識のうちに影響を受けます。

「むかつく」とばかり発していれば、イライラしやすくなります。「仕事を辞めたい」とばかり発していれば仕事に一層やりがいを持てなくなります。

愚痴は発した時は確かにストレス解消にはなりますが、愚痴ばかり発して過度にネガティブな言葉を使い続けると、長期的にみればよりストレスを溜めてしまう危険性もあるのです。

Ⅱ.周囲を不快な気持ちにさせてしまう

ネガティブな話や人の悪口というのは、聞いていてあまり気持ちの良いものではありません。

愚痴を言う本人はスッキリするかもしれません。しかし、聞いている方は延々とそんな話を聞かされるわけですので、当然ストレスが溜まります。

自分のストレスは解消されたけど、その分相手にストレスを与えてしまったのでは良いストレス解消法とは言えません。

勢いに任せて延々と愚痴を話し続けてしまうと、聞いてくれる人にストレスを与え、不快な気持ちにさせてしまう事は念頭に置いておく必要があるでしょう。

Ⅲ.努力しないで愚痴を言う癖が出来てしまう

何かイヤな事があったら愚痴を吐き出してストレス解消をする。

これはストレス解消法の1つとしては悪い方法ではありませんが、一方でこの方法だけでストレス解消を完結させようとするのはあまり好ましくありません。

愚痴は溜まったストレスを吐き出す作用はありますが、ともすると「陰口を言っているだけ」「文句を言っているだけ」にもなってしまいがちです。

愚痴を言いつつも、そこから生産的な考えも取り入れるようにしたり、別のストレス解消法も併用するのであればいいのですが、愚痴だけでストレス解消をしようとしてしまうと、「何かイヤな事があったら愚痴を言う」という癖が出来てしまいます。

これがどんどん顕著になってしまうと、

「文句ばかり言う人間」
「口ばかりで行動に移さない人間」
「相手の悪いところばかり指摘する人間」

になってしまうかもしれません。

これはあなたにとっても周囲にとってもあまり良い事とは言えません。

4.愚痴を吐き出す時に注意したい5つの事

愚痴を吐き出す事には良い効能もある一方で、自分や周囲への弊害も生じうるという事を学んできました。

それを踏まえて愚痴を言うのは良い事なのか悪い事なのか、辛い時は愚痴は言ってもいいのか、それとも言わない方がいいのか、について考えてみましょう。

愚痴は吐き出す事ですぐにストレス解消の効果が得られるため、ストレスが溜まって苦しい時に、そのストレスをすぐに解消させるためには優秀な方法の1つだと言っても良いでしょう。

簡単に手軽に出来るストレス解消法っているのは実はそんなに多くはありません。愚痴は数少ない簡単で手軽に出来るストレス解消法の1つです。

そのためすごくつらい事があって、このままだとストレスに押しつぶされそうという時に、「ちょっと話を聞いてくれない?」とお願いして愚痴を聞いてもらう事に意義はあるでしょう。

一方で愚痴というのはネガティブな話になってしまうため、過度に発し過ぎると長期的には自分にも害を与えますし、周囲にもストレスを与えてしまいます。

そのため愚痴はあくまでもストレス解消の方法の1つとして考えるべきで、愚痴でストレスを全て解消しようと考えてはいけません。

お薬でいえば、どうしてもストレスがひどくて「とりあえず落ち着かせたい」という時の頓服のようなものです。頓服も有効ですが、合わせて根本的にストレスを落ち着かせるような工夫もしないといけませんよね。愚痴もそれと同じです。

最後に愚痴を吐き出したい時、自分にとって良いものとなり、また他者に害を与えないために意識しておきたい事をいくつか紹介させて頂きます。

Ⅰ.愚痴を言うのは適度に留めよう

延々と愚痴を言い続けるべきではありません。

ある程度自分の辛い気持ちを吐き出す事は、ストレス解消の意義があります。また周囲から「それは大変だったね」と共感してもらえれば、安心感や「もう少し頑張ろう」というやる気をもらえるかもしれません。

しかし延々と愚痴を言い続けていると、自分が発しているネガティブな言葉に影響を受け、余計にイライラしてしまいます。更に延々と愚痴を聞かされる相手もストレスが溜まってしまうでしょう。

こうなってしまうと愚痴を言うメリットよりもデメリットの方が高くなってしまい、あまり良い状態とは言えません。

このような事にならないように、愚痴を言うのは適度に留めるようにしましょう。

目安として、友人と食事にでも行って愚痴を聞いてもらった場合、その中で愚痴を吐き出す時間の割合は半分以下(50%以下)にしておくべきでしょう。

せっかく会って食事をしているのに、その大半がネガティブな話だったら、自分にとっても良くありませんし、相手もストレスが溜まってしまいます。

Ⅱ.最後には前向きな考えも持つようにしよう

愚痴を吐き出した後は必ず、前向きな考えも持つようにしてください。

文句や憎しみの言葉で終わってしまうと、悪いイメージのまま話が終わってしまいます。せっかく愚痴を吐き出せたのにこれではスッキリしません。また愚痴を聞いてくれた相手も、「あの人の話を聞くと気分が滅入ってしまう」と感じるでしょう。

最後まで、

「あいつは本当にむかつくやつだ」
「自分の会社の上司は本当にダメなやつだ」

という話をして、これで終わってしまったら何だかイヤな気分になりませんか。

でも最後に、

「色々苦しいけど、ありがたい事にこうやって俺の話を聞いてくれる人がいるから、もう少し頑張ってみるよ」
「あの上司はむかつくけど、資格の勉強をしていつかは見返してやるんだ」

と前向きな話で終われば、お互いいい気分で終われるものです。

私たちは会話の印象を「最初」と「最後」で決定づける傾向があります。途中がどんなにネガティブな話でも、最後が前向きな話で終われば、その話にそんなにネガティブな印象は持たないものです。

愚痴を言う場を少しでも気持ちの良いものにするため、このような配慮はなるべく持つようにしましょう。

Ⅲ.愚痴を言う相手は選ぼう

愚痴を言うのは、辛いストレスを吐き出すためです。

そしてもう1つ、愚痴は「共感」を求めています。

「そんな事があったんだ。それは辛いよね」
「よく頑張ったね。大変だったでしょ」

愚痴を吐き出す相手に求めているのはこのような共感的な態度です。

もし愚痴を言ったら、

「でもそれアンタが悪いじゃん」
「努力が足りなかったんじゃない?」

と返されたらどう思うでしょうか。

もしそれが正論であったとしても、愚痴を吐き出したことでストレスが解消される事はないでしょう。むしろストレスがより溜まってしまうかもしれません。

自分もストレス解消になっていないし、相手も愚痴を聞かされてストレスが溜まっただけです。これでは愚痴を言った意味がありませんね。

こうならないように、愚痴を言う相手は「共感してくれそうな人」と選ぶ必要があります。

Ⅳ.愚痴を聞いてもらったら必ず感謝を伝えよう

愚痴というのは基本的にはネガティブな話になります。

「上司から怒られた」
「こんなイヤな事があった」
「こんな辛い事があった」

という話になり、明るい話やワクワクする話はありません。ネガティブな話を一方的に聞き続けるというのは、精神的に結構負担がかかるものです。

でも、あなたの苦しみを少しでも取ってあげたいから、相手はあまり気分の良くない話を聞いてくれているのです。あなたはその事に感謝しないといけません。

愚痴を聞いてもらったら

「今日は話を聞いてくれてありがとう。すっきりしたよ」
「愚痴を全部吐き出せたおかげで、前向きな気持ちも持てそうだよ」

と必ず感謝の気持ちを伝えてください。

感謝の気持ちを伝える事で、相手も「人の役に立てた」という気持ちを持つ事ができます。そうすれば、相手も少し気分が良くなるはずです。

Ⅴ.他のストレス解消法も少しずつ身につけよう

愚痴は、話す事ですぐにストレス解消の効果が得られます。手軽に行う事ができ、またすぐに気持ちを落ち着かせられるという点では優秀なストレス解消法になります。

しかしこのストレス解消法はデメリットも小さくありません。

相手にも多少のストレスをかける事、過度に愚痴を言い過ぎれば逆効果になり長期的には余計ストレスが溜まる事、愚痴ばかり言うクセがついてしまうと努力しなくなってしまう事など、その弊害も無視できるものではありません。

そのため、ストレス解消法の1つとして「愚痴」を併用する分には問題ありませんが、他のストレス解消法も取り入れたり、そもそもストレスが溜まりにくいような環境・考え方にしていったりと他の工夫も取り入れていく必要があるでしょう。

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