陰口を言われたらどうする?陰口の心理と気にしないための考え方

当サイト「せせらぎメンタルクリニック」管理人の診察を受ける事ができます。
この記事を書いている先生の診察を受けたいという方は「受診のご案内」をご覧ください。

陰口で傷付いた時の考え方

陰口は、ある人に対する悪い情報を、その人がいないところで周囲に伝えるという行為です。

周囲に自分の悪い情報を言いふらされるため、言われた側にとっては気分の良いものではありません。

「職場での陰口がひどく、仕事に行くのが辛い」
「どうしたら陰口をやめてもらう事ができるのだろうか」

このように陰口を気に病んでしまう方は多くいらっしゃいます。

陰口は面と向かって言われるものではないため「そんなの気にしなければいい」と言う方もいらっしゃるかもしれません。しかし実は陰口というものは、直接言われないからこそ、不安が掻き立てられやすい性質があるのです。

残念ながら陰口をなくす事は出来ません。あなたがどんなに日頃の行いを正したとしても陰口を言う人は必ず出てきます。「陰口を言われないような生き方をしよう」と自分が陰口に合わせるという対処法をとってしまう方が多いのですが、この方法を続ければいずれ無理が生じます。

陰口はただの「ゆがんだストレス解消法」に過ぎません。その内容がいかに正論であったとしても根本にあるのは、陰口を言う事で他者を間接的に攻撃してスッキリしたいだけなのです。

だから、そんなものであなたのこころが傷付いてしまうのは、とてももったいない事です。

では陰口を言われたらどのように考えていけばいいのでしょうか。ここでは陰口を言われた時の考え方について紹介させて頂きます。

スポンサーリンク

1.陰口はただのストレス解消である

陰口を言われたとき、絶対に忘れてはいけない事があります。

それは、陰口というものは、発した人が「ストレス解消」したいがために発されているに過ぎない、という事です。

陰口はまるで「あなたが悪いからいけないんだ」と言わんばかりにあなたを襲ってきます。しかし、例え陰口の内容が事実であったとしても、陰口を言われた人にも非があったとしても、「陰口」として発される以上、その目的はただのストレスの解消なのです。

陰口の内容がもし正論であったとしても、それが相手に適切に伝わらなければ本人のためにも周囲のためにもなりません。本人のいないところで、本人に伝わらないように、ただ間接的にその人の評価を落とすような行為をしているだけである陰口は、発した人のストレスが解消されるという効果しかもたらしません。

だから、もしあなたが陰口を言われたとしても、「全部自分が悪いんだ」と考えてはいけないのです。陰口を聞くとつい「自分が悪いから陰口なんて言われるんだ」「陰口を言われないように自分を正そう」といった気持ちになってしまいがちですが、「陰口はただのストレス解消に過ぎない」という事は忘れないでください。

もし相手の言動に何か問題があり、「これは放置しない方があの人や周囲のためだ」と考えるのであれば、本人に直接言うとか、仕事関係であれば上司に相談するとか、どうしても合わなければ距離を取るとか、お互いにとってより生産的な方法はあるはずです。

しかし陰口は、その内容は当人に伝わらないという前提で発されます。伝わったとしても「〇〇さん達が××のような事を言っていたらしい」という不確かな情報になります。そのため、その陰口を聞いても、具体的に自分の何が問題で、どう改善したら周囲は納得するのかが全く見えないのです。

状況は何も改善されず、ただ発した人のストレスが一時的に解消されるのが、陰口なのです。

スポンサーリンク

2.陰口はなぜなくならないのか

残念ながら私たち人間が集まって生活をすれば、陰口から逃れる事は出来ません。

生産性のない行為であるにも関わらず、陰口がこの世からなくなる事は決してありません。

どうしてでしょうか。

それは陰口は、

  • 簡単に出来て
  • 仲間意識という安心感も得られて
  • 自分が傷付かない

ストレス解消法だからです。

実は陰口は、とても簡単に行えて、リスクも少なく、満足感も得やすいストレス解消法なのです。そのためストレスが多い社会になればなるほど、陰口が発される頻度も多くなります。

私たち人間はお互いが異なる価値観や考え方を持って生きています。そんな人間が一緒になれば当然価値観や考え方の違いから衝突する事が出てきます。

この時、「お互いの意見をしっかり話し合う事で理解しようとする」という方法はもっとも建設的な方法です。話し合ってお互いに一定の理解が出来ればストレスだって感じにくくなるでしょう。

しかし一方で、これは非常に精神力や忍耐力の必要な作業です。また意見のぶつかり合いの中でお互いが傷付く事だってあります。更に労力を使って一生懸命頑張っても、結局分かり合えないという事もあります。

でも陰口なら、このような労力は必要ありません。相手がおかしいと結論づけて攻撃する事で簡単にストレス解消をはかれます。また同じようにその人に不満を持つ人と共感が得られれば仲間意識から満足感や安心感も得られます。

間接的に相手を攻撃しているわけですから、反撃を受ける事もなく、自分が傷付く事もありません。

このように陰口によるストレス解消は、お手軽でデメリットも少なく、満足感も得られるような一見理想的な方法なのです。

しかし、もちろんそんなにうまい話はありません。

陰口によるストレス解消法は、確かにお手軽でメリットの多いストレス解消法ですが、それはあくまでも短期的に限った話です。

いつも人の陰口ばかり言っていると、最初は共感してくれた人も「次は私も陰口を言われるのではないか」と考えだします。また陰口を聞くというのはあまり気分の良いものではないため、陰口ばかり言っている人からは次第に人は離れていくのです。

その結果、長期的に見ればよりストレスがたまる環境に自分を追い込んでしまうのです。少し考えればこれは分かる事なのですが、現在のストレスをとりあえず解消したいという方はそこまで考えずに行動してしまいます。

つまり、陰口によるストレス解消という方法を選んでいる人は、自分の中に溜まったストレスを自分を傷付けず、簡単な方法で解消させたいと短絡的に考えている傾向があるのです。

3.「みんな言っているよ」を信じてはいけない

陰口を言われている事に気付いて、本人に問い詰める人もいるでしょう。

そのような時に、よく使われる言葉があります。

それは、

  • 「みんな言ってるよ」
  • 「あなた最近周りで評判悪いよ」

といったものです。陰口は発したその人だけの意見なのではなく、皆の総意なのだ、という言い方です。

私たち人間は、孤立する事(孤独になる事)に強い恐怖を覚えます。そのため「皆から嫌われている」「皆から文句を言われている」と聞くと怖くなってしまい、相手の言う事が正しいと考えてしまいやすくなります。

しかしこの言葉を信じてはいけません。逆にこの言葉が出てくれば「あぁ、この人は私のためを思っているわけではなく、ストレス解消で言っているだけなんだな」と考えても良いくらいです。

あなたの周囲にいる皆が同じような意見だなんてそんな事は極めて稀です。その上、本当にその人は1人1人に同じ意見である事を確認したのでしょうか。確認したとしてもそれは本当に皆の本心なのでしょうか。

「みんな言っているよ」には2つの意図が含まれています。

それは、

  • 「皆」を味方につけていると思わせる事で「あなたが間違っているのだ」と言いたい
  • 「周囲から悪い評価を受けている」という恐怖を持たせることで、相手をコントロールしたい

といったものです。

一見すると「これは全員の意見なのだから、あなたのためを思って言っているんだよ」と言っているように見えますが、実は陰口を正当化させ、あなたを支配しやすくするために「皆」「周囲」を都合良く使っているに過ぎません。

本当にあなたに非があってそれを治して欲しいのであれば、周りがどうではなく、「私はあなたにこうして欲しいと思っている」と誠意を持って伝えるべきです。

そうせず、「私はいいんだけど皆がね・・・」という言い方をしているのは責任逃れをしているという事です。また「皆があなたの事を悪く思っている」という事を伝え、それを強制力としてあなたに言動を改善するよう暗に要求しているわけです。

4.陰口は間接的に言うからこそダメージになる

陰口を言われても「気にしなければいい」「取り合わなければいい」と考える方もいらっしゃるでしょう。

もちろん、気にしない事ができるのであればそれが一番です。しかし、実は陰口はとても破壊力のある言葉であり、「どうしても気になってしまう」という性質があるのです。

陰口は直接ではなく間接的に相手に伝わります。あなたが陰口を言われて辛いと感じている場合、その陰口は発した本人の口から直接聞いたものではないはずです。そしてこの「間接的に伝わる」というのが問題なのです。

なぜ間接的に相手に伝わると破壊力が増すのでしょうか。それは間接的であればあるほど不確かな部分が多くなるためです。

不確かな部分は自分で想像しなければいけません。私たちはそれを実際よりも悪い方向に考えてしまいやすいため、必要以上にダメージを受けてしまうのです。

例えばあなたの友人が直接あなたに「君のここはおかしいと思うから治して欲しい」と言ってきた場合と、陰で「あいつの〇〇なところって本当におかしいよな」と言っていた場合を考えてみましょう。

どちらも傷付く事に変わりはありません。

しかし直接言ってもらえると、「少なくとも友人は私の〇〇というところを良く思ってないんだ」と原因が具体的に分かります。

文句を言っている相手が目の前にいるわけですから、直接「どうおかしいの?」「自分はこう思うからやっているんだけどダメかな?」「じゃあこうするのはどう?」と話し合う事もできます。

相手の言い分に納得できれば、文句を言われた部分を治そうと思えるでしょう。また話し合って「君はそういった理由でやっていたのか。ならいいんだ」と相手に理解してもらえるかもしれません。

いずれにせよ、相手の不快な気持ちを解決する方法が、見えやすくなるわけです。

一方で間接的に言われた場合を考えてみましょう。あなたが「どうやら友人が自分の陰口を言っているらしい」という事に気付いたとします。

この時、「友人は自分の何が気に入らないんだろう」「他のみんなも同じように思っているのだろうか」と不確かな事がたくさん出てきます。

陰口を言われてネガティブな気持ちになっていると、考え方もネガティブになってしまうため、「友人は自分のすべてが嫌いなんだ」「他の人も同じように私を不快に思っているのだろう」と悪い方向に考えやすくなってしまうのです。

そして何よりも不確かな点が多い情報ですから「自分の何が悪いのか」「何をどう治せば周囲は納得してくれるのか」といった事が見えないため、苦しいのに解決策が分かりません。

解決策も分かりませんから、苦しいのにどうする事も出来ないのです。

どちらの方がこころに対するダメージが大きいかは明らかです。

5.陰口を気にしないための考え方

陰口を言われれば誰だっていい気はしないでしょう。それどころか大きく傷付いたり、人間不信になってしまうかもしれません。

しかし今まで説明してきたように陰口というのは相手のためを思っての言葉ではありません。基本的にただのストレス解消であり、自分が気に入らない相手を傷付ける事で気持ちを楽にしたいというのが本心です。

陰口を言われると自分の人間性の全てを否定された気持ちになるかもしれません。自分には味方はいないんだと孤独感に襲われるかもしれません。

しかしそれは陰口を言った人からのそういう攻撃なのです。言った相手は無意識でやっている事も少なくありませんし、軽い気持ちで発している事がほとんどですが、今まで説明したように「みんなあなたを嫌っている」「あなたが全て悪いのだ」と考えやすくなるように仕向けられているのです。

しかしその本質は、相手を傷つける事でストレス解消をしたいというただそれだけの目的に過ぎません。

そのため陰口を真正面から受ける必要なんてないのです。

とは言っても陰口を言われるのはいい気はしませんよね。では最後に、陰口を言われている事に気付いたらどのように考えていけばいいのかを紹介していきます。

Ⅰ.陰口は無くならない

まず陰口に対する基本的な心構えをお伝えします。

私たち人間が「嫉妬」「妬み」といった感情を持つ生き物である以上、陰口が無くなる事はありません。どんなに素晴らしい人間でも、優しい人でも、陰口は言われてしまうのです。

「陰口を言われないようにする」という事は不可能です。もちろん、相手を不快にさせないような最低限の常識やマナーは必要ですが、それが出来ても陰口がなくなる事はありません。

つまり陰口を言われないように努力するのはあまり意味がなく、陰口をどう受け流していくのかを考えるべきになります。

真面目な人ほど「陰口を言われる自分にも原因があるのではないか」といった考え方をしてしまいます。もちろんこのような考え方も多少は意味があるのですが、陰口はそもそもがストレス解消で行われるものですので、「自分が悪いから治さないと」という考え方だけで対処しようとしてしまうと、解決策が見えずに苦しみ続ける事になります。

そうではなく「陰口はただのストレス解消に過ぎない」という考えを基本に持ち、「陰口でしかストレス発散が出来ないなんてかわいそうだな」という考え方をするようにしましょう。

その上で「自分にも非がありそうだからそこは改善しようかな」と自分で思える点がもしあれば、陰口を発している相手のためではなく、自分がより良い人生を送るために、出来る範囲で改善を試みればいいのです。

Ⅱ.冷静に受け止める

陰口を言われると、誰でも不快に感じるものです。場合によっては怒りや悲しみといった感情から衝動的になってしまう事もあるかもしれません。

しかしそうなっては相手の思うツボです。まずは陰口の内容を出来るだけ冷静に受け止めましょう。

それがあなたが努力しても解決しないような内容であったら、取り合う必要はありません。

「あいつチビのくせに」
「ブスのくせに」
「うるさいババアだ」

汚い言葉の例を出してしまって申し訳ありませんが、このような内容であった時点でその陰口は明らかにただのストレス解消であり、人の心を傷付ける事でストレス解消をするという極めて低質な行為です。

このような陰口に取りあう必要はありません。「こんな陰口を言うしかできないなんてかわいそうな人だ」と考えるようにしましょう。このような陰口の場合、あなたには全く非はない事がほとんどです。

同様に、内容があいまいな陰口もあまりまともに取り合う必要はないでしょう。

「あいつはすべてがダメだ」
「あいつはみんなから見放されている」

このように「すべて」「みんな」などあいまいな言葉を使うのは、相手のためを思っての発言ではありません。対象をぼやけさせる事で自分の言葉がさも真実かのように見せたり、相手の不安をあおろうとしているだけです。

すべてがダメな人なんていません。その人はあなたの全てを知っているのでしょうか。職場での一面だけを見てその人の全てを知った気になっているなんてあまりに視野の狭い発言です。

「皆」が全員同じ意見だという事はまずありえません。世の中には色々な考え方の人がいますし、あなたの周囲だってそれは同じです。

一方で内容が具体的であって、思い返せばあなたにも思い当たる節があるような陰口の場合、「陰口」というやり方はあまり感心できませんが、その内容は「多少」は、聞く耳を持ってもいいかもしれません。

なぜならばその事であなたが多少なりとも周囲を不快にさせてしまったのは事実である可能性があるからです。それを可能な範囲で改善する事はあなたのためにもなります。それは生産的な事です。

しかし陰口という方法が取られている以上、ストレス解消で発されている可能性は高く、すべてを真正面から取り合う必要はありません。

Ⅲ.直接話せる相手だったら直接話す

基本的に陰口はストレス解消で行われるものですので、あまり取り合う必要はありません。

しかし陰口を言われるとイヤな気分になり、モヤモヤが取れないという事もありますよね。

このような場合、もちろん状況によりますが、陰口を言っていると思われる相手と直接話せそうな場合は、やはり直接話す事が一番です。

先ほども説明した通り、直接話す事は問題の具体化にもなるし、お互いの誤解を解ける可能性もあるからです。

直接話した結果、その陰口がただのウワサに過ぎなかったという事もあります。自分が想像していたのと全く違う内容であったという事もあるでしょう。

直接話す際も、大切なのは「具体性」です。曖昧な言葉はただ相手の不安をあおり一時的なストレス解消になるだけで、根本的には何も解決してくれません。

せっかく話し合う場を設けても、「そんなの自分で考えれば分かるだろ」「君の何が気に入らないかは言いたくない」など曖昧な言葉しかもらえないようであれば、それは陰口と同じです。

直接話しても具体的な言葉が出てこない場合は、ただのストレス解消で言っているだけの可能性が高いため、それ以上取り合う必要はないでしょう。

Ⅳ.直接話せない場合は信頼できる他者に相談する

相手によっては、その人と直接話せないような時もあると思います。

そのような時はどうすればいいでしょうか。

このような時は自分をよく知ってくれている第三者に相談する事をお勧めします。

この時に相談する相手は、陰口を言っていた相手と似た関係の方がいいでしょう。例えば友人から陰口を言われたのであれば信頼できる親友に相談に乗ってもらった方がいいでしょうし、職場で陰口を言われたのであれば、信頼できる仕事の同僚に相談に乗ってもらうのが良いでしょう。

その方が陰口を言われた状況についてより正確にイメージしてもらえるからです。

信頼できる人に、「陰口を言われているようで、傷付いている」という事を打ち明け、自分の言動に何か問題があるのか、客観的な意見が欲しいと相談してみましょう。

あなたが人によってあからさまに態度を変える人でなければ、本当にあなたの言動に問題がある場合は、その信頼できる人もその問題をある程度認識しているかもしれません。

そこで「確かに君は〇〇な部分があるから、そこは少し気を付けた方がいいかもね」とアドバイスを受け、自分も納得できればその点は改善するように努めればよいのです。

しかしこれは必ず自分を変えなければいけないというわけではありません。「そうかもしれないけど、それにはこのような理由があるんだ」という信念がある場合は、もちろん自分の判断でそれを優先させる事は問題ありません。

ただし、その際「自分は理由があってこのような言動をするけど、それは相手を不快にしてしまう事もある」という事は学んでおくと、今後に生かせるでしょう。

反対に「そんな陰口を言われる人には私は見えない」と言われたのであれば、その陰口はただのストレス解消であった可能性が高くなります。その信頼できる人の言う事が絶対ではありませんが、相手に直接話せない以上、自分が出来る事は「自分で自分の問題点を振り返る事」と「信頼できる人に問題点がないか見てもらう事」くらいです。

それをしても問題点が検出できなかった場合、それ以上深く悩んで苦しむ必要はないでしょう。

元々、陰口はあまり生産的でない不毛な行為です。そこから生産性を生み出す事には限界がありますので、必要以上にとらわれる必要はないのです。

「陰口は言われたかもしれないけど、信頼できる人は自分の事を受け入れてくれているし、それで十分だろう」と考えるようにしましょう。

信頼している人に相談する時の注意点としては、「もし何か指摘を受けたら、それが不快な事であっても真摯に受け止める」という覚悟を持つ事です。もし受け入れられないのであれば相談すべきではありません。

でないと意を決してあなたに言いずらい事を言ってくれるその人に失礼になってしまいます。

スポンサーリンク
こちらの記事も是非ご覧下さい