心配性が生じる心理と心配症を克服するために大切な7つの考え方

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世の中には様々な性格の人がいます。

性格に優劣はなく、どのような性格の方もそれぞれに一長一短があり、良い面もあれば良くない面もあります。「この性格の人は優れている」「この性格の人は劣っている」と一概に言えるものではありません。

しかし性格のかたよりが極端すぎる場合、本人が苦しむ事になったり周囲とトラブルになってしまいやすくなるという事は多いようです。

精神科領域で言うと、患者さんから良く相談される性格に「心配性」があります。

「心配性ってどうすれば治りますか」
「心配性な自分が嫌いなんです」

このように、みなさん心配性を悪い性格だと考えているようです。

しかし心配性という性格も他の性格と同じで、良くない面も確かにありますが良い面だってあります。

心配性で悩んでいる方は「心配性である自分をすべて変えたい」と考えてしまう傾向がありますが、心配性の全てを否定してはいけません。自分の心配性にはどんな良い面があって、反対にどんな困った面があるのか、良い面と悪い面を公平にしっかりと見直してみることが大切です。その上で良い面はそのまま残しつつ、問題となってしまう面だけを修正していけば良いのです。

今日は「心配性」の心理を深く見ていき、心配性を改善・克服するためにはどのような方法があるのかを考えてみましょう。

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1.心配性ってどういう性格なの?

心配性というのは、どのような性格なのでしょうか。まずは心配性の心理を深く見ていきたいと思います。

そもそも心配性の方の根本にある「心配」というのは、一体何者なのでしょうか。心配性は悪い性格のように考えられがちですが、この心配も悪い感情なのでしょうか。

そんな事はありません。

心配というのは、未確定な未来について気がかりに思う正常な感情であり、安全に生きていく上で欠かせない感情の1つです。

私たちは現在から未来に向かって日々生きていますが、未来がどのようになるのかを知ることが出来ません。どうなるのか分からない未来に対して、「大丈夫かな」と気がかりに思う事は何もおかしい事ではありません。むしろ、正常な反応でしょう。

例えば明日の天気は、天気予報などからある程度の予測は出来ますが、どんな天気になるかを100%言い当てる事は誰にも出来ません。明日に楽しみにしているイベントが控えていたりすれば、明日の天気についてある程度気がかりに感じるのは当然のことでしょう。

むしろこのような心配があるからこそ、「雨の場合を考えたプランを立てておく」「雨が降っても大丈夫なように雨具を準備しておく」といった対策を取れるわけです。これは安全に・計画的に生きていく上で大切なことですので、心配することで得られるメリットというのも大きいことが分かります。

このように「心配」という心理は正常の心理であり、何も異常なものではありません。

心配が異常なものでない以上、心配性というのはただ心配をする性格ではありません。心配をするというのは普通の性格でも見られることだからです。

では心配性というのは一体どのような性格なのかというと、心配の程度が一般的な水準よりも強すぎる性格の事になります。どんな性格でも、その傾向が極端になれば何らかの問題が生じるものですが、心配性もそれは同じです。

生きていく上で必要な感情である「心配」も、過剰になってしまうと様々な問題が生じるようになってしまうのです。

心配しすぎるあまり、

  • 心配にとらわれてしまって心に強い苦痛を感じてしまう
  • 心配しすぎることで生活に支障が生じてしまう
  • 心配しすぎることで対人関係でトラブルを起こしてしまう

といった場合は、その心配は過剰であり「心配性」と呼んでもいいかもしれません。

例えば、精一杯の勉強をした上で試験に挑んだとします。楽天家の人は「きっと受かっているだろう」と考えます。普通の人は「受かったかもしれないし落ちたかもしれないし、結果が出てみないと分からないな」と考えます。心配性の人は「きっと私は落ちている」と考えます。同じような試験の出来でも楽天家の人は問題を解けたところばかりに目を向けます。反対に心配性の方は問題を解けなかったところばかりに目を向けてしまいます。

心配性の方は「自分は落ちたに違いない」と心に苦痛を感じ、試験の結果が気になって生活に必要な活動に手がつかなくなってしまう事もあります。

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2.なぜ心配が過剰になってしまうのか

心配性の人は、心配という正常な感情が過剰になってしまう事で様々な問題が生じます。

では心配性の方の心配は、どうして過剰になってしまうのでしょうか。

その原因は1つではありません。しかし精神科医として心配性で困っている方のお話を聞いていると、心配性の人はある傾向を持っている方が多い事に気付きます。

心配性になってしまう原因として多い原因を紹介します。

Ⅰ.自尊心が低い

将来に対して過剰に心配してしまうのが心配性ですが、より具体的に言うと心配性の方は将来に対して「悪い結果になるのではないか」という心配が過剰になります。

ある試験を受けて、その合格の可能性が50%、不合格の可能性が50%だという手ごたえであれば、通常の人は多少の心配は抱えつつも「落ちているに違いない」とまでは考えません。しかし同じような出来でも、心配性の方は「きっと落ちているに違いない」と考えてしまいます。

これは自分に自信がないことが一因です。このような思考は自尊心が低いと生じやすくなります。

自尊心というのは、「自分に価値があると思える気持ち」「自分を大切だと思える気持ち」の事です。

自尊心は、自分が安心して存在できるような環境に身を置くことで少しずつ形成されていきます。私たちは幼少時代、両親の温かい愛情に包まれて育っていきます。両親に守られながら、自分の存在を大切にしてもらい、自分の意見や考えを尊重してもらえるような環境の中で「自分は価値があるんだ」「自分は大切な存在なんだ」と無意識に感じ取っていくのです。

この過程を十分に踏めていない場合は、自尊心が十分に育ちません。

例えば「アダルトチルドレン」と呼ばれるような機能不全家族(十分に機能していない家族)の元で育てられた子は、幼少期に十分な愛情を受ける事が出来なかったために自尊心が十分に育っていないという事があります。

幼少期から、

  • 両親が喧嘩ばかりしていた
  • 親から暴力・暴言を受けていた
  • 「お前なんていなければいいのに」など存在を否定されるような言葉を受けていた
  • いつも親の顔色をうかがっていた
  • 親に甘えた記憶がない
  • 親に自分の意見を聞いてもらった事がない

といった家庭で育てられた場合、自尊心は未熟になりがちです。

また他にも、ひどいいじめにあったり、自分の存在を強く否定されるような出来事を経験してきた人も自尊心が低下してしまっていることがあります。

Ⅱ.自分でコントロールできる事とできない事を区別できていない

心配性になりやすい方は、自分でコントロールできることとコントロールできない事をまとめて抱えこんでしまいます。

生きていると、自分の力で何とかできることと、自分の力ではどうとも出来ない事が出てきます。この時、自分の力ではどうも出来ない事をいくら頑張ろうとしてもそれは徒労に終わってしまうだけです。両者をしっかりと見極め、自分に出来る事のみに焦点を当てる事が大切です。

例えばある試験に合格したいと考えた場合、それを達成するために自分がコントロールできる事というのは「試験範囲を知る事」「その試験範囲をしっかりと勉強して理解する事」「試験範囲を何度も復習する事」などになります。これは自分が努力すれば出来る事で、行うことで合格率を高めることができます。

一方で、「試験問題そのものを知る事」や試験後に「受かったかどうかをすぐに知る事」は自分の力ではコントロール出来ないことで、努力する意味がないことです。ここに対していくら心配しても、それは無駄なことであり、そんなことをする時間があるのであれば、自分の力で出来る事を努力する方が有意義です。

通常の人は自分がコントロールできる事を全力で行うことで自信を付け、心配を少なくさせます。コントロールできない事に心配を感じても、コントロールできる事を一生懸命やる事で自信がつくため、心配は自信によって相殺されるのです。

しかし心配性の方は、自分がコントロールできる事と出来ない事を明確に区別できていないため十分な自信を得る事ができなくなります。すると自信よりも心配が上回ってしまい、心配ばかりしてしまうようになるのです。

Ⅲ.人を信用できない

心配性の方は、心の底ではなかなか人を信用できない方が多いようです。

「大丈夫だよね?」と人に聞いて、人が「大丈夫だよ」と言ってくれてもその言葉を心から信用できないため、心配を払拭する事ができません。その結果、何度も何度も同じことを相手に確認してしまい、トラブルとなってしまう事もあります。

確かにどんな人であっても、常に100%正しい事を言えるわけではありませんから、「〇〇さんが大丈夫だといったけど、本当に大丈夫かは分からない」というのは真実ではあります。しかしこのような傾向が強いと心配性になりやすいのもまた事実です。

反対に「〇〇さんが大丈夫だと言っているんだから、大丈夫」と信頼できる人は、心配性になりにくいと言えます。

Ⅳ.頭で考えすぎて行動が出来ない

いくら頭で考えても、実際に行動してみないと分からない事というのはたくさんあります。

心配性の方は頭で考えてる段階で多くを心配しすぎてしまうため、なかなか行動に移す事ができません。行動に移さないとどうなるのかの結果が分からないため、更に心配ばかりが高まっていきます。

いくら入念に考えても、頭で考えている段階で心配が100%払拭されることはありません。実際に行動してみないと分からない事も多いのです。

一方で行動を起こすスピードが速い方は、成功するにせよ失敗するにせよ結果が分かるため、心配がどんどんと強まっていくことはあまりありません。

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